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12月20日(金)「岩上安身による山下幸夫弁護士インタビュー」の模様を実況します。
山下弁護士は日弁連の共謀罪等立法対策ワーキンググループ副座長を務めています。
秘密保護法と共謀罪についてうかがいます。
岩上「政府は共謀罪を来年の通常国会には提出しないと言っているが、マスコミが提出の意向を報道した。出さないと言いつつチラつかせている。これはまさしくリーク」
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岩上「先日の安倍総理の会見でも、しきりに中国の防空識別圏問題を強調し、そのための秘密保護法と。山下弁護士はこの法案のどこが問題だと認識しているのか?」
山下弁護士「この法案は憲法、国民主権を侵害しているものだと思っている。主権者である国民の知る権利を規制するもの。国民主権は日本国憲法の一番コアな部分。安倍政権は憲法変えたいと言っており、この法案も一種の改憲」
山下弁護士「憲法の骨抜きと言っても良い。これが安倍政権のやりたいこと。憲法を変えずに実質的に変えていこうと。麻生副総理が言った『ナチスに学べ』をまさに体現している。ワイマール憲法も憲法自体は変えなかったのと一緒」
山下弁護士「米国では25年経つと原則として自動的に情報が開示される。日本もそうすべき。政権が間違ったことをしたのか、後世に判断できるように。ところがこの法案では原則60年だが7項目の例外は開示されないことになった」
山下弁護士「今回の法案では、国会に情報提供するよりも、外国に提供する方が遥かに要件が軽い。国民には情報を開示せず、外国には低いハードルで提供する」
岩上「法案成立後の動きについて。自民党は秘密指定の妥当性をチェックする機関について検討を始めた」
山下弁護士「普通順番が逆ですよね。自民党の議員は法案の中身をきちんと読んだ人が少なかったのだろう」
岩上「町村本官房長官は『個別の(秘密の)案件を国会で一つ一つ議論する国はない』と発言」
山下弁護士「一つ一つ議論する国はないだろうが、チェックはしている。議論という言葉で言い換え、ごまかしている」
山下弁護士「政府内に第三者機関を作るという議論があったが、最終的には第三者『的』機関と言い出した。『的』ということは第三者機関ではないということ。さらに政府内にあっては本当に独立しているとはいえない」
岩上「さらに自民党は海外の制度の運用状況を視察するため、公明、日本維新の会、みんなの党とともに来年1月12日からドイツと英米の3カ国を訪問することを決定。これも普通、成立前にすべきこと」
岩上「内部告発経験者4人が18日、秘密保護法は『不正をただすために内部告発をしようと思う人を萎縮させる』として、公益通報者保護法を早急に改正して通報者をより手厚く保護することを消費者庁に要請 した」
山下弁護士「もともと公益通報者保護法という内部告発者を保護する法律があったが、不十分だと言われていた。さらに秘密保護法には内部告発者を保護するという観点は全くない」
山下弁護士「懲役10年を覚悟して内部告発する人がいるか。現行の国家公務員法では懲役1年。かなりのプレッシャーになり萎縮効果がある」
岩上「来年の通常国会に秘密保護法の廃止法案を提出する方針を示した」
山下弁護士「民主党は数が少ない。数の論理で残念ながらこの廃止法案は国会で審議されないだろう。しかしこうした姿勢を打ち出し続けることが重要」
山下弁護士「しかし今安倍総理が焦ってテレビに出まくっているのは、国会終盤の秘密保護法の審議の強行姿勢が、国民の不満不信を買ったから。これは安倍政権も予想外だっただろう」
岩上「秘密保護法の作成の中心人物である礒崎陽輔内閣総理大臣補佐官がFCCJで記者会見した。彼は以前『立憲主義なんて聞いたことがないと』と発言」
山下弁護士「びっくりした。憲法の一番始めに習うのが立憲主義」
山下弁護士「安倍さん石破さんは法案を分かっていない上で発言していたが、礒崎さんという人は法案を全て分かった上で発言している重要人物」
岩上「礒崎議員は会見で『原発やTPP情報は含まれない』『ジャーナリストを処罰対象とはしていない』『では、この法で何が変わるか。国家公務員では懲役1年だったものを10年にした。ようはこれだけだ』と発言」
岩上「しかし会見後半に『唯一、一般国民が罰せられることがあるとしたら、特定秘密だと認識した上で秘密取扱者に漏洩を唆(そそのか)した場合だけ』と述べ、一般国民も処罰対象だと認めた」
山下弁護士「ここが一番の問題。『国家公務員では懲役1年だったものを10年にした。ようはこれだけだ』というなら、国家公務員法を改正すれば良いだけ。なぜ新しい法律を作ったのか。それは条文の『特定取得行為』にある」
山下弁護士「秘密を持っている人から秘密を得ようとする行為を罰するもの。秘密を持っているのは公務員。では秘密を取得しようとする、秘密を持っていないのは誰か。それはまさに一般国民。それを罰しようというものに他ならない」
山下弁護士「第22条を見ると『法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとする』とある。つまり国家から見て『不当』と判断されれば取締りの対象になるということ」
山下弁護士「そうした取材行為が警察が『不当』と判断すれば、とりあえず逮捕はできる。さらに『出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については』とある。つまりフリーやブロガーは『正当な取材行為』に適用されない」
山下弁護士「政府が一番心配なのは、どこからもお金を貰わない正義感から情報を得ようとする市民。こうした市民に秘密を暴かれたくない。ちなみにIWJも『正当な取材行為』に適用されない」
岩上「がーん…」
山下弁護士「さらに問題なのは25条。『共謀し、教唆し、又は煽動した者は、五年以下の懲役に処する』とある。もちろんターゲットは公務員ではない。『原発情報を得よう』という会話が取り締まられる」
山下弁護士「『教唆』とはいわゆる『そそのかし』。しかし現行の刑法における『教唆』は、そそのかしても、公務員側が秘密を漏らさなければ罪にならない。しかしこの法案の『教唆』は、『そそのかした段階』で罪になる」
山下弁護士「『扇動』も同じ。一般国民に対して5年以下の懲役という重罰が課される。記事などで情報の取得を訴えただけで『扇動』となる可能性。国民の表現の自由に反する、まさに違憲な法律」
山下弁護士「さらに礒崎議員の発言『特定秘密だと認識した上で』にもトリックがある。刑法では『特定秘密かも知れない』と思っだだけで『認識』と定義される。つまり特定秘密と知らなくても『かも知れない』と思っていたら適用」
山下弁護士「さらに『原発やTPP情報は含まれない』も嘘。テロや警備に関わる原発情報は含まれる、と森担当大臣も何度も答弁している」
山下弁護士「つまり特定秘密に近づくありとあらゆる行為を罰せられるようにした、という所にこの法案の最大の特徴がある。一般国民は関係ないというのは全く嘘で、いかに情報を得ようとする国民を取り締まるか、というもの」
岩上「さらに会見で記者は『公表を前提として特定秘密を入手した場合、公表のための取得であれば免責されるのか』と質問。礒崎議員は『一般国民を対象とした取得罪も漏洩罪もない』と発言」
山下弁護士「確かに漏洩罪はないが、先ほど説明したように取得罪は含まれている、礒崎氏はこれを分かった上で嘘をついている。確かに公開に罰則はないが、取得のところで罪になる」
岩上「さらに礒崎氏は『正確に言うと、一般国民が罰せられるのは一つだけある。それは特定秘密を知っておきながら、漏洩することが犯罪と知っていながら、公務員をそそのかした場合に限られる』と発言」
山下弁護士「確かに取材行為は含まれないが、これも先ほど言ったように『不当な方法』とみなされた取材行為は罰則の対象になる・さらに取材行為にフリーやブロガーは含まれない」
岩上「さらに記者は『内部告発者をどう守るのか?』と質問。礒崎氏は『日本には、違法なことをしている場合、告発しても罪にならないという法律はすでにある』と発言」
山下弁護士「ここにもトリックがある」
山下弁護士「現在定められている内部告発の手続きは、まず内部で告発し、いきなり外部に告発することはできない。さらに特定秘密はそもそも『違法でない』ことが前提。『違法なこと』を秘密指定したら違法でなくなる」
山下弁護士「『違法でないもの』とみなされてしまったら、それを告発したら罰せられてしまう。礒崎氏はここでも嘘をついている」
岩上「さらに記者の『なぜこんな法律が必要なのか。いま存在する軍事機密保全体制を強化することで対応できなかったのか』という質問に、『今回は公務員だけでなく、政治家に対しても罰則をかけたのが大きい』と回答」
山下弁護士「つまり公務員以外にも適用することを認めている。さらに政治家を罰したいなら国家公務員法を改正すれば良い。なぜ新しい法を作るのかというと、それはまさに国民を罰したいから」
山下弁護士「さらに『政治家を罰したい』と言っているのだから、今後はさらに国会議員に情報が渡さなくなるだろう。これは官僚の本音。それを礒崎氏は代弁している」
岩上「さらに共謀罪の動きが。12月10日、五輪のテロ対策の必要性として、共謀罪創設を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を来年の通常国会に提出する方向で検討との報道。しかし政府は翌日提出見送りと発表」
岩上「しかし12日高市早苗政調会長「早期整備」
の必要性に言及。13日には谷垣禎一法相が「共謀罪」
の新設に積極的な考えを示した。リーク情報で世論の反応を見て、地ならしをしているように見える」
山下弁護士「共謀罪は過去3回廃案になっている。政府が共謀罪を成立させたいのは明らか。リーク情報で世論の様子見をして、提出するタイミングを見ているのだろう」
山下弁護士「共謀罪では犯罪の実行や未遂などの『行為』がなくても、2人以上で犯罪について話し合って、よしやろうと『合意』をしたら処罰対象になる。現行でも判例で『共謀共同正犯』という考え方がある」
山下弁護士「対象は、死刑や無期懲役、懲役10年以上の重罪だけではなく、長期4年以上の犯罪すべて。その数は600以上。さらに新たに懲役4年以上の法定刑が作られれば自動的にそれに付随する共謀罪がどんどん作られていく」
山下弁護士「政府は、国連の越境組織犯罪防止条約を批准するために共謀罪が必要だ、と言っている。しかし批准しているほとんどの国に共謀罪はない。条約批准のために必ずしも共謀罪は必要ではない」
山下弁護士「対象団体の定義が『組織的な犯罪集団』などと曖昧。規制側の恣意的な捜査や弾圧に利用される危険性もある。警察が『共謀』と判断すれば逮捕ができる」
山下弁護士「懲役4年以上というと重い罪のように感じられるが、例えば過去に公園に落書きをした人に懲役4年以上の『建造物損壊』の罪が適用された。つまり『公園に落書きしよう』と話しただけで共謀罪が適用されてしまう」
山下弁護士「では警察はこの共謀、話し合いをどう取り締まるか。それには室内の会話や電話、通信内容を盗聴するしかない。なので、共謀罪の次には必ず通信傍受・会話傍受法が出てくる」
岩上「続いて当初から共謀罪に反対してきた日弁連の指摘する批判ポイントをおうかがいしたい」
山下弁護士「先ほど説明した『国連の越境組織犯罪防止条約を批准するため』という理由について」
山下弁護士「当初この条約はマフィアや暴力団などの組織犯罪を前提としたものだった。しかしいつしか『テロ行為』も含まれるように。まさに第一次安倍政権も『テロもこの条約に適用される』とした」
山下弁護士「テロは一人でも出来るので、組織じゃなくても適用されるように解釈が変更。また石破さんの発言『デモもテロ』にもみられるように、何がテロと定義されるかに様々な解釈ができてしまう」
山下弁護士「刑法では法益侵害に対する危険性がある行為を処罰するのが原則で、未遂や予備は処罰の例外とされている。しかし共謀罪は予備よりもはるかに以前の段階の行為を処罰しようとしており、刑法と明らかに矛盾する」
山下弁護士「現在の共謀共同正犯においては、『黙示の共謀』(目配せ、アイコンタクト、阿吽の呼吸)が認められている。共謀罪ができれば、『黙示の共謀』ですら共謀罪成立とされてしまい、処罰範囲が著しく拡大するおそれがある」
岩上「ちょっと理解ができない。共謀罪は会話を取り締まるものですよね。会話以前の目配せが罰せられるというのはどういうことなのか…?」
山下弁護士「おかしい話なのですが、共謀共同正犯の理屈からするとそうなってしまう」
山下弁護士「つまり理屈からしておかしい。整合性が取れていないのに、お役所仕事で議論を進めてしまうから、こういう矛盾が発生する。なので、共謀罪なんてやらなければ良い話」
山下弁護士「例えば監視カメラで会話している様子が映っていたとして、それを目配せ、暗黙の了解と解釈される危険性がある。無理のある話だが、理屈から言うとそうなってしまう」
山下弁護士「繰り返すが、政府が共謀罪の理由にする『国連越境組織犯罪防止条約』を批准している国々は、わざわざ600以上の共謀罪を新設しておらず、国内法の運用だけで要件を満たしている。日本の警察が武器を持ちたいがため」
山下弁護士「これは『戦争体制を作るため』としか考えられない。秘密保護法、集団的自衛権行使容認にもつながる。米国のために戦争ができる国作り。そのためには国家に従わない、いわゆる『非国民』を取りしまる法律が必要」
山下弁護士「条約を批准した各国の対応について。日弁連が調査したところ、600以上の共謀罪を新設した国はない。つまり日本はやりたいから条約を口実にやっているだけ」
山下弁護士「さらに共謀罪の本家本元である米国でさえ、州法では極めて限定された共謀罪しか定めていない場合がある」
山下弁護士「そもそも日本は銃砲刀剣の厳重な所持制限など、米国よりも規制が強化されている。つまり日本は現状で条約の要件はほぼ十分満たしている。しかし(条約批准に必要ない)600以上の共謀罪を作るんだ、と言っている」
以上で実況終了します。
テキスト付き動画記事は後ほどIWJのHPに掲載します。→
http://iwj.co.jp/ #iwakamiyasumi @iwakamiyasumi (了)

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