[完全保存版]新人・新入社員のリスティング広告担当者向け、リスティング広告の専門用語解説
どの業界にも専門用語と慣習というものが存在していて、リスティング広告業界にもそのような専門用語であったり、用法の慣習が残っていたりします。例えばこんな感じ。
- GDNのIMPが減少気味だから小刻みでBid上げてTD変えておいて
- 予算のキャップをかけておいて
- 来月のバジェットは確認した?
- 損失率高めだよ
- ROAS、150%切ってるじゃん
などなど。リスティング広告業界怖いですね。
長年リスティング広告に携わってきたり、または、その他のインターネット広告に従事された方ならこれらの文章が意味することはすぐにご理解いただけると思います。しかし、そうではない方がこの文章を見た時、これらの文章が何を意味するのかサッパリ分かりません。標準語しか知らない日本人が、地方に訪れてその地域の方言に触れた時に、何を言っているのか全く理解ができないケースがあると思いますが、これはそれと類似した状態です。
4月は新入社員の入社であったり、組織再編などに伴う部署異動であったり、人の動きが激しい時期でもあります。今回は、新しくリスティング広告の担当者になった方向けに、これは必ず押さえておきたいリスティング広告の用語の紹介と解説をいたします。これから勉強するかたはぜひ読んでいただき、既に担当している方には改めて再確認していただき、社内やお客さまとの間で「共通言語」として使っていただけるものになれば幸いです。
基本となる指標や用語
下記は、リスティング広告のみならずインターネット広告全般的に基本となる指標として使われる用語になります。
用語 | その他表記・略称など | 意味 | 計算式 |
表示回数、インプレッション数 | Impression、IMP(Imp) | 広告が表示された回数 | |
クリック数 | Clicks、Click Through、CTs | 広告がクリックされた回数 | |
クリック率 | Click Through Rate、CTR | 表示された広告に対してクリックがなされた割合 | クリック数 ÷ 表示回数 |
平均クリック単価、平均CPC | Cost Per Click、CPC | 広告の1回のクリックに対して支払う金額の平均 | 費用 ÷ クリック数 |
上限クリック単価、入札価格 | 上限CPC、Max CPC、Bid | 広告のクリック1回に対して支払い可能な上限 | |
平均インプレッション単価、平均CPM | Cost Per Mille、Cost Per Thousand impressions | 広告1,000 回の表示に対して支払う金額の平均 | |
上限インプレッション単価 | 上限CPM | 広告1,000 回の表示に対して支払う金額の上限 | |
コンバージョン | Conversion、CV、CVs | 広告をクリックしたユーザーが、広告主の設定したビジネスの目標を達成した回数 | クリック数 × コンバージョン率 |
コンバージョン率 | Conversion Rate、CVR | クリック数に対してビジネスの目標が達成された割合 | コンバージョン数 ÷ クリック数 |
コンバージョン単価 | Cost Per Acquisition、Cost Per Action、CPA | ビジネスの目標1件あたりにかかった費用 | 費用 ÷ コンバージョン数 |
平均掲載順位 | Rank、Ave.Rank、Ave.Pos | 広告が検索結果に表示された順位の平均値 | |
費用、合計コスト | クリックコスト、クリックチャージ、広告費 | 費用の総額 | 平均クリック単価 × クリック数 |
予算、1日の予算 | バジェット、Budget | キャンペーンで使用する1日あたりの予算金額上限 | |
広告投資対効果 | Return On Ad Spend、ROAS | 広告費に対して発生した売上の割合 | 広告から発生した売上額 ÷ 広告費 × 100% |
投資利益率 | Return On Investment、ROI | 投資額に対して得られる利益の割合 | 利益 ÷ 投資額 × 100% |
フリークエンシー | Frequency | 一定の期間にユニークユーザーが広告を見る平均回数 | |
フリークエンシーキャップ | Frequency Capping | ディスプレイ広告で同一のユーザーに対して広告が表示される回数を制限する機能 |
リスティング広告特有の指標や用語
以下は、リスティング広告の管理画面で主に使われている用語になります。
用語 | その他表記・略称など | 意味 | 計算式 |
検索語句、検索クエリー | Search terms | 実際に検索窓に入力された語句のこと | |
品質スコア、品質インデックス | QS | 広告、キーワード、リンク先ページと、広告が表示されたユーザーとの関連性を表す指標。入札単価が同一の場合、品質スコアが高いほど費用は抑えられ、広告掲載順位は高くなる。 | |
広告ランク | Ad Rank | 品質スコア(品質インデックス)、入札単価に基づいて算出される指標。広告ランクによって掲載順位が決定される。 | (Google AdWordsのみ)品質スコア×入札単価 |
First Page Bid、1ページ目掲載に必要な入札価格 | 検索結果の1ページ目に広告を掲載するために必要な予想入札価格 | ||
インプレッションシェア | Impression Share、IS | 広告表示機会の総数に対して、実際に広告が表示された回数(インプレッション数)の割合。例えばインプレッションシェアが60%であれば、広告の表示機会の6割は実際に広告表示がされ、残り4割では表示機会を逃していたこととなる。 | |
ページ上部 | プレミアムポジション | 自然検索結果の上に表示される広告枠のこと | |
完全一致のインプレッションシェア | 入札キーワードと完全に一致する検索語句により与えられた広告表示機会に対し、実際に広告が表示された割合。 | ||
インプレッションシェア損失率(広告ランク) | 広告表示機会が与えられた時に、広告ランクが低いために広告が表示できなかった割合。 | ||
インプレッションシェア損失率(予算) | 広告表示機会が与えられた時に、キャンペーン予算設定により配信調整が行われたために広告が表示できなかった割合。 | ||
掲載率 | 広告の掲載頻度の割合 | 個別の広告のインプレッション数 ÷ 合計インプレッション数 | |
無効なクリック | 意図しないクリックや、不正なソフトウェアによって発生したクリックなど、媒体が無効と判断したクリック | ||
広告視聴単価 | CPV、Cost Per View | 動画1回の視聴に対して支払う金額 | 費用 ÷ 視聴回数 |
上限広告視聴単価 | 上限 CPV | 動画1回の視聴に対して支払う金額の上限 |
コンバージョンに関する用語
コンバージョンも計測方法によって呼び方が異なります。
用語 | 意味 |
コンバージョンに至ったクリック、ユニークコンバージョン数 | 1回の広告クリックで2回コンバージョンが発生しても、カウントは1回とする計測方法。獲得ユーザーのユニーク数を計測したい場合に使用。資料請求や会員登録の計測向き。 |
コンバージョン、総コンバージョン数 | 1回の広告クリックで2回コンバージョンが発生したら、カウントは2回とする計測方法。それぞれのコンバージョンに価値のあるものを計測する場合に使用。通販サイトの計測向き。 |
コンバージョン値、合計売上金額 | コンバージョンタグによって取得した売上金額 |
ビュースルーコンバージョン | ディスプレイ広告を閲覧した広告未クリックユーザーが達成したコンバージョンの数 |
推定コンバージョン | デバイスやブラウザをまたいで達成されたコンバージョンの推定値 |
リスティング広告の機能に関する用語
リスティング広告の機能に関する主な用語です。
用語 | その他表記・略称など | 意味 |
キーワードターゲット | Keyword Target、KT | 検索連動型広告のこと |
コンテンツターゲット | Content Target、CT | Googleディスプレイネットワークにおいて、指定したキーワードに関連する掲載サイトに広告を配信する方式 |
プレースメントターゲット | Placement Target、PT | Googleディスプレイネットワークにおいて、広告の掲載サイトを手動で指定する配信方式 |
自動プレースメント | Automatic Placements | コンテンツターゲットにより媒体が自動的に決定した広告配信先。またはコンテンツターゲットの意 |
手動プレースメント | Managed Placements | 広告主が指定した広告配信先。またはプレースメントターゲットの意 |
トピックターゲット、サイトカテゴリ | Topic Target、TT | 媒体が予め分類したウェブサイトのカテゴリ単位でディスプレイ広告の配信先をターゲティング設定できる機能 |
インタレストカテゴリ、インタレストカテゴリターゲティング | Interest Category Marketing、ICM、Interest Category Targeting | 分類されたカテゴリの属性を持つユーザーをターゲティングできるディスプレイ広告 |
リマーケティング、サイトリターゲティング | Remarketing、RM、Site Retargeting | 指定したユーザーリストをターゲティングできるディスプレイ広告 |
類似ユーザー | Similar Audiences、Similar User、SU | 作成したユーザーリストと類似の属性を持つユーザーをターゲティングできるディスプレイ広告 |
検索広告向けリマーケティング | Remarketing List for Search Ads、RLSA | Google AdWordsにおいて、指定したユーザーリストをターゲティングできる検索連動型広告 |
動的検索広告 | Dynamic Search Ads、DSA | Googleのオーガニック用インデックス内容に基づいて動的に広告を配信する機能 |
商品リスト広告 | Product Listing Ads、PLA | Google Marchant Centerに登録された商品情報に基いて広告を配信する機能 |
ショッピングキャンペーン | 商品リスト広告の機能を拡張させたキャンペーン機能 | |
インタレストマッチ | Interest Match、IM | 現在閲覧中のサイトの内容や過去の閲覧履歴、直近の検索キーワードに応じて広告を配信するYahoo!ディスプレイアドネットワークの興味関心連動型広告 |
サーチターゲティング | Search Targeting | Yahoo!JAPANの各種検索機能で過去にあるキーワードを検索したユーザーが、別の機会にYahoo!ディスプレイアドネットワークが配信されるウェブページを訪れると、そのキーワードの検索履歴をもとに広告を配信する機能 |
キャンペーン エクスペリメント | AdWords Campaign Experiments、ACE | Google AdWordsにおいて、入札単価や広告の追加など、アカウントへの変更によって生じる影響をテストする事が出来る機能 |
拡張CPC | eCPC | Google AdWordsにおいて、コンバージョンにつながる可能性の高い広告オークションでは上限クリック単価を最大30%まで引き上げ、コンバージョンが見込めないオークションでは入札単価を引き下げる機能 |
キャンペーンオプティマイザー | Campaign Optimizer、CO | Google AdWordsにおいて、設定したキャンペーンの過去のコンバージョンデータに基づき、コンバージョン数が最大となるように入札単価を自動的に調整する機能 |
ディスプレイキャンペーンオプティマイザー | Display Campaign Optimizer、DCO | Google AdWordsにおいて、設定したディスプレイネットワークキャンペーンの過去コンバージョンデータ、プレースメントデータに基づき、従来ターゲットとしていなかった、コンバージョンの可能性が高いプレースメントに配信を拡大する機能 |
サイトリンク、クイックリンク | Sitelinks、Quick Links | 広告のリンク先URLとして指定したものに加えて、様々なページヘのリンクを追加することが出来る機能。広告文の下部に表示される。 |
電話番号(表示)オプション | Click-to-Call | 広告内に電話番号を追加でき、ユーザーが簡単に電話をかけることができる機能 |
アプリリンク表示オプション | 広告テキストの下にユーザーをアプリストアに誘導したり、アプリのダウンロードを開始したりするリンクを表示する機能 | |
住所表示オプション | Google AdWordsにおいて、広告に住所情報を追加することができる機能 | |
レビュー表示オプション | Google AdWordsにおいて、信頼できるソースからのサードパーティの肯定的なレビューを表示する機能 | |
+1 情報 | Google+ページのフォロワー数を広告に表示することが出来る機能 | |
アプリ訴求広告 | Click-to-Download | Google PlayストアまたはApple App Storeに直接リンクし、手軽にアプリのダウンロードを促すことが出来る機能 |
会話やレポートなどによく出てくる略語
会話の中でよく出てくる略語と正式名称について紹介します。
略語 | 意味 |
GDN | Googleディスプレイネットワークの略語 |
YDN | Yahoo!ディスプレイアドネットワークの略語 |
TD、Title&Direction | 広告文、タイトルと説明文の略語 |
KW | キーワード(Keyword)の略語 |
タグマネ | タグマネージャーの略語 |
GTM | Googleタグマネージャの略語 |
YTM | Yahoo!タグマネージャーの略語 |
GA | Googleアナリティクスの略語 |
UA | ユーザーエージェント(User Agent)や、ユニバーサルアナリティクス(Universal Analytics)の略語 |
フィーチャーフォン、FP | 従来型の携帯端末、ガラケーのこと |
SP | スマートフォン(Smart Phone)の略称として使われることがある |
SEO | Search Engine Optimization、検索エンジン最適化の略語 |
LPO | Landing Page Optimization、ランディングページ最適化の略語 |
EFO | Entry Form Optimization、入力フォーム最適化の略語 |
DFO | Data Feed Optimization、データフィード最適化の略語 |
その他の用語
その他リスティング広告に関わりが深い用語になります。
用語 | 意味 |
SEM、サーチエンジンマーケティング | リスティング広告やSEOなど検索エンジンにまつわるマーケティングの総称 |
デモグラフィック | 性別、年齢、居住地域など人口統計学的変数のこと |
デモグラフィックターゲティング | デモグラフィックを用いてターゲティングを行うこと |
ペルソナ | データを基に作り上げた架空のユーザー。データとして氏名、年齢、性別、職業、年収、価値観、ライフスタイル、身体的特徴まで盛り込む場合がある。 |
ペルソナマーケティング | ペルソナを満足するように商品やサービス設計を行うこと |
タグマネージャー、ワンタグ(ソリューション) | 1つのタグを挿入するだけで、複数の登録したタグを動的に反映させることができるテクノロジー |
KPI、Key Performance Indicator | 重要業績評価指標のこと |
KGI、Key Goal Indicator | 重要目標達成指標のこと |
まとめ
今回はリスティング広告にまつわる主な指標や機能に関する用語についてご紹介いたしました。しかしながら、リスティング広告の機能強化の頻度は多く、新しい専門用語は続々と世にでてきています。分からない用語が出たらまずヘルプを見る癖をつけ、お客さまや同僚に説明するときはできるだけ分かりやすく、噛み砕いて説明をする癖をつけましょう。
コミュニケーションを取る相手にもよりますが、弊社の場合はほとんどのケースでGDNやCTをわかりやすく説明する為に、「アメーバブログの下部に出る広告」などと表現するように義務付けています。理解している、していないを前提条件としたコミュニケーションは相手側に負荷が伴いますから、これらは最低限のマナーです。
だれでも理解ができる「共通言語」をつかうことで、円滑なコミュニケーションを図りましょう。