飛び入学:末は博士か…今年度6大学わずか4人 長短は…
毎日新聞 2014年04月07日 12時14分(最終更新 04月07日 12時50分)
高校卒業を待たずに大学へ入学する「飛び入学」。この春は、京都大学が2016年度から医学部に導入すると発表したほか、ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅選手(17)が日本体育大学に合格し、注目された。しかし14年度の入学者数(判明分)はわずか4人。「飛び入学」にどんなメリット、デメリットがあるのか。【大槻英二】
大学への飛び入学は高校に2年以上在籍し、特定の分野で特に優れた資質を持つと認められた生徒が、卒業を待たずに大学に入学できる制度だ。1997年、学校教育法施行規則の改正で数学と物理で認められ、2001年に全分野に広げられた。その分野の大学院が置かれている大学が対象だ。98年度入試で千葉大工学部が募集したのを皮切りに、14年度入試では全国で6大学が行った。
高梨選手が受験した日本体育大体育学部の飛び入学入試は今回が初めてで、スポーツで特に優れた資質を持つことなどが出願要件。ソチ冬季五輪4位の実績を持つ高梨選手は書類審査を経て小論文と面接で選考され、3月上旬に合格した。競技との両立問題で、進学は保留中だ。
文部科学省によると、98〜13年度に飛び入学をしたのは106人。このうち最多の72人を占めるのが国立大で唯一行っている千葉大だ。筆記試験や面接があり、物理や数学のコンクールでの実績も考慮される。学務部の担当者は「専門的な勉強を早く始められ、若くして研究者の道に進める。一般学生より1年余裕がある分、留学もしやすい」とメリットを説明する。先進科学センター長の橋本研也教授は「好きでたまらないことに取り組む学生は間違いなく伸びる。高校の先生や親の反対を押し切って飛び入学の道を選んだ学生たちだから、意見をはっきり言うタイプが多い」と話す。
同大では飛び入学した学生のうち、13年3月までに53人が卒業した。大半が大学院に進学。大学も3年で早期卒業し、大学院へ飛び入学した卒業生も多い。これまでに10人が同大をはじめ東京大や京都大、米マサチューセッツ工科大などの博士号を取得。3人が大学教員になった。
一方、昭和女子大は14年度から飛び入学の募集をやめた。05年度に導入して以来、志願・合格者は08年度に1人いただけだったためだ。飛び入学すると高校は中退となる。大学を途中で辞めると、最終学歴は中卒となるリスクがある。飛び入学が広がらない背景にはこの問題がある。