米雇用統計後の株急落、利益確定の背後に構造変化も
[東京 7日 ロイター] -3月米雇用統計後の米株安は単なる利益確定売りではない可能性があるとして、市場で警戒する声が出ている。下落率をみると、最近上昇していた銘柄よりも、軟調だった銘柄の下げの方が大きかったためだ。足の速い資金が逃げ出しているとの指摘もある。
米株がいったんピークを打ったとすれば、米金利も上昇しにくくなる。日本株へのシフトも期待されるが、円安が伴わなければ、日本株の上値は重くならざるを得ない。
<米株はファストマネーの退却か>
3月の米雇用統計はそれほど悪くなかったというのがエコノミストのほぼ一致した見方だ。非農業部門雇用者数は19万2000人と市場予想の20万人をやや下回ったが、1─2月の数値が上方修正されたことで、むしろ寒波の影響は大きくなく、米雇用の改善傾向が続いているとの認識が定着しつつある。
だが、前週4日の米株は急落。雇用統計が発表された直後は買われ、ダウ.DJIとS&P.SPXは一時、最高値を更新したが、買いが一巡すると一気に崩れた。ダウは159ドル安、ナスダック.IXICは2.6%安と、2月以来の大幅な下げを記録した。
米雇用環境が堅調であるにもかかわらず株安が進んだのは、高すぎた市場の期待値に届かなかったことで、利益確定売りが出たため、との見方もある。ダウやS&Pは過去最高値圏にあり、短期的な過熱感があった。欧州株などは全般的にしっかりしており、世界的にリスクオフムードが広がったわけではない。
ただ、4日の米株市場で売られた銘柄をみると、通常の利益確定売りのパターンとは違う傾向が出ていた。単なる利益確定売りであれば、最近、上昇していた銘柄への売りが強まるのが一般的だ。だが、4日の米株市場では直近、上昇していた半導体関連株などよりも、最近軟調だったバイオテクノロジー株やモメンタム銘柄の下落率が高かった。
ナスダック・バイオテクノロジー株指数は2月につけた最高値から約18%下落していたが、4日の市場ではインデックスを上回る4.1%の下落。最近、軟調だった電気自動車大手テスラ・モーターズ(TSLA.O: 株価, 企業情報, レポート)や交流サイト(SNS)大手のフェイスブック(FB.O: 株価, 企業情報, レポート)などモメンタム銘柄(短期的な人気を集める一種の材料株)も一段安となった。バイオ株については「昨年相場を押し上げたファストマネーが抜けてきている」(国内証券米担当者)との声もある。 続く...