タイムスクープハンター「見えざる戦い!ほら貝吹き」 2014.04.05

(沢嶋)
戦国時代数えきれないほどの戦いが各地で繰り広げられていた。
その戦いで欠かせなかったのがほら貝の音だ。
ほら貝が戦闘中どんな役割を果たしていたのか。
またどのような人物が吹いて音を出していたのか。
私は戦国時代へタイムワープをしてほら貝吹きを取材する事にした。
歴史に埋もれた名も無き人々を取材する事それこそがタイムスクープ社第二調査部の仕事だ
え〜アブソリュートポジションN034W076E684S235。
ポジション確認。
アブソリュートタイムB0394651年73時51分11秒。
西暦変換しますと1583年4月3日7時04分45秒。
無事タイムワープ成功しました。
コードナンバー268435これから記録を開始します。
沢嶋雄一。
彼はタイムスクープ社より派遣されたジャーナリストである。
あらゆる時代にタイムワープしながら時空を超えて名も無き人々を記録していくタイムスクープハンターである。
林の中に設けられた行平軍の本陣。
これから合戦が始まろうとしていた。
首脳部による戦略会議が行われている。
その片隅に一人無言でたたずむ男がいる
ほら貝を吹く役目を任された武士である。
ほら貝の音色によって兵士たちに作戦指示を伝える重要な任務を負っている。
今回の取材対象は「貝役」。
戦国時代ほら貝の音による情報伝達がどう行われたのかを知るために貝役に密着取材をする
え〜この時代の人々にとって私は時空を超えた存在となります。
彼らにとって私は宇宙人のような存在です。
彼らに接触するには細心の注意が必要です。
私自身の介在によってこの歴史が変わる事もありえるからです。
彼らに取材を許してもらうためには特殊な交渉術を用います。
それは極秘事項となっておりお見せする事はできませんが今回も無事密着取材する事に成功しました。
状況は緊迫していた。
行平軍の各部隊が配置につき今にも敵に攻め込もうとしている。
その全軍の指揮を執るのは大将の行平正景だ。
行平の家臣石川兵衛と足立豊後により作戦の綿密な最終確認が行われている。
行平家と森本家は隣り合った豪族同士であった。
しかし最近領地をめぐるトラブルから両者の関係が悪化。
地域住人を巻き込み混乱はひどくなるばかり。
そしてついに行平正景は森本城を攻めるため挙兵する事にした
各部隊出陣の準備が整いつつある
行平軍の総人数は1,200。
敵対する森本軍は400。
森本軍は城の前の平地に布陣し防戦の構えだ。
一方行平軍は部隊を敵軍の前に配置した。
まずは平地の森本軍へ向け攻撃を仕掛ける作戦だ
まさに今合戦の火蓋が切られようとしている。
出陣の合図はほら貝の音
(ほら貝)何事じゃ!奇襲です。
奇襲攻撃です。
極めて危険な状態が続いてます。
それは想定外の出来事だった
何をしておる!貝役はいかがした!?
貝役を殺された行平軍の本陣は司令塔としての機能を失ってしまう。
敵は裏をかいて死角から先制攻撃を仕掛けてきたのだ
行平軍は撤退を余儀なくされた
翌日後方に退いた行平軍首脳部は反撃を行うため態勢を整え始めていた
(足立)殿!
(石川)南無三…。
優秀な貝役を失った事は行平軍にとって大きな痛手となっていた
大将の正景はその代役としてほら貝を吹くのに長けた山伏に目をつける
(行平兵)はっ!
命令を受けた近習の八郎が早速部下を伴い山に分け入っていく。
彼らに私も同行する事にした。
ほら貝はもともと仏教用具で古くから山伏が使っていたものであった。
だがその音の響きの良さから軍事利用されるようになったという。
ほら貝を吹くには高度な技術が必要となる。
そのため貝役は名誉な役目だ。
軍にとって優秀な貝役を抱える事は戦いに勝つために極めて重要な事である
すいません。
何じゃ?はぁ…。
もうよかろう。
はい。
本部本部こちら沢嶋応答願います。
はいタイムナビゲーターの古橋です。
山伏について情報を頂きたいんですけど。
山伏ですか?はい。
戦国時代の山伏が戦などに利用されるといった事があったのかどうか。
少々お待ち下さい。
そうですね…。
彼らは日本各地の霊山と呼ばれる山々を踏破し厳しい艱難苦行を行っていますがその目的は山岳が持つ自然の霊力を身につける事なんです。
ええ。
山々を渡り歩き全国を旅する事ができた山伏は自然と各地の交通事情に詳しくなっていきました。
戦国時代の大名や豪族はそこに目をつけて利用していたようです。
例えばどのような事をさせていたんでしょう?なかなか身の危険を伴う任務とも言えるでしょう。
そうですか…。
沢嶋さんどうかされましたか?いや…いつの時代も戦争になるとさまざまな人が巻き込まれていくんだなと。
ええ…。
分かりました。
ありがとうございます。
引き続き取材を続けます。
はい。
くれぐれも気をつけて下さい。
了解。
彼らの目が動いた
(八郎)なに?正善坊様…。
(八郎)ハハハハ…。

言い伝えによれば戦国時代福山藩主の水野勝成はほら貝の名手として知られた山伏を貝役として召し抱えようとした。
だがその山伏はほら貝が戦に使われる事を好まず拒絶した。
そのため勝成に殺されてしまったという
とらわれた正善坊は休む間もなく行平軍の暗号を覚え込まされる
(石川)続けて揺りを5度でいかがかな?
(ほら貝)
今までの音階では敵にばれてしまっている可能性がある。
そのため新たな暗号が必要となりその開発が速やかに行われる事になった
(ほら貝)うむ。
ほら貝は日本に生息する巻き貝で一番大きい。
先端に穴を開け口金をはめて使用する
吹き方や回数を巧みに組み合わせる事によってさまざまな合図を決めていた
あの…げにも…。
そうなんですね。
うむ。
なるほど。
さよう。
そうですね。

作戦決行の日。
行平軍はひそかに森本城近くの林の中に本陣を構えていた。
作戦は真夜中に城へ奇襲攻撃を仕掛けるというものだった。
味方の各部隊が夜の闇に紛れて既に城に近づいていた。
城の裏側を取り囲むように配置につく。
本陣のほら貝の音を合図に攻撃を開始する手はずだ。
暗闇での奇襲攻撃。
ほら貝の音だけが頼りの作戦となる。
本陣では各部隊の出撃準備が整うのを待っていた。
そして…
(ほら貝)
ほら貝の音が夜の闇に鳴り響く。
夜襲が始まった
たった今戦が始まりました。
本陣から発せられた正善坊のほら貝の音。
それを受けて各部隊が作戦行動を開始する。
まずは城の裏手西側に潜んでいた岸右近の部隊が先手となって攻め入る。
20分後岸部隊が戦況を伝えるほら貝を返してきた

(ほら貝)殿。
岸部隊は敵に対して優勢のようだ。
それを受けて大将正景が次なる行動指示を出す
(ほら貝)
正善坊のほら貝の音を北側にいた山川権兵衛が受ける。
その音を合図に城への攻撃が開始される。
程なくして山川部隊からほら貝の音が返信される。
どうやら北側からの攻撃は苦戦しているようだ

(ほら貝)
(ほら貝)
一旦北側の山川部隊を下げ南にいる長部松太夫の部隊を攻め入らせる。
山川部隊が一時退却したと同時に南側から城への攻撃が開始された。
ところが先に攻撃を仕掛けた西側の岸部隊が劣勢になってきた。
それを知らせるほら貝の音が返ってくる

(ほら貝)
(ほら貝)
四番貝は北側に控えていた後詰つまり予備隊への合図だった。
その指示を受け北側の山川部隊に予備隊が合流した。
増強された部隊が再び北側から城へ攻め入る。
山川部隊の反撃が開始された
やはりこちら側が手薄でござるなぁ。
こちらから谷の方まで…。
刻一刻と移り変わる戦況。
目に見えぬ戦い。
ほら貝の音だけが頼りだ
ほら貝の音による指令は戦国時代強力な情報伝達手段である。
劣勢となっていた西側にも予備隊が加勢し戦況は優勢に転じる。
これにより森本城は北と西の防御に力をそがれる事になった。
守りが弱くなった南側から長部がじりじりと攻めていく。
やがて…

(ほら貝)
全部隊優勢を知らせる音が鳴り響く
それは全兵士の士気を最高潮に鼓舞させる総攻撃を促す合図だ
(ほら貝)
部隊からの最後の知らせを待つ
そして…

(ほら貝)殿!
とうとう敵の城が落ちた
御意。
その知らせを受け大将正景たちは本陣を出て城を目指す

城の近くに転がる無残な死体
その光景に山伏の正善坊はやりきれない思いを感じていた
殿。
静かでございますな。
うむ。
辺りは不気味な静寂に包まれる。
味方の兵士が一人も見当たらない。
どういう事だろう
はっ!八郎。
はっ!
それは突然の発砲だった。
城からの一斉射撃
退け!退け〜!殿を守るのじゃ!
(発砲音)森本のやつ…!鉄砲による攻撃が始まりました。
一体何が起こってるのでしょうか!?おのれ森本!離せ!離さぬか!離せ…離せ!ええい!卑怯?そうじゃ。
全ては敵の策略だった。
味方の部隊が敵に打ち破られ森本に寝返ってしまった。
味方からだと思われたほら貝の音は行平軍をおびき出すための罠だったのだ。
その時だった!山の方から別のほら貝の音が鳴り響く
行平の援軍か?予期しないほら貝の音にひるんだのか森本の攻撃が一旦やむ。
その隙をつき正善坊が山に向かって走りだした
果たしてその先には…
(雲仙)正善坊様!
たいまつの明かりの下には谷で逃げたあの正善坊の弟子雲仙がいた。
正善坊を助けるため仲間と共にほら貝を吹きたくさんの軍勢がいるように見せかけていたのだ
夜明け。
再び山に入っていく山伏たち
Dialogue:0,0:26:2014/04/05(土) 23:30〜00:00
NHK総合1・神戸
タイムスクープハンター「見えざる戦い!ほら貝吹き」[字]

シーズン6の第1回。タイムスクープ社から派遣された時空ジャーナリストの沢嶋雄一(要潤)は、戦国時代のほら貝吹きに密着取材、その実態をつぶさにリポートする。

詳細情報
番組内容
今回の取材対象は、戦国時代のほら貝吹き。ほら貝は音響効果により、軍勢を動かす指揮の合図として使われ、貝役は情報を伝える重要な役割を果たした。1583年、常陸国。大将の行平正景を重臣たちが囲み、作戦を話し合う戦略会議が行われている。貝役・村木平次郎がほら貝を吹く直前に、敵軍からの奇襲攻撃を受ける。矢が平次郎の体を貫き、絶命。行平軍の損害はひどく、大将は代わりの貝役に山伏を探すように部下へ命じるが…。
出演者
【出演】要潤,杏

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドラマ – 国内ドラマ
バラエティ – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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