目撃!日本列島「新たな絆を作りたい〜“国境”を越えた交流合宿〜」 2014.04.06

トンネルを抜けると…そこは一面の銀世界。
北海道幌加内町朱鞠内地区です。
ここで18年間一風変わった合宿が続けられています。
ホンリナラゴハムニダ。
ホンリナと申します。
どうぞよろしくお願いします。
(拍手)日本韓国在日韓国・朝鮮人の若者たちが平和を考える合宿です。
2日間でいろいろ学べたらいいなと思ってます。
よろしくお願いします。
(拍手)
(拍手)ただ仲良しになるのではなくお互いの歴史などを本音で議論しています。
これからどうしていくかっていう。
歴史を学びたい教員志望の大学生。
自分たちの境遇を知ってもらいたい朝鮮学校の生徒。
お互いを理解したいと自ら進んで参加しているのです。
1泊2日寝食を共にする若者たち。
日本と韓国・北朝鮮の関係が冷え込む今彼らの交流は何を語りかけるのか。
私来年も来るよ。
おっ!会いに来るよ。
絆を作ろうとする若者たちを見つめました。
北海道幌加内町朱鞠内にある…今回の合宿の舞台です。
80年前に建てられ今なお戦争の歴史が刻まれています。
戦時中朱鞠内で命を落とした人の位牌。
日本人に交じって朝鮮半島の人の名が少なくありません。
土木工事などでこの地に動員された人たちのものです。
交流合宿を主催している殿平善彦さん。
北海道深川市にあるお寺の住職です。
朱鞠内に朝鮮半島の人たちの遺骨が眠っていると知った事が合宿を始めたきっかけでした。
34年前埋められたままになっていた遺骨を掘り起こし供養を始めた殿平さん。
活動を知って韓国の大学教員が協力を申し出ました。
やがて互いの国の歴史について意見をぶつけ合いながら語り合ううちに無二の親友になりました。
18年前2人が若い世代にも交流を呼びかけたところ日本や韓国の若者100人が集まりました。
交流は毎年続き合宿の参加者は延べ2,000人に上っています。
今年も交流合宿が開かれました。
楽しい集まりにしたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。
(拍手)今回集まったのは日本人57人在日韓国・朝鮮人31人韓国人8人などおよそ100人。
フェイスブックや口コミで合宿を知り申し込んできました。
教育大の2年目の吉川真瑛です。
教師を目指す吉川くん。
異なる考えを持つ人と交流したいと大学の仲間3人を誘ってやって来ました。
まず全員が案内されたのは戦時中過酷な労働で亡くなった日本人と朝鮮半島の人が眠る共同墓地。
降り積もった雪を堀って一緒に供養をします。
日本人韓国人在日韓国・朝鮮人それぞれにとってここが意味のある場所だと知ってもらいます。
共同墓地にお酒を供える女性がいました。
在日4世の…東京から参加しました。
キムさんは在日の子弟が通う朝鮮大学校で寮生活を送っています。
東京に来るまでは札幌の朝鮮初級学校中級学校高級学校に通いました。
これまで同年代の日本人と深い話をする機会があまりありませんでした。
今キムさんが心を痛めている事があります。
ヘイトスピーチと呼ばれる差別的な言動を繰り返すデモ。
ここ数年日本各地で行われています。
自分たちが置かれている状況を少しでも分かってもらいたい。
キムさんは日本の若者たちと語り合うため今回合宿に参加する事にしました。
せ〜の!夜7時食事の時間です。
寝食を共にしながら交流を深めるのも合宿のねらいです。
夜10時若者たちのディスカッションが始まります。
議論のテーマは平和について。
それぞれの立場からタブーなしで意見を出します。
どういう所か知ってる?吉川くんとキムさんは同じ班になりました。
思っている事を率直に語り合います。
何て言うのかな…。
吉川くんは戦争は自分が生まれるはるか前の事なのに加害者と言われる事に戸惑っていました。
更にキムさんは在日への風当たりが強いのは日本人が社会を変えようとしないからだと訴えました。
2時間のディスカッションが終わりそれぞれの班で議論した内容を発表します。
加害者と被害者っていう立場になると思うんですよね。
「それってぶっちゃけどうなの?」っていう話をしました。
植民地支配からの歴史を通して加害者被害者という認識が必要だとするキムさん。
若い世代まで加害者だと言われた事に納得できない吉川くん。
議論は平行線のままでした。
深夜になっても吉川くんとキムさんはまだ話し足りないようでした。
分かり合う事の難しさを口にする2人。
そうそうそう。
お互いの認識の隔たりに気付かされた1日目でした。
合宿2日目。
やばいやばい!ホントに顔パンパンです!マジで酒弱いから多分。
合宿には大勢の大人たちも参加しています。
かつて合宿で議論していましたが今は裏方に回って食事の用意などをしています。
お互いの考えが簡単に一致しなくてもこの場所で議論を続け固い絆を結んできました。
だからこそ若い世代にも同じ体験をしてほしいと支え続けています。
この日は過去の歴史と向き合うプログラムが用意されていました。
あっ冷たっ!若者たちが向かったのは歩いて15分の距離にある朱鞠内湖です。
戦時中に造られた雨竜ダム。
当時道内最大規模の土木工事が行われました。
数千人の労働者が昼夜を問わず工事に当たり過酷な労働を強いられたといいます。
道が委託した調査によると栄養失調や作業中の転落死などで日本人のほか朝鮮半島の人たちが亡くなったとされています。
昭和18年に一応完成するんですけれどもその間に分かっているだけで214人犠牲者がいます。
分かってるだけというのは…。
ダム見学のあと殿平さんは若者たちに発掘された遺骨を見せました。
遺骨を見て湧き起こる感情の違いを知ってほしいからです。
遺骨の多くは日本人のものなのか朝鮮半島の人たちのものなのか判別できていません。
引き取り手がなく今も残されたままです。
吉川くんは同じ人間として亡くなった人の無念さを思い浮かべていました。
一方キムさんは亡くなった朝鮮半島の人と自分たちとのつながりを感じ憤りをぶつけていました。
2日間話し合いを続けてきた2人。
結局認識が一致するには至りませんでした。
しかしキムさんは自分の思いにまっすぐ向き合ってもらえたと感じていました。
吉川くんも一つの目標を立てる事にしました。
大学で東アジアの歴史を学ぶサークルを作ろうというのです。
別れ際吉川くんはサークルの事をキムさんに伝えました。
そしてまた議論しようと約束しました。
お互いの意見に耳を傾け合った1泊2日。
若者たちは来年の冬再び朱鞠内に集まります。
2014/04/06(日) 08:00〜08:23
NHK総合1・神戸
目撃!日本列島「新たな絆を作りたい〜“国境”を越えた交流合宿〜」[字]

北海道・朱鞠内湖のほとりで、風変わりな合宿が18年間続いている。日本、韓国、在日韓国・朝鮮人の学生たちが交流を深めるワークショップだ。新たな絆を見つめる。

詳細情報
番組内容
北海道幌加内町の朱鞠内湖。冬はワカサギ釣りの家族連れでにぎわう湖のほとりで、18年間も続く合宿がある。日本、韓国、在日韓国・朝鮮人の学生たちがさまざまな共同作業を行い、交流を深めるワークショップだ。2泊3日、同じ釜のメシを食い、雪下ろしなどを一緒に行う一方、夜は互いの歴史認識や立場の違いなどを語り合う。参加者の多くは、その後も変わらぬ友情が続くという交流合宿。ことしも50人の若者が集まった。
出演者
【語り】村上里和

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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