音楽の都ウィーン。
この町に春の訪れを告げるのは…アイス。
人々はアイスクリームやシャーベットなどを総称してアイスって呼んで親しんでいます。
日本と同じなのね!ウィーンでは3月半ばごろから冬の間閉まっていたアイス専門店が次々とオープンします。
アイスを片手に町を歩く。
これがウィーンの春の風物詩なんです。
今から200年以上前ここウィーンで活躍しシャーベットをこよなく愛した人がいます。
言わずと知れた音楽史上最高の天才ともいわれる作曲家です。
21歳の時に旅先から父に向けて書いた手紙には…こう記されています。
手紙に残されたシャーベットの記述から波乱万丈の人生を駆け抜けた天才モーツァルトの素顔をひもときます。
光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末裔が暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
「グレーテルのかまど」へようこそ。
いや〜かまど!この曲を聴くとさ春って感じがするね。
あらしますか?うん。
この曲はなんと…。
「春」。
「春」っていうニックネームが付いてるの。
よく知ってるじゃないの。
だってかまど知ってる?この曲はさモーツァルトが26歳の頃に作ったんだよ。
僕と今同い年だよ。
同い年なの?すごいよな〜…。
すごいね感心するね。
ヘンゼルはモーツァルトの天才ぶり何か知ってる事あるの?もちろん知ってるよ。
何を?結構さみしがり屋だったり子どもっぽいところがあったり甘いものが結構好きだったみたいだよ。
今回はあるスイーツをテーマにして…。
あるスイーツ?モーツァルトの素顔をひもときたいと思います。
ほう。
何でしょう?それは。
問題です。
何でしょう?う〜ん…。
知らないの?…という事で今宵ひもとくのはモーツァルトのいちごシャーベット。
ウィーンの春を彩るアイスの数々。
マカロンが載っていたりフレッシュチーズダークチェリーなど素材の持ち味を生かしたアイスがた〜くさん!今年も店のオープンを心待ちにしていた人たち。
ウィーンのアイス専門店はアイスサロンと呼ばれヨーロッパの中でも指折りの伝統と規模を誇る店があちこちにあります。
今から230年ほど前ここウィーンで活躍したモーツァルトもアイスをこよなく愛しました。
中でもいちご味が大のお気に入りでした。
モーツァルトは1756年オーストリア・ザルツブルクに誕生。
幼い頃から宮廷音楽家の父親から音楽の英才教育を受けました。
5歳にして早くもこのピアノ曲を作曲。
神童と呼ばれます。
父レオポルトはモーツァルトの才能を世に知らしめるため早くからヨーロッパ各地に演奏旅行に連れ出します。
これは1762年かのマリア・テレジアの前で演奏した時の様子です。
彼女はモーツァルトの演奏に感動しキスをしたといいます。
その後父と共にヨーロッパ各地を旅して回りモーツァルトの名は広く知れ渡りました。
21歳になった時モーツァルトは生まれて初めて父と離れて旅をします。
旅先から父に向けて書いた手紙にシャーベットの事が書かれていました。
旅に出て真っ先に思い出すのは故郷ザルツブルクで食べたかたい氷のまざったシャーベットなのでした。
当時のシャーベットは山から切り出した氷と果汁をすずの器に入れその周りを塩を加えた氷で冷やして作られました。
アルプスの山々に囲まれたザルツブルクでは氷が手に入りやすかったのです。
またイタリアから当時珍しいシャーベットやいちごが首都ウィーンに先駆けて入ってきていました。
アルプスの氷と最先端のいちごで出来たシャーベットは高級感あふれるスイーツでした。
モーツァルトの食を研究する…モーツァルトがシャーベットを好きだった理由をこう分析します。
モーツァルトにとってシャーベットは自分の目指す音楽と同じように質が高くて美しくて高級なものだと感じられるスイーツだったのです。
シャーベットってさモーツァルトの時代は今と比べ物にならないくらい高級品だったんだね。
びっくりするね。
アルプスの山から切り出してきた氷を使ってって…。
モーツァルトはさはやりの最先端のおしゃれなものに触れていたって事だよね。
そういう事ですね。
天才ですからいろんなものに触発されたいっていう思いはあったのかもしれないですねやっぱり。
そうだね。
そう!姉ちゃんもねちょっと似たような心境みたいでこれ見て。
なんと!うん。
じゃあいちごも旬だしモーツァルトの好きだったいちごのシャーベットに倣って現代版ヘンゼル版ねいちごシャーベットを作ってみましょうか。
いいねそれ!いいでしょう?じゃあキメテ言って下さい!イエス!あのねいちごは色が濃くて香りのいい香りの強いものを使いますよ。
既にね香りがしてるよ。
まずいちごの掃除をします。
え〜!初めてこんなの。
その方がいつまでも新鮮でいちご君がいてくれるので。
あっそういう事なんだ。
でも水で洗わないっていうのはやっぱり全然いいのよ。
新鮮でいつまでもいてくれるから。
知らなかったな〜。
少し加えると…。
これぐらいか!もうちょっとかな?これぐらいかな?おっ!おおいったいった!いった〜!OK!すげえいい色だねこれ。
じゃあモーツァルトが食べたのはどんなシャーベットだったか。
アーモンドミルクの入ったかたい氷のシャーベット。
そういう事です。
覚えてたね。
うん。
もちろん。
アーモンドミルクはちょっと手に入りにくそうでしょ?だからかまどが考えました。
何?今回は練乳を。
練乳。
練乳と牛乳です。
ほうほうほう。
それでアーモンドミルクのようなコクを出そうと思っているんです。
じゃあここでオキテどうぞ!どういう事?決めて下さいあなたが味を。
いいの?はい。
味見をして決めるって事ね。
じゃあ甘くしたいから…このくらい!少なっ!練乳って相当…。
甘いじゃない?甘いよね。
練乳好き?練乳好き。
何かさ練乳を吸って飲むっていう人いるんだよね。
いるいる。
チューブから…。
あっ少ない!結構入れるよこれ。
分量の目安っていうのが…。
うわっ!そんなに?甘くしたいから。
どう?ああ!グッド!レモン汁を入れるとちょっとさっぱりするのとあと傷みにくくもしますから。
きれいな色!きれいな色だね。
いいですいいです。
ラップをしてと…。
冷凍庫へ行って下さい。
はい!ではひと言振り返りでどうぞ。
モーツァルトもあっという味なると思います!モーツァルトの手紙にもう一度シャーベットが登場します。
それは…当時ザルツブルクで職を失いパリで職探しをしていたモーツァルトでしたがかつて神童ともてはやした人々も青年モーツァルトには冷たく悶々とした日々を送っていました。
そんな中ある人物から作曲の依頼を受けます。
久しぶりの仕事にモーツァルトは熱中します。
いつもは曲作りの早いモーツァルトでしたがこの時ばかりは何度も推敲を重ねたといいます。
完成した曲が通称「パリシンフォニー」。
演奏会本番。
第3楽章モーツァルト渾身の部分にさしかかると…。
(拍手)客は拍手喝采。
会場は最高の盛り上がりを見せました。
うれしくなったモーツァルトは演奏会場を飛び出しカフェやレストランが集まるパレ・ロワイヤルへ行きました。
そこでモーツァルトが食べたのがシャーベット。
達成感喜び感動のあと真っ先に食べたかったのがシャーベットだったのです。
その直後母が亡くなるという悲劇が起こります。
22歳にもなったモーツァルトに付き添っていた母。
パリ滞在中母は安宿で食べる物も食べずどうしようもなくなってセーヌ川の水を飲みそれが原因で腸チフスにかかって亡くなったのです。
母が死んだ当日失意の中モーツァルトは父に手紙を書きます。
その内容は母の死についてではなくあのうれしい出来事でした。
なぜこんな手紙を書いたのでしょう?幼い頃からモーツァルトにとって絶対的存在だった父への恐怖心。
母を死なせてしまった負い目。
追い詰められたモーツァルトは当時優雅でぜいたくなシャーベットを使って父を安心させたかったのです。
ただモーツァルトの性格を知り尽くした父には逆効果となりこの手紙で妻の死を確信したといいます。
モーツァルトにとってシャーベットは母の死という最大の悲劇を覆い隠すための格好のスイーツだったのです。
う〜ん…何かさ母親が亡くなる事ってすごく一大事じゃん。
だけどさそれよりも先にお父さんにばれる怖さを感じていたっていうのは何かちょっと理解し難いところがあるよね。
何かね想像しにくいね。
そうだね。
厳格なお父さんに対して怖いしお母さんが自分のせいで死んだのかもしれないと思うと正直に書けなくなるっていうのも分かる気がするじゃない?ねえ。
何かかわいいよね。
フフフフ。
そうだね。
あっそうだシャーベット!かまど!固まったかな?そうだそうだ。
どうでしょうか?・「シャーベットどうでしょう」はいここでオキテどうぞ!はい!はいとりこんで下さい。
空気を入れてまぜるときめが細かい口溶けのいいシャーベットになります。
…でこれねヘラやフォークでかきまぜたりするよりも泡立て器でこまやかにまぜる方が空気もとりこめるのよ。
ほうほうほうほう。
これを2回3回繰り返すと。
はいはいはい。
・「はいはいはいは〜い」もう一つシャーベット作ってみない?あっいいね!あのねモーツァルトね実はレモネードも好きだったっていう記録が残ってるのよね。
レモネード?うん。
だからそのレモネードを使ったシャーベットを作ってみようかなって。
おしゃれだね!姉ちゃん絶対喜ぶよそれ!じゃあ作ってみよう!よし!はいはいはい。
じゃあレモンあるでしょ?そのレモンを半分に切りたいんだけどその前にコロコロコロッと手のひらを使ってコロコロしてみて。
え?ちょっとおもしをかける感じで。
コロコロコロ…そうそう。
何で?これ。
こうする事により実がほぐれそして搾りやすくなりますよ。
へえ〜!やりやすくなってるはずですよ。
本当だ!軟らかくなってるでしょ?そしたら鍋に砂糖と水入れるでしょ。
そして今頑張っていろいろ搾りましたね。
搾ったよ。
その残った物。
これって事?そうそう。
なんとそれを入れます。
え!?皮を入れるの?皮入れますよ。
え〜!?モーツァルトの時代もこういう作り方だったのよ。
これでほんのり苦みが出るのですごくいいんですよ。
もうちょっと煮てみるかい?レモンの香りはすごくするよ。
あっしてる?それですよ。
あっ!すごいグツグツ。
してきた?OK!ちょっと一息TeaBreak!ちょっと待ってそれ私のまね?もう全然似てないから。
似てないよ!これかまどの世界なんだけど何よ〜?ちょっとねいつもかまどに頼ってばっかりじゃ駄目だなと思って自分でいろいろ今日は調べました。
そうなの?じゃあ今日はTeaBreakお任せしていいのね。
もちろんです!あのねモーツァルトって子どもの頃ヨーロッパ各地の宮廷に呼ばれて演奏してたでしょ?そうそうお父さんに連れられて6歳からね。
だからねモーツァルトはおいしい宮廷スイーツをいっぱい食べてたんじゃないかなと思ってさ。
だからヘンゼルも宮廷スイーツ食べたいって事なのね?そういう事?そういう事?おいしそうなのあった?あったあった!ちょっと本を見て作ってみました!おお!これですよこれ!知ってるに決まっている。
かまどだから。
アプフェル・シュトゥルーデルです!フフフ!言えた?りんごを薄〜い生地で巻いた温かいパイです。
はい。
ウィーンの宮廷で人気だったスイーツよね。
ハプスブルク家のマリア・テレジアの大好物だったっていうのももちろん知ってるわよね?今でもウィーンを代表するお菓子だからね当然知ってるわよね?ヘンゼル?聞いてるの?うんもちろん。
それ作ったの?頂きます!どう?モーツァルトも食べた宮廷スイーツの味。
どう?うん!りんごの素材の味が。
モチモチしてる感じもあるでしょ?うん!どこが一番苦労したの?それで。
…まあいいや。
それにしてもヘンゼルが作ったにしては生地も薄くてよく出来てるわよね。
生地をどこまで薄くできるかっていうのもこのお菓子のキメテだからね〜。
…以上!本当に作ったの?ヘンゼルのTeaBreakでした。
絶対に作ってない!あっかまど!2回目シャーベットかきまぜなきゃ!はいかきまぜて下さい。
ホントにもう嘘が下手ね〜。
そこはモーツァルトに似てる。
まぜますよ〜。
はいはい!さっきよりも結構固まってる。
あっ!結構…。
でしょ?どんどんほら。
よいしょ。
シャキシャキいってるもん。
シャーベットの音がしてるよ。
シャーベットの音ねこれ。
いい色になったね。
よし!
(チャイム)あっ姉ちゃん帰ってきた!姉ちゃんお帰り!おしゃれでぜいたくな春出来てるよ!ピンクが春らしいおしゃれないちごシャーベット。
モーツァルトにオマージュしてクリーミーに仕上げました。
レモネード味もモーツァルトは気に入ってくれるかしら?モーツァルトとシャーベットの関係を記すもう一つの文章が姉ナンネルの日記に登場します。
モーツァルトはザルツブルクの実家を訪れ姉の誕生日を当時貴重で高級品だったシャーベットで祝いました。
しかしこのプレゼントの目的はもう一つありました。
それは姉と同居する父に妻との結婚を認めてもらう事。
新妻であるコンスタンツェはわがまま娘悪女との評判で父は彼女の事を決してよく思っていませんでした。
愛する妻の事を認めてもらうために姉の誕生日祝にかこつけて父の心をつかもうとしたのです。
彼はこの勝負どころにまたしてもシャーベットの力を借りようとしました。
しかし厳格な父の心は簡単には動きませんでした。
祝福されないまま2人は生涯添い遂げたのです。
シャーベットそれは母の死結婚というモーツァルトの人生の局面になくてはならないスイーツでした。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?モーツァルトのシャーベットを通して天才としてだけではなく弱くてかわいらしくて人間味のあるモーツァルトの素顔を知る事ができました。
更に更に知りたくなりました。
ではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
ではちょっと失礼して。
よ〜し!まあ!何かちょっと高級な感じだね。
すてきですね。
では頂きます。
じゃあまずいちごを。
また器がすてき!あっ軟らかい。
頂きます。
うん!自分で味を決めたでしょ?これ。
モーツァルトがこういうのを食べてたんじゃないかなっていうのを。
ダイレクトにいちごっていう味が来るのとプラスやっぱ練乳の甘みとコクが…。
利いてますか?ありますね。
じゃあ次レモネードいこう。
よいしょ。
頂きます。
うん!?あっ!うん?こちらはですね…。
何でございましょう?何かちょっと高級な…。
アハハハハハ!大人な感じというかねすごいさっぱりしてるいちごのシャーベットに比べて。
何か苦みもほんのりあるし。
モーツァルトが好きそうな味ですか?まさにこれ!ヘンゼルとモーツァルトでどこか1点すごく似てるなって言われたらどこ?どこだろうな〜?でも割と嘘を言っちゃうところかな。
正解!いい答えでした。
でしょ?情熱的な面も似てるよかまど思うけど。
頑張って。
2014/04/04(金) 21:30〜21:55
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど「モーツァルトのいちごシャーベット」[字][デ]
音楽の都ウィーンでは春アイスサロンと呼ばれる伝統的な氷菓の店が次々と開店、アイスは町の名物だ。かのモーツァルトにとっても人生の一大事に欠かせないスイーツだった!
詳細情報
番組内容
モーツァルトは、旅先から故郷の父に宛てた手紙に「アーモンドミルクと硬い氷の混ざっているいちごシャーベットが懐かしい」と記している。また演奏会で喝采を浴びた時や姉の誕生祝いにも食べたとの記録が残るほど、シャーベットは彼の喜びと共にあるスイーツなのだ。更にこの手紙の背景から彼の人生の勝負どころに欠かせないスイーツであることも読み取れる。モーツァルトとシャーベットの関係から天才の人間味ある素顔に迫る。
出演者
【出演】瀬戸康史,【語り】キムラ緑子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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