土曜プレミアム・世にも奇妙な物語’14 春の特別編 2014.04.05

(MM)初めまして。
MM−2020αです。
(夕子)お隣ですか?
(千代美)私たち墓友じゃないですか。
(江上)その人異常よ。
(薫)心臓が耐えられない!
(恵美)笑止!覚悟せえ!
(薫)貴様には負けぬ!
(支配人)走馬灯の上映を請け負っております。
(綾乃)私死んだんだ。
(石田)うわ!
(医師)まさか僕が嘘を言ってるとでも?
(ストーリーテラー)いや〜実に美しい。
桜の語源は「さ」田の神「くら」神が宿る場所が由来だという説があります。
古来から人間は桜の美しさに魅了されてきました。
それは神々から人間へのご褒美なのかもしれません。
しかし本当にそれだけなのでしょうか。
桜が美しい花を咲かせるのは人間をおびき寄せてその魂を吸い取るためだという言い伝えもあります。
おやおや。
彼らもまた満開の桜の美しさにおびき寄せられてしまったようです。
果たして彼らにあしたは訪れるのでしょうか。
それではゆっくりお花見と参りましょう。
(雅志)
この部屋は政府が補助金を出して運営している単身者用公団アパートだ
収入の少ない若者の生活を助けるため家賃は格安に設定されている
すごいのは最新式のホームネットワークシステムが導入されていること
僕の個人データを入力することによりホログラム映像の僕専用のコンシェルジュが現れて室内の電子機器を統括管理してくれる
(ホームシステムの声)ようこそホームネットワークサーバーへ。
名前をどうぞ。
(雅志)秋田雅志。
(ホームシステムの声)暑がりですか?寒がりですか?暑がり。
(ホームシステムの声)しょうゆの好み濃い口ですか?薄口ですか?どちらかといえば濃い口。
(ホームシステムの声)あなたの女性の好みについてお尋ねします。
どんな女性に引かれますか?まあアイドル歌手のような目がぱっちりしたカワイイ顔。
(ホームシステムの声)街で気になる女性はスレンダータイプの女性ですか?グラマータイプの女性ですか?グラマー。
(ホームシステムの声)これでホームネットワークサーバーは最適化されました。
MM−2020αが雅志さまのお世話をいたします。
はい。
(MM)初めまして雅志さま。
ホームネットワークサーバーMM−2020αです。
よろしくお願いします。
んっ?
(MM)どうされましたか?
(雅志)アンケート結果の反映が若干弱いような。
(MM)と言いますと?
(雅志)サーロインステーキ頼んだのに納豆定食出てきたみたいな。
納豆定食ですか…。
あっ…いやもちろん納豆も好きですし。
私は雅志さまのアンケートによって作られたインターフェースですので容姿の変更にはお応えできかねます。
ですよね。
じゃあ女性の好みとか聞くなよ。
はい?
(雅志)あっいえ。
よくできてますね。
まるで本物みたい。
ホログラフ映像ですので実体はありません。
どうぞ触れて確かめてください。
えっ?失礼します。
あっすごい。
ホントだ。
よろしくお願いします。
(雅志)よろしくお願いします。

(クラシック)おはようございます雅志さま。
朝7時でございます。
(雅志)今日何かあったっけ?本日のご予定は1件も入っておりません。
7時に起きるのはバイトの日だけ。
早寝早起きは生活の基本です。
これからは7時に起きるよう心掛けましょう。
朝食は何がいいですか?朝食?何にしよう。
ボールに牛乳を大さじ2杯入れてください。
えっ大さじ2杯?いいや。
入れ過ぎです。
(雅志)あっ…。
バターが焦げました。
(雅志)えっ?あっち!作るのは全部俺じゃん。
本日の朝食の総カロリー365キロカロリーでございます。
いただきます。
(MM)スプーン2さじの砂糖は1日の摂取量の50%になり適量を超える恐れがあります。
糖分の取り過ぎは生活習慣病の原因になりますのでお気を付けください。
僕は現在就職浪人中だ
去年はメガバンクや大手通信社など一流企業数十社にエントリーシートを送ったがどこからも採用通知をもらえなかった
一緒に大学を卒業した同級生たちは皆社会人になってるというのに
ことしこそは…
おかえりなさいませ雅志さま。
(雅志)お風呂沸かしてくれる?
(MM)現在室温25℃湿度55%です。
熱めで。
(MM)温度は43℃でよろしいですか?ああ。
(メールの着信音)メールが届きました。
どこから?
(MM)昭和証券さまです。
読んで。
「誠に遺憾ながら貴殿のご期待に沿えないことになりました」「貴殿のご成功とご健勝を心よりお祈りいたします」またお祈りメールか。
あと何社残ってる?
(MM)5社でございます。
何か息苦しくなってきた。
空気を入れ替えますね。
(雅志)私は好奇心が旺盛で何事にも積極的な性格をしており協調性と社交性にも富んでると思います。
社交的積極的などということは他人が判断することであって自ら言うのはそう思われたがりな人なんだという印象を受けます。
仕方ないだろ。
3分しか持ち時間ないんだから。
重要なのは具体的な話で相手に好印象を与えることです。
言うのは簡単だよ。
この1年で最もカロリー消費の高かった活動は何ですか?
(雅志)あっ。
ボランティアのがれき撤去かな。
すてきな体験ですね。
がれき撤去のボランティア中過酷な状況下でも壊れることなく確実に機動する御社の製品には何度も助けられたことがきっかけであります。
(MM)面接いかがでした?
(雅志)まあまあかな。
面接官の反応も良かったし。
それはよかったですね。
ありがとう。
いいえ。
あの…。
(MM)はい。
就職が決まったら付き合ってくんない?乾杯。
はい。
どう?
(MM)スーツとの相性二重丸です。
若手社員でも社長に直接メールで提案できる制度があるなど風通しのいい経営をなされてることに最も興味を覚えました。
(メールの着信音)
(MM)重要指定のメールが届きました。
四ツ葉銀行?はい。
最後の1社だね。
はい。
よし。
読んで。
「拝啓」「誠に遺憾ながら貴殿のご期待に沿えないことになりました」「貴殿のご成功とご健勝を心よりお祈りいたします」終わった。
海山通商やKDT流通はまだエントリーを受け付けています。
そんな中小企業に入るなら就職浪人した意味がないだろ。
来年になれば海山通商やKDT流通でさえ内定を取ることは厳しくなると思われます。
それに雅志さまには自由度が高くフットワークの軽い企業の方が能力が発揮できると…。
(雅志)黙れ!人にはな気持ちってもんがあるんだ。
機械のお前には分かんないだろうけど。
分かります。
嘘つけ!
(MM)嘘ではありません。
何で分かるんだよ。
心なんかないだろ。
雅志さまの心痛はよく分かります。
本当に残念です。
(雅志)しょせんプログラムなんだよな。
ああ言えばこう返す。
そういうふうにプログラムされてるんだろ?いいえ違います!
(雅志)違わない!私はどうすればいいでしょうか?デリート。
消去。
消えて。
もう顔も見たくない。

(音楽)まぶしい!ちょっと何だよ!・
(音楽)えっとこの後調味料何だっけ?・
(電子レンジのアラーム音)あっ。
あっち!
(雅志)《人にはな気持ちってもんがあるんだ》《機械のお前には分かんないだろうけど》《分かります》今日海山通商の内定が決まったよ。
全部君のおかげだ。
ありがとう。
雅志さま内定おめでとうございます。
ありがとう。

(MM)スプーン2さじの砂糖は1日の摂取量の50%になり…。
適量を超える恐れがあります。
フフ。
ウフ。

(MM)雅志さま。
(雅志)んっ?お願いがあります。
桜が見たいなんてやっぱり女の子なんだな。
でもこんな雨じゃなあ…。
えっ…。
(美優)えっ?
(雅志)何で?
(美優)まーくん?「まーくん」って…僕は雅志だけどどっかで会ったことありましたっけ?まーくんは私の部屋のインターフェース。
「MM」だから「まーくん」MM?もしかして公団のホームネットワークの?
(MM)《初めまして。
ホームネットワークサーバーMM−2020αです》《よろしくお願いします》
(美優)《何か違う》《まっ別にいいけど》
(MM)《いかがなされましたか?》《1人で食べるのは何か味気ないなあと思って》《一緒に食べない?》《私はホームネットワークサーバーですので食べることはできません》《知ってるよそんなこと》《まーくん》《まーくん?》《「MM」じゃ色気ないでしょ》《あなたは今日からまーくん》《光栄に存じます》《おかえりなさいませ美優さま》
(美優)《ただいま》
(MM)《お見合いパーティーはいかがでしたか?》
(美優)《別に》《白馬の王子さまは見つかりましたか?》
(美優)《うるさい!王子さまが見つかってたらこんな早い時間に帰ってくるはずないでしょ!》《申し訳ありません》《あんたなんか消えちゃえ!》
(美優)《私まーくんに甘え過ぎてた》《あなたがいない間ホントに反省した》《いつまでもそばにいてね》《まーくん》・
(MM)《美優さま桜がとても奇麗ですよ》《こんな日は外で読書をされてはいかがですか?》《そうね》これよかったら。
あっどうも。
あっ。
(雅志)お待たせしました。
(美優)こういうふうにコーヒー入れてもらうことが夢だったの。
あっ私保育士なの。
だからいつもお世話ばかり。
こうやって世話焼いてもらうことにずっと憧れてたの。
僕でよかったらいつでもコーヒー入れてあげますよ。
フフ。
(美優)お砂糖の入れ過ぎは体に良くないよ。
あっごめんなさい初対面なのに。
知ってる人の言い方にそっくりだからびっくりして…。
私もよくまーくんに注意されるの。
そうなんだ。
(美優)フフ。
美優は見た目だけでなく人のことを優しく注意できるところもMMそっくりだった
(MM)リセットボタンです。
これを押すと全て終了です。
(雅志)この公団ってホントは政府の少子化対策のためにつくられた見合いシステムなんだろ?
(雅志)相性が合う結婚しても長続きする男女をホームネットワークサーバー上で結び付けたんだよな?美優のことだってこのシステムがなかったら街で擦れ違ったとしても振り返りもしないしましてや結婚なんて…。
いいよ答えないでも。
きっかけがどうであれ僕はすごく幸せだ。
就職が決まったのも君のおかげだ。
給料は安いけど美優は保育士で地方公務員。
2人で働いて2人で家事をすればそこそこ幸せに生きていけると思う。
君には感謝しかない。
さようなら。
雅志さま幾久しくお幸せに。
ホントにありがとう。
「理想の相手などいない」「運命の出会いがない」と嘆くより勇気を持って一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
キャッ!あっ…。
ねっ。
人は生涯で3人の大切な友達と出会うといいます。
しかし死ぬときは1人っきり。
孤独で寂しいものです。
もし1人じゃなかったとしたら死は幸せになるのでしょうか。
(千代美の娘)えっ?お母さん自分で自分のお墓買ったの?
(千代美)そう。
共同墓って言うの?大きな桜の木の下に仲良くお墓が並んでてそこにお骨を納めてもらうの。
今からそんな段取りしなくても…。
お葬式の手配とかも霊園が全部やってくれるから安心だしいい所よ。
桜が咲いたらすごく奇麗だと思うわ。

(夕子)お隣ですか?
(千代美)えっ?
(夕子)私ここなんです。
あ〜お隣ですね。
どうぞよろしくお願いします。
(夕子)あっこちらこそ。
伊能夕子と申します。
軽部千代美です。
(千代美の娘)田舎に先祖代々のお墓があるんじゃないの?もうほとんど付き合いもないしそれにあんただってあんな遠い所困るでしょ?
(千代美)私離婚して入るお墓がないものですから。
嫁いだ娘にも面倒かけたくなくて。
私もバツイチで娘がいるんです。
もう娘なんて嫁がせたら何かもう他人みたいなもんですよね。
ホントそうですね。
(千代美・夕子の笑い声)
(千代美)ねえもう。
(夕子)ねえ。
(千代美)フフ。
やんなっちゃう。
(夕子)あらやだ。
雨。
よかったらバスまで一緒にどうぞ。
あっいえ…。
隣同士になったのも何かの縁ですもの。
私たち墓友じゃないですか。
墓友?こういう一緒のお墓に入ることが縁で知り合った友達を墓友って言うんですって。
墓友…。

(篠田)軽部さん。
(千代美)えっ?
(篠田)軽部さんお客さん。
(千代美)お客さん?昨日はどうもありがとうございました。
えっ?あっこちらこそ。
あの…。
(夕子)あっちょっと仕事で近くまで来たもんですから。
そういえば千代美さんこのビルにお勤めだって昨日おっしゃってたから。
(千代美)ああ。
あのこれお世話になったお礼です。
あっ…。
(夕子)ご覧になって。
コロッケ?ここのおいしいんですよ。
ほら年取るとめんどくさくて揚げ物なんかしなくなるでしょ。
わざわざすいません。
(夕子)いいえ。
だって私たち墓友でしょ。
あっ…。
あ〜。
フフフ。
(江上)あらコロッケなんて珍しいわね。
さっき知り合いがお礼にって。
(江上)お礼に?わざわざコロッケ1個?
(篠田)じゃあね。
(江上)じゃまたあした。
(千代美)またあした〜。
(篠田)じゃまた。
(一同)お疲れさま。
お疲れさまでした。
おなかすいてません?
(千代美)えっ?あっどうせ私たち帰っても1人ですしだったら一緒にお食事でもと思いまして。
(夕子)ねっ?
(千代美)えっええ…。
(夕子)アハハ…。
(千代美)ハハハ…。
白金に住んでらっしゃるんですか。
ええ。
別れた夫がバブルのときの勢いで買ったマンションなんですけどね。
あの辺高級住宅地だからひょっとして億ション?ええまあ。
でも一人暮らしでしょ。
5LDKなんて広過ぎて広過ぎて。
休みの日なんて一日中お掃除で終わっちゃいますよ。
フフ。
(千代美)でもうらやましいわ。
そんなおうちに住めるなんて。
で千代美さんはお休みの日は何してらっしゃるの?うちでぼ〜っと。
前はお芝居が好きでよく行ってたんですけど最近は出掛けるのがおっくうになって。
1人だと腰が重くなりますもんね。
でもこれからは2人で色々出掛けて残りの人生楽しみましょう。
(千代美)それもいいですね。
(夕子)フフ。
(千代美の娘)お母さんが酔ってるなんて珍しいわね。
(千代美)ついつい楽しくって。
すっごく明るくていい人なのよ。

(千代美の鼻歌)・
(チャイム)おはようございます。
(千代美)そのコート…。
(夕子)お揃いの買ったんです。
だって私たち墓友でしょ。
あっそうそう。
それからこれねコートに合うと思って買ったんです。
千代美さんの分も。
(夕子)あ〜よかった。
やっぱりよくお似合い。
あっじゃあ行きましょうか。
(千代美)えっ?「行く」ってどこへ?お芝居。
だってほらこの間見たいっておっしゃってたじゃないですか。
いい席手に入ったんです。
(夕子・千代美の笑い声)
(千代美)楽しかった。
今日はホントにありがとうございました。
(夕子)いいえ。
(千代美)あっ…あっそうだ。
私チケット代払わないと。
(夕子)あっいいんですよ。
私がお誘いしたんですから。
(千代美)いやそういうわけいきませんよ。
(夕子)気になさらないで。
だって私たち墓友でしょ。
あっ…あっありがとうございます。
あっあのこれね今日の思い出に。
あっあのさっきのこの…この熊ね。
(夕子)あ〜そうそうそう…。
あの今度の日曜日は歌舞伎行きません?
(千代美)あっ日曜ですか?
(夕子)ええ。
あっちょっと待ってください。
(夕子)はい。
手帳…。
え〜っと日曜日曜と…。
あ〜今度の日曜会社のバス旅行で伊豆にイチゴ狩りに行くことになってて。
ごめんなさい。
バス旅行?じゃあ仕方ありませんね。
(千代美)おはようございます。
(江上)おはようございます。
よろしくお願いします。
(篠田)あっよろしく…。
(千代美)おはようございます。
よろしくお願いします。
おはよう。
ねえ真ん中ぐらいに座ろう。
(江上)うん。
おはようございます。
私前々からイチゴ狩り行ってみたかったんです。
(江上)お友達?
(篠田)あら偶然ね。
あっじゃあせっかくだから一緒に回ります?ありがとうございます。
さあ千代美さんどうぞどうぞ。
(江上)あ〜気持ちいいね。
(千代美)いや〜いい気持ちだね。
ほらほら。
(江上)足のつぼ?
(夕子)ねえ皆さんさご一緒にお仕事されてから長いんですか?
(千代美)そうね。
私と江上さんが一番の古株かな。
江上さんね私にすごく良くしてくれんの。
(江上)何言ってんの。
私の方こそフォローしてもらってばっかり。
そんなことないわよ。
あなたと仕事組むとはかどるもの。
(江上)私たち会社で最強のペアかも。
(千代美)おっそうかも。
(3人の笑い声)
(千代美)ホントいいお湯でしたね。
(夕子)ねえ。
(千代美)うちのお風呂だと入るとき寒いじゃないですか。
(夕子)うん。
(千代美)私あれがつらくて。
(夕子)あっ危ない!
(千代美)あっ!
(夕子)あっ…!
(千代美)あ〜!
(夕子)あっ大丈夫ですか?ねえ大丈夫?邪魔だばばあ!邪魔なのはどっちよ。
(男性)さんずい…。
「さんずい」にそう「つげる」そうそうそうそうそれ。
(警察官)え〜現場…。
(警察官)でじっ自転車だけ?
(女性)誰がやったのかしら。
あんなぐっちゃぐちゃに。
昨日は何ともなかったのに朝見たらこんなことになってるんすよ。
ひどくないっすか?あっ弁償してもらえるんすかね?弁償。
(警察官)弁償?保険の方…。

(夕子)やっぱり左の壁がいいですね。
(作業員)そうですね。
(夕子)ねっ。
夕子さん。
おかえり。
(千代美)何やってんです!?
(夕子)お風呂の暖房工事。
鍵は!?
(夕子)管理人さんに説明したら開けてくれた。
もうすぐ終わるからお茶でも飲んで待ってて。
こんなこと頼んでませんけど。
だって昨日「お風呂が寒くてつらい」って言ってたじゃないの。
もう急な温度差は年取ってくると体に悪いんですよ。
でもこんなことされちゃ…。
費用だって!全然気にしないで。
だって私たち墓友でしょ。
(篠田)あり得ないわよ!人の家に勝手に入りこんで工事するなんて。
でもいくら「困る」って言っても聞いてくれなくて。
その人異常よ。
工事代金だけでも払った方がいいって。
あしたすぐ返しに行きなさいよ。
でも住所分からないし…。
そんなの霊園の事務所に聞けばいいじゃない。
(江上)どうしたの?あの人から。
もしもし?今度の日曜?え〜その日はちょっとその…。
あっちょっ…。
(江上)もしもし?先日バス旅行でご一緒した江上です。
どうも。
申し訳ないんですけど今度の日曜軽部さんは休日出勤なんです。
すみませんね。
ではどうも。
はい。
はい失礼します。
(千代美)ちょっちょっと…。
(江上)この手の人にはちょっときつめに言わないと分かんないのよ。
もう関わらない方がいいんじゃないの?そうね。
このマフラーももらったんだけど何だかするの気持ち悪くなっちゃった。
(江上)あら。
あっじゃあもらってあげる。
(千代美)えっ?
(江上)これカシミヤでしょ?捨てるのもったいないしね。
(篠田)えっ…江上さんそれ…。
(夕子)《別れた夫がバブルのときに勢いで買ったマンションなんですけどね》《でも一人暮らしでしょ》《5LDKなんてもう広過ぎて広過ぎて》
(千代美)あの…。
(女性)はい?
(千代美)伊能夕子さんのお宅はここで間違いないですよね?そうですけど。
(千代美)至急連絡取りたいんですけど娘さんか会社の連絡先ご存じないでしょうか?はあ?
(千代美)あっすいません。
怪しい者じゃないんです。
携帯で連絡つかないもんですから。
「娘さん」って伊能さんに娘さんなんかいませんよ。
一度も結婚したことないんだから。
身寄りもなくて天涯孤独。
私20年以上隣に住んでるけど訪ねてきた人見たの初めてですよ。
(千代美)もしもし?
(篠田)大変よ!江上さんが亡くなったの。
江上さんが!?昨日マンションの非常階段から落ちたんですって。
もしもし?
(夕子)あしたの夜浅草で寄席があるの。
行かない?思いっ切り笑ってすかっとしようよ。
今電話があって…江上さんが亡くなったって。
あらそう。
別にいいじゃないそんなの。
そんなの?
(夕子)あの女に赤いマフラーは似合わないわ。
(江上の落ちる音)
(千代美)もしもし?軽部ですけどそちらのお墓解約したいんです。
今すぐ行きますから。

(夕子)まさか解約するつもりじゃないでしょうね。
それは駄目よ。
だって私たち墓友でしょ。
来ないで!あなた江上さんに何をしたの?「赤いマフラーは似合わない」ってどういうこと?あなたの友達は私一人よ。
私ね人生で一人も友達できたことないの。
自分に正直に生きてたら誰とも友達になれなかった。
あなたが私の初めての友達。
だから一緒に死のう。
(夕子)だって私たち墓友でしょ。
一緒のお墓入ろう。
ねっ。
いつまでも長生きしたってしょうがないじゃない。
体はどんどん動かなくなるしお金だって続かない。
今が死に時なのよ。
2人で一緒のお墓に入るのが一番幸せなの。
そんなこと…そんなことないわ。
じゃあいつまで生きれば気が済むの?老いた体引きずって長生きするのにどんな意味があるの?友達だったら教えてよ!あなたは私の友達なんかじゃない!あなたが墓友だって言ったんじゃない!嘘だったのね。
じゃあ私一人で死ぬわ。
うっ!夕子さん!あっ…。
(千代美)何てこと!私のこと心配してくれるの?当たり前じゃない!持つべきものはやっぱり墓友ね。
(千代美)夕子さん。
あっ!あ〜!!
(心電計の心停止音)
(医師)20時20分死亡確認。
もう1人の方は持ち直してくれるといいんだが…。
(千代美)夕子さん安らかに眠ってください。
さよなら。
あっ…!
(千代美)あ〜!あっあ〜。
わ〜!あっあ〜!あ〜!!
(心電計の心停止音)
(女性)片方の方は一瞬持ち直したみたいだけど結局駄目だったそうね。
(女性)でも苦しまずに2人一緒に逝けたらさみしくないわ。
やっぱり墓友っていいもんだわね。
人が考えることはこの脳が全てをつかさどっています。
もし脳が考えることが目の前の現実を超えたならばそれは奇妙な世界への入り口なのかもしれません。
(生徒)ねえやっとテスト終わったね。
(薫)《友達と戯れおしゃべりを楽しむ》《女子高生は笑顔あふれる休み時間を過ごすもの》《そう思っていた》
(薫)《でも私は…》ねえねえ朝比奈さんは誰?
(薫)えっ?好きなアイドル。
えっ?あっ…ああ好きな…。
あっ…いっ…。
石田さま。
石田?
(生徒)純一?渋過ぎじゃね?
(薫)あっいやその…。
石田さまっていうのは石田三成さまのことで…。
(生徒)ねえねえねえねえ今日の帰りカラオケ行く人〜!
(生徒)あっ行く!
(生徒)行く?やった〜!
(生徒)行く行く。
(生徒)あっ…。
(生徒)やめなよ。
来ないって。
(生徒)家遠いし。
(生徒)あっそうそう…。
(生徒)それよか今日もいつもの…。
(薫)《正直クラスメートの話にはついていけない》《でも寂しくなんてない》《私には掛け替えのない友達がいるから》《いつも私のペースに合わせてくれるし現実の友達のように退屈じゃない》
(薫)《ページを開けばロマンあふれる戦国時代の武将たちが私を空想の世界へといざなってくれる》《この友達がいれば他には何も要らない》《そう思っていた》
(薫)《片道1時間40分》《この長い通学時間のおかげで薄い本なら1日で読んでしまえる》《読書好きには悪くない時間だ》
(アナウンス)美原谷〜美原谷〜。
(薫)《そして帰りのバスにはもう1つ楽しみがある》《甘くて淡いほんのささやかな楽しみが》
(アナウンス)美原谷です。
(薫)《来た〜》《石田さま…私の石田三成さま》《私の中のイケメン戦国武将ランキング栄光のベスト1!》
(薫)《あのりんとしてそれでいてどこか物憂げな表情》《そして猛烈に知的なまなざし》《まさに…まさに私が思い描いていた石田三成さまそのもの》
(薫)《ハァ〜いい匂いした》《話し掛けたこと?》《なっ…ないに決まってるでしょ》《見てるだけでいいの》《だっ…第一違う学校だし名前も知らないのにどうやって…》
(アナウンス)発車します。
(薫)あっ。
(春斗)《へ〜歴史好きなんだ》
(春斗)《いいよね歴史》
(春斗)《今夜僕と恋の分け目の関ヶ原…》《どう?》《うん》あっ。
(薫)《いっいつの間に…》《これって席を譲るべき…だよね》《おじいさん…っていうほどでもない?》《初老?》《でも年上なのは確かなわけだし…》
(薫)《あっこれで席を譲れば…》どうぞ。
うっ…駄目。
心臓が耐えられない!ハァ…。
(薫)《そんなことができれば苦労しない》《でも席を譲ったらもしかして…》《お年寄りに優しいんだね》《三成さま》《そういうところ…好きだよ》《キャ〜!三成さまってば〜ん!》
(薫)《でも待って。
やっぱり恥ずかしい》《だってまるでみんなに「私はいい人です」ってアピールしてるみたいだし》《どうしよう》《おいそこの中学生お前が譲れ》《どうせ家帰ってご飯食べて寝るだけだろ?》
(ゲームの音)
(薫)《駄目だ。
ゲームに夢中で気付いてない》《じゃあ…》《そこのお姉さん女を上げるチャンスですよ》《さあいい女っぷりを見せて》《あっ妊婦さん》《それじゃ駄目か》
(男性のせき)
(薫)《う〜ん…あの人は病弱そうだしあの子は遠過ぎる》《あとはみんな年上ってことは…えっ?》《車内譲るべきランキング私2位〜!?》《う〜ん…》《やっぱり譲るしかないのか》《でもさこの人気難しそうじゃない?》
(薫)《あの…どっどうぞ》《おっお前このわしを老人だと言うのか?》《ひっ…。
めっめっそうもございません》
(薫)《あるよこういうこと》《前に何度かあった》《あ〜怖いな譲るの》
(薫)《やだこっち見てる?》《「何で譲らないの?」って思われてる?》《あ〜もういったいどうすればいいの!?》
(薫)《大丈夫》《こんなときこそ先人から学ぶの》《彼らならこのピンチをどうやって切り抜けるのか》
(降車ボタン音)
(薫)《家康なら》
(薫)《絶対たぬき寝入りね》《自らは動かず時が来るのを待つ》《彼はこのやり方で最後に天下をとった》
(薫)《確かにピンチのときは逃げるが勝ち》《けどそしたら私罪悪感に耐えられる?》《良心の呵責と車内の冷たい視線》《家康の伊賀越えよりも過酷な旅路になるかもしれない》
(降車ボタン音)
(薫)《じゃあ信長なら》
(男性)《んっ?おっ…》《うっ…ご無体な〜!》
(信長)《座るなら殺してしまえホトトギス》
(薫)《殺しちゃ駄目でしょ》
(薫)《さすが自らを「第六天魔王」と称した信長》《私にはとうていまねできない》《となると…》
(降車ボタン音)
(秀吉)《どうぞ!この猿めが温めておきました》《あっさあさあどうぞ》
(薫)《なるほど》《瞬時に相手の懐へ飛び込む処世術》《確かにここまですればどんなに気難しい相手でも悪い気はしない》
(薫)《よしここは秀吉で》どうぞ。
(男性)えっ?ああいや…どうもどうも。
(薫)《何ということだ》《あんな年上の人に先を越されるなんて》《本来なら私が譲るべきなのに》《こんな過ち二度と繰り返しちゃいけない》
(アナウンス)次は三増峠三増峠。
(薫)《おっと皆さん今の地名聞いたことありませんか?》《そう時は永禄12年》《小田原攻めから撤退する武田軍を北条軍が追撃した戦国最大規模の山岳戦》《三増峠の戦いのあの三増峠なのです》
(アナウンス)三増峠です。
(薫)《しめしめ来たぞ》《今度こそ秀吉で》三成さま。

(足音)
(薫)《え〜?》《どっ…どういうこと?》
(薫)《えっ?ちょっちょっと…こっち来るし》
(薫)《この迫力この殺気》《どこからどう見ても本物の武士》《えっ…この場合はどうすればいいの?》《譲る?譲らない?》《どっちが正解〜!?》
(アナウンス)この先揺れますのでお近くの手すりやつり革におつかまりください。
(薫)《つかまらない》《武士の意地?きっとそう》《幾つになっても誇り高いのが武士》《もし席を譲ったら…》
(薫)《どうぞ》《無礼者》
(薫)《ぐえ〜!》《ごっ…ご無体な〜》
(薫)《ここはまず相手の出方をうかがい座りたいのかどうか真意を確かめるのが上策》《そんなときに用いるべきは…》《そう川中島の合戦で武田信玄が用いたきつつき戦法よ!》
(薫)《きつつき戦法とはキツツキが餌を捕る際に木の反対側をつつきびっくりして出てきた虫を捕まえるその習性をヒントに武田家の軍師山本勘助が編み出したといわれる戦法》《つまりおとりを使って敵をおびき出す戦法なのだ》
(薫)《これが私のきつつき戦法》《すなわちこの動作がおとり》《座りたい気持ちがあれば必ずやこの動きに反応を示すはず》
(薫)《微動だにしない》《動かざること山のごとしか》
(薫)《う〜ん…》《この戦法が通用しないとなると…》
(男性)ううっ…うっ…。
(薫)《んっ?》
(薫)《えっ?矢刺さってるじゃん》《だったら話変わってくるよ》《お年寄りな上にケガ人でしょ?苦しそうだし…》《これはさすがに譲ってよくない?》だよね?いい?
(薫)《譲るよ?》
(つば鳴り)
(薫)《えっ?》
(つば鳴り)
(薫)《嘘…嘘でしょ?》《まっ…まさかこの子立つの?》
(薫)《たったっ…立った》《やめて。
同じ女子高生でしかも…しかもこの位置関係》
(薫)《これで先を越されたら私は車内の笑い者》
(薫)《それだけはさせない》《そんな下克上許すわけにいかない!》《うっ…》《ひきょう者!》《われが先に見つけたお年寄りぞ!》
(恵美)《ハハハハ…》
(一同)《ハハハハ…》
(恵美)《笑止!》《うぬは誰かが動かねば動けぬ臆病者ではないか》《そのご老体は余の手柄》
(薫)《ならぬ!》《ここでこちらのご老体を奪われたとあっては末代までの恥!》《貴様には負けぬ!》
(足軽のうめき声)
(恵美)《いざ参る!》
(足軽たち)《うお〜!》
(恵美)《や〜!》《どけどけどけ〜!道を開けろ〜!》《えい!》
(恵美)《はあ!》
(恵美)《えい!》
(恵美)《はあ!》
(薫)《や〜!》《手柄が欲しくばわれを倒してからにせよ!》
(恵美)《笑止!》《覚悟せえ!》
(薫)《やあ!》
(恵美)《や〜!》
(薫)《やあ!》《や〜!たあ!》《はあ!》《えい!》
(薫)《や〜!》
(薫)《やあ!》
(恵美)《えい!》
(薫)《ふっ…不覚》《みっ…三成さま》
(恵美)《どうぞ!》《掛けさせたり〜!》
(足軽たち)《お〜!》
(恵美)おじいさんどうぞあちらの席へ。
(薫)《あ〜また先を越された》ああどうもありがとう。
でもわしは次で降りるんじゃよ。
(降車ボタン音)《空蝉の術か》
(アナウンス)発車します。
おつかまりください。
立っちゃうと読みづらいよね本。
えっ?私もどうするか迷ったんだけどさ。
ていうか困るよね。
あんな真ん前に立たれたら。
しかも座る気ないし。
うん。
土田恵美。
よく同じバスになるね。
えっ?あっああ…。
あっ本しか見てないか。
何読んでるの?
(恵美)へ〜。
いい趣味してるじゃん。
(薫)えっ?
(恵美)今度何か貸してよ。
うん。
私…薫。
朝比奈薫。
薫ね。
よろしく。
よっ…よろしくお願いいたす。
(恵美)ハハ。
「いたす」って…武士か!あっいや違くて…。
(薫)《こうして私はず〜っと欲しかったものを手に入れた》
(春斗)ねえ。
楽しそうじゃん。
何話してんの?
(恵美)春斗には分かんない話。
んだよ冷てえな。
(恵美)あっこの子薫。
よろしく。
あっどっ…どうも。
彼氏。
(春斗)違えだろ。
(恵美)嘘。
ただの幼なじみ。
(春斗)そう。
えっ何話してたの?
(恵美)内緒。
(春斗)何だよ。
(恵美)当ててみて。
(薫)《それは新たな戦いの始まりでもあった》
(恵美)《遅いぞ武蔵!》《小次郎敗れたり!》
(薫)《てや〜!》
警視庁捜査一課の姫川が警察内部の闇にも関わる連続殺人事件に挑む!
そして捜査線上に浮かぶ謎の人物
(綾乃)よし。
(スタッフ)特集まであと10分です!星野さんもういいでしょ。
(綾乃)あと1個だけ直さして。
2分で終わる。
2分。
(綾乃)OK。
お待たせ。
(スタッフ)はい。
(綾乃)ごめんね。
(スタッフ)はい!
(綾乃)あ〜。
(和彦)星野。
お〜。
(和彦)ちょっといいか?んっ?どういうこと?ねえ和彦はっきり言ってよ。
だから俺たちもう別れよう。
俺会社辞めることにした。
しばらく田舎で暮らすわ。
(綾乃)どうして?だってお互い一人前になるまで一緒に頑張ろうって…。
励まし合ってつらいことも乗り切ろうって…。
(和彦)だから重いんだよそういうのが!
(和彦)1人で頑張ってくれ。
(綾乃)ねえ和彦待って!私納得できない。
最近こそこそ電話してるし休みの日は連絡取れないし浮気してたんでしょ?ああそうだよ。
最低。
最低!・
(男性)危ない!えっ?・
(ブザーの音)
(看護師)元気な女の赤ちゃんですよ。
カワイイ。
(綾乃)お母さん?
(綾乃の母)ママでちゅよ。
これって…。
(綾乃の母)綾乃よろしくね。
(綾乃)
誰かが言った
走馬灯とは人生最後に見る映画であると
私死んだんだ。
(綾乃)もう1回。
(2人)12の3!
(綾乃)もっかいもっかい。
(綾乃の父)もう1回。
せ〜の。
(綾乃の母)もう嫌だよ〜。
えっ?
(一同の笑い声)はっ?
(綾乃)最低!
(男性)危ない!
(綾乃)いやちょっと…。
えっ?終わり?
(支配人)お疲れさまでした。
いかがですか?ご満足いただけましたか?では参りましょうか。
(綾乃)いやちょっと待ってください。
今のって走馬灯ってやつですよね?全然満足できないんですけど。
(支配人)あら困りましたね。
ご自分の人生に満足いただけないと成仏できない決まりなんですが…。
いやあの自分の人生じゃなくてクオリティーに。
(支配人)ちょっと確認します。
バカ!お前はしょってんじゃないよ!
(AD)あっすいません。
走馬灯を何だと思ってんだ!あっすいません。
こいつ今日からの新入りでして。
「新入り」って…。
ご説明が遅れましたが当シアターでは死期を迎えた方々の走馬灯の編集および上映を請け負っております。
(支配人)最期の時が迫った方の魂をシアターへとお招きし上映を通じてご自分の人生を振り返っていただく。
(支配人)そうして満足いただいた上で成仏へとお導きする。
それが当シアターの役割でございます。
ご臨終です。
(支配人)ですが近年は編集技術者が不足しておりまして。
少々お待ちください。
今別の者にやらせます。
(操作音)
(支配人)俺だ。
(支配人)誰か手空いてるやつはいるか?お〜い!誰か!聞こえてない?いるわけないじゃないっすか!こっちはもうパンパンなんですから!
(通話の切れる音)ん〜参ったな。
(綾乃)あの…私別にいいです。
(支配人)はい?
(綾乃)さっさと成仏させてください。
あんなのプロから見たらどうってことない映像なんで。
あれ?あんた今何とおっしゃいました?お〜。
んっ?
(支配人)いや〜まさかプロの方だったとは。
(綾乃)いや…ちょっ何で私が。
(支配人)まっいいじゃないですか。
ご自分の人生をご自分で編集する。
これこそベストじゃないですか。
ねっ?プロの腕前こいつに見せつけてやってください。
(看護師)先生容体が少し持ち直しました。
何で私が。
(綾乃)じゃあね。
(生徒)あっじゃあね。
あっ。
綾乃さん僕とお付き合いしてください。
いや俺と付き合ってください。
(生徒)お願いします!
(生徒)好きです!
(綾乃)いやいやいや…。
いやちょちょちょちょっ…。
(綾乃)ほらこういうの抜き取りなさいよ。
私うれしそうでしょ。
そうだ。
よし!
(支配人)ちょっと何をされてるんですか?演出。
演出も結構ですがご臨終の時間も迫ってますから間に合わせてくださいね。
(拍手)
(社員)じゃ岩崎から自己紹介。
(和彦)はい。
え〜岩崎和彦です。
一日も早く戦力になれるよう頑張ります。
お願いします。
(拍手)
(社員)綾乃タイプなんじゃないの?
(綾乃)ちょっとやめてよ。
(綾乃)じゃあまたあした。
(和彦)あしたね。
星野。
(綾乃)んっ?俺と付き合ってくれないか?
(綾乃)私でよければよろしくお願いします。
(綾乃)あ〜あこのころはよかったな〜。
(AD)何かラブラブな場面ばっかりっすね。
うるさい。
浮気なんて絶対許さないから。

(支配人)だから何度も言ってるだろ!・
(スタッフ)うわ〜!もうやってらんないっす。
お疲れっした。
(支配人)おい待て。
おい!おい!お〜。
(支配人)お願いです。
(綾乃)だから!何で私が。
お願いします。
大きな事故が起きたみたいで今から1時間で20人分作らなきゃいけないんです。
もし手伝っていただけるなら特別にこれをお渡ししてもいい。
何ですか?それ。
(支配人)巻き戻します。
いいですか?あっ…嘘。
(支配人)こうやって元の素材データを改ざんできるツールです。
一度きりしか使えませんがこれで決定キーを押せばあなたは助かることになります。
あっ。
無事全てが終わったらこれを差し上げます。
上がったよ。
(綾乃)はいよろしく。
(スタッフ)はい。
(AD)あのどのシーンを切り取ったらいいのか…。
迷ったら笑顔のシーン。
これ基準にして。
(AD)はい。
(支配人)いや〜素晴らしい。
このペースなら全員間に合うかもしれません。
(看護師)お母さん元気な男の子ですよ。
(女性)ちっちゃ〜い。
この人…。
和彦ママですよ〜。
和彦?えっ?
(女性)これからよろしくね。
(和彦)バイト休めないからね。
どういうこと?
(支配人)こちらも突発的な事故で…。
あっ…あなたの恋人でしたか。
すいません。
別の者にやらせます。
おい誰かデータ持ってって。
いいから。
いやでも…。
もう別に別れてるし関係ないから。
でもどうして…。
(和彦)ああそうだよ。
(綾乃)最低!
(男性)危ない!
(綾乃)そんな…。

(和彦)えっ?ちょっと待って。
おふくろが倒れた?えっ?
(和彦)とにかくすぐ帰ります。
どういうこと?
(綾乃)嘘つき…。
(綾乃)こんなのって…。
(綾乃)こんなのって…。
綾乃さん。
お願いがあるんです。

(ブザーの音)
(看護師)お母さん元気な男の子ですよ。
ちっちゃ〜い。
和彦ママですよ。
(和彦の母)それ。
お〜やった〜!
(和彦)やった〜!
(和彦の母)それ。
お〜。
2回連続。
(社員)次星野。
(綾乃)はい。
星野綾乃です。
一日も早く自分の作品が作れるよう…。
ヤベえ超タイプです。
(綾乃)よろしくお願いします。
(拍手)
(和彦)俺と付き合ってくれないか?私でよければよろしくお願いします。
よし!やった〜。
おふくろが倒れた?
(女性)もう長くないみたいなの。
がんが全身に転移してて手術も無理だって。
(和彦の母)私のことは心配しないでいいから。
俺会社辞めてこっちで暮らす。
そろそろ俺にも親孝行さして。
(社員)星野と別れる?うちの事情に巻き込むわけにはいかない。
けど今でも好きなんだろ?好きだよ。
だからあいつの夢を邪魔したくないんだ。
(綾乃)あ〜!ごめんなさい…。
(和彦)うわ!すいません!何だ和彦か。
(和彦)お疲れ。
(綾乃)ごめんね。
さよなら。
(綾乃)最低。
(綾乃)最低!
(男性)危ない!
(支配人)よかったんですか?彼に使ってしまって。
綾乃さん彼のご案内お願いしてもいいですか?えっ?
(和彦)誰か〜。

(ドアの開く音)綾乃。
(綾乃)ハァ〜。
取りあえず浮気はしてなかったみたいね。
(和彦)えっ?
(綾乃)あっこれ私が編集したの。
(和彦)あっそうなのか。
俺たち生きてんだよな?当たり前じゃん。
なあ綾乃一緒に田舎に来てくれないか?えっ?
(和彦)俺今はっきりと分かった。
もし最期の瞬間を迎えるならそのときはお前にそばにいてほしい。
結婚してくれないか?無理だから。
そうだよな。
お前夢の途中だもんな。
(和彦)たまには東京行くよ。
そのときは会ってくれるか?綾乃?・
(支配人)岩崎さんそろそろお時間が。
私は大丈夫だから。
早く行きなよ。
私のことは…忘れて。
何言ってんだよ。
またな。

(ドアの開閉音)
(心電計の心停止音)大丈夫ですか?
(綾乃)当たり前じゃないですか。
言いにくいんですが綾乃さんの成仏結局間に合いませんでした。
はっ?えっ?じゃあどういう…。
(綾乃)ちょっとこんなんで見せられるわけないでしょ。
やり直し。
(スタッフたち)お疲れさまです。
(綾乃)お疲れさま。
(綾乃)お疲れさまです。
(支配人)はい。
カワイイ。
私の赤ちゃん。
よ〜し。
(アナウンサー)また現在雨は関東地方から東北地方にかけ広い範囲で降っており一部の地域では落雷による影響により停電をしております。
現在東京都練馬区などで…。
(石田)
それは突然の電話だった

(看護師)《石田道夫さまでいらっしゃいますか?》《私東病院の者ですが先生がご主人にお話ししたいことがあるそうなのでこれから病院の方においでいただけますか?》
(石田)《優二の…息子の容体に何か?》・《いえ。
詳しいことは会ってからお話ししたいということですので》
(事務員)まだ原因が分からないそうです。
(石田)すいません。
石田と申します。
(看護師)お待ちしてました。
こちらへどうぞ。
(女性)真っ暗だ〜。
(看護師)大丈夫ですよ。
(女性)あ〜…。
(ノック)
(看護師)どうぞ。
(医師)石田優二君のお父さんですね。
わざわざどうも。
(石田)あっあのお話というのは?
(医師)まあ掛けてください。
はい。
(医師)すいませんこんなときに停電なんて。
何か飲まれますか?
(石田)いえ。
あのそれより息子は?あの優二の容体に何か変化でも?あの…。
(医師)事故の補償の方は話がついたそうですね。
(石田)あっ…ええ。
勝手に工事現場に入りこんだ息子も悪かったんですが資材が倒れてきたのは先方の管理不行き届きということで全額保険でカバーしてくれることになりました。
それよりあの息子の方は…。
(医師)当然ですよ。
(石田)はっ?
(医師)事情がどうであれ幼い少年を傷つけてしまった責任は重い。
先生あの子は大丈夫なんでしょうか?
(医師)もちろん大丈夫ですよ。
骨折箇所の手術はうまくいきましたし今のところは何の問題もありません。
この分だと予定より早く退院できるでしょう。
ハァ〜そうですか。
(医師)ところで石田さんお子さんは?1人です。
(医師)失礼ですが奥さまは?おりません。
離婚しました。
あの子がまだちっさいころに。
(医師)そうでしたか。
先生のおっしゃりたいのはよう分かるんです。
私だって一日中ずっとあの子のそばに付いてあげたい。
しかし仕事柄職場を空けることができなくて。
(医師)職場?ああ石田さんは学校の…。
緑川高校の体育の教師してます。
(医師)先生という仕事もご苦労が多いでしょう。
特に相手が高校生ともなると。
(石田)ええ。
何しろ扱ってるのが生身の人間ですからね。
(医師)扱っている?まるで品物か何かのようですね。
(石田)いやそういうつもりでは…。
(医師)新聞で読んだんですけど最近の学校の先生は大変らしいですね。
いじめに引きこもりそれにモンスターペアレントなんていうのもありましたっけ。
ちょっと生徒をたたいただけで首になる教師が大勢いるそうじゃないですか。
(石田)確かに安易に体罰を与えるのは問題ですがマスコミの報道の方も一方的というか…。
(医師)体罰も時にはしかたがない?
(石田)いやそうとは言ってません。
しかし多くの場合そこには規律の乱れとかいじめの問題とか様々な要素が複雑に絡み合ってると思うんです。
そのとおりかもしれませんね。
考えてみれば僕が高校生のころだって体罰はあった。
石田さん僕この部屋にちょっと変なもの置いてあるんですよ。
(医師)これです。
医師の個室に竹刀があるなんて変でしょう?別に健康のために持ってるわけじゃないんですよ。
竹刀にはちょっとした思い出があるんですよ。
それを忘れないように置いてあるんです。
昔竹刀で散々殴られたんですよ…。
僕。

(雷鳴)
(医師)その男も石田さんあなたと同じ体育教師でした。
とにかく厳しいというかおっかなくて生徒は皆ビビっていたものです。
ずいぶんひどい先生に出会ったもんですねどうも。
(医師)ひどかったですね。
生徒に暴力を振るうのが好きで教師をやってるようなやつでしたから。
(医師)竹刀で生徒を殴るなんてとんでもない教師だと思いませんか?ええ。
歩き方がだらしない。
ボタンが外れてる。
そんなささいなことで怒られて。
まだ若かったですよその先生も。
あのころで25歳ぐらいだったでしょうか。
今の僕よりもず〜っと年下なわけです。
何て名前だったかなあ。
でも竹刀で殴られたことは忘れられない。
あれを忘れてたまるもんですか。
(医師)僕の通ってた高校学期末試験が終わると夏休みの前に全員参加で球技大会とかをする体育デーっていうのがあったんですけど試験勉強で無理をし過ぎたんでしょうね。
風邪をひいてしまった。
だから医者の診断書を持ってそのことを言いに行ったわけです。
「体の具合が悪いので体育デーは休ませてください」って。
ところが教師の顔色がさっと変わりました。
その体育教師は鬼のような形相で僕にいきなり足払いを掛けると床の上にたたきつけました。
そして床に正座させた僕を竹刀でいきなり…。
うわ!あの日も今日と同じような雨の日でした。
後でズボンを脱いでみたら膝から上が青黒く変色してパンパンに腫れ上がってました。
何十発殴られたか…。
だけどそのことが学校で話題になることはなかった。
何でですか?
(医師)辞めたんですよ。
その学校を。
夏休みに入って僕は親と相談して別の学校に移ることにしました。
僕は怖かった。
もし同じ学校に居続ければ何をされるか分かったもんじゃないって。
だから逃げたんですよ。
その体育教師から。
(石田)《こいつ…》
(石田)《間違いない。
この男はのろうさぎや》
(石田)《動作がのろくてのろうさぎとあだ名を付けられた眼鏡の生徒》《成績は優秀やった》《だが俺を…教師をバカにしたような顔をしそういう態度をとる生意気な生徒やった》《体育デーを休みたい?》
(石田)《こら!》《勉強ができるからってええ気になりやがって》《えっ!?お前俺をなめとんのか!》《何じゃ?その目は》《おい。
それが教師を見る目かこら!》《おりゃ!おりゃ!》
(石田)《けどのろうさぎにだけ特別つらく当たったことはない》
(医師)どうされました?顔色良くありませんよ。
あっいえ。
それでその教師は?さあ。
僕のことなんか忘れてるんじゃないですか?何しろ僕は大勢殴られたうちの1人にすぎませんから。
でもね殴られた方は一生かかっても忘れられないんですよ。
ホントにあの教師何て名前だったかなあ。

(医師)気になりますか?僕の歩き方ですよ。
右足を引きずる感じになるでしょう。
膝小僧の骨をね少し傷つけたらしいんですよ。
そんなに目立つわけじゃありませんけどあのときの傷は今でも残ってるんです。
たとえ殴った方は忘れても殴られた方は一生忘れることはない。
この傷のように。
(医師)人間というものはもろいものです。
もろく傷つきやすい。
(医師)それに対してわれわれ医者ができることは非常に限られてます。
例えば優二君と似たような事故を例にとると。
これは実際にあったケースなんですが工事現場で働く青年が資材に足を挟まれ何カ所か足を骨折したことがあった。
まあ手術は成功しリハビリをすれば半年程度で歩けるような状態でした。
しかしわれわれ医師がもう少しで大変なものを見逃してしまうところだったんです。
大変なもの?資材で挟まれたときその青年の足は瞬間的に圧迫され細胞が破壊されたんです。
いわゆる壊死というやつです。
幸いその青年の場合手術の後異変に気付きましてね。
すぐに別の手術が行われ事なきを得ました。
もし気付かんかったら壊死した部分に気付かんかったらどうなるんですか?それが怖いんですよね。
死んだ組織は少しずつ広がっていくんですよ。
例えば足の裏の壊死に気が付いたときにはもう足首の辺りまで組織の破壊が進んでしまったなんていう場合には切断するしかありません。
切断!?
(医師)壊死はね外見で判断することが非常に難しいんですよ。
患部に触れても熱があるかなってぐらいで。
ですから普通壊死を見逃して片足切断なんてことになったとしても医者に落ち度があったとはされません。
(医師)さっきも言ったように人間の体はもろい。
竹刀で殴られただけで一生足を引きずることだって…。
先生優二の足に異常はないんでしょうね?
(医師)ええ。
万全を尽くして治療してますよ。
(石田)けど優二の足かて今の話のように壊死してる可能性だってなくはないんやろ?もしそうやったら一刻も早う手を打たんと!今のところ特に熱もないようですしそのような兆候は発見されておりません。
本当ですか!?石田さんまさか僕が嘘を言ってるとでも?先生どうか優二を…優二を助けてやってください!このとおりです!優二の足を助けてください。
どんなことでもします。
先生が私を恨み息子の足を助けたくないと思うのは当然なんです。
私は鬼のような暴力教師です。
自分のイライラからいや人間としての劣等感から生徒に暴力を振るいました!体育デーを休みたいという無抵抗な生徒の足を竹刀で何度も何度もたたき続けました。
あれは私です。
先生が私に復讐しようとするのは当然なんです。
けど優二のことは助けてください。
どんな償いでもします。
優二の足を私への復讐に使わないでください!私は先生の足を傷つけました。
だから切るなら私の足を切断してください!そうしてください!その代わり優二の足だけは…。
おねっ…お願いします。
先生お願いします。
(医師)もういいです。
もうここまでにしましょう。
(医師)僕の復讐はここまでです。
これ以上はかえって自分を嫌悪するだけになりそうだ。
先生…。
石田さん僕は医者です。
医者の良心に従って全力で息子さんの治療に当たります。
ありがとうございます。
ありがとうございます先生。
(足音)
(看護師)先生。
石田優二君の容体が…。
優二がどうかしたんですか!?
(優二)うっうっ…。
(医師)どういうことだ?今になって患部がこんなに熱を持つなんて。
(石田)先生優二は大丈夫なんすか!?
(医師)君手術室に電話を。
すぐに緊急オペの準備だ。
(看護師)はい。
(石田)大丈夫やからな優二。
なっ。
(医師)ここでお待ちください。
先生優二を…どうか優二を助けてやってください。
お願いします!
(医師)できる限り全力は尽くします。
(医師)ただ…。
ただ?僕はとろくてどじなのろうさぎですから。

(石田)あ〜!!5人の魂は桜にどうやらのみ込まれてしまったようです。
彼らに待っているものは希望なのか絶望なのか。
桜の神は気まぐれです。
おや?まだ咲いてる桜がありましたね。
いや〜何とも美しい。
おっといけない。
私も…。
あなたの近くにも手招きする桜が美しく咲いているかもしれません。
お花見にはお気を付けください。

様々なジャンルのプロである…
2014/04/05(土) 21:00〜23:10
関西テレビ1
土曜プレミアム・世にも奇妙な物語’14 春の特別編[字]

甘くない世の中で忘れられない奇妙体験をあなたに…▽ニートな彼▽墓友▽空想少女▽ラストシネマ▽復讐病棟▽能年玲奈 玉森裕太 榮倉奈々 渡辺えり 藤木直人

詳細情報
番組内容
「墓友」
千代美(渡辺えり)は桜の木々が立つ共同墓を購入する。その共同墓の隣を購入した夕子(真野響子)をバス停まで傘に入れたことから「墓友」になる千代美。2人は食事をともにするとすっかり意気投合し…。

「復讐病棟」
息子の担当医(藤木直人)から呼び出された石田(赤井英和)は雨の中、病院へ車を走らせていた。落雷による停電で真っ暗な病院に通された石田。息子の容体に何かあったのではと気が気ではない
番組内容2
石田だったが…。

「空想少女」
薫(能年玲奈)はお嬢様学校に通う女子高生。薫は通学時間中は歴史小説を読み、その世界に浸るのを楽しみにしていた。
いつものように薫が歴史小説を片手に春斗(入江甚儀)を相手に妄想していると…。

「ニートな彼とキュートな彼女」
雅志(玉森裕太〈Kis−My−Ft2〉)は単身者用の公団アパートに引っ越してきた。個人データを入力するとホログラム映像の専用コンシェルジュが
番組内容3
出現し、室内の電子機器を統括管理してくれるという物件。雅志が個人データを入力すると早速、メイド服姿のMM−2020α(木村文乃)が現れ…。

「ラスト・シネマ」
綾乃(榮倉奈々)は某テレビ局に勤務する映像ディレクター。彼氏の和彦(金子ノブアキ)と別れ話をしたあとに工事現場のパイプが落下する事故に巻き込まれる。直後、綾乃は映画館にいた。スクリーンに映し出される映像は綾乃の生涯を映し出しており…。
出演者
【ストーリーテラー】
タモリ 

「墓友」
渡辺えり 
真野響子 

ほか 

「復讐病棟」
藤木直人 
赤井英和 

ほか 

「空想少女」
能年玲奈 
飯豊まりえ 
入江甚儀 
ミッキー・カーチス 

ほか 

「ニートな彼とキュートな彼女」
玉森裕太(Kis−My−Ft2) 
木村文乃 

「ラスト・シネマ」
榮倉奈々 
金子ノブアキ 
きたろう 

ほか
スタッフ
「墓友」
脚本: 吉井三奈子 
演出: 松木創 

「復讐病棟」
原作: 清水義範 
脚本: 高山直也 
演出: 石川淳一 

「空想少女」
原作: おかもと(仮)「空想少女は悶絶中」(「5分で読める! ひと駅ストーリー 乗車編」宝島社文庫所収) 
脚本: 向田邦彦 
演出: 植田泰史
スタッフ2
「ニートな彼とキュートな彼女」
原作: わかつきひかる「原色の想像力2」(創元SF文庫所収) 
脚本: 小澤俊介 
演出: