NHK会長:「不祥事あれば情報を」全職員に呼びかけ

毎日新聞 2014年04月06日 20時48分(最終更新 04月06日 21時38分)

NHK会長の籾井勝人氏=木葉健二撮影
NHK会長の籾井勝人氏=木葉健二撮影

 NHKの籾井勝人会長(71)が、子会社の不祥事が相次いだことから、NHKと関連会社・団体の全役職員に対し、新たな不正に関する情報提供を呼びかけていたことが6日、分かった。既存の内部通報制度とは別に新たな窓口を設置しての異例の呼びかけに、職員からは「会長のパフォーマンスだ」といった反発の声も聞かれる。

 関係者によると、今月1日付でNHK内のインターネットのポータルサイトを通じて呼びかけられた。

 情報提供の対象は、まだ発覚していない不祥事の情報▽不祥事が相次いだ原因▽再発防止策などについてで、窓口は3月に発足した「NHK関連団体ガバナンス調査委員会」の委員長、小林英明弁護士の法律事務所。電話やメールなどで5月末まで受け付ける。匿名での情報提供も可能。

 文書の中で籾井会長は、情報提供の必要性について「調査委員会による検証をより実効的なものとし、今後のガバナンス体制に資する」と説明している。

 ある職員は「会長がコンプライアンス(法令順守)の姿勢を見せて点数稼ぎをしようとしている」と冷ややかにみている。別の中堅職員は「密告を可能にして、体制維持を図っているのではないか」と批判する。【望月麻紀、岩崎信道】

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