おはようございます。
今日から「演芸図鑑」の司会をやらせて頂く事になりました柳亭市馬でございます。
落語家になりまして34年になりますがまあ落語家というのは必ず師匠に入門をして弟子入りをして修業する訳なんです。
最初前座といいまして太鼓をたたいたり着物を畳んだりいろんな事をします。
座布団ひっくり返すのも前座の大事な役目なんですがこの前座というのは落語家の虫けらだなんていわれるんですけど私はその前座になる前1年半ぐらいの見習い期間がありまして虫けら以下の生活があってこれは思い出すとまあ大変な事がありましたがこれからおいおいお話をする事にして…。
さて今日の出演者をご紹介致しましょう。
マジックのゼンジー北京さん。
いや〜ホントに大ベテランでこの方にだまされると気持ちがよくなるという世界遺産的存在な方でございます。
そして落語は春風亭小柳枝さん。
いつお目にかかってもニコニコとほがらかな師匠でハワイアンがお得意でございましてロートーンの響く声でお歌いになります。
この歌の上手な師匠ですから私は歌に関してはこの方を目指しておりますので。
ではお二人の演芸をごゆっくりどうぞお楽しみ下さい。
(拍手)さあぼちぼちだましにかかるぞ。
気楽にね。
どうしても皆さん手品始まると目つき変わるの。
ね。
まあもう手品はだまされてなんぼよ。
いろいろ言い訳しながらぼちぼちやろうな。
まずこんなもんよ。
私今手に持った丸い輪が1つある。
これはもう誰が見ても丸。
この輪を持って1回くるっと後ろへ回るね。
すると瞬間四角に変わる。
手品こういうところが不思議よ。
もう一回後ろへ持って回るよ。
すると元の丸にちゃんと変わるの。
これ簡単。
これはもうこうなってこうなるだけ。
もう私の手品こんなのばっかりよ。
ホント気楽な商売。
というのは冗談でこれは私の準備体操。
これからよ!何となく手品らしきものをお目にかけていこうね。
さて今度はこんなものを使おうか。
こちらの方に私こういう3つのコップを用意してね。
発泡スチロールのコップを用意したのね。
これ大きなコップ。
中何も入ってないよね。
1つ2つね3つと。
さあこの3つの発泡スチロールのコップを使ってお遊びね。
こちらお水ちょっと入っているのね。
このお水をまずこの中へ入れようね。
はい中入ったね。
ここへ今入ってる。
そこでね私これからこの3つのコップをあちらこちらと入れ替えるので。
(笑い)何よ?だますのはこれからよ。
いいか?この3つの中のお水が入っているコップどこにいくかよく見といて。
いいね?何か今日雰囲気悪いなおい。
(笑い)今どこにあるか覚えてる?
(観客)右。
これね。
これねまずこういってねこういってこういこうかね。
こういくと今はどこ?
(観客)左。
これね。
え〜…あっ正解よ。
正解正解。
え〜さてまだまだこれ序の口よ。
え〜さあこれからよ。
こういってねこういってこういこうかな。
え〜こういこうか。
はい今どこ?
(観客)左。
あっこれ?ね。
2番目ね。
これね。
あっ正解よ。
(笑い)いいね…。
何となくホント今日だましにくいわ。
(笑い)今どこにあるか覚えてる?
(観客)真ん中。
真ん中ね。
これね。
よしちょっとややこしいぞ。
せわしないぞ。
こういこう。
はいどこ?
(観客)左。
左?残念。
(観客)え〜!残念。
残念。
水はない!以上終わり。
次いくぞ。
さああまり深く考えんなよ!さあ今度はねこちらの方にこんな面白いものがあるのね。
ちょっと出してくるよ。
その前に…この封筒こちらのおかあさんちょっとこれ封筒ちょっと大事に預かっておいて。
ほかすなよこれな。
大事なものね。
後で使うからね。
大事に持っておいてちょうだい。
はいではこちらから私こういう番号札を用意した。
いろんな番号ゼロから9までいろんな番号札がある。
この番号札をこちらのここの中に入れよう。
こちらから私1枚ずつ取り出してねこういう具合にこちらからこちらへ入れていこう。
こういう状態で。
どんどん私1枚出す。
そこでお客さんこう入れていくのでどこでもいいからね好きなところへきたらストップかけて。
じゃあね最初おかあさん。
好きなところへきたらストップかけてちょうだい。
よろしいね?こちらからこちらへ入れるのでね。
ゆっくりいこうね。
このままの状態でね。
さあいくよいよいよね。
こちらから…えっ?え〜…。
(笑い)ストップ。
なるべくタイミング合わせてな。
これ?じゃあこれ前へ置こう。
では…じゃああなた。
どこでもいい次ねストップかけてね。
今の要領ね。
こちらからこちらへ続いていくよ。
ゆっくりいこうね。
このままの状態ね。
はいいくよ。
え〜…。
えっ?
(観客)ストップ。
ストップでいいの?
(笑い)変えてもいいよ。
別に3番目でなくてもいいのよ。
これでいいの?何となくこの人もやりにくいね。
(笑い)じゃああなた。
こちらからこちらへいこうね。
ゆっくりいくよ。
どこでもいいからね。
えっ?
(笑い)続いてねこちらからね。
まだ?なるべく今日中にやってくれよ。
ストップ。
(ゼンジー)えっストップ?何となくタイミングがずれたな。
まあいい。
それぞれ好き勝手にね今お客さん3人ストップかけて頂いた。
ところが私全部前へ置いた。
この番号何か?おかあさん預けた最初に。
まだ大事に持ってくれてるね。
中から1枚何かが入っているから出してちょうだいおかあさんの手で。
出してちょうだいどうぞ。
はいどうもありがとう。
「219」219番ね。
その封筒お土産差し上げよう。
(笑い)「219」と。
さあストップかかった番号…。
ズバリ的中というところで今日も何となく大成功。
どうも失礼しました。
(拍手)
(出囃子)
(出囃子)
(拍手)お花見のお話でございます。
正岡子規の俳句に「銭湯で上野の花の噂かな」というのがございます。
陽気がよくなった。
花が咲いた。
うちでゴロゴロしてたんじゃ先祖に対して申し訳がないなんていう江戸っ子が我も我もと花見へ出かけたんだそうですな。
「おう!花見行ったか?」。
「行ってきた」。
「どうだった?」。
「そりゃすごかったお前人がこんなになってやってら。
いい気分で帰ってきた」。
「そうか。
そりゃよかったな。
で花はどうだった?」。
「えっ?」。
「いや花」。
「花?いやそこまでは気が付かねえ」。
何しに行ったんだか分かりませんけども…。
「おうみんな来てくれたか?ありがとうありがとう。
俺今月月番なんだよ。
何だか知らねえけど大家の所から使いが来てよ長屋中そろって顔を出せってんだよ。
気味悪いじゃねえか。
だからとりあえずここに集まってもらってな腹を決めてみんなでつっと行こうと思うんだけど何だろうな?」。
「何だろうって決まってるじゃねえか。
大家がそろって顔を出せっていうんだろう。
店賃の催促だよ」。
「やっぱりな。
俺もそうじゃねえかと思ったんだ。
みんなためてるからな。
この間与太の野郎には驚いたぜ。
『お前店賃どうなってんだ?』って言ったら『店賃って何?』って聞いたんだ。
『ばか野郎!大家のとこの月々の金だ』って言ったら『まだもらってねえ』って言ったからこれは大家は怒るよ。
俺はなうめえ具合に謝るからくだらねえ言い訳するんじゃねえぞ。
小言が長くなるから。
俺が『すいません』って言ったら『すいません』ってすって引き揚げるから分かったか?」。
「へい」。
「大家さんこんにちは」。
「大家さんこんにちは」。
「大家さんこんにちは」。
「大家さん死んじめえ」。
「誰だ変な事言ってるのは。
さあさあ上がった上がった。
顔はそろったのか?ご苦労。
お前たちを呼んだのはほかでもねえんだ。
今日の話って…」。
「分かってんすよ大家さん。
店賃でございやしょう?すいませんねいつも迷惑かけちゃってね。
分かってる。
だからさっきもねみんなで集まったんだ。
なあ。
で今度稼いだら何はともあれ店賃の方に放り込もうって決めたとこなんすよ。
ですから今日のところはひとつ勘弁してやっておくんねえ」。
「何を言ってやんだい。
今更お前たちに店賃の催促をしても始まらねえじゃねえか」。
「あっ違うの?あれ要らねえんすか?「いや要らない事はない。
私も仕事だからいずれは集めさせてもらうが今日の話は違うんだ。
お前たちに聞きてえがな世間でうちの長屋の事を何といってるか知ってるか?」。
「ええ知ってますよ。
貧乏長屋トンネル長屋三日月長屋戸なし長屋」。
「それだ。
まあ貧乏長屋というのは俺をはじめとして金持ちは一人もいねえ。
これはしょうがねえだろ。
三日月長屋トンネル長屋のようにも見えるだろう。
しまいの戸なし長屋というのは気に入らねえ。
何だ戸なし長屋ってえのは。
お前たちが入った時はちゃんと戸がついてたろ」。
「戸ついてました?戸あったな。
戸はあったんだよ大家。
戸はあったけどまきがなかったんだよ。
ここがうめえとこぶつかっちゃってそろそろ天井板に取りかかろう」。
「ばか野郎!てめえたちは住む所は大事に使え。
この貧乏長屋がな世間をわっと脅かすような事をやってみてえと思ってなそれで呼んだんだ」。
「そんな事で呼んだの?何だ〜そうですか。
世間をわっと脅かすような事ね。
分かりました。
やってやろうじゃないですか。
どうです?風の強い間に長屋に火付けますか?」。
「こっちが驚くじゃねえか。
お前たちを呼んだからには腹はできているんだ。
世間を見ろ。
陽気がよくなって花の噂もしきりじゃねえか。
この貧乏長屋がなそろって花見に出かけるんだ。
世間の連中は驚くだろう」。
「花見ね忘れてたな。
そうですか。
じゃあ何ですか大家さん先頭にこの貧乏長屋の連中ぞろぞろぞろぞろ上野のお山か何か行って桜の木をぐる〜っと回ってションベンして帰ってくんの?」。
「どうしてそう情けない事を言うんだ。
『酒なくて何で己が桜かな』。
大した事はできねえけどな酒が2升それから料理といってもなかまぼこと卵焼きだけどな。
これはこっちで用意した」。
「ななな何ですか?さささ酒を2升?かまぼこと卵焼き大家さん出してくれんの?割り前なし?おい聞いたかよ。
そうですか!いいですね行きましょう!お願いします」。
「お願いします」。
「そうかそうかみんな行くな。
よしみんな連れていくぞ。
ただお前たち向こうに行ってガタガタ言うといけねえからなはなのうちに断っておくけどな酒といっても本物じゃねえんだ」。
「ああ…そうですか。
本物じゃねえんだとよ。
いいっすよ焼酎だってどぶろくだって」。
「焼酎どぶろくは立派な酒だ」。
「何なんです?」。
「ばあさんが考えたぞ。
番茶を煮出してこれを水で薄めてきれいに2升出来た」。
「お茶?お茶け?お茶だとよ。
料理の方は本物なんでしょうね?」。
「まあな。
酒が本物じゃねえからなこれに合わせるのに苦労した」。
「嫌な苦労したね。
何です?そのかまぼこというのは」。
「これもばあさんの考えだ。
大根のこうこを月形に切ってきれいに重箱へ並べてみた。
よく出来たぞ」。
「考えたねばあさん。
ああそうすっか。
そうするとかまぼこが大根のこうこだとすると事によるとですよ事によるとその卵焼きってえのはあの…う〜んたくあん?」。
「当たった」。
「当たっちゃった。
それじゃあ何ですか?みんなでもって上野のお山に行って茶をガブガブ飲んでこうこをバリバリ食って帰ってくるだけ?」。
「どうしてそう夢のない事を言うんだお前たちは。
気の持ちようによっちゃあなお茶がお酒になり大根のこうこがかまぼこになるんだ。
不器用なやつだ」。
「不器用だって?そんなんだったらなにもお山へ行く事はねえんだ。
大家さんねちょいとまだ仕事が残ってるんですよ。
あっしこれで帰らせてもらいますから」。
「あっしも」。
「あっしも」。
「ちょっと待て待て待て!何かお前たち俺とばあさんがこれだけ段取りつけたのにそろって行かねえって言うのか。
よしてめえたちがそういう了見ならこっちにも覚悟があるぞ。
この集まりを店賃の催促に…」。
「それ脅迫っていうんじゃないの。
しょうがねえな店賃だってよ。
分かりましたよ。
行ってあげますよ」。
「何だ『行ってあげます』とは。
『連れてって下さい』と言え」。
「そんな…」。
「早く言いな!言わなきゃ店賃だ!」。
「もう〜それじゃあ大家さん連れてって下さい」。
「もっと大きな声で言え!」。
「大家さん連れてって下さい!」。
「お前は?」。
「大家さん連れてって下さい」。
「お前は?」。
「大家さん○△□※…」。
「何言ってるんだ。
ハッキリ言え!どうなんだ?」。
「大家さん連れてって下さい」。
「大家さん津れてって下さい」。
「大家さん連れてかねえで下さい」。
「何を言ってるんだ。
よしみんな出かけるな。
今月の月番と来月の月番お前たちか。
働いてもらうぞ。
お前の前にな毛氈が立てかけてあるだろう。
それにな重箱と酒をうまい具合に包んで両側結わえて棒を突っ通してな2人でもって担いでいきな。
何やってるんだよほらこれから出かけるんだから早くしなよ!」。
「どこにあるんですか?その毛氈っていうのは」。
「どこに…お前の目の前に立てかけてあるじゃないか!」。
「お前の目の前って…むしろじゃないですかこれは!」。
「私が毛氈と言ってんだから毛氈にしときゃいいだろう。
ないよりむしろましなんだ」。
「嫌なしゃれだね。
包んだか?よいしょ!よっと。
花見に行く形じゃねえな。
死んだ猫を川へ捨てに行くみてえだ。
行くか。
じゃあ大家さん出かけますよ。
よろしいですか?親類の方おそろいですが」。
「ばか野郎!弔いが出るんじゃねえ。
私が景気をつけるぞ。
さあそ〜れそ〜れ花見や花見やとな」。
「夜逃げだ夜逃げだ」。
「嫌な事言うんじゃねえ」。
「よし公よ俺たちは2人でもっていつも妙なものを担ぐな」。
「去年は何だ?」。
「去年はのり屋のばあさんが死んだ時2人で担いで今年はこんな汚えむしろを担いで」。
「来年は何だろうな?」。
「来年は大家に決まってるじゃねえか」。
「嫌な事言うんじゃねえ。
ほらほら花も見頃だ結構だね。
場所はここに決めよう。
さあさあここでもって毛氈を敷いておくれ。
おいどうした?毛氈はどうした?毛氈」。
「えっ大家さん毛氈あそこにいますよ。
本物を飲んだり食ったりしているそばに物欲しそうに突っ立ってますよ。
かわいそうにな。
お〜い毛氈こっちだとよ〜。
こら毛氈!あの野郎聞こえねえのか?」。
「ばか野郎聞こえたって返事する訳ねえよ。
俺に任せとけ。
お〜い毛氈のむしろ!こっちだこっちだこっちだ。
さあさあ…結構だね。
聞いとくれよ…何やってんだ?お前たちは。
何だって毛氈をそんな細長く敷くんだよ?」。
「だって大家さん長屋中ここにズラッと並んで座って前へ缶からを置いて頭下げるんじゃないんですか?」。
「おこもさんのまねしようってんじゃねえんだ。
宴会をするんだ。
さあさあさあ車座に。
さあさあさあそれでいいよ。
はい荷をほどいて!おいっそいっ。
よっちゃんはいお酒を飲みな!飲んどくれ。
早くお飲み」。
「ええどうも…いいっす。
あっしまだ喉渇いてませんから」。
「酒を飲むのに関係ねえだろ。
それじゃあいっちゃん飲みな」。
「あっし下戸なんです」。
「この野郎急に下戸になりやがったな。
ゆうべだろ虎になって騒いだのは。
お前は?どいつもこいつも…今月の月番飲みな!」。
「嫌な時に月番になっちゃったな。
しょうがねえ。
少しで…俺後でまた少し次やるからいいよ。
もういいよ少し…おっととと!何だってこんなにつぐんだこの野郎てめえ!俺に何か恨みがあるのか!?」。
「酒をつがれて文句言っているやつがあるか!ありがとうございますか何か言いな!」。
「言いますよ。
ありがとうございます。
覚えてろこの野郎!」。
「何言ってんだよ!さあさあ早くお飲み」。
「色はよく出来てるね」。
(笑い)「お〜う冷てえ」。
「何だ『冷てえ』って。
酒を飲んでそんな事を言うやつがあるか。
『これは甘口ですね』とか『辛口ですね』って言うのが当たり前だろ」。
「渋口ですよこれ」。
「渋口の酒ってえのがあるか!その酒は何だよ私がわざわざ灘から取り寄せたんだよ」。
「灘ですか?これ。
私は宇治かと思いました」。
「ばか野郎!宇治の酒ってえのがあるか!」。
「でも大家さんね近々長屋にいい事がありますよ」。
「うれしい事言ってくれるじゃねえか。
そうかい」。
「ご覧なさい酒柱が立ってますな」。
「何だそれ。
じゃあ飲めない連中はねさあ料理をお食べ料理。
よっちゃん飲めないんだろ。
さあ料理をお食べ」。
「分かりやした。
どっちかつきあわなきゃいけねえな。
じゃあ頂きます」。
「はいはいいってごらん」。
「じゃああの…こっち側の白い方をお願いします」。
「名前を言いな名前を」。
「名前っていったって白と黄色と2種類しか…。
何だっけなさっきまで覚えてたんだよな。
え〜っとねかま…かま根?」。
「何だそれ。
かまぼこかいはいはい遠慮なくお食べ」。
「遠慮しませんよ。
遠くから見たらこれはかまぼこに見えるね。
音さえしなきゃ…」。
「酸っぱいなこれ。
このかまぼこ漬け過ぎじゃないですか?かまぼこは浅漬けに限るよ。
でもあっしは別にかまぼこは嫌いじゃありませんよ。
かまぼこおろしなんてえのはおつなもんだよね。
おみおつけのおかずがかまぼこの千六本。
大家さんかまぼこの本場知ってる?」。
「かまぼこの本場は小田原に決まってるじゃないか」。
「練馬ですよ」。
(笑い)「近頃練馬行ってもかまぼこの畑が少なくなって…」。
「何だかまぼこの畑って」。
「私はこのかまぼこの葉っぱの方は…」。
「およしばか野郎!いい加減にしろ!誰か卵焼きにしろ卵焼き。
よく出来たよどうだい?羅お屋のじいさんどうだい?卵焼き」。
「すいません歯が悪いもので…」。
「歯が悪くても食べられんだ。
誰かいないのか?」。
「すいません大家さん卵焼きを頂きます!」。
「おいおいうれしいね。
うちにも役者がいたね。
大きな声で卵焼きって向こう行った人が振り返ったよ。
はいはい卵焼きかい」。
「あ〜っと尻尾じゃねえ所を」。
「はり倒せこの野郎!頭痛くなったよおい。
げんちゃんかいみんながばかを言っているのに矢立てを取り出して句をひねっていらっしゃる。
うれしいね。
うちにもこんな風流人がいたのかい。
拝見拝見。
いやいやいや…何何?『長屋中』。
いやこれは本物ですよ。
『桜花』とか『花咲くや』『花散るや』といくのを『長屋中』と逃げたところは本物だ。
『長屋中歯を食いしばる花見かな』」。
「長屋の花見」。
(拍手)この方のこの歌のおかげで落語家っていうのはこんなひどいやつばっかりなんじゃないかと思われたという名曲があります。
・「芸のためなら女房も泣かす」・「それがどうした文句があるか」師匠お久しぶりですね。
お邪魔します。
お久しぶりです。
よくおいで下さいまして。
すてきな所だね。
いやまあね。
この「浪花恋しぐれ」という名曲を作曲なさいました。
そして都はるみさんと2人で歌って「紅白」も出て一世をふうびしました。
いやいや皆さんお騒がせしました。
作曲家の岡千秋先生。
おはようございます。
歌いながら先生に入ってきて頂きましたけど…。
もう何か恥ずかしいですね。
いやいやいや。
もうね師匠の歌を聴いたらね僕なんかこの汚い声でしょ。
何だってもうだみ声っていうのはまたねどこでどうなるか分かりませんがこの声を作るのにあたっては師匠ねやっぱり結構時間がかかったんですよ。
それはどういう事かというとあの〜自分の個性を磨くためにたばこ吸ったりお酒飲んだりしてるの。
それは先生自分の悪行を正当化したいんじゃ…。
そうじゃないんですよ。
これは仕事のために万やむをえず?そうですよやむをえずっていう事にしときましょう。
なぜ先生が第1回目のこのゲストでここにおいで頂いたかと言うとですねこれは皆さんにねお話しなきゃいけないんですけれども私はなし家なんです。
落語協会という所に所属しておりますがもう一つ歌手協会にも入っているんです。
すごいじゃないですか。
私歌手の会員で…。
うわ〜すごい!羨ましいね!なぜそうかと言うとこれにも訳があるんです。
先生が私にデビュー曲を書いて下さったから。
書きましたよ。
いい歌が出来ましたね。
もうね6年前になりますけど…。
そんなになりますか。
このね「会いてえなぁふる里に」というね…。
もう是非歌ってほしいんですがどうでしょうね?それでね私も歌いたい気持ち満々なんです。
なぜか先生が座っていらっしゃるその前にこのキーボードがあってでうちにはですねちょっと手を伸ばすとすぐ出てくるものがあるんですよ。
なぜかね…。
ちょっと…マイク。
そういう仕掛けになっている訳ですか。
じゃあ是非ピアノ伴奏しますので。
お願いします。
よろしくお願いします。
「会いてえなぁふる里に」。
・「故郷じゃいま頃田植えの頃か」・「兄の手紙じゃみんなも達者」・「十五で出て来た東京暮し」・「あの山この村瞼を閉じりゃ」・「会いてえなぁ会いてえなぁふる里に」やった〜!いやいや…すばらしい!もうね師匠の声ってねホントに土のにおいがしてね温かい。
やっぱり歌って特にふるさとものっていうとねやっぱりこの温かみが一番の売りなんでねすばらしい。
それを作った先生ですよ。
いやいや。
やっぱりすばらしい声してるからすばらしいメロディーが自然に出てくるもんなんですよ。
お互い褒め合ってても何なんで…。
今ね私に書いて下さった「会いてえなぁふる里に」はもちろんふるさとを思う歌なんですけど先生は瀬戸内の島の…。
そうです瀬戸内海でも…。
瀬戸内海広うござんすが瀬戸内海でも一番兵庫県寄りの瀬戸内海なんですよ。
岡山県ですね。
そうです岡山の…。
何ていう島ですか?鴻島って…。
「」の…カタカナの「エ」に「鳥」。
鴻島。
小学校の4年か5年ぐらいまではランプ生活だったの。
電気がない?電気ない。
あら〜!電気はないわガスはない。
もちろん水道もない。
あら〜!ですからもう井戸水でごはん炊いたり…。
ごはん炊くったって…。
お風呂だって五右衛門ぶろですから屋根がないですよ。
まき?まきで。
でドラム缶にお湯入れて…。
あれ気を付けないと「あちっ!」ってもうねあっちこっちねぶつかっちゃうんですよ。
ラジオは…。
ラジオはあったんですよ。
僕はラジオで育ったんですよ。
ラジオから流れてくるっていうと…。
もちろん演歌じゃないですか。
それを聴いて育ったんですよね。
当時もうホント村田英雄さんとか春日八郎さん三橋美智也さん三波春夫さんたくさん大スターがいましたね。
そういう大スターの歌を聴きながら育ったんですよ。
歌謡曲の黄金時代でねすごいですもんね。
それで自分も「ああ…歌手になりたいな」というふうに当時小学校の4年か5年ぐらいの時それで歌手になりたいなっていう気持ちがそこで自分の気持ちになったというか…。
先生失礼ながらねそうやって島に電気もなかったお母さんが女手一つで…。
そうです。
先生子どもの時から弾けたんでしょ?それが何だか分かんないんですが昔オルガンってあったじゃないですか。
足で踏んで空気を入れて。
それをなぜか分かんないけど弾いちゃったんですよ。
学校で?学校で。
弾いて歌を歌った。
それを小学校の先生が見てて「あれ?何か全然教えもしない子がオルガン弾いて歌ってる」って。
でうちのおふくろに「もしかしたら息子さん何か才能があるんじゃないの?」みたいな話をその先生がしてくれたんですよ。
それから何か目覚めたような感じですね。
それから中学校へ行くようになって中学校2年の時に1年間だけバイエルをやらせて頂いたの。
バイエル。
はあ〜。
1年間だけ。
あとは全部独学ですから。
でもねお母さん大変だったでしょうね。
そうですね。
女手一つで大変だったと思いますよ。
私小さい頃なんかはねあちこちチョロチョロ動いていたずらばっかりしてたもんですから。
それで畑へ連れていきますよね。
うちたばこを栽培してたんですね。
畑で何か木にくくられてね。
夕方まで。
そうなんですよ。
どこ行くか分かんないから。
仕事が終わったらまたおんぶして帰ってくるんですが…。
よくうちのおふくろが歌っていたのはね・「月の沙漠をはるばると」ってこうおんぶしながら歌ってて…。
「月の沙漠」ね。
それはきっと大変なご苦労だったでしょうな。
多分ね。
そんな中で…それで当時ちょうどホントに夕方っていうか日暮れ時になると月が出るじゃないですか。
それを見ながら「そうだったのかな」みたいないまだにそういう事は記憶にありますね。
2014/04/06(日) 05:15〜05:45
NHK総合1・神戸
柳亭市馬の演芸図鑑「ゼンジー北京、春風亭小柳枝、岡千秋」[字]
落語家・柳亭市馬のナビゲートで、とっておきの演芸と対談をお届けします。演芸は、ゼンジー北京のマジック、春風亭小柳枝の落語「長屋の花見」。対談のゲストは岡千秋。
詳細情報
番組内容
落語家・柳亭市馬のナビゲートで、とっておきの演芸と対談をおくる。演芸は、ゼンジー北京のマジック、春風亭小柳枝の落語「長屋の花見」。対談のゲストは岡千秋。
出演者
【出演】ゼンジー北京,春風亭小柳枝,岡千秋,【ナビゲーター】柳亭市馬
ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
劇場/公演 – 落語・演芸
バラエティ – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:7932(0x1EFC)