■大学中退の負け組だったけど数社で内定出てる俺が一言いっておくか

一言

大学中退やその他のハンデがあったとしても、場所／労働条件（給与、福利厚生）／企業のブランドなどへのこだわりを必要以上に持たずに捨てて視野を広げ、自分が必要とされるであろう企業に絞ってエントリーすれば数十社もエントリーしなくても内定はもらえます。なので頑張りどころを間違えずに頑張ってほしいです。

以下はこの一言に対する補足説明となる、背景や就職活動の指針についてです。

これを書くきっかけ

Twitter / s_suneco: これリクナビのトップだけど、これ私がおかしいというよりは周り ...

https://twitter.com/s_suneco/status/448665586222899201

高校に上がったくらいから就職ということを少しずつ意識するようになり、上記のような何十件もエントリーしなければならない熾烈な就職活動があるという話を聞いて、まだぺーぺーの学生でありながらもそんなのはおかしいと思っていた。学歴は確かに一定の修学を積んだという証明になるかもしれないけれど、企業はそれだけではなく採用希望者の人となりもきちんと見て、共に働くものとして十分な経験、知識、学習意欲などを持ち合わせているものをきちんと採用してくれればいいのにと思っていた。（働いてから採用する側になって、その難しさもまた分かったのだけれど。）

自分の能力は客観的に見て高いのか低いのかは分からないけれども、少なくとも学歴に関しては大学中退という傷物でありピカピカの新卒に比べると人材としての価値は低かったと考えている。そんな自分の足跡をここに記して、一般的な人材像とされている新卒でなくとも、その他諸々の身分であったとしても、落ち着いて丁寧に就職活動をし、こうして就職が出来ているということを知って就職活動の励みとしてもらえればと思う。

スペック及び経歴

• 現在29歳男性
• 父エンジニア、母専業主婦。兄が一人、これもエンジニア
• 「人生は自分で決めろ」という父の方針からか、エンジニアの話題を家でされる事は一切無かった
• 幼稚園の頃からゲーム好き、それが高じてプログラミング、ゲーム音楽→電子音楽／クラブミュージックにハマる
• 高校時点ではゲームに関われる仕事を、と思いプログラマーか作曲家、音響系の仕事に就きたいとはぼんやり考えていた

大学中退〜1社目

• 一浪で情報系の大学に入学、一身上の都合で2回生終了時に2年休学
• バイトしながら音楽関連で飯を食べようと活動したが、具体的な成果は出せず1年が過ぎる
• 休学2年目に他県に移動
• これまでの経験や興味からプログラマーとして仕事をしたかったが、まだその土地に定着するかは不明だったのでとりあえず生活のために派遣会社に就職、携帯電話のテスターを10ヶ月やる
• この時点で22歳

〜2社目

• この土地に長く居ると思ったので正社員で転職先を探す
• 5社ほどエントリーするがプログラミング未経験かつ大学中退からか、3社からは履歴書の時点でお断り。2社は面接はしてもらったがお断り。
• 6社目で紹介予定派遣にて、業務パッケージシステムを販売するソフトハウスと面接、面接の感触は若干悪かったが景気が良かったからか内定をもらえた
• 無事に3ヶ月の派遣期間を終え正社員に
• （この時点で休学を終え、退学届を出して大学を辞める）
• 言語は VB6→VB2002→VB2010 + SQL Server が主
• 海外に支社がある会社だったのだが、若くて新卒でもない自分に白羽の矢が当たり入社1年後に海外の開発部署へ転勤となる
• （海外部署の現地社員は日本でトレーニングされていたので日本語に長け、現地の言葉を知らないからといって困る事はあまりなかった）
• 海外部署で3年勤める
• たまに現地人の採用活動も行った
• 26歳になる

〜3社目

• 本社へ帰って来るよう辞令が出たが、まだ海外での就労経験を積みたいと思い、現地で知り合ったITベンチャー企業を立ち上げるという人に志願し、入社させてもらうことに
• ベンチャーとは言ったものの日本人数名、現地社員数名の零細企業
• 現地の企業を回っては必要となる業務システム等を提案し、売れたら作るという場当たり営業のSI企業
• 社内の開発者の経験をまとめた結果、Web系の言語（ほぼ PHP + MySQL だった）を主軸とすることにした
• 1年勤めたところで現地の企業から社内SEのポジションのオファーがあり、現職の社長に詫びつつ再転職
• この時点で27歳

〜4社目

• 他国のバックオフィス業務を請ける企業に社内SEとして入社
• 現地人プログラマーしかいないところにチームリーダーとして入り、チームのディレクションを行う
• 既にあるシステムや今後の人材の確保のしやすさから、ここでも PHP + MySQL を主軸に運営
• 複数のプロジェクトを進行しつつも現代的なプログラミングの手法（フレームワークを基軸としたOOP、ソースコード管理、テストの自動化）を定着させようと試みたがうまく定着させられず失敗
• 上記でどっちつかずの結果となったため、1年で契約終了（クビ）を通告
• 28歳

〜5社目

• 突然の無職予定に少しは休もうかと一瞬考えた
• が、無職期間をあまり長くすると体が働く感覚を忘れてしまい再就職が難しくなると思ったので転職活動をすぐに始める
• これまでのSIとしての営業経験や開発部署の運営経験から、企業がITをどのように位置づけて利用していくのか、ということが昔よりは具体的にイメージできるようになる
• 上記の視点や自分の経験から条件に合致する採用情報→その企業の業務内容や業績を一つ一つ丁寧に調べ、現地企業2社、日本の企業2社にエントリーする
• 日本の企業から内定をもらったので日本に戻り、ほぼ1ヶ月程度のブランクのみで再就職を遂げる
• 今ココ

就職活動するときに考えていた事

• 企業は存続のために利益を得続けなければならないので、逆に言えば業務を円滑にする／新しい業務を生むなどして利益を得られる人材であれば、企業は採用してくれる
  • なのでその企業の業務が社員によってやりたいかどうかではなく、社員が手を動かして業務を回せるかどうかが企業にとって大事（社員がやりたい、やる気を持ってくれるのであれば尚よし）
  • だから就職活動中でも就労中でも「とにかく手を動かせ」という事は必ず続けた
    • ただし企業も人の集合体なので、残念な人が会社の中（一番近い所だと人事担当、採用担当）にいることもままある
    • ちょうど同時期により能力の高い人がエントリーしてて、比較検討の結果負ける（不採用）事もある
    • 内定がもらえなかったとしても自分の反省の材料に出来る部分のみ復習して、不必要に気を落ち込ませず次へ進む
  • 同じく就職活動している人の企業へのエントリー数や企業の知名度（ブランド）など、数字やものの大きさなどに惑わされない
    • 気になるなら、その数字の大小やブランドの大きさがどういうものなのかを自分なりに考え、必要なものなのかどうかの結論を出す
• 「とにかく手を動かす」ためには働いていることがまず必要なので、自分の希望する条件（場所／労働条件（給与、福利厚生）／企業のブランド／業務スキル（キャリア））をいくつかは満たせなかったとしても、次へ進むために妥協することも必要
  • （自分の場合はテスターで働いていた時期がそれに該当する。プログラムなんて1行も書けない職場だったが、ここで学んだテスト手法は自動テストを主とする現在でも考え方として役に立っている）
• 内定が決まっている人、就職している人は正直羨ましいけど自分と取って代わられるわけでもないので、参考になる話だけ聞く。

まとめ

結局の所、労働者として働きたい僕らはお金が欲しいというのが企業と同様に前提条件なのであって、そこから

お金もらって生活したい→就職したい→給与払って人雇いたい→利益を得たい（→経営者（企業）の理念を達成したい）

という流れが導き出せると考えています。

自分が学生であった当時もそうですが、そういった流れがあるとこまでは分かっても各点の具体的なイメージは出来ず、企業がどうやって稼いでいるか、従業員はどういった業務を行って給与を得ているかなどを適宜調べたり、諸先輩方に会う時などに質問するなどして一つ一つを自分なりに具体的にしていきました。そうして自分なりの芯となる考えを持っておく事で、無鉄砲に企業に当たるのではなく少しずつ焦点を絞りながら就職活動をし、数社のエントリーのみで内定を頂く事ができたのではないかなと考えています。

うまくまとめられたかは分かりませんが、ここに記した自分の経歴や考え方を見て何かしら参考にしてもらえれば幸いです。

終わりに

経歴にも書いていますが自分の場合は理系→プログラミングという分野で活動していますので、別の分野（業界、業種、業態）では参考にならないということもあるかもしれません（分野によっては数十社へのエントリーを行った方が確率が上がる、など）。逆に言えば、踏み込む分野によって適切な就職活動の方法というのはあると思うので、それぞれの分野の現職やその周辺の方々の情報をうまく集めて、適切な方法で活動していってもらえれば自分が望む方向に近い所へ向かって行けるのではないでしょうか。

就職活動中の皆さんが無理をせずに向かいたい方向へ努力して向かい、その努力が報われる事を祈りつつ。

想定Q＆A

• 10年以内で5社も転職してて、やっぱ負け組じゃね？
  • 派遣社員時代には正社員になって給与や待遇を良くしたい、海外勤務時代は海外勤務経験を増やしたいという希望で、その都度に理由があって転職しています。また、思いついたらすぐ転職ではなく勤務中の職場の状況も考慮し、転職先についてもそうした経歴や自分の考え方については隠さず話し、出来る限り納得を得られる形でいようと努めています。ただ大企業にお勤めでほぼ終身雇用、企業から長いスパンで教育を受けている（受けさせている）という境遇の方から見れば利害が合わない経歴を辿っていますし、拒否反応がある方もいると思います。

• 海外勤務とか、元々能力が高いから実現出来てるだけじゃねーの？ 新卒とか社会人未経験だし能力で勝負できねーんだよ。
  • 能力は環境に要求される事によって成長すると考えています。その傾向は、環境が一定である中学までの義務教育から、学習内容／講義／研究室など自分で選択する高校／大学などでの自由教育へと変わる辺りから段々と現れてきます。なので、能力を高められる環境に自分の身を置く事を意識し、座学や実践によって能力を高めましょう。面接の場においては、新卒が未経験なのは自分も企業も分かっているので、そうして自分が得てきた能力について理論整然と説明をして、自分には環境を作る／選ぶ意欲（≒学習意欲、能力を得る可能性）をアピールしましょう。

• たまたま運が良いから内定もらえてるだけじゃね？
  • 運の要素が全く無いとはいいませんが、運を捕まえるための能力を備えておく事は必要です。（例: 海外勤務に志願出来るように英語を身に付けておく、など。）以前の会社の上司からの受け売りですが、運は待っているだけではいざ自分の前に来た時につかみ取ることは出来ず、能力をつけて備えていて初めて掴めるもの、なのだそうです。前項の話と組み合わせるとにわとりたまご論のようですが（能力が先か、環境が先か）、例えば毎日1時間は必ず勉強するといったことも環境を作る（変える）ことになりますので、そうして備えておくことが大事です。

• これまでなんもしてきてねーし、能力も無いし、周りにいい環境も見当たらねーわ。俺オワタ
  • 家庭環境や生活環境など、人によって様々な背景がありますし、やむを得ずそうなってしまったということもあると思います。大胆に環境を変える必要があるかもしれないし、毎日少しずつの目標のための時間を確保することで充分かもしれないし。改善方法も人によって様々です。月並みなアドバイスですが、自分と自分の周りを良く見て、自分に出来る事を無理の無い範囲で選んで実践していくしかないと思います。無理をして破綻すれば元も子もないので、出来る限り無理のない範囲で。

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