朝の体操はこの辺で。
どうぞ良い日曜日をお過ごし下さい。
「NHK俳句」新年度も第1週の選者は宇多喜代子さんでいらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
セットが新しく変わりました。
お客様によそへ来たみたいですがハイカラで明るくていいですね。
うきうきして楽しいですよね。
楽しいですね。
この楽しいお部屋からよろしくお願い致します。
それではゲストをご紹介致します。
今日は京都からお越し頂きました料理研究家の杉本節子さんでいらっしゃいます。
ありがとうございます。
よろしくお願い致します。
見てご覧なさい。
京都からいらしたからホントにたたずまいが違いますでしょ。
すてきなお召し物で。
帯がすてきだと思う。
ありがとうございます。
今日は春チューリップの柄の入った。
チューリップなんですね。
チューリップを図案化してとてもすてきなお召し物とよく合ってるし。
あなたがお召しになるとやっぱりしっとりと…とてもようございます。
季節感を自分も身につけるとやっぱり気持ちがその季節らしくなるかなと思いまして。
(一同)よろしくお願い致します。
こちらへどうぞ。
それでは早速まいります。
今日の兼題「目刺」です。
やっぱり目刺ですけれども新年度は?新年度は月ごとに季節の食卓といいましょうかね。
事々しくないどこのおうちでも召し上がるようなものを季節に関わりのあるそれを取り上げていきたいと思っております。
今日は「目刺」ですけれども最初の句はこれは?福田甲子雄さんの句ですけれども福田さんは甲府の方でしたけれどもあちらにお住まいだとやはり海の物を食べるという。
やはり目刺なんかが新しいのが来ると「うわ目刺だ」とお思いになったろうと思う。
その時にまだ目刺の目を刺しますからその藁がまだ新しかったという事で。
私これ山の文化と海の文化というのはホントにどっかで一緒になりながらいってるんだなというのは一つの象徴的な句だなと思いまして今日は持ってまいりました。
その目刺ですけれども改めてご紹介致します杉本節子さん。
京都の「杉本家住宅」がご生家でらっしゃるんですよね?そうなんです。
今は重要文化財に指定されている京町家といわれる建物なんですけれども。
その建物とそこに伝わっておりますうちは江戸期からの商家だったんですがその町衆の暮らしを後世に継承するためにという活動をしています。
そこにある暮らしの中には食というものも大切な事でして。
そうした食文化和食のそうした習わしについても知って頂けるような活動をしております。
おいしい物召し上がってるように思いますけれども。
おばんざいとかたいたんとかいいますけれども。
やはり「始末した」という言い方をするんですけれどもぜいたくになり過ぎひんようにというそういう心得をしながらの食暮らしぶりという。
そういったところがやはり現代人にとってはちょっと振り返るという事も大事だなというふうに思いますし。
今日は「目刺」という事でまさにぴったりな食材という事で。
いろいろとお話楽しみにしております。
何か独特な言い方もあるんだそうですね?始末らしいの。
暮らし。
私が生まれ育ちました界わいはいわゆる京呉服商が軒を連ねていた界わいでしていわゆる京都三条室町といわれた所なんですけれども。
そういうあまりにも質素なんだという暮らしをそしった歌というのが言い伝えられておりまして。
という事は365日そうじゃなくてお花見だとか行事の時にはやっぱりそれがもうパッと晴れの日はあるんですよ。
そういうめりはりというのがあって初めてその晴れという日の楽しみという事も倍増するというような事があったんだろうなと思います。
ふだんは目刺も割と身近で?そうですね。
今日はまたよろしくお願い致します。
俳句については割と身近でいらっしゃるんだそうですね?私自身は俳句を詠むという事はなかなか機会がないんですけれども私の祖父が句会を主宰しておりましたりしてそういった意味ではおじいちゃんが「こう詠んではったな」というような事で。
北柿さんておっしゃる。
はい。
杉本北柿っていってね句を紹介…。
また後ほど。
それではまいります。
早速入選句ご紹介してまいります。
まず1番です。
これ「口全開に」というのは少しオーバーでしょ?目刺は確かに5匹ずつぐらいを口寄ってあったけで並んでますけど同じ顔してますよね。
それを「口全開に」という言い方で表してらっしゃる。
とてもリアルに目刺の様子が出てると思いました。
でもやっぱり自然のものが人の手によってこういう姿になる。
それ口全部開けさせられてという無理からの何かそういった事少し哀れむというか。
でもそれがとても面白おかしく見えるという事で。
人の一手間がかかった加工をされて食卓にこれから運ばれるんだよという。
きれいに人の手によって藁で連ねられた様子というのはやはりおいしそうだなというかやっぱりそう思ってやるという事がこれから頂く者の気持ちの心得なのかなと思わせてくれるような雰囲気がしますね。
では今度は2番です。
私この子目に見えるみたいなんですよ。
寝坊して遅刻をしました。
ところがやはり朝ごはんはちゃんと食べてきました。
その日の朝ごはんには目刺がついておりましたというんですね。
まだ口の周りからこの辺に目刺の匂いがしてるという。
非常にこれ大事な事なのね。
朝ごはんをちゃんと食べて…遅刻をするのは悪いけれど。
明日から早く行きましょう!そういう事でとても面白い句だと思いましたね。
いかがですか?私も遅刻をする子どもだったので何か我が姿を思い浮かべるようなそんな感じがしました。
面白いです。
今度は3番です。
これは別にお行儀よく食べてるんじゃないんです。
縄文人はさぞかし手でつかんで食べたかもしれない。
それらしく目刺を頭からかぶっと食べてる様子が出ております。
それを「縄文の末裔」と捉えたところに新しい目がありましたね。
4番です。
これなかなか読みようによっては複雑なんですがでもこれはちょっと大きくなって大人になってつきあい方が変わったんだなという程度に思います。
ところが小さい時にはお前が2匹食ったの3匹食ったのでさんざん争ったかもしれないしね。
何かいろいろあったんだろうと思う。
そういう兄弟の昔が見えるようでそれを目刺が引き出してくれるのがいいじゃないですか。
ちゃぶ台の光景が浮かんできますよね。
5番です。
目刺というのは小さい魚ですけど実は広い広い海にいたんですよ。
それで海の上を風が吹いていると。
それがそのまま目刺の上を吹いてると。
「海の風」と言わずに「風ひろびろと」というこの言い方がとても目刺に対して優しい感じがするんですね。
海の景がとてもよく見えます。
6番です。
これ海辺に住んでいたらちょっとしたらこういう句はできなかったかもしれませんけれども。
清水さんは長野県にお住まいでいらっしゃるから目刺がこう…さっきも福田さんの句にあったように藁で目を貫かれてきたそこの藁にさえ海の匂いを感じたというのはいかがですか?私も京都の町なかで生まれ育ちまして。
京都は三方が山に囲まれてますので山は近いんだけれどもやはり海への憧れといいますか実際大海原を見てという機会がなかなかないんですね。
ですから食を通じて海を感じるしかないといいますかこの「藁にも海の匂ひして」というところホントに…清水節子さん…同じ名前なんですけれども何か共感できる所が非常にありますね。
今度は7番です。
目刺って新しいうちはまだ青いんですね。
イワシの青が残ってるんですね。
それを「海光」とおっしゃった。
海のきらきらする光をそのまままだイワシが背中に残していると。
それを積み重ねて売ってるという物を売る現場なんですけれども。
そこに海の光を感じたというのはとても新鮮な感じが致します。
きれい。
きれいですね。
銀色みたいな色がするんですね。
そうですよね。
今度は8番です。
日本の海辺というのは大抵すぐ後ろに山を控えておりますから風が海から来たり山から来たりする。
その風で干された目刺だなという。
「海風も山風も」と並べたところとてもこれは大きい感じが出てていいと思いました。
今度は9番です。
これはどこの島か分からないけどこういう所よくあるんですよ。
北海道の利尻富士とかいろいろありますよね。
その感じを実によくきっぱりと出てると思いますね。
以上が入選句でした。
それでは特選三句をご紹介する前に「俳人のことば」をご覧頂きます。
(能村)新しい教科書の第一課には大抵「さくら」に関する詩が文章に載っていまして何もかも新鮮な風景です。
能村登四郎第一句集「咀嚼音」の一句です。
能村登四郎は明治44年東京の生まれです。
後に千葉県市川市で教師となり昭和14年28歳の頃水原秋桜子の俳誌「馬酔木」に参加。
本格的に俳句を始めました。
当初登四郎の作風は自分や人間に重きを置いていました。
第一句集「咀嚼音」は自己の暮らしと職業をあらわにした作品で編まれています。
(能村)久しぶりに俳句を作る友人を訪ねましたら家にはいないで後ろの2月の荒れた畑でもくもくとくわを振るっている。
この人は時々ぎょっとするような句を作る人で私にとっては何となく気になる人だった。
それでは特選句です。
まず三席はどちらでしょう?深川光江さんの句ですね。
二席の句です。
二席は小島直さんの句です。
一席はどちらでしょう?一席は竹田吉明さんの句ですね。
ホントにこういう島ありますよね。
象徴的に高い山が1つある。
それだけで裾野にちょっと陸地があるようなそういう島の事なんです。
そこでも人が暮らしてると目刺を干しているという。
その様子を非常にリズムをきっぱりと言ってらっしゃるところですね。
上から下まで読んでくるときっぱりとした口調がとてもいいと思いまして余計な事が一つも入ってないというそういう句ですね。
いいと思いました。
以上が今週の特選でした。
ご紹介しました入選句と佳作の作品はこちらNHKの俳句テキストに掲載されます。
俳句作りのためになる情報も参考になさって下さい。
それでは続きまして「入選の秘訣」です。
ここを変えれば入選していたというあと一歩をクリアーするポイントを教えて頂きます。
今日はこちらの句です。
「その前は眼澄みゐし目刺かな」。
という原句がお葉書にございました。
このままでも分かるようですけど「その前は」というのは「はて何の前かしら?」と一瞬思わせますね。
これは目刺になる前の「前」なんですよね。
ところがこの句の一番のいいところは「眼澄みゐし目刺かな」という目刺の眼が澄んでいる。
生きてた時は澄んでいたという事を思いやってらっしゃる句なんですね。
ですから「その」とか「あの」とか指示する言葉。
これは連体詞というのかしら。
すぐ使ってしまいがちですけど。
格好よく見えるでしょ。
よくあるんですけどやはりそれが何であるかがすぐパッと分かるのがいいと思うんですね。
この作者は多分原句といいましょうかノートの初めには「干す前の」と書いたに違いないなと思うんです。
それでいいんじゃないかと思うの。
凝って「その前は」と言わなくても「干す前の眼澄みゐし目刺かな」という中七から下五へ掛かってくる非常にいい言い方ですね。
これが生きてくるように思うんですがいかがでしょうか?分かりやすいという事ですか?分かりやすいんですね。
「その」「あの」「この」「あれ」「これ」。
大いにお使いになってもいいと思うんですけれどもこの句に限ってはさように思いました。
ありがとうございました。
それでは皆さんからの投稿のご案内です。
投稿の締め切りが早まりました。
ご自身の作品で未発表のものに限ります。
それでは宇多さんの年間のテーマ「季節の食卓」という事ですね?春夏秋冬がある国に住んでおりますと食だけではなくて衣食住全部季節と離れては暮らせないんですよね。
ですから季節ごとの食品一品ごと毎月持ってきたいなと。
それで進めてみようと思います。
今日はこの句をご紹介頂きます。
今日は「目刺」ですからね。
森川曉水は昭和の一茶と呼ばれた方で市井の暮らしといいましょうか非常に清貧に甘んじた方だったんですけど非常に句が清れつでよかったんですね。
それでこの句は多分句友だろうと思うんです。
俳句の友達なんかと目刺を焼いて奥様がもてなしてらっしゃるんだと思うんだけども。
その「座」に「妻」も出てきたというところがとても奥様に対するまなざしが感じられていいように思いますね。
これがおごちそうじゃこうはいかないだろうと思いますが…。
いかがですか?質素な食材の代表的な食材というのが目刺。
質素な目刺なんだけれども句の仲間たちのささやかなもてなしの食材としてこの目刺というのが歌い込まれてると思うんですけれども。
そこには人がいて和やかな輪があって語らいですとか笑みがフッとこぼれているようなそういう情景がパッと目の前に。
そして最後の「妻も」という所先生がおっしゃったように女性としてはそういった所にフッと女性が入る事でその場もこの句そのものも幸せな…京都の言葉で言うと「はんなり」した色というんですかね何かそういったふうな情景も浮かんでくるように思いましてとても好きだなと思えた句です。
とてもいい鑑賞でしたよね。
句の背景がとてもよく分かると思うんですね。
それは目刺が誘い出す世界ですね。
タイやヒラメではない。
ささやかなこの感じはないかもしれませんね。
ありがとうございました。
さあそれではここでおじい様の俳句をご紹介頂けますか?北柿というのが祖父の俳号なんですけれども。
京都の春といいますと園の都をどりというそういうのが春といえばという催しになるんですけれども踊りと踊りの回の間に芸妓さんが薄茶をお点前してそしてそこには和菓子が添えられてという事で。
しょく台ろうそくをともした所での点前を眺めながらお茶菓子を頂くという。
そういうものも都をどりには備わっているという事なんですね。
その情景を詠んだ句なんですけれども。
その和菓子を今日は。
そうなんです。
点前の時にはお菓子がお皿に載せられて置かれるんですけれどもそれで頂くんですが。
これ団子の模様の入ったつなぎ団子という花街の印がこのようにお皿の模様として入れられておりまして。
今日はちょうど桜の季節でもありますので桜餅を載せて京都の春らしさという事で京都の方から持ってきたんですけれども。
それで菓子柄が今日はこういうお皿でそれぞれお一人お一人にお菓子が配られるんですけれども。
ここに「都をどり」って書いてあります。
このお皿はもらって帰れるんですね。
これも色が5色ありましてどれが当たるか分からないんですけれども。
今年はこういう藍色だったな。
次行く時にはまた違った色が頂けるかしらというそういう楽しみもあったりしますし。
このお皿を持ち帰ってこれが食器の棚に少しありますと都をどり見に行った時のその時一緒に行った人とかそれこそ芸妓さんの美しい点前の所作であったりそういった事思い出すという事の風物詩の一つという事になるかと思います。
とにかく京都はしきたりといいましょうか年中行事といいましょうかそういうものが各お宅でとてもきっちりしておりますよね。
私の家にはこの「歳中覚」というふうに私どもは呼んでいますけれども。
1年間の暮らしの年中の覚書ですね。
天保と書いてありますよ?天保12年に書かれたもので今日持ってきたのは複写本なんですけれども私の家では「歳中覚」という名前の帳面ですけれどこれは当家に限った事ではなくて商家お商売するようなおうちでは名前を変えて「年中覚」とか。
中はどんなふうになってるんですか?見せて頂ければ。
この中にちょうど食についての習わし事がまとめて1年間の習わし書かれているんですけれども。
まず面白いのがここですね。
「毎月十日二十日晦日右三度生肴焼もの家内中高下なく付候事」という事で月に3遍10日ごとにしかお魚が食べられなかったよという事なんですね。
こういう形で今でもこれにのっとって少しやってらっしゃるという事ですか?こうした質素倹約の暮らしぶりは大切にしていきたいなと。
3度だったかもしれないけれども高下の…使用人もいらしたろうけどそういう方も一緒に食べたと?平等に。
これは例えば杉本家個人の「歳時記」なんですね。
お宅の「歳時記」なんですよね。
私たち日本人の暮らしというのがこういうふうな心掛けで季節を追いながら営まれていたという事がよく分かる帳面です。
今日は杉本さんから京都のそれこそ季節と共に暮らしてらっしゃる暮らしをご紹介頂きました。
ホントにどうもありがとう…。
ちょっと時間がなくなってしまいましたけれどもありがとうございました。
とても面白い大事な物ですね。
大切な物をお持ち頂きました。
杉本節子さんにお越し頂きました。
宇多さんまた次回もよろしくお願い致します。
(一同)ありがとうございました。
(きてき)2014/04/06(日) 06:35〜07:00
NHKEテレ1大阪
NHK俳句 題「目刺」[字]
選者は宇多喜代子さん。ゲストは料理研究家の杉本節子さん。杉本さんの生家は、京都にある国の重要文化財「杉本家住宅」。昔ながらの京の暮らしを受け継いでいる。題 目刺
詳細情報
番組内容
選者は宇多喜代子さん。ゲストは、料理研究家・杉本節子さん。杉本さんの生家は、京都にある国の重要文化財「杉本家住宅」。昔ながらの京の暮らしを受け継いでいる。題「目刺」。【司会】桜井洋子アナウンサー
出演者
【出演】杉本節子,宇多喜代子,【司会】桜井洋子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
趣味/教育 – 生涯教育・資格
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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