コラム:日本経済、3つの防衛策で増税ショック回避へ
Andy Mukherjee
[シンガポール 31日 ロイター BREAKINGVIEWS] -歴史が繰り返されるとすれば、4月1日からの消費税引き上げにより日本経済は失速することになるだろう。前回1997年の消費税増税時は個人消費が腰折れした。しかし、安倍晋三政権が講じようとしている3つの防衛策を見ると、そうした歴史が反復される可能性は薄い。
モルガン・スタンレーのエコノミスト、ロバート・フェルドマン氏は、5%から8%に消費税率が上がれば、日本経済からは6兆円(580億ドル)が失われる可能性があると予想する。ただ、日本経済には今年、補正予算や法人税の減税などで同規模の資金が戻ることになる。これが第1の防衛策だ。また政府の経済財政諮問会議は、法人実効税率の恒久的引き下げを提言するとみられている。
第2の防衛策はやや漠然としているが、大枠は固まりつある。政府は28日に国家戦略特区の概略を発表したが、規制緩和の範囲が明確になるには数年かかるだろう。その間、首相が頼るのは株式市場による浮揚効果だ。株式市場は首相の成長戦略を冷ややかに見ていた。しかし、株価が上昇すれば、消費者と企業の楽観的心理の維持に貢献する。
もし4─6月期の経済統計で消費者と投資家に悲観的な見方が広がっていることが明らかになれば、第3の防衛策が必要となる。ここで登場するのが日銀だ。2%のインフレ率目標の達成がさらに後にずれ込む場合、日銀は追加緩和を余儀なくされるだろう。
かつてデフレ対応の無策ぶりを冷笑された日銀が、欧米の中銀よりも効果ある問題解決を達成できるとすれば、実に味わい深い皮肉といえる。投資と賃金の伸びが息を吹き返せば、安倍首相は当初の予定通り来年に消費税を10%に引き上げ、財政再建への取り組み姿勢を示すことができる。また、こうした経済的な防衛メカニズムがあれば、日本経済の苦い歴史が再び繰り返されることはないだろう。
●背景となるニュース
*4月1日から5%から8%への消費税率引き上げ実施。消費増税は1997年以来。 続く...