(テーマ音楽)
正岡子規が群馬の山々を詠んだ句です
穏やかに広がる榛名の山々は春が似合うとたたえました
榛名山は1,400mほどの峰々が連なる連山です。
度重なる噴火で削られた山容。
歳月を経てやさしい稜線になりました
麓の中学校の卒業式は咲き始めた梅のもとで
(拍手)
新たな歩みを始める季節です
榛名山麓に春の息吹を探しました
南の麓。
高崎市上里見町です
日当たりの良い斜面に広がるのは12万本の梅の木…
広さも生産量も関東一。
300軒の農家が食用の梅の実を取るために植えています
この辺りは噴火によって積もった火山灰の土壌です。
水はけが良く柔らかいため梅の木がよく根を張ります
訪れたのは3月の上旬
梅がほころびてる。
まだ二分咲きぐらいかな。
続いて花咲きそうなつぼみがいっぱいあとに控えてますね。
榛名山の麓で60年梅を栽培している湯浅亀一郎さんです
満開になる前に伸びすぎた枝を切る剪定作業に追われていました
空気ポンプのハサミで手際よく。
枝が混むと実が大きくならずぶつかり合って傷がつくからです
枝越しに榛名山。
春の色はまだ少し先
毎日剪定をするとその目の先に榛名山。
そう。
榛名山を眺めながら剪定してるんです。
青葉が出てきてね緑になって本当にきれいですね。
一面バッと緑に変わるんですか?だんだん下から上へあがるね。
高いところまでだんだん緑になってくる。
それでああ春が来たなと。
山麓を駆け上がる春。
初めの知らせは梅の花です。
湯浅さんの梅林では5種類450本が次々に開花を迎えます
一足早く2月下旬から咲き始める「織姫」。
「小梅」とも呼ばれ堅い小さな実を付けます
まだ二分咲きは「南高」。
肉厚で柔らかい実をつけます
薄紅の「紅養老」。
八重の花びらを開いたばかりです
一番遅くに咲く古木。
湯浅さんの原点となった一本の梅があります
樹齢60年。
「白加賀」です
幹をねじりながら今も成長を続けています
植えたのは昭和29年。
まだ食糧難の時代でした
この木は現役なんですか?現役ですよ。
ええ。
まだ結構取れますね。
当時はコンテナに20くらいできたかな。
今は10くらいかもしれないけど。
結構なるんですね。
結構いい梅でねこれがね。
これが元であちこち増やしたんですね。
じゃあ湯浅さんの梅林の主みたいなもの?そうですね。
元祖ですね。
10人兄弟の次男だった湯浅さん。
亡くなった長男の代わりに中学卒業後農業を継ぎました。
稲作に向かない土地で麦や芋を育て麦飯に梅干しを添えようと白加賀を植えました
その後取り組んだ養蚕が振るわなくなった時暮らしを懸けたのがこの白加賀でした。
接ぎ木をし桑畑を梅林に変えていきました
白加賀のつぼみがほころぶのはまもなくです
山裾を登り峰々を越えると現れるのが噴火でできたくぼ地カルデラです。
山頂部は数十万年前の噴火で吹き飛びました
中央は榛名湖。
秀麗な山が榛名富士。
今はまだ雪の装いです
榛名湖の標高は1,100m。
まだ30cmほどの氷が張り春の訪れを拒んでいるかのようでした
湖畔にたたずみ山と向き合う人がいました
旅館を営みながら40年近く榛名の風景を描き続けています
春の気配って感じる事ありますか?やはり木々の先の方がいくらか赤みを僅か帯びてくるんじゃないか。
まだ春にはちょっと遠いんですけれどいくらか芽が膨らんできているんじゃないかと思います。
榛名湖のほとりには旅館や土産物店など30軒ほどが建ち並びます
山さんの旅館です。
昭和35年中腹の町から移り住みここで暮らしてきました
榛名湖ってスケートできるんですか?
ボートや魚釣りハイキングなど観光シーズンは雪が解けるこれからです
榛名湖のほとりから麓の高校まで通っていた山さん。
美術部で油絵を始めました。
描くのは次第に榛名の風景ばかりに。
景色の中にかすかな変化を見つける喜びを知りました
今は宿泊客が少なく静かな季節です。
山さんはカンバスに向かい絵に没頭する時間を過ごします
描いているのは春の兆し。
白い世界にもさまざまな色が隠れているといいます
雪原に色を添える柔らかな光
そしてミズナラの赤い芽吹
(山)夢の世界でしょうかね。
ふわっとしたモノクロの世界があって純白の白があってそれとあとそこの中は色とりどりなんですねよく見るとね。
一見セピアとか黒っぽく見えるんですけどね。
春になるとまた枝先の芽吹きがして木の方も赤みを帯びてきたりとか。
本当に夢を見てるような世界だと思うんですよ。
毎日住んでるとそんなのがちょっと感じられるかなという。
白い氷の湖はまもなく岸辺から解け始めます
山頂から600m下。
榛名山の中腹です
火砕流でできた緩やかな台地が広がります
高崎市宮沢町。
240戸が暮らしています
朝夕の寒暖の差を生かした野菜や果樹の栽培山の斜面を利用した酪農が盛んです
この町に移住し6年前から農業に取り組んでいる…
以前は高崎の中心部で会社勤めをしていました
ようやく雪が解けました。
その下で甘みを増していたホウレンソウです
冬の間は寒くて地べたをはうような感じで育つんですが春になって暖かくなると一気に上の方に伸びて一気に成長しますね。
紋谷さんは畑作と養鶏で暮らしを立てています
この日「春」が届きました
120羽のヒヨコです
春に生まれたヒヨコは「春ひな」と呼ばれ元気で丈夫に育つといいます
長男の和生君妻の永穂さんも待っていた「春ひな」
生まれてすぐは寒さに弱いためこたつのように暖かくした場所で1か月ほど育てます
卵を産むのは秋です
こんにちは。
梅が少しずつ咲き始めましたねだいぶ。
紋谷さんが訪ねたのは梅農家。
剪定した枝を譲ってもらいます
梅は木の密度が高く火が長もちするため燃料として使います
標高400mの山の中腹は3月でも朝晩は氷点下になります。
まきは4月半ばまで欠かせません
以前は保険を扱う会社で一日中書類に向かっていました。
四季を感じ土を耕す暮らしに憧れ32歳で農家に転身しました
始めた頃は風よけが倒れてトマトが全滅したり鶏が野犬に襲われたりしました
近所の人は鶏小屋の材料を分けてくれたり作業用の機械を貸してくれたりしました
近くだからみんな見て下さってて主人が頑張る姿を見ててじゃあやってあげようみたいなふうに言ってくれる方がいるとやっぱりすごいありがたいなというのはありますね。
だんだん自分たちを知って下さる方も増えてきて野菜とか卵が欲しいという方も少しずつ増えてきてるんでほんと一歩ずつというか一歩ずつ着実にって感じだと思います。
紋谷さんが心待ちにしている事があります
野菜の種の発芽です。
落ち葉やワラを発酵させた温床は30℃近くこの上で土を温めていました
農業を始めて6年。
30種類ほどの野菜を出荷するまでになりました
芽が出てくるとやっぱりうれしいですよね。
そうですね。
やっぱり芽が出るか出ないかって例えばここブロッコリーなんですけどここ発芽してないんですよ。
やっぱり発芽しない事もあるんで発芽した時の喜びっていうのは特にこの春っていうのはうれしいですね。
そうですよね〜。
小さなそして確かな春の知らせです
3月下旬麓の上里見町では榛名梅林が咲きそろいました
梅農家の湯浅亀一郎さんは日ざしにぬくもりを感じる頃になると梅干し作りを始めます
夏の間に収穫し塩漬けしておいた梅
梅干し作りは夏の収穫直後から行いますが寒く乾きにくい冬は作業を休んでいました
春を待ち再開した梅干し作り
うららかな日差しの中で柔らかな梅干しができるといいます
夏は日差しが強いから。
今だっていうとそんなにボツボツっていうとこで。
日がちょうどいい日差し。
大豊作になって収穫になった時のその取れる時ね。
ほいでまあいい花が咲いてそれが一番の楽しみですね。
一つの流れでやってるんで。
昔からやってる事だからね。
これっきりできねえから。
他の事はできねえんだから。
気温は10℃を超えました。
ミツバチが活動する暖かさです
梅はミツバチに受粉を助けてもらい実をつけます
樹齢60年。
この地で生きる根っことなった白加賀
今年も命を輝かせます
春爛漫はもうすぐです
(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2014/04/05(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅「春が染めゆく山麓〜群馬県榛名山〜」[字]
群馬県の榛名山。山麓では、梅農家が花をめでながら、せん定や受粉作業に追われる。まだ白い榛名湖では、小さな春を風景を描く人も。早春の榛名湖に春の喜びをみつける旅。
詳細情報
番組内容
「上州三山」のひとつ群馬県の榛名山。度重なる噴火で、中央のカルデラと榛名富士を、とがった峰峰が囲む複雑な山容をみせる。山麓には梅林が広がり、関東一の梅の生産を誇る。3月、梅農家は品種ごとに咲き継いでいく花をめでながら、せん定や受粉作業に追われている。一方、山上の榛名湖は、まだ氷に覆われたまま。雪原の中にかすかな春をみつけ、風景を描く人にも出会う。早春の榛名山と、山麓の暮らしに春の喜びをみつける旅。
出演者
【語り】山田敦子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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