Google、新しいSDNベースのネットワーク仮想化基盤「Andromeda」をクラウドに投入。ネットワークの高速化を実現

2014年4月7日

Googleは同社のクラウドサービス「Google Cloud Platform」のネットワーク仮想化基盤として「Andromeda」(コード名)を、まず米国内の2つのゾーン「us-central1-b」と「europe-west1-a」に投入。クラウドのネットワークスループットが向上したことを、Google Cloud Platform Blogのエントリ「Enter the Andromeda zone - Google Cloud Platform’s latest networking stack」で明らかにしました。

Google Cloud Platform Blog: Enter the Andromeda zone - Google Cloud Platform’s latest networking stack

Andromeda導入でスループットが約2倍に

Andromedは、Software-Defined Networkingをベースにしたネットワーク仮想化基盤だと説明されています。

Andromeda is a Software Defined Networking (SDN)-based substrate for our network virtualization efforts. It is the orchestration point for provisioning, configuring, and managing virtual networks and in-network packet processing.

Andromedaとは、ネットワーク仮想化の取り組みに対するSoftware-Defined Networkingベースの基盤。これは仮想ネットワークのためのプロビジョニング、コンフィギュリング、管理とネットワーク内パケット処理のオーケストレーションポイントだ。
Enter the Andromeda zone - Google Cloud Platform’s latest networking stackから引用)

以下がAndromedaの概要です。左から、サーバのソフトウェアスイッチ、NIC、仮想マシンを束ねたトップオブラック、ファブリックスイッチ、ストレージのパケット処理、クラスタコントローラを一手に集中管理しているのがAndromedaコントローラとなっています。

fig

興味深いのは、ネットワークのエッジとなるソフトウェアスイッチやNICだけでなく、トップ・オブ・ラックやファブリックスイッチ、クラスタルータなどネットワーク全体を制御し、さらにストレージのパケットも処理しているというところです。恐らく経路の最適化なども含めて制御を行っているのでしょう。

Andromedaのゴールとして、ネットワークの物理的な性能をできるだけそのまま得つつ、ネットワークの機能はソフトウェアによって仮想化する、というもの。

Andromeda's goal is to expose the raw performance of the underlying network while simultaneously exposing network function virtualization (NFV).

Andromedaのゴールは、下位層のネットワーク性能を得つつ、同時にネットワーク機能の仮想化(NFV)をしてくことです。
Enter the Andromeda zone - Google Cloud Platform’s latest networking stackから引用)

このAndromeda投入によって、従来比でスループットが約2倍になったことが示されています。

fig

Andromedaはさらに改善を進めていく予定で、今後は低レイテンシ、堅牢なストレージ、NFVのAPI提供、仮想マシンのライブマイグレーションなども実現していくとのこと。

Andromedaについては、Open Networking Summit 2014の講演で詳しく紹介されています。YouTubeで講演内容を見ることができます

Andromedaは今後数カ月でほかのゾーンにも投入予定。

このエントリーをはてなブックマークに追加
Bookmark this on Delicious

タグ : Google , Google Compute Engine , Software-Defined Network , クラウド

≪前の記事
[PR]新野淳一氏xブロケード小宮崇博氏:SDNとSDSの関係は? IoT時代のインフラの要件を探る

Loading...

Blogger in Chief

photo of jniino Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。新しいオンラインメディアの可能性を追求しています。
詳しいプロフィール


新サイト「Publickey Topics」始めました!


Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
RSSリーダーで : Feed





アクセスランキング - 過去7日間

  1. [速報]米マイクロソフト、C#/Visual Basic次世代コンパイラ「Roslyn」をオープンソースで公開。独自言語など開発可能に。Build 2014
  2. [速報]9インチ以下の画面サイズのタブレット、スマートフォンではWindowsが無料に。Build 2014
  3. Immutable Infrastructureはアプリケーションのアーキテクチャを変えていく、伊藤直也氏(前編)
  4. [速報]マウスとキーボード操作を強化した「Windows 8.1 Update」、Windows 8/8.1ユーザー向けに4月8日から無料配布開始。Build 2014
  5. [速報]米マイクロソフト「ユニバーサルWindows apps」発表。1つの実行ファイルがWindows/Windowsタブレット/Windows Phoneで動作。将来的にはXBOXにも対応。Build 2014
  6. Immutable Infrastructureはアプリケーションのアーキテクチャを変えていく、伊藤直也氏(後編)
  7. [速報]Microsoft Azure新しいポータルをプレビュー公開。アプリケーションのモニタ、オンライン開発ツール“Monaco”も統合、タッチ対応も。Build 2014
  8. [速報]Microsoft Azureの仮想マシン、標準でPuppet、Chefに対応。Build 2014
  9. JavaScriptでOfficeやPDF文書をWebページに埋め込む「BoxView」をBoxが発表
  10. [PR] C++BuilderがAndroidネイティブアプリ開発対応。Androidエミュレータ搭載、異なる画面サイズも自動レイアウト、モバイルBaaSにも対応。エンバカデロから
  11. Excel方眼紙をアプリ化する「Forguncy」のプレビュー版が無料公開
  12. 「データサイエンティスト」の認定プログラムを開始、米クラウデラ
  13. Amazonクラウドの仮想デスクトップサービス「Amazon WorkSpaces」が今日から一般公開。Windows 7が月額約3500円から。iPad、Androidタブレット、Kindleも利用可
  14. [速報]Java 8が正式公開。ラムダ式、新しい日時API、JavaFX8など。NetBeans 8.0も登場
  15. インテル、過去最大のデータセンター戦略投資でクラウデラの筆頭株主に。Hadoopとインテルアーキテクチャをビッグデータ時代のプラットフォームにすべく

Publickey 最新記事 10本

Publickey Topics 最新記事 10本


PR - Books


fig

fig

fig

fig



blog comments powered by Disqus