後日談:音楽情報メディアって読んでますか? 2014年版

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先日公開した「対談:音楽情報メディアって読んでますか? 2014年版」という記事には、序文にもある通り、音楽談義のタネにしてほしいという意図が第一にありましたが、まさに大きな反響をいただきました。本当にありがとうございます。そしてその反響は読者の方々だけでなく、編集部内からもありました。単刀直入に言いますと、編集部の他スタッフからも「お前ら何言ってるの?」とディスられてしまいました! ここではその様子を後日談としてお届けします。(照沼健太)


編集部内からの「僕はそうは思わない」

北口:あの話は、照沼さんと野地さんのリアルはこんな感じ、皆さんはどうですか?という話だったと思いますが、例が刺激的すぎますよ(笑)特に「フィジカルVS配信限定」のところ、僕は全然違う意見です。例えばBeatportで売られているようなダンストラックは、ジャンルの特性上、配信のみで流通する作品が多いです。ネットレーベルの作品もそうですよね。Bandcampなどを利用して配信のみで活動しているアーティストも多い。つまり、どのあたりの音楽を聴いているかによって感じ方が変わってくる話だなと思いました。

照沼:そうですね。それぞれがイメージする「音楽」の範囲がこれだけ個人差ある時代において、あのやりとりを前提補足なしに提出したのは不注意だったと思います。29歳の僕と、22歳の野地君で、それぞれ世代は違いますが、二人とも世界中で500枚しか売られないような海外インディーを中心に毎週アナログレコードを買っている層なので、序文や見出しで銘打っている通り、超極端な二人なんですよ(笑)それは僕らも分かってる。だから絶対的な話をしているつもりはなかったんです。それを記事で表現できなかったのは、ローンチ直後の混乱と編集者としての力量不足によるところで、完全に僕のミスです。

クラブミュージックにおいては、世界のDJたちのスタンダードがPCDJなので、彼らにトラックを使ってもらうためには、Beatport優先になるのは当然。そしてネットレーベルは、そもそもレーベル自体のコンセプトや、ファン層としての「ネット」があったりするでしょうし、BandcampやSoundcloud中心になるのは当然です。もちろん僕はそういう活動をしてる人たちが嫌いなわけじゃなく、昨年末は渋谷WWWで行われたマルチネの「山」というイベントに行ってますし、同じくマルチネから最近出たラブリーサマーちゃん と 芳川よしの『はじめまして』は即DLして愛聴してるくらいです。

北口:音楽の聴き方や楽しみ方がすごく多様化しているので、前提が示されていれば分かりやすかったかもしれないですね。相対化したうえで議論のタネになるようなお話をしますよ、という意図で、序文に「ほんっとうに極端な例かもしれませんが」と前置きしたのでしょうが、それだけじゃ不十分でしたね。まあ、今後に生かしましょう!


2つの意味での「メディア」と、多様化するリスニングスタイル

照沼:実はもう一つ失敗したなと思うことがあって、それは音楽雑誌的な「メディア」と、フィジカル/ノンフィジカルといった音源のフォーマットとしての「メディア」両方の話題が混在したことです。本当は「雑誌的な意味でのメディア」の話題をしてもらいたかったのに、「レコード屋=音楽雑誌」説をとなえるためにフィジカル云々の話をしたせいで、音源フォーマットの方が広く話題になってしまった。この記事で今までしてきた話も「雑誌的な意味でのメディア」での話題ではないですよね。そもそもの記事タイトルは「音楽情報メディアって読んでますか?」なのに。

北口:あ、確かに。

照沼:もちろん「雑誌的な意味でのメディア」に関する意見も多くいただいたんですけどね。意見をいただいた場所がTwitterというのもあるでしょうが「TwitterのTLが自分にとっては音楽メディア」「友人の紹介がメディア」「もうまったく読まなくなった」という意見が特に多かったです(みなさんありがとうございます!)。でも、今回はせっかくなので音源フォーマットの話を続けてみると、北口さんはどういう風に新しい音楽を手に入れていますか?

北口:僕は配信で買うことが多くて、新しい音楽とはDJのミックスから出会うことが多いです。ミックスの中に気に入った曲を見つけると、次にその曲が使われている別のミックスを探して、そこに入っている別の曲に出会うような広がり方が多いですね。気に入った曲は丸ごと聴きたいし、(趣味程度ですが)自分でもプレイしたいので買います。ジャンル的には多種多様ですね。新旧もまったく問わずで。

照沼:なるほど。北口さんは僕よりもひとまわり以上年上ですよね。アナログ/CD/データというフォーマットが世代論で語られることもよくあると思いますが、北口さんの音楽の聴き方をお聞きしても、実際は「聴いているジャンル」や「住環境含むライフスタイル」によるという印象が強いです。アーティストへのインタビューで同じような質問をしても、ツアーが多い人の場合はほぼ確実に「ダウンロード」と答えますし。フィジカルでのリリースが盛んなジャンルの人だとしても。

北口:出先でも入手できますからね。海外を転々とするDJも、データ時代になってすごく楽になったと思いますよ。レコードやCDを持って行くよりも物理的に軽いし、盗難リスクも少ないですからね。

照沼:DJがどんなフォーマットをプレイするのかは、また別に深い議論が行われているので、それは置いておくとして(笑)、リスニングを取り巻く環境という意味では、スピーカー/ヘッドフォン/イヤフォンどれで聴いているのか、PCならDACやオーディオ・インターフェースは使っているのかとか、みんなのリスナーとしての音楽ライフスタイルにも興味があるので、一度アンケートをとってみたいなと思っています。

北口:それは面白そうですね。音楽ジャンル自体も多様化していますが、リスニングスタイルも多様化していますからね。

照沼:そのアンケートで何らかの傾向が見られたら面白そうだなと思っています。アンケート実施の際は、ぜひ読者のみなさまにご協力いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。

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