総合診療医 ドクターG「せきと熱をくり返す」 2014.04.04

(せき)お母さん大丈夫?うん。
(宮本智子)
夫の父親の一周忌でした。
このところ風邪のような症状を繰り返すのでおかしいなと感じていました
法事のあとうちで義理の母と姉夫婦とで食事会をしたんですが…
いろいろ準備大変だったでしょう?
座っているのさえつらくなってきました
あんたたばこ。
ああすまないすまない。
…ったくもう気が利かないんだから…。
すみませんけど奥で休ませて頂きます。
その方がいいわちょっと休んでらっしゃい。
ちょっと大丈夫なの?ここんとこずっと調子悪いみたいなんだよ。
どうしちゃったのかしらね。
寝室で少し休もうと思ったら…
智子さんしっかりして!大丈夫?大丈夫?誠!智子さんが大変なのよ。
もうだるくてだるくて…
おい!どうした?
私もう駄目かも…
さあいよいよ「ドクターG」のシーズン5が始まりました。
いやいや…帰ってきましたね。
今のでもう始まってますからね。
でもパッと見風邪に似てますよくある事ですが。
ゲストのお二人。
よろしくお願いします。
面白い番組ですね。
ドキドキしちゃいますね。
見てる方がドキドキしちゃう。
今見てる感じではどうですか?よくありそうで…。
でも倒れる前に早く病院行けばいいのに。
頑張り屋さんなんですねとてもね。
患者の声に耳を傾け体に問いかける。
総合診療医の武器は問診と診察だ。
症状は?仕事は?生い立ちは?病気を探るヒントはどこに潜んでいるのか。
意外な手がかりを一つ一つつなぎ合わせ病気を探り当てる。
私たちは彼を「ドクターG」と呼ぶ。
今回の症例を解決したドクターGの登場です。
(玉ちゃん)名古屋大学医学部附属病院総合診療科鈴木富雄先生です。
「ドクターG」最多出場数々の難解な症例を解決してきた…先生は我が番組の主治医ですからね。
さあ今回の症例先生たくさん症例扱ってきた中でも難しかったと。
今回の症例は結構頭を悩ました症例なので…。
患者さんの話をしっかり聞く。
「問診」という言葉があります。
我々「医療面接」という言葉も使いますけど。
そして「身体診察」ですよね。
体をしっかり診させて頂いたうえで病気を絞り込んでそこで検査をすると。
そうする事によってできるだけ…これ医療の原則ですから。
それをなんとか研修医の皆さんに頑張って頂きたいなと思いますね。
さあ病気の正体を探り当てるため全国から集まって頂いた研修医はこちらの皆さんです。
はいご紹介しましょう。
(拍手)
(拍手)京都で…。
京都で撮影の時是非ね…。
(拍手)さあ森先生はどんなお医者さんになりたいんですか?患者さんの住んでる所とか職業とか社会的背景を知ってその病気になるとどういう事が患者さんに家へ帰ると起こるかそういうのまで分かるような医者になりたいと思います。
目指して下さい。
今日頑張って下さいよ。
さあ花本先生はどんなお医者さんに?看護師さんはじめ医療者それだけじゃなくて患者さんとその家族とも寄り添っていける医者になりたいと思っております。
ありがたいよね家族と寄り添ってくれるなんて。
若い希望があります。
阿部先生福島県から初めての方ですけど…。
福島県は今ちょっと大変な状況でもあるのでそういった方々に対して一緒に二人三脚の医療をやっていけるような医者になりたいと考えております。
実際被災というか避難したんですよね家族でね。
大変だったですよねあの現場は。
今頑張っているところです。
それでは病名を探るために再現ドラマをご覧頂きましょう。
ドクターGの症例に研修医が挑みます。
テレビの前の皆さんも一緒に考えて下さい。
ドクタージェネラル!失礼します。
どうぞお掛け下さい。
すみません。
こちらお荷物置いときますので。
すみません。
今日はどうなさいましたか?もうこの3か月の間せきが出たり熱が上がったり何度も繰り返してもうつらくてつらくて…。
今3か月とおっしゃいましたがその頃に何か…はい。
(宮本)
今年1月に家を買って引っ越しました
わっ重いこれ彩花のだ。
何入ってんだ?これ。
本だと思う。
義理のおとうさんが亡くなり独りになったおかあさんと一緒に暮らす事にしたんです。
ようやく買った我が家です。
でも中古の一軒家だったので掃除が大変でした
やっぱきたねえな〜。
うん。
エアコンはあなたやってよ。
エアコンか〜。
やっとくよ。
お願いね。
築20年の家だからピカピカに掃除しようとみんなで頑張ったんです
わ〜…。
お母さん掃除しても掃除しても全然終わりそうにないよ。
せっかく買った家なんだから文句言わずに頑張ってちょうだい。
こうして見るとなかなかいい家よほんと。
引っ越しの時は…
はい
何だか調子が悪いと感じ始めたのは引っ越しをして間もない頃でした
わ〜もうまた洗い直し。
しょうがないじゃない。
あれ?おばあちゃん見なかった?ちょっと散歩に行くって。
散歩って傘は…?あっ!道に迷ったのかもしれないし…。
捜しに行こう。
うん!
捜し回ったあげく近所で雨宿りしていたおかあさんを見つけました
彩花大丈夫だった?そんなにぬれて。
大丈夫。
おかあさんはぬれずに済みましたが私たちはびっしょり。
そのあとすぐ寒気がしてきて熱が39℃まで上がったんです
はい
宮本さ〜ん。
心配なさってたインフルエンザなんですけど検査では陰性でした。
解熱剤とせき止めの薬を用意しますので。
ありがとうございました。
お大事に。
家に帰って薬をのんで休んでいたらその日のうちにせきはやみ熱も下がって楽になりました
そのころ…今日はね早く帰ってくる。
うん。
夫は健康だけが取り柄のような人ですし…
遅刻する。
娘も…
いってらっしゃい。
いってきます。
いつもと変わらず
おかあさんも元気で1週間に一度近くのデイケアへ通い始めました
引っ越しから2週間たったころクリーニング店でパートを始めたんですが…
いらっしゃいませおはようございます。
これできてますか?これ。
あはい。
お待たせしました。
仕事は1日4時間早朝からのシフトもあって結構きつくて…
ちょっと…!いらっしゃいませ。
これ何よ!
汚れや染みをあらかじめきちんとチェックしていなかったのでクレームも受けたりして…
早くねなんとかして早くすぐ取ってよ!はい分かりました。
そのころ…また2週間前と同じようなせきと熱が出ました
あした病院行ってみるか?うん…。
ところがその時は薬をのんでいないのに翌朝にはすっかりせきと熱は治まっていたんです
いってらっしゃい。
そうです。
それでも主人は心配だと言い病院に付き添ってくれて胸のレントゲンを撮りました
肺炎を思わせる影は見当たらないですね。
そうなんですか。
よかった…。
そうですか。
でもそれから2週間くらいたった2月下旬せきと熱に加えてそれまでになかっただるさを感じました
家事もできないほどです。
それで洗濯や掃除は娘と夫が手伝ってくれるようになりました
うわ〜もう最悪!なんかうつりそうだもん。
今まで忘れてたよ。
だるい日は数日間続きましたがいつの間にか治っていました
いってらっしゃい。
それから1週間ほどたった3月上旬の事です。
おかあさんをデイケアに送り出し掃除をしたり買い物に出かけたりしていたのですが…
夕方になって急に熱が出たんです
智子さんはね私がデイケアから帰ってくるといつも調子が悪いのよね。
だから私はもう帰ってこない方がいいのかね。
いやいやいやおふくろ。
おばあちゃん。
(2人)そんな事ないよ!そうかい?そうかね…。
そして今日おとうさんの一周忌を迎えたのですが…
いいけど家族だけだから。
食事会の時はもうだるくてだるくて…2階で少し休もうと…
早く!おい!どうした?え〜。
一人で歩けるから大丈夫。
そうですか…。
分かりました。
数日間経過をみたいと思うのですが…えっ?入院ですか。
(玉ちゃん)いやいやいや…。
見て頂きましたけれども。
さあちなみに宮本さんのバイタルこちらでございます。
SpOって先生何なんでしょう?体の中の動脈ですよね。
血液の中で酸素がどのくらいちゃんと充満してるかというそういう指標なんですよ。
普通97とか98%辺りが正常なんですね。
やや低いんですか?ちょっと低いですね。
90%以下になると安静時でもしんどいと思いますけどね。
ちょっと低いです。
さあ研修医の皆さん疑われる病名をフリップにお書き下さい。
俺はね…結核菌が入っちゃってて忙しくて抵抗力がなくなっちゃってそれで出ちゃったんじゃねえか。
いろいろなものありますから…気を遣うお嫁さんですよね。
引っ越しとかも大変だし同居とかも大変…。
研修医の皆さん書き終えたようです。
では一斉にフリップをどうぞ。
さあじゃあまず阿部先生から病名発表して下さい。
どうぞ。
(玉ちゃん)花本先生。
(玉ちゃん)森先生。
(辰巳)あれ〜?ではそれで決定という事で。
(玉ちゃん)いやまだまだ…。
さあカンファレスの書記は…
(玉ちゃん)よろしくお願いします。
ここからはドクターGと研修医の真剣勝負です。
カンファレンススタート!じゃあ早速ね始めましょう。
皆さんですね「過敏性肺臓炎」。
そろいましたね。
森先生どうですか?どういう病気ですか?過敏性肺臓炎は引っ越しとか新しい家とかで何かしらを吸入した時に呼吸器の症状が出て熱も出てというふうにして起こる病気でよく入院とかして一回別の環境に行くとよくなったりしてでまた帰ったら同じ症状が出てというのを繰り返すような…。
過敏性肺臓炎の時は例えばどういうものに過敏になりやすいですかね?カビに近いようなものですね。
今回も昔のうちを買ったという事もあるのでカビが原因になってる可能性。
…という事も考えました。
カビとかいわゆるペットの毛とかいろんな塗料であるとかいろんな事が問題になりますが…。
花本先生どうですか?朝はよくて掃除をしたあとに症状が出ている点ですとか病院を受診した際にレントゲンで何もなかったという点があったと思いますが過敏性肺臓炎の場合はレントゲン像が比較的に変わりやすいという事があったので一時期見えない時期があってもこの病気の可能性があると考えました。
3人の研修医は患者が問診で話した…やっぱきたねえな〜。
エアコンはあなたやってよ。
エアコンか〜。
じゃあ過敏性肺臓炎と書きましたけども合わない点。
過敏性肺臓炎とちょっと違うのかなと感じました。
すばらしいですね。
いろんな部屋のホコリであるものにアレルギー的なものが起こるとしたらいつも起こってもいいんじゃないかと。
間隔を置き起きてるというのはちょっと合わないんじゃないか。
すばらしいと思いますね。
それではこの方の問題点は…。
高熱。
39℃台が出るのかというのはすごい思いました。
上がったり下がったりするんですよね。
…と答えていた。
(名取)何度も繰り返してるし解熱剤をのんで治ったりのまなくても治ったり…。
そうですね。
じゃあまず「熱」という事を考えてみましょうか。
一般的に熱というのはどうして熱が出るんですかね?感染症とかばい菌が入る事によって体の中で炎症が起こる事が一番…。
まあ割と多いですよね。
ではこの症例でどういう感染症が考えやすいかというと…。
この症例だと一番最初にインフルエンザと言われてはいましたがもちろんインフルエンザが陽性にならない事も可能性としては考えられるのでインフルエンザはもちろんの事あとはやっぱり先ほど指摘されたように結核は否定はしておかないといけないのかなとは考えました。
患者の熱の原因として考えられるのは…この患者の場合…じゃあ感染症以外に熱が出るようなケース…。
自己免疫性の疾患というと一般的に分かりやすい言葉で…。
「膠原病」というふうに私たち言いますね。
膠原病という中ではどういうものが例えば…。
そういったものも考えた方がいいと思います。
熱の原因の一つ。
他熱という事で考えれば今感染症出ましたよねそれから膠原病自己免疫疾患出ました。
その他熱という事だと…?
(玉ちゃん)腫瘍。
うわ怖い!熱が出る腫瘍というと代表的なものは?いわゆるリンパ腫とかって呼ばれてる…。
血液とかリンパ節と言うんですがそういうところにできる病気。
悪性が強い場合は「悪性リンパ腫」と言うんですね。
1回目の鑑別診断で研修医たちはそろって過敏性肺臓炎をあげた。
そして患者の熱の原因を中心に更に多くの病名を考えた。
我々やっぱり一つの疾患を診断するというのはゴールにたどりつくわけですがゴールに行くまでにいろんな可能性をちゃんと考えながらやっていかないと大きな間違いを犯す事があるんですね。
ですからいろんな可能性を考えながらVTRの2番目のものを見てもらいますがどういった事を中心に診ていきたいですか?膠原病とかを疑うなら関節とか節々が痛いような症状とかあとは皮疹というこの辺が赤くなったりとかブツブツができたりとかそういう症状がちょっと欲しいなと思っています。
今までの既往ですね結核だったら今まで結核にかかった家族さんがいらっしゃるかとか聞きたいなと思います。
3か月前の前のうちでペットを飼ってたりだとかせきが出るような感染症が起きるようなものをもっと突っ込んで聞きたいなと思います。
こんなゆっくり聞いて下さいませんよね。
病院でですか。
いろんな可能性を考えて…。
これすごくうれしいですよね患者にとっては。
こういうカンファレンスっていつもあるんですか?うちの病院では毎朝患者さんのカンファレンスをやってますし多分先生方も結構頻繁にやっておられますよね。
さあ診断を絞り込むためVTRの続きをご覧頂きます。
ドクタージェネラル!気遣わせちゃって悪いなあ…。
ご主人ですね。
あ先生。
妻はそんなに大変な病気だったんですか?まだ分かりませんが症状がこれ以上悪化する事もあるので経過をみるための入院です。
(2人)はい。
それではもう少し詳しくお話を聞きたいのですが引っ越しをする以前に…入院するような大きな病気をした事はありませんでした。
待てよ。
去年の夏のあの風邪…ほら。
(宮本)
忘れていました。
まだ引っ越しをする前去年の夏ごろ風邪をひいたのかなと体温を測ってみたら38℃くらいの熱があって不安に思いました。
でも少し休むだけで薬をのまなくても熱は下がりせきも治っていたんです。
よく考えてみるとそれから毎月のようにそんな事がありました
そうですか…。
それでは奥さんの症状で…あっそういえば…。
いろいろ準備大変だったでしょう?
(誠)
今日法事の食事会で智子が部屋を出ていく後ろ姿を見て姉さんが…
智子さんちょっと痩せたんじゃない?そうか?うん。
そうですね。
今年に入って4kgくらいかな体重が減りました。
そうですか…。
(彩花)先生こんにちは。
どうぞ。
お母さん大丈夫?うん…。
パジャマと着替え持ってきたよ。
ありがとう。
ごめんね。
なあ彩花お前母さんの事で何か気付いた事なかったか?ええなんだろ…。
何でもいいんだよせきとか熱じゃなくてな。
う〜ん…。
あっそうだ。
(彩花)
洗濯をしようとした時に気が付いたんだけど朝お母さんのパジャマとシーツしょっちゅうぬれてる事があったよ
時々寝汗をかく事があります。
分かりました。
それでは今日から症状がどのような経過をたどるかみていきます。
症状も回復しましたので一度退院されてご自宅で体の調子を見て下さい。
何か変化があればいつでも来て下さい。
どうもお世話になりました。
ありがとうございます。
(宮本)
入院して体を休める事で体調はすっかり戻りました
(ノック)
(せき)先生またせきと熱が出てしまいました。
(せき)前回熱が出てからちょうど1週間ですね。
(玉ちゃん)あれ?ハハハハ…。
さあ研修医の皆さん考えられる病名をフリップにお書き下さい。
どうぞ!今のヒント夏風邪ひいて痩せた。
(辰巳)寝汗!寝汗言ってましたね。
僕もよくかくんですよ。
ちょっと心臓が悪いのかなとか何となく自分で気持ち悪いんですけどね。
僕も寝汗すごいですよ。
電気毛布一番「強」にして寝てますけども。
当たり前だよ。
(辰巳)それはちょっと…。
(玉ちゃん)相当難しいんじゃないの今回大変だよ難問だね。
阿部先生も頭抱えちゃってるもん。
それでも書いて頂きましたかな。
研修医の皆さん病名を書き終えたようです。
最終鑑別フリップオープン!
(玉ちゃん)それでは阿部先生からお願いします。
(玉ちゃん)花本先生。
(玉ちゃん)森先生。
さあそれでは最終カンファレンススタート!はいそうですね今回は少し割れましたね。
なぜ「悪性リンパ腫」というふうに?体重減少発熱寝汗というこの3つの症状に特に注目し悪性と判断しましたのは体重減少が3か月で4kg。
ここに特に注目いたしました。
花本先生はリンパ球ががん化し異常に増え続ける悪性リンパ腫をあげた。
その代表的な3つの症状体重減少発熱寝汗に注目したのだ。
一方阿部先生があげたホジキンリンパ腫も悪性リンパ腫の一つだ。
ホジキンリンパ腫は悪性リンパ腫の中でも「間欠熱」と言われるような一回治まってまた再発する症状を注目してホジキンリンパ腫と考えました。
阿部先生は悪性リンパ腫の症状の中で熱の出方に注目した。
悪性リンパ腫の中でもホジキン…。
なるほどね。
じゃあ森先生お願いします。
全身の血管の特に細いとか小さいような血管を侵す病気で…。
熱が出るような病気を繰り返すという事でせきと熱がかなり大きなキーワードだったのでそれを説明するのに多発血管炎性の肉芽腫がいいかなと思いました。
(辰巳)「ニクゲ」と読むんですか?「ニクガ」じゃなしに…。
医学用語だと「ニクゲ」と読む事が多いです。
学生の時ずっと「ニクガ」って読んでました。
途中で言われて気付いて…。
それが多発血管炎性肉芽腫という事で…。
そしたらですねちょっとまたこっちのボードの方に戻って先ほどいろいろ鑑別診断広くあげましたよね。
VTRを見たあとで「可能性としてはかなり低いんじゃないか」。
まずそれ消していきましょうか。
じゃあインフルエンザと結核に関しては周囲の家族であったりだとかそういった方の既往歴というかかかっていないという事。
この2つは考えなくていいのかなと思います。
これ感染症という事ですよね。
感染症で例えばインフルエンザなんかは周りにインフルエンザがはやって増えてきた時にボンとなるのでちょっと考えにくいと…。
で結核もどこかに行って結核菌をもらってきてという事が多いんですがここのおばあちゃまも健康でやっておられるので…。
でもレントゲン撮った時に分からない?それ。
レントゲン撮ってますよね。
少しこれは考えにくいんじゃないか。
患者と暮らしている家族への感染もなく…2月に撮った胸部レントゲンに影などの異状がなかった事により感染症の可能性は低い。
他どうですか?過敏性肺臓炎は引っ越し前からもある症状という事なので確率としては低いと思います。
そうですね。
先ほど「引っ越したらそこで出てきた」と話がありましたがもうちょっと突っ込んで話を聞いてみると去年の夏からやっぱりあったという事ですよね。
一番最初に思いついたのを消すって事ですもんねこれね。
3人ともね。
そうですよね。
だいぶ絞れてきましたよね。
残ってくるのはやっぱり膠原病という血管炎みたいなものサルコイドーシス全身性エリテマトーデスそれから悪性リンパ腫ですね。
なかなか絞りきりにくいので今回はなんと特別企画。
皆さんにチャンスが与えられます。
おお何でしょう?これですねちゃんと皆さん方が聞きたいような事あるいは診察したいような事がちゃんと用意してあります。
鈴木先生は患者に対し病気を絞り込むため更に深い問診と狙いをつけた身体診察を行っていた。
今回のカンファレンスでは研修医たちがそれに挑戦する。
更に絞り込むために患者さんにお話を聞きたい問診をしたいどんな事を聞きたい?
(玉ちゃん)どうですかね?やっぱ節々が痛くないか。
節々が痛くないかを聞きたい。
節々がもし痛ければ…?やっぱ膠原病。
この辺りの可能性がグンと上がってくると思います。
あとは皮疹だったりブツブツだったりができた事はありますか?いいですね。
膠原病を疑わせるんだったらそういう関節の症状であるとかそれから皮膚ですよね。
患者に関節の痛みや皮膚の症状が出ていればカンファレンスであげた膠原病の可能性が高くなる。
VTR用意してあります。
はいお願いします。
(辰巳)ほ〜っすごい。
それでは関節を診ていきます。
痛いところがあれば教えて下さい。
痛くはありませんか?はい。
膝の関節は痛みますか?大丈夫です。
足首や脚の関節はどうですか?痛くありません。
痛くない。
痛くないんですよね。
我慢強い人かもしれない。
そうそう。
体に赤い皮疹や青っぽい紫斑ができる事はありますか?いえないです。
これもないです。
他にはどうですか?何でもいいですよ。
(玉ちゃん)すごい!予想してるんだね。
鼻水など鼻の症状があれば森先生があげた多発血管炎性肉芽腫の可能性が高くなる。
鼻詰まりや鼻水鼻血が出る事はありませんか?ないです。
(玉ちゃん)えっない。
ない。
鼻がないんだよねこれね。
さっき森君が言ってた多発性の血管炎性肉芽腫というのも鼻というのがちょっと可能性が低くなったかもしれない。
多発血管炎性肉芽腫の可能性は低くなった。
悪性リンパ腫の場合は根拠を確定するためにどんな事を聞きたいですか?例えば身体診察でどんな事をしますか?全身のリンパ節を触ってみたい。
もしそうする事によって何が分かりますか?リンパ腫の可能性というものを考える事ができると思います。
リンパ節に腫れがあれば阿部先生と花本先生があげた悪性リンパ腫の可能性が高くなる。
首のリンパ節を診ます。
大丈夫腫れはないです。
わきの下のリンパ節は…。
腫れはないですね。
そけい部のリンパ節ですが…。
どうですか?痛みはありませんか。
痛くはありません。
(玉ちゃん)あれっそうなると…。
…という事なんですね。
これはリンパ節の腫れがないというような事なんですよね。
分かんなくなってきた〜。
ですね。
リンパ節に腫れがなかった事で悪性リンパ腫の可能性は下がるのか?果たして研修医たちは病気を解明し…この人の…どうですか?病気の周期どうですか?森先生。
間隔が短くなってる。
間隔短くなっていますよね。
それすごく大事な事ですよねちょっと確認してみましょうか。
病気の周期は一体どうだったのか?
(宮本)
毎月のようにそんな事がありました
引っ越しをした…病院行ってみるか?うん…。
(宮本)
また2週間前と同じようなせきと熱が…
そして…私がデイケアから帰ってくるといつも調子が悪いのよね。
1週間に1回ですよね。
(辰巳)ここにヒントがあったんだ。
(玉ちゃん)すごい!へ〜っ。
という事で…最初は1か月に1回だったけどそれが2週間に1回になって1週間に1回になる。
間隔が短くなってきてるという事は病気がどうなってきてるわけですか?さあ進行している病気が一体何なのかという事ですね。
もしこの時点で何か簡単な検査をもう一個したいとなったら何しますか?やっぱりせきと熱という事でせきも特に繰り返してるので胸部のX線写真。
診たいですよね。
病気の経過としてはある時点で一遍撮ったレントゲンであってもひょっとしたら悪くなってるわけだから変わってきてる可能性があるという事ですよね。
X線写真あります。
(玉ちゃん)あるんですか?いきますよ。
(玉ちゃん)おっ!さあこのレントゲンで何か…。
果たして異状はあるのか?影って何かあります?ない…。
ないような気がしますね。
だけども思い出して下さい。
最初のこの人どうですか?バイタルサイン。
ありましたね。
SpOが低いんです。
普通98とかですから。
影がないのにやっぱりなんか悪いような事が起きている。
研修医たちにドクターGが与えたヒントはただ一つ。
レントゲンに映らない…さあ影がなくて低酸素になるとすると肺の部分のどういうところに障害があるとそうなんですか?えっと気管支。
つまり空気の通り道に病気がある。
例えば身体診察でどんな事をしますか?えっと…聴診で。
聴診で。
呼吸音あります聴きましょう。
(玉ちゃん)耳を澄ませて…。
影なき敵が気管支に潜んでいるなら呼吸音に雑音が生じるはず。
どうですか?雑音とか何か…。
明らかには…。
明らかにはないですよね。
この辺りに病気がありそうだけど肺胞あるいは気管支には病気はどうもなさそうである。
さあそうすると…?肺の血流は…。
肺の血流が…。
はいはい。
血管に何かものが詰まってしまう。
肺の血管にものが詰まってしまう。
そうすると血液流れないじゃないですか。
そうするとうまくガスの交換ができないわけですよね。
肺の奥深くにある肺胞に沿って流れる血液が二酸化炭素と酸素とのガス交換を行っている。
何らかの原因でその血流が悪くなるとガスの交換がしづらくなるため低酸素状態になるのだ。
影なき敵が一体どこにいるか。
血管内って考えるとリンパ腫とかそっち側の方が疑わしいかなと思います。
それが疑わしいですよね。
しかしながらリンパ腫はさっきなぜ否定的でした?
(森)ただリンパ腫で…。
リンパ腫で?リンパ節の腫れがないやつがあるはずなんですね。
あるはずですね。
血管内リンパ腫か…。
…となってくるとどうですか?森先生何か…。
リンパ節の腫脹が出ないリンパ腫ってかなり珍しい病気だと思うんですけど「血管内リンパ腫」という病気があります。
いいですかこの人は……という事は気管の問題でもなさそうだと。
じゃあ低酸素を他に来す病気としては今言った血流が何かに詰まっている病気が考えられる。
いいですね。
さあよろしいですかね。
最終の診断をどうぞみんなで口をそろえていきましょうか。
じゃあ最終診断をどうぞ。
はい!すばらしい!
(拍手)優秀だったな。
すばらしい!先生それはでも血管内リンパ腫は悪性リンパ腫なんですよね。
悪性リンパ腫です。
合ってます。
せきと熱を繰り返すと訴えドクターGのもとを受診した宮本智子さんの病名は…症例の患者の場合肺の組織を検査した結果がん化したリンパ球が見つかり血管内リンパ腫と確定しました。
近年になって…宮本智子さんも希望を持って治療を始めている。
よろしいですかね。
どうですか?ちょっと難しかったですか?一応知っている病気だったので答えられなくて悔しいです。
そうだね。
やっぱり今回非常に苦労したんですよね。
でその苦労した中でも苦しんでるのは患者さんですからね。
やっぱりどうやって我々がプロセスを踏んでどういうふうに診断に至ったかというのをこの過程を研修医の皆さんと一緒にもう一遍振り返りたかったと。
鈴木先生はいつも病名が分からず不安を訴える多くの患者と向き合っている。
大変でしたよね。
もうとにかく痛くてここの裏が筋肉痛みたい。
突っ張るような感じがしますか?突っ張る。
自分には一体何ができるのか。
一人一人の患者の命の行方を引き受ける。
それが医師という仕事だ。
僕らが病気を診断するという時は苦しくてさ悔しくてなかなか診断できない事もあるんだけどやっぱりそれが患者さんにそのまま直結するんだよな。
だからやっぱり医者というのは常にそこに患者さんがいるもんだからだから頑張れるんだよな。
だから君らもこれからいろんな難しい問題があったり苦労する事があるかもしれませんけど…という事を忘れずにね是非頑張って下さい。
(一同)はい。
ありがとうございました。
(玉ちゃん)森先生どうでした?
(森)諦めずに調べるというのは調べて頑張って考えるというのはすごい大事なんだなと思いました。
(花本)最初に診断がつかなくてもそのあとも継続的に共に治療を続けていくという根気強さが大切なんだなと感じました。
もっとたくさん患者さんの話聞こうと思いました。
昔ね子供の頃近所のお医者さん行ったらよくこんな事聞かれましたねそういえば。
昔はよく問診やったんですよ。
いろんな事聞かれました。
昔はいろんな検査機器が発達してなかったからだから昔のお医者さんはすごくいろいろ話を聞いてくれたんです。
すごく懐かしい…。
この問診のすばらしさを改めて感じました。
こんなに熱意のあるすてきな若いお医者様がこんなふうに接してくれて患者さんと向き合って耳を傾けてくれたら随分それだけでも違うだろうし頼もしく思いました。
(玉ちゃん)盛り上がりましたね。
さあ次回はどんなカンファレンスが繰り広げられるのか。
さようなら。
どうもおつかれさまでした。
(拍手)
(玉ちゃん)おつかれさまでした。
2014/04/04(金) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
総合診療医 ドクターG「せきと熱をくり返す」[字]

新シリーズ1本目は42歳主婦の「せきと熱をくり返す」。家族で中古住宅に引っ越したところ、風邪のような奇妙な症状が現れた。「影なき敵を追え!」とドクターGは叫ぶ!

詳細情報
番組内容
高齢の義母を夫婦で引き取ることになった42歳の主婦。同居を機に郊外に家を買って引っ越したが、ちょっと古くてホコリだらけの中古住宅だった。家計を助けるためにクリーニング店で働き始めたところ、風邪を引いたような、せきと熱の症状が現れた。引っ越し疲れか、慣れないパート労働のせいか、それとも、義母との暮らしのストレスか。なぜか奇妙なことにせきと熱をくり返す。主婦は耐えきれなくなり、ドクターGを訪ねた…。
出演者
【出演】名古屋大学医学部附属病院総合診療部医師…鈴木富雄,【ゲスト】名取裕子,辰巳〓郎,【司会】浅草キッド,【語り】小野寺一歩,佐竹海莉

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
バラエティ – クイズ
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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