ふるさと再生 日本の昔ばなし 2014.04.06

昔むかしあるところにちょうふく山という険しい山があった。
ある日の午後そのちょうふく山に年老いたおばばと2人の若者がてっぺんを目指していた。
若者2人はつきたての餅を桶にのせて運んだ。
実は昨日のこと…。
村の衆が寝静まった頃風がゴウと吹いたかと思うと屋根をドロドロと踏み鳴らし大声で叫ぶ声がした。
餅ついて持ってこい!餅ついて持ってこい!持ってこないと人も馬も食い殺すぞ〜!何やら暴れ者が叫んで村中の屋根を踏み鳴らした。
やがて声も遠くなり澄んだ星空になった。
夜が明けると村中がこの話で持ちきりだ。
ぜんたいあの暴れん坊はなんだべ。
餅ついて持ってこないなら人も馬も食い殺すと言っておった。
どうすべ?なんとしても餅を持っていかねばならん。
そこで村中の者でぺったらこぺったらこと餅をついた。
さてつきあがった餅を桶に移した。
ところが山姥のところに持っていく者がいない。
すると誰いうことなくハチとネギゾーに行かすべということになった。
この2人の若者は村きっての暴れん坊でいつも威張ってばかりいた。
(ハチ)でもオラたち道を知らん!
(ネギゾー)んだんだ道を知らん。
それならオラが道案内すべ。
案内を買って出たのは70過ぎのばばさまだ。
こうなっては断るわけにもいかない。
ハチとネギゾーは餅を背負ってばばについていくことになった。
ずいぶん登ってきたのぉ…。
ああ…これでオラたちもおしめえだ。
山姥に食われてしまうべ…。
(2人)うぅ…。
オラもうダメだ!こら2人とも何でもねえと思えば何でもねえ。
元気を出して行くべ!
(2人)うわ〜!逃げ去る2人を見てばばは力が抜けた。
さてどうすべか…。
オラまで村へ帰ったら人も馬も食い殺される。
それでは村の人たちに申し訳ねえと思い餅をその場に置いてまた山を登っていった。
日暮れの頃やっと山のてっぺん近くに着いた。
すると…。
大きな赤ん坊が自分の頭ほどある大きな岩をオモチャにしていた。
バブ〜!うぅ…。
ふもとの村から餅を持って…。
よう来たよう来た。
ゆうべこの子を産んでな餅を食いたくなったもんでこの子を使いに出したんじゃ。
もう来るか来るかと首を長くして待っておったところじゃ。
ヒェ〜。
その赤ん坊がゆうべの使い…。
山姥の子供は生まれてすぐ飛んで歩くだ…。
餅はどうした?へぇあのその…。
あんまり重くて山の途中に置いてきた。
坊!お前行って取ってこい!バブ〜!赤ん坊は立ち上がったと思うと飛び出していき餅の桶をかついで帰ってきた。
坊!熊獲ってこい。
ゆうげには熊汁をこさえてばばにも食わせよう。
赤ん坊はまたすぐ熊をかついで帰ってきた。
山姥はでっかい鍋で熊汁をこさえ餅を入れてばばにも食わせた。
あぁうまい〜。
やれご馳走になった。
これでオラは村へ…。
なにそんなに急ぐこたあねえ。
ここは手伝いもいねえ。
21日ほど手伝ってくれ〜や。
《考えてみりゃ山姥だっておなごにかわりはない。
産後は大事をとったほうがええ》ばばは精一杯働いた。
早いものであっという間に21日経ってしまった。
そうかどうしても帰るってか。
何の礼もできんが錦の反物くれてやる!その錦の反物はなんぼ使っても次の日にはまた元に戻るという不思議なものだった。
坊!ばばのお帰りだ。
おぶっていってやり。
お…オラ歩いて帰る。
おぶさるなんてとんでもねえ。
目ふさいでおれ。
バブ〜!と言ったかと思うとすぐに地面に降ろされた。
あれ?そこはなんとばばの家の前であった。
はぁ?ナンマイダ〜ナンマイダ〜ナンマイダ〜。
誰か死んだかえ?ここん家のおばばが…。
(2人)あ〜っ幽霊だ!ばばが帰ってきた!
(驚きの声)幽霊なもんかオラは山姥から土産までもらって今戻った。
ほんとか?ほんとにばば生きてるだか?村の衆は見たこともない錦の反物をもらった。
切っても切っても減らない錦は村中が大喜びで家の宝としたと。
(銃声)昔南部領の鹿野の山にさだ六という猟師がいました。
しろがさだ六と出会ったのも山の中。
それ以来しろはいつもさだ六と一緒でした。
(さだ六)ハハ…これはな狩場御免の証文だ。
それは名高い猟師に領主が与えた証文。
これを身に付けていれば広い南部領のどの山でも狩りができたのです。
けれどもさだ六が狩りに出かけるのは地元の鹿野の山だけ。
他の狩場に行かなくとも十分に狩りができたからです。
(しろの吠え声)
(銃声)互いに信頼し合ったさだ六としろは息もピッタリでした。
こうして幾度目かの冬が来ました。
この日はウサギ1匹見つからず狩りを諦めかけたその時です。
(さだ六)あの青じしは…。
それは南部領の猟師たちから南部の主と呼ばれている青じしカモシカでした。
(しろの吠え声)
(銃声)しかし足がわずかに滑り仕損じてしまいました。
(さだ六)しろ逃がすな!手負いの青じしを追っているうちにいつしか山を越えさだ六としろは隣の山に入り込んでいました。
(さだ六)でかしたしろ!
(銃声)こうして南部の主をしとめたさだ六でしたが…。
隣山の猟師に捕まってしまったのです。
誰に断ってこの山さ入った!?どこから来た!?
(さだ六)わしは鹿野の猟師だ。
家さ帰れば狩場御免の証文もある。
でまかせ言うでねえ!地元の山以外での狩りはご法度。
厳しい自然のなかで生きるための掟でした。
それを破る者はどんな仕打ちを受けても文句は言えなかったのです。
夜が明けたら代官所に突き出してやる!何が狩場御免だ!夕刻から降り出した雪は夜が更ける頃には吹雪に変わりました。
(しろの鳴き声)
(さだ六)このままでは俺もお前も…。
あぁあの証文の巻物さえあれば…。
しろ頼む…巻物を取りに行ってくれ。
番小屋を抜け出ししろは駆けます。
さだ六:証文が…証文の巻物がいるだ夜が明けるまでに証文の巻物を持って帰らねばさだ六は代官所で処刑されてしまうのです。
しろは休まず走り続けました。
しろがさだ六の家に着く頃東の空は白みかけていました。
神棚から巻物を取るとまた駆け出しました。
少しでも早く証文の巻物を届けなければと隣山の崖にさしかかったとき…。
(しろの鳴き声)青じしを殺された仲間がしろを襲ったのでした。
おい起きろ!そら代官所に向かうぞ!早く立て!けれども代官所に連れてこられたさだ六はケガと寒さですでに弱りきっていました。
ほら立ておら。
立たんかい。
何やってんだよ。
ほら!それ早う中へ運ぶのだ。
これ。
おいって。
(しろの吠え声)しろよくやった…よくやった…。
さだ六はそのまま息絶えました。
(しろの遠吠え)1歩また1歩しろは力を振り絞りさだ六を運んでいきました。
やっと鹿野に入った峠の雪道でしろはついに息絶えました。
渾身の力を振り絞り命のかぎりさだ六を守ろうとしたしろはそのまま岩になってしまいました。
その姿は片ときもさだ六と離れまいとするかのようでした。
(さだ六の笑い声)
(しろの吠え声)昔北国に村々を回る旅の薬売りがおりました。
(子供のはしゃぎ声)旅の薬売りは子供たちを見送るとまた旅を続けました。
しかしいつの間にか日が暮れてしまいました。
そこで旅の薬売りは村一番の分限者の屋敷にひと晩の宿をお願いすることにしました。
何旅の薬売りだと?はい今日のうちに山を越えようと思ったのですが。
お金はあるのかね?はい用意しています。
まぁ泊まるだけならいいが…。
助かりますありがとうございます。
この屋敷は大きいけれど分限者の夫婦がいるだけでした。
旅の薬売りは広い屋敷にポツンと寝かされました。
しかし旅の薬売りはなかなか寝つけませんでした。
しかしそのうちウトウトして目を閉じました。
真夜中のことです。
(笑い声)広い座敷に3人のわらしが現れました。
(笑い声)早くこの屋敷を出たほうがいいよ。
3人のわらしは旅の薬売りにそう話すと布団の上で遊び始めました。
屋敷を出ろとはおかしなことを言うわらしだな。
うつつの夢なのか旅の薬売りはまた眠りました。
旅の薬売りはわらしに言われたように朝早く起きるとまた旅を続けました。
それから3年が経ちました。
旅の薬売りはまたあの分限者の屋敷の前を通りかかりました。
ところが屋敷は崩れかけて見るかげもありませんでした。
あの時の薬屋さん。
旅の薬売りはあまりの変わりように驚きました。
あんたが泊まってた次の日のことだった。
3人のわらしが現れて…。
3人:終わりじゃ終わりじゃ。
この屋敷は終わりじゃ。
孫兵衛どんとこへ行こう行こうそう言いながら出ていったんじゃ。
3人のわらし…。
それからじゃ。
やることなすことすべてうまくいかずこのありさまじゃ。
ところが隣村の孫兵衛んとこじゃやることなすことすべてうまくいって今じゃ村いちばんの分限者じゃ。
そこで旅の薬売りは隣村の孫兵衛の家を訪ねてみました。
それはそれは立派な屋敷でした。
(孫兵衛)これは旅の薬売りさん。
さあさあ上がってくれろ芋汁が煮えたところだで。
ありがとうございます。
あっちこっちと旅から旅ではさぞ大変じゃろうて?でも商人ですからしかたありません。
歩きっぱなしでお腹も空いたじゃろう。
たんと食べてくれろ。
ではいただきます。
久しぶりに腹いっぱいごちそうになった旅の薬売りは布団に入ると瞬く間に眠ってしまいました。
フフフフ。
わあ出た大きな足。
フフフフ。
(3人)薬売りさんがござった薬売りさんがござった。
嬉しいな嬉しいな。
フフフフ。
何して遊ぼ何して遊ぼ。
あやとりお手玉かくれんぼ。
何して遊ぼ何して遊ぼ。
何して遊ぼ何して遊ぼ。
何して遊ぼ。
よしお手玉。
そこで旅の薬売りは3人のわらしたちとお手玉をすることにしました。
お手玉はこうやるのよ。
へぇ〜。
フフフフ。
あれ?3人のわらしは遊ぶだけ遊ぶと広い屋敷から消えてしまいました。
き消えてしまった。
《あのわらしたち…もしかして》旅の薬売りはまた旅を続けました。
しかしやっぱり気になりました。
それはゆうべのわらしたちのことでした。
《あのわらしたちもしかして…》座敷わらし?
(3人)何して遊ぼ何して遊ぼ。
あやとりお手玉かくれんぼ。
座敷わらしはいたずら好きの子供の神様です。
棲みついた家は栄え去っていってしまうとその家は落ちぶれてしまうといわれています。
いじわるな分限者よりも優しい孫兵衛さんの家に座敷わらしはきたのです。
(3人)何して遊ぼ何して遊ぼ。
あやとりお手玉かくれんぼ。
2014/04/06(日) 09:00〜09:30
テレビ大阪1
ふるさと再生 日本の昔ばなし[字][デ]

「ちょうふく山の山姥」
「さだ六としろ」
「座敷わらし」
の3本です。みんな見てね!!

詳細情報
番組内容
私たちの現在ある生活・文化は、昔から代々人々が築き上げてきたものの進化の上にあります。日本・ふるさと再生へ私たちが一歩を踏みだそうというこの時にこそ、日本を築いた原点に一度立ち返ってみることは、日本再生への新たなヒントになるのではないでしょうか。
この番組は、日本各地に伝わる民話、祭事の由来や、神話・伝説など、庶民の文化を底辺で支えてきたお話を楽しく伝えます。
語り手
 柄本明
 松金よね子
テーマ曲
『一人のキミが生まれたとさ』
 作詞・作曲:大倉智之(INSPi)
 編曲:吉田圭介(INSPi)、貞国公洋
 歌:中川翔子
 コーラス:INSPi(Sony Music Records)
監督・演出
【企画】沼田かずみ
【監修】中田実紀雄
【監督】湯浅康生
制作
【アニメーション制作】トマソン
ホームページ

http://ani.tv/mukashibanashi

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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