経済的独立を目指して

経済的独立なくして真の自由は得られない

なぜ投資のプロはサルに負けるのか?


本書は最新の経済学の理論と巷の投資に関する俗説とのギャップを指摘しています。
投資のプロが使う口上の嘘を見抜き、騙されないためのファイナンシャル・リテラシーを身に着けるきっかけになるでしょう。
例えば、書店には「株式投資で誰でも簡単に儲かる方法」といった本が山積みされていたりしますが、残念ながら、プロでも株式投資で確実に勝つ方法は分かりません。その理由の根拠は効率的市場とランダムウォーク仮説で説明可能です。

1.世界中の「投資のプロ」が日夜市場で壮絶な競争を繰り広げるために、市場は効率化する。そのため、間違った値がついた株は一瞬にして価格が正される。だから効率的な市場には確実に儲けるチャンス、つまりフリーランチは存在しない。

2.優秀な金融のプロ同士が切磋琢磨し続けることで市場は効率化し、株価の値動きはランダムだというランダムウォーク理論により、株価の予測は誰にもできない。極端な話、サルがダーツを投げて選んだポートフォリオがプロの運用に勝つこともある。

3.投資とは、コイン投げゲームのような運だけが支配するゲームに限りなく近くなるということになる。


つまり、投資というのは運に支配されるラスベガスのスロットマシーンやコイン投げのようなゲームだというのが、著者の結論です。
では投資のプロが書いた投資の必勝法や法外な料金を請求するセミナーなどでは何を教えてくれるのでしょうか。
これに対して、「そんな投資手法は存在しないので確実に小銭を稼げる出版やセミナーでお金を儲けている」と身も蓋もない解説がされています。

本書の副題でもある「お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方」については、どんな投資をするかよりもアセットアロケーション(資産配分)が大切だというのが結論になります。

その割合は現代ポートフォリオ理論に基づいてTOPIX15対MSCI-Kokusai85が理想的な配分であるとしています。