純喫茶コレクション

好きなものは、昭和の香りがするもの。  純喫茶に恋をして、もうかれこれ数年。  部屋にあふれる昔のレトロな雑貨たち。  そんな風に大好きなものたちを紹介していけたら。

東京・池袋・耕路(2014年3月31日閉店)

こちらのブログを始めたおかげで、自分がなかなか行くことの
出来ない地域の喫茶店の閉店情報を、有難くも頂くことが増えた。

東京都内の純喫茶には多数足を運んでいるつもりでいるが、それでも
生活や勤務地の範囲から遠くなるにつれて、どうしても行く回数は減ってしまう。

大きな駅で言うと、池袋がそうだ。

渋谷、新宿、で用事を済ませてしまうことが多く、その先の池袋まで行くのは
多くて年に2、3回だった。今年に入ってからは今回が初めてだったように思う。

東口の大きな通りを渡って、すぐの小道にある純喫茶「耕路」のことは知っていた。
しかし、いつもちらりと見ては通り過ぎてしまい、そこでひと休みをしたことがなかった。

ここのところ、何人かの方に「耕路が3月末で閉店するそうだ」というご連絡を頂いていたが、
なかなか赴く時間もなく、閉店まで残り3日というところまで来てしまった。

その日は土曜日で、偶々出勤だったので三越前にいた。
乗換案内を見てみると、池袋までは20分少々で行けるとのことだったので駅へ向かう。

池袋があまり得意ではないのは、方向音痴である自分にとって駅の中が複雑であること、
いつ訪れても沢山の人の波に溺れてしまい、思うように進めないからだと思う。

この時ばかりは、徒歩数分の純喫茶を目指して真っすぐに進む。

何度か見掛けたことのある看板を目にしてほっとした。
こんなにも当たり前のようにこの風景に馴染んでいるというのに、閉店してしまうのだ。

ガラスケースの中に並べられているメニューサンプルを一通り眺めてから扉を開けた。

いらっしゃいませ、と元気の良い声に迎えられ、ぐるりと見渡すも、一階席は満席の
ようだったので、階段を指差し、二階へ上がる。二人掛けの小さな席を見つけ、そこへ座る。

二階席もほぼ満席で、奥のほうではこちらの店の閉店を惜しんで集まったであろう集団もいた。
馴染みの店がなくなってしまう寂しさを思いながら、メニューを眺める。

珈琲だけのはずが、美味しそうな写真につられてプリンも注文してしまった。
運ばれてきた水のグラスと紙おしぼりの載せられたトレイの色が同じで綺麗だ。

珈琲が来るまでの間、ぼんやりとした。
日常を過ごす人、閉店を惜しむ人、沢山の想いが特にこの数日間は溢れているのだろう。

店員のにこやかな笑顔と共に運べてきたプリンは正統派で、いつまでも眺めていたくなったが、
スプーンを入れると程良く固く、きちんと卵の味がしてとても美味しかった。

帰り際に、マッチ箱とコースターと紙ナプキンを頂いた。
どちらも店名が印刷されているオリジナルの素敵なデザインのものだ。

今まで訪問出来ず、最後に一度訪れただけだったが、また一つ街から純喫茶が消えてしまう
ことを寂しく思う。店を出てから再度振り返り、その風景を目に焼き付けた。

(2014年3月31日 閉店)

★住所:東京都豊島区南池袋1-22-8
★TEL:03-3985-5869

東京・池袋・耕路1

東京・池袋・耕路2

東京・池袋・耕路3

東京・池袋・耕路4

東京・池袋・耕路5

東京・池袋・耕路6

東京・池袋・耕路7

東京・池袋・耕路8

東京・池袋・耕路9

東京・池袋・耕路10

東京・池袋・耕路11

東京・池袋・耕路12

東京・池袋・耕路13

東京・池袋・耕路14

東京・池袋・耕路15

東京・池袋・耕路16

東京・池袋・耕路17

東京・池袋・耕路18

東京・池袋・耕路19

東京・池袋・耕路20

東京・池袋・耕路21

東京・池袋・耕路22

東京・池袋・耕路23

東京・池袋・耕路24

東京・池袋・耕路25

東京・池袋・耕路26

PageTop

東京・虎ノ門・ヘッケルン

18時まであと25分。

虎ノ門駅を出て、頻繁に時計に目をやりながら早足で歩く。

目指しているのは、虎ノ門と新橋の中間くらいにある純喫茶「ヘッケルン」。
昔ながらの味がするという巨大で美味しいプリンの有名な店だ。

その存在はもう随分前から知っていたが、営業時間の関係でなかなか行けずにいた。

どうにか辿り着いた時には、17時45分。
まだ灯りの点いている店内に一安心し、深呼吸をしてから扉を開ける。

にこやかな笑顔を向けて下さったマスターにまだ営業中かどうか尋ねる。
勝手に思い込んでいた18時閉店は勘違いで、19時までの営業だという。

「ゆっくりしていってよ」と笑うマスターに頷きながら、端の席に腰を下ろす。
出して頂いた水を一口飲んでから、いかに長い間こちらへ来たかったかを伝えた。

壁に貼られたメニューの文字を一通り眺めるも、注文するものは
プリンと珈琲のセットにしようと決めていた。本棚一杯のゴルゴ13に嬉しくなる。

運ばれてくるまでの間、マスターからこちらの店の歴史等様々な話を伺う。

著名な方や、近隣の企業の社長など様々な方が一息つきに来られるらしいが、
マスターの話の中で、特に印象的だったのは、「すごい人っていうのは、決して
偉ぶらないし、本当に細かいところまで気がつくものなんだよ」という言葉。

飲み終わった薬のパッケージを下げてもらう所作一つにも違いが出るらしい。
なるほど、と思いながら目で追っていたマスターも細やかな気遣いの人であろう、と
勝手ながら感じた。常連の方には「お父さん」と呼ばれることも多いらしい。

さて、肝心のプリンだが、「まさにこういうものが食べたかった」と強く実感するような
固さのしっかりした卵の味がきちんとする美味しいものだった。カラメルまで飲み干す。

もう一つ面白い話を聞いた。

事前に予約をすれば、予算と相談したマスターの手料理と共に
こちらの空間を貸し切れるらしい。
得意な分野はフレンチでも和食でも、というマスターの言葉が心強い。

純喫茶コレクション主催で「ヘッケルンで純喫茶ミーティング」を開催してみたいと
考えたのだが、もし企画したならこちらをご覧の方は集まって下さるだろうか。

そんな素敵な会が実現出来た際には、この日の話の続きでも皆さんとしてみたい。

★住所:東京都港区西新橋1-20-11 安藤ビル1S
★TEL:03-3580-5661 無料

東京・虎ノ門・ヘッケルン1_R

東京・虎ノ門・ヘッケルン2_R

東京・虎ノ門・ヘッケルン3_R

東京・虎ノ門・ヘッケルン4_R

東京・虎ノ門・ヘッケルン5_R

東京・虎ノ門・ヘッケルン6_R

東京・虎ノ門・ヘッケルン7_R

東京・虎ノ門・ヘッケルン8_R

東京・虎ノ門・ヘッケルン9_R

東京・虎ノ門・ヘッケルン10_R

東京・虎ノ門・ヘッケルン11_R

東京・虎ノ門・ヘッケルン13_R

PageTop

遅ればせながら2014年のご挨拶を

いつも純喫茶コレクションをご覧頂きまして、本当にありがとうございます。

あっという間に、というのは言い訳になりますが、
何だか一瞬のうちに2月を迎えてしまったような気持ちのこの頃です。

皆様、2014年をいかがお過ごしでしょうか?

2013年も大変お世話になりましたのに、
御礼が遅れましたことお詫び申し上げます。

振り返れば、昨年は憧れていた「東京蚤の市」のトークショーへの参加や、
幾つかのテレビ・ラジオへの出演、カフェでの素敵なイベントへのお誘い等、
喫茶店にまつわる楽しい出来事が沢山あり、とても幸せに過ごすことが出来ました。

これもひとえにこちらをご覧頂き、いつもあたたかい応援をして下さる皆様の
おかげだと感謝しております。改めまして有難うございます。

そして、マイペースながらこれからも純喫茶の魅力をこちらでお伝えしていけたら、と
思いますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。

ブログの更新頻度は少し落ちてしまっていましたが、春に向けてぽつぽつと
綴っていきたいと思います。ツイッターのほうは比較的更新しておりますので、
そちらも併せてご覧頂けたなら幸いです。

2014年度も、皆様の喫茶時間が穏やかで幸せなものでありますように。


今年訪れた素敵な純喫茶の写真を幾つか。

2014ギャラン 2014洋菓子ウエスト
上野・ギャラン、三越前・洋菓子ウエスト

2014アンヂェラス 2014門
浅草・アンヂェラス、日本橋・洋菓子門

2014あかしや 2014エース
五反野・あかしや、神田・エース

2014伯剌西爾 2014スマトラ
神保町・神田伯剌西爾、立会川・スマトラ

2014ユウザン 2014ミロンガ
立会川・ユウザン、神保町・ミロンガ


***************************************

当ブログ更新通知用のTwitterを登録しました。フォローやコメント、有難うございます。
たまにつぶやきます。どうぞよろしくお願い致します。
(アカウントは、『retrokissa』です。URLはこちら ⇒ 純喫茶コレクション

***************************************

***************************************

2012年春に、当ブログ『純喫茶コレクション』が書籍になりました。

詳細はこちらをご覧頂けると幸いです。→ 『純喫茶コレクション』書籍化のお知らせ

『純喫茶コレクション』 著者 難波里奈  PARCO出版 ¥1,680

【純喫茶コレクション】表【純喫茶コレクション】裏

書店でお見掛けの際には、是非手に取っていただけたら光栄です。

これからもきっと純喫茶に夢中なのでしょう。クリームソーダに憧れを今日も。
**************************************

PageTop

千葉・行徳・珈琲館 マイセン

喫茶店で迎える夕暮れ時がとても好きだ。

行徳駅で下車したのは初めてのことだった。
いつもの如くきちんとした理由や目的はなく、知らない街の散策がしたくなったのだ。

駅を出て純喫茶のありそうな方向へ歩く。
初めて見る景色はいつも胸が高まる。何でもない路地裏やそこで出会う猫たちにも。

ぐるりと一周して、目ぼしい喫茶店には出会えなかったのだが、
灯台もと暗し、改札を出たすぐ隣の建物に良さそうな喫茶店を見つけた。

店の名前は「マイセン」。素敵なコーヒーカップで珈琲が提供されるのだろうか。
見上げた看板は二階にあって、窓の向こうは程好い琥珀色に染まっている。

階段の下には大きく「水出し珈琲」いう文字が掲げられている。
階段と沿うように、船の絵が描かれた陶器が幾つも飾られている。

扉を開けると、想像より沢山の先客がそれぞれ寛いでいて、満席に近い感じだった。

先程下から見上げた窓の近くの席が空いていたので、そちらに腰を下ろす。

珈琲だけのつもりだったが、メニューを眺めていたら厚切りトーストも気になったので、
追加でお願いした。珈琲が運ばれてくるまでの間、店内の装飾品を眺める。

濃い色をした美味しそうな珈琲が湯気を立てて運ばれてきた。
トーストにはたっぷりバターが塗られていて、苺のジャムが添えられている。

そういえば、数年前に閉店してしまった押上の純喫茶「モカ」にて、
こちらと同じジャムを乗せるガラスの皿を頂いたことをふと思い出した。

あの純喫茶もスカイツリーのすぐ近くの二階にあって、窓からの眺めが好きだった。

気が付くと長居してしまい、閉店の時間が近いことを知る。
会計の為に出口へ向かうと、カウンターのこちら側に大きくて立派な水出し器が三台あった。

思わずマスターに色々と尋ねてしまう。マスターは穏やかな笑顔で、水出し器について
細かく教えて下さった。大震災で一台破損してしまったこと、今では修理をしてくれるところも
少なく大切に使用していること、ガラス部分はとても高価だということ・・・。

ちなみに店名の「マイセン」は前営業者より引き継いだものであるらしい。

看板と同じ字体で店名が描かれた(あいにくコーヒーカップの絵柄は無い)貴重なマッチ箱も
土産に頂いた。「またいらっしゃい」というマスターのあたたかな言葉と共に。

階段を下りるとすっかり夕暮れは終わり、夜が我が物顔でそこに存在していた。

★住所:千葉県市川市行徳駅前2-4−13
★TEL:047-357-4039

千葉・行徳・マイセン1

千葉・行徳・マイセン2

千葉・行徳・マイセン3

千葉・行徳・マイセン4

千葉・行徳・マイセン5

千葉・行徳・マイセン6

千葉・行徳・マイセン7

千葉・行徳・マイセン8

千葉・行徳・マイセン9

千葉・行徳・マイセン10

千葉・行徳・マイセン11

千葉・行徳・マイセン12

千葉・行徳・マイセン13

千葉・行徳・マイセン14

千葉・行徳・マイセン15

千葉・行徳・マイセン16

千葉・行徳・マイセン17

千葉・行徳・マイセン18

千葉・行徳・マイセン19

千葉・行徳・マイセン20

千葉・行徳・マイセン21

千葉・行徳・マイセン22

PageTop

神奈川・武蔵小杉・Monica(モニカ)

11月は、有難いことに純喫茶関連の様々なお誘いを頂き、
自分なりに一生懸命こなしているうちに終わりを迎えようとしている。

そんな慌しい日々でも、毎日どこかで珈琲は飲んでいて、やはり純喫茶で
過ごす時間は何よりもほっとするものだとしみじみ感じる。

10月末に惜しまれながらも閉店してしまった保土ヶ谷のトロンボへ出掛けた
帰りに、用事のあった沿線に見つけた喫茶店、モニカのことを綴りたい。

閉店間近のトロンボで時間の許す限り過ごし、また素晴らしい純喫茶の歴史が
幕を閉じることを、勝手ながら寂しく思いながら電車に揺られた。

用事の前にもう一杯どこかで珈琲を、と駅周辺を散策していた際にこちらを見つけた。

大きな通り沿いにあって、桃色のひさしの奥に見える琥珀色の空間が良い感じだ。

中へ入ると、カウンター席で常連らしき男性とママが談笑していた。

喫茶店で良く見掛けるこの光景が、私は好きだ。

チーズケーキと珈琲のセットをお願いし、邪魔をしないように
遠くの席でそれを眺めながら、会話をBGMに珈琲を頂く。

チーズケーキは近くのケーキ屋から毎朝仕入れているものらしい。
サイフォンで丁寧に淹れられた珈琲は、少し苦くてとても好みの味だった。

しばらくすると男性は店を出て行き、片付けの終わったママは入り口付近を
掃除し始め、店内には私一人になった。この放っておいてくれる安心感も嬉しい。

まだまだ長居したい気持ちをぐっと抑え、次の用事の時間を確認する為、時計を見る。

窓の外の大通りには、ひっきりなしに車が流れていく。
二度と会わないであろう人たちも。

店内に漂う珈琲の良い香りをもう一度吸い込んでから、会計をして店を出た。

10月の終わりだったが、風は冷たくてこれから冬が来ることを実感する。

★住所:神奈川県川崎市中原区新丸子東2-907
★TEL:044-433-1090

神奈川・武蔵小杉・モニカ1

神奈川・武蔵小杉・モニカ2

神奈川・武蔵小杉・モニカ3

神奈川・武蔵小杉・モニカ4

神奈川・武蔵小杉・モニカ5

神奈川・武蔵小杉・モニカ6

神奈川・武蔵小杉・モニカ7

神奈川・武蔵小杉・モニカ8

PageTop