(医師)機械が入ります。
ちょっと我慢してください。
(看護師)お疲れさまでした。
詳しい結果は後日お知らせします。
(波津子)《私はねあの子に条件を出したの》《あなたとの結婚を認める代わりに》
(波津子)《一つはあなたに身内はないものと思うこと》
(チャイム)
(峻)ハァ。
ハァ。
(聖美)ちょっと。
どうしたの?大丈夫?えっ?あった。
(峻)うっ。
ハァ…。
・
(呼び出し音)あっ。
もしもしすいません。
あのう。
そちらに勤めている森尾愛美さんと連絡を取りたいんですが。
えっ?あしたまで休み?森尾さんには子供がいるんですよね?あのう。
4つか5つぐらいの男の子。
その子が今部屋で…。
・
(通話の切れる音)あっ。
もしもし?・
(不通音)
(峻)ハァハァ…。
えっ?
(峻)ハァハァ…。
大丈夫。
大丈夫だからね。
(峻)ハァハァ…。
あっ。
(瑞穂)奥さま。
奥さまいらっしゃいますか?奥さま。
奥さま。
(波津子)騒がしいわね。
何の騒ぎ?
(諏訪)食あたりからくる下痢と嘔吐で脱水症状を起こしたようです。
何か悪いものでも食べたんでしょう。
熱は?
(諏訪)下がりました。
もうしばらく安静にすれば落ち着きます。
よかった。
ありがとうございます。
諏訪先生。
(百合子)カワイイ坊ちゃんですね。
奥さまのお知り合いのお子さんですか?ええ。
まあ。
お名前何ておっしゃるんですか?実は妹の子だと思うんですけど今日初めて会ったものですから。
色々と事情がありまして。
あっ。
目が覚めたみたい。
先生。
(諏訪)気分はどう?おなかは痛くないかな?胸は苦しくない?
(百合子)ここは病院よ。
このおじちゃんはお医者さま。
(峻)ママ?あなたのママは森尾愛美ね?私はあなたの伯母ちゃん。
あなたのママのお姉さん。
あなたお名前は?森尾峻。
峻君。
よろしくね。
(百合子)どうぞ。
ああ。
パパはどうしてるの?峻君はママと2人で暮らしてるのね?ママを訪ねていったらあなたがお部屋で倒れてたの。
伯母ちゃんびっくりしてこの病院まで抱っこして運んだのよ。
さあ峻君。
もう少しお休みなさい。
安心したみたい。
きっと似てらっしゃるんだわ。
ママと若奥さまが。
(諏訪)血は水よりも濃しってことだね。
・
(ドアの開く音)・
(瑞穂)入りますよ。
(百合子)あっ。
婦長。
この患者さん若奥さまの。
(波津子)話は表で聞かせてもらいました。
あなたが病気の子供を連れてきたっていうから何事かと思ってね。
どういうこと?妹って。
家族は母親一人じゃなかったの?
(繁郎)あのう。
後にしてもらえませんか?その話は。
これから臨床研究のミーティングが。
(波津子)知ってたのね?聖美さんに行方不明の妹がいるって。
あなたまで私を裏切るなんて。
生きてるのか死んでるのか。
もう一生会うことはないだろうって思ってたんです。
それで繁郎さんと相談して。
妹と別れたのは私が5歳のときでした。
父が工場の事故で大ケガをして亡くなって。
もともと心臓の弱かった母は寝込んでしまって口も利けない状態で。
そのとき妹の愛美はまだ2歳。
毎日ぐずって大きな声で泣いて泣いて。
(愛美の泣き声)
(聖美)《まなちゃん。
泣かないで。
まなちゃん》すぐに民生委員さんが飛んできてとてもこのままじゃ育てられないって母を説得して妹を施設に預けることになったんです。
自分が健康になったら呼び戻す。
母はそう言ってましたけど結局それもできないまま妹は中学生のときに施設を飛び出してしまってそれっきり…。
(波津子)それがどうして今になって?好き放題に生きてきた人なんでしょ?まだお尻の青いうちに父親のいない子供を産んで。
もしかしてあなたがうちの嫁になったこと知って近づいたんじゃ…。
そうよ。
きっとそうだわ。
私の結婚のことは母を通じて聞いていたかもしれません。
でも…。
明らかな契約違反。
あなたは母親を亡くして天涯孤独の身になったってこっちはそう思い込んでたんですから。
これがまともな人だったら私だってそこまでは言いませんよ。
でも子供を…。
あなた病気の子をほったらかしにするような人じゃとうてい…。
お言い付けはちゃんと守ります。
今日妹に会いに行ったのもそのためなんです。
(波津子)えっ?どういうこと?妹に会ってあらためて縁を切ってくるつもりでした。
お母さまのおっしゃるとおり母を失って私は天涯孤独の身になりました。
今後は何のしがらみも持たず柳沢家の人間として生きようと思っています。
・
(愛美)勝手なこと言っちゃって。
(波津子)うっ。
(愛美)肉親の絆ってそんな簡単に切ったり貼ったりできるもんじゃない。
私たちは姉妹なんだよ。
この世でたった二人っきりの。
お久しぶり。
お姉さま。
そうは言っても初めましてって感じだけど。
あんたのこと何にも覚えてないし。
愛美なのね?
(波津子)この人が聖美さんの…。
(愛美)ありがとね。
メモ部屋に残してくれて。
峻のやつカワイイ顔してすやすや寝てたよ。
(愛美)だいたいさ大げさなんだよね。
今にも死にそうみたいなこと書いてあるから慌てちゃったよ。
どうなるか分からなかった。
もし私が見つけなかったら。
(愛美)ハッ。
いってえ。
あんまりじゃないの?二十何年ぶりに会ったばっかりの妹に。
お返しのご挨拶。
私だって心配だったよ。
峻が。
だから予定切り上げて1日早くグアムから帰ってきたんじゃない。
(波津子)グアムって子供置いて…。
(愛美)お店のお客さんにどうしてもって誘われちゃって。
(愛美)おばちゃん。
キャバクラって知ってます?
(波津子)キャバ…。
遊びに行った母親を待ってあんな小さな子がたった一人で?
(愛美)ご飯買うお金はちゃんと置いてった。
留守番だって慣れてるし。
母親のすることじゃないわ。
しょうがないじゃん。
だって母親ってものがどんなものか知らずに育ったんだから。
親にちゃんと育ててもらったら人生違ったんだろうな。
先々のことまでちゃんと計算して誰かさんみたいにちゃっかり玉のこしに乗るなんてまねもできたかも。
この人が旦那さん?すごいな。
この若さでこんな立派な病院の院長なんて。
よかったね。
お姉ちゃん。
母親が首をつろうが妹が行方不明だろうが自分だけは幸せになれて。
でどこまでできたの?結婚式。
誓いのキスはちゃんと…?やっぱりあなたね?結婚式場に電話してきたのは。
あっ。
で…電話ってあのう。
お式の途中の?あの部屋からかけたんでしょ?お母さんが首をつって死んでるその横で。
のんきにかしこみかしこみやってる場合じゃないっしょ?
(波津子)何なの何なの?この人たちは。
・
(ノック)・
(諏訪)失礼します。
峻君の目が覚めました。
(峻)ママ。
何だよ甘えっ子。
(峻)ママ。
(諏訪)ママが来てるって言ったら居ても立ってもいられなくなったみたいで。
(愛美)腹壊したんだって?何食べたんだよ?ママの卵焼き。
冷蔵庫に入ってた。
えーっ?あれっていつ作ったんだっけ?バカだな。
ちゃんとコンビニで買いなって言ったでしょ?もう。
(諏訪)どうでしょう?院長。
状態に問題はないと思いますのでこのまま帰ってもらっても。
(繁郎)うんうん。
諏訪先生がそう言うなら。
(諏訪)よし。
退院だ。
よかったな。
この甘えっ子坊主。
(愛美)お世話になりました。
親戚だからお金はいいですよね?せっかくこうして再会できたんだし。
これからもお付き合いよろしくお願いしますねお姉さま。
お兄さま。
それからお母さまも。
ほら峻。
みんなにバイバイしな。
(峻)バイバイ。
バイバイ。
(愛美)行こう。
ゴー。
冗談じゃない。
冗談じゃありませんよ。
(愛美)・「女だっていろいろ咲き乱れるの」
(峻)伯母ちゃんいい匂いだったね。
そう?
(峻)優しくて奇麗だった。
そうかな?ママの方が美人だと思うけど?ああー。
こいつ。
無視しやがったな。
(峻の笑い声)人は見掛けじゃ分かんないんだぞ。
特に女は。
ああいう奇麗な顔した女に限っておなかの中はどろっどろの真っ黒けだったりするんだから。
だまされんなよ。
ママは奇麗。
こっちもこっちも。
ホント?カワイイし強いし優しいし。
100点。
この色男め。
そんな女泣かせのせりふママ以外の女に言ったら許さないぞ。
(峻)くすぐったい。
(愛美)こちょこちょ。
《ママ?》《ママ!》
(愛美)《何だよ甘えっ子》・
(繁郎)何見てんの?あなた。
びっくりさせないで。
(繁郎)いや。
そんなつもりは。
待ってたのよ。
あなたのこと。
(繁郎)ああ。
分かってる。
母さんのことだろ?
(繁郎)やっぱりまずかったな。
君の妹のことを黙ってたのは。
それに悪いけど僕もああいう人はちょっと苦手っていうか。
いいの。
妹のことなんかどうだって。
抱いて。
今夜から毎晩。
毎晩?あなただって分かるでしょう?これが何のグラフなのか。
たぶんもうすぐ排卵日だと思うの。
いつ卵と出合ってもいいように毎日毎日新鮮なあなたが欲しい。
子宮の中で元気に泳ぎ回ってほしい。
早く。
ねえ早く。
(瑞穂)柳沢病院の看護婦長辻井と申します。
先生にお目にかかりたいのですが。
(愛美・峻)・「男もいろいろ」・「女だっていろいろ咲き乱れるの」
(愛美)フフフ…。
こんにちは。
峻君。
元気そうね。
あっ。
これお土産よ。
(愛美)いいよ。
もらっときな。
(峻)ありがとう。
(愛美)で?何の用?こないだはごめんなさい。
感情的になって。
お母さんのことやこれからのことちゃんと話し合いたいと思ってたんだけどあの子のことがあったからつい。
じゃあ縁切り発言は撤回?《妹に会ってあらためて縁を切ってくるつもりでした》あんたがどういう人かあの一言でよく分かったよ。
峻君幼稚園には行ってないの?
(愛美)そんなとこ行かなくたって字も書けるし計算もできる。
私よりよっぽど利口だよ。
いや。
でも。
突っ立ってないで座りなよ。
どうしてたの?施設を出てから今までずっと。
ハァ。
お母さん私には何にも言ってくれなくて。
お母さんはいつどうやってあなたのことを?峻君にも会わせてくれた?びっくりしたでしょうね。
まさか自分に孫がいたなんて。
私だって思ってもみなかった。
あの小さかったあなたがもうママに。
あっ。
峻君のパパは?離婚しちゃったの?勘弁してよ質問責めは。
まだ20年ちょっとしか生きてやしないけどいっぺんにはしゃべれやしないよ。
今までどう生きてきたかなんて。
分かってんだ。
今日あんたがここに来たホントの理由。
警察に散々絞られた。
身内だからって勝手にお金持ってったら窃盗だってね。
そのことも聞かなきゃいけないって思ってた。
どうかしてるんじゃない?お母さん残してお金だけ持って逃げるなんて。
本当はあの日式場に怒鳴りこんでやるつもりだったんだよね。
花嫁の母親を呼ばない結婚式がどこにあるんだって。
でも何だか朝から嫌な予感がして。
(愛美)《お母さん?》信じられなかった。
目の前の光景が現実だって。
どうして私宛ての遺書まで?別に。
理由なんか。
色々書いてあったけど結納金を嫁ぎ先へ返してくれってところで笑っちゃった。
だって手紙と一緒に置いてあったの100万だよ。
お金持ちの家なのにあんたにたった100万の値段しか付けなかったのかって思うと。
フフッ。
もうおかしくて。
いまさら返されたってあっちも困るだろうし。
私がもらっといた方がお金も生きるだろうと思ってね。
そういう生き方をしてきたのねあなたって。
何でも自分の都合のいいように解釈して自分だけが不幸だと決め付けて。
文句があるなら返してくれる?あんただけがお母さんと2人で過ごした時間を。
これから私が一緒に過ごすはずだったお母さんの命を。
分かってないの?あんたのせいで死んだってこと。
あんたが殺したんだよお母さんを。
どういう意味?私がお母さんを殺したって。
あんたがあの姑ばばあに言われて平然と自分の母親を切り捨てたからお母さんはそれを恨んで。
あれはあんたへの抗議の自殺だったんだ。
やっと会えたのに。
姉さんなんかいなくたってこれからは私と峻がずっとそばにいるって言ったのに。
結局あの人にはあんただけだった。
(佳代子)「愛美と峻に会うことができてこの世への未練が消えました。
ありがとう」たったこれだけ。
私にはたったこれっぽっち。
どうしてあなたにこの写真を?お母さんの中の私はそこで時間が止まってる。
どうでもよかったってことだよ今の私なんか。
あっ。
ちょっと何するの?いや…。
やっ。
あんたのせいだ。
みんなみんなあんたのせいだ!2014/04/02(水) 13:30〜14:00
関西テレビ1
聖母・聖美物語 #03[字][デ]【出演:東風万智子 原田龍二】
玉の輿の結婚。しかし結婚式に舞い込んだ母の訃報、早急に後継ぎの妊娠を迫る姑、生き別れた妹の出現など、聖美(東風万智子)の運命を暗示するかのような出来事が次々と…
詳細情報
番組内容
産婦人科で体を調べた聖美(東風万智子)は、病院の近くに妹の愛美(三輪ひとみ)が住んでいることに気づき、訪ねて行く。部屋には誰もいない様子だったが、ドアには鍵がかかっておらず、部屋に入ると幼い男の子が倒れているのを見つける。
聖美は慌ててその子を繁郎(原田龍二)の病院に運ぶ。するとそこに波津子(丘みつ子)が現れ、どういうことかと問い詰めてくる。
番組内容2
聖美は20年以上音信不通だった愛美のことを、繁郎と相談して波津子に伝えていなかったのだ。母を亡くした聖美が天涯孤独だと思っていた波津子は怒りの形相で…。
そのとき、派手な身なりをした愛美がやって来る。倒れていた子は、やはり愛美の息子だった。夜の仕事をする愛美は息子を置いて、客と海外旅行に行っていたと話す。聖美に母親失格だと叱られた愛美だが、悪びれることなく元気になった息子と帰ってしまう。
出演者
柳沢聖美:東風万智子
森尾愛美:三輪ひとみ
柳沢繁郎:原田龍二
柳沢弘明:金子昇
柳沢波津子:丘みつ子
星川真輔:風間トオル ほか
スタッフ
企画:横田誠(東海テレビ)
原作・脚本:いずみ玲
演出:西本淳一(東海テレビ)
プロデュース:西本淳一(東海テレビ)
中頭千廣(TSP)
神戸將光(TSP)
齋藤頼照(TSP)
音楽:辻陽
主題歌:「炎の花」ハルカ ハミングバード(ユニバーサル ミュージック)
制作著作:TSP
制作:東海テレビ
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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