今日の先輩は七色の声を持つ男と呼ばれる…
(山寺宏一)ボンジュールお嬢さん。
またお会いしましたね。
外国映画の吹き替えやアニメのキャラクターなど今まで1,000を超える役柄を演じてきました。
今回は声を使った授業です。
(高い声で)こんにちは!おっ!すごい!ウキキキ〜!ああ!完璧!でもただの声ではありません。
山寺さんが考えた声とは…。
それに目をつけてその声を想像してほしい。
しゃべらないモノに耳を傾けたらどんな声が聞こえてくるのかな?ハハハ…!いいね。
今まで聞いた事もない心の声。
大好きなモノがしゃべりだしたら面白い。
山寺宏一さんの授業が始まります。
宮城県多賀城市。
ここは山寺さんが育った町です。
山寺さんの母校…32人の生徒たち。
皆さんこんにちは!
(一同)こんにちは!おお〜元気です。
声優の山寺宏一です。
今日はよろしくお願いしま〜す!イエ〜イ!
(拍手)山ちゃんは声優なんだけど声優ってどんな事するか知ってる?みんな。
とにかく声を使っていろんなお仕事をしてるんですよ。
みんな「山ちゃんはいろんな声出るなあ」って思ってるかもしれないけどみんなも実はいろんな声出せるんだよ。
山寺さんは自分の声の秘密を特別に教えてくれます。
高い声と…低い声があると思うのね。
それだけだとそんなにいろんなキャラクターできない。
そのほかにもね…こもった声とひらいた声ってあるんだよ。
こもった声だと太ってる人の声が出る。
ひらいた声だと細い人の声が出る。
…じゃないかなって山ちゃんは思ったのね。
例えば同じ「こんにちは」の音でこもってやると…。
(こもった声で)こんにちはこんにちは。
ちょっと太ってる感じしない?
(こもった声で)こんにちは。
…ね?
(ひらいた声で)こんにちは。
これも同じ音なの。
でも全然違う人に聞こえない?じゃちょこっとやってみる。
(ひらいた声からこもった声で)こんにちはこんにちは…。
ほら何か太っちょのキャラクターって低く聞こえない?同じ音なんだよ?高さは…ね?こんにちはこんにちはこんにちはこんにちは…。
こんにちはこんにちはこんにちはこんにちは…。
…ね?らいきくんちょっとやってみる?「こんにちは」で…。
山ちゃん指さしたとこでやってみて。
「こんにちは」って。
こんにちは。
それ普通ね。
こんにちはこんにちは…。
はい。
(こもった声で)こんにちは。
おっいいねいいね!
(ひらいた声で)こんにちは。
(ひらた声で)こんにちは。
おっ!ちょっとできてるよね?4つの特徴を組み合わせる事によって声には無限の可能性が広がるんだね。
そこで山寺さんが考えた授業のテーマは…。
はい!聞こえない声。
例えば黒板消しくんというキャラクターもあるかもしれない訳ですよ。
「これが人間みたいになったらどんなふうにしゃべるだろう?」と…。
(黒板消しのキャラクターで)いつもキュッキュキュッキュされてるんですよね。
パンパンパンパン窓の外でたたかれてどんだけほこりっぽいっていうんですか!?…みたいにしゃべったりとかもね。
(ピンクのチョークのキャラクターで)私ピンクのチョークで〜す!ピンクは女性っぽいっていわれるけどそんな事ないのよ。
男性でもどんどん使ってピンクのチョーク。
ありがとう。
とっても目立つのよ。
…ちょっと気持ち悪かったね。
(黄色のチョークのキャラクターで)僕黄色いチョークだよ!「どんなモノにも声がある」と言う山寺さん。
是非ね…みんな多賀城小学校に通ってるでしょ?この多賀城の町。
みんなの住んでる今のこの生活の中で何か気になるモノ。
それから好きなモノ。
それに目をつけてその声を想像してほしいの。
ええっ!例を出します。
私はこの多賀城小学校に通ってる時いつも坂道を通ってました。
マンモス坂。
やっぱし。
知ってる?はい。
通ってる子いる?山ちゃんはこの多賀城での思い出いっぱいある!大好きな所がいっぱいあるんだけど小学校時代っていうとこのマンモス坂がすごく印象に残ってるんですよ。
山寺さんはマンモス坂を例にとって声をつくっていきます。
性別。
男なの?女なの?年齢。
何歳なの?性格はどんなの?さあ性格こんな感じがするという人…はいゆうじゅくん。
じゃあみさきちゃん。
ああ!踏まれてるからね。
いつも踏まれてるから怒りっぽくなってて「また踏みやがって!」みたいな事になる。
すばらしいです。
こんなふうに考えていくと「こんな事をしゃべりそうだ。
こんなふうにしゃべりそうだ」という事が想像できるんじゃないかと思うんだけど…。
じゃあ山ちゃんがちょっとマンモス坂でやってみたいと思います。
(マンモス坂のキャラクターで)「私は多賀城市にあるマンモス坂。
山ちゃん!君も学校の行き帰りや遊びに行く時にいつも通っていたねえ」。
山寺さんが少年時代を思う時いつも目に浮かぶのがこの坂でした。
やはりマンモス坂はあくまでも場所であって坂であって道ですけれどもそれを思い出す事によってその時の自分そして家族との関係とかそれから何と言っても友達ですよね。
それ一個をきっかけにいろんな事がひもとかれていく感じが自分にはするんで…。
自分を見つめるという事にもなるだろうし自分はふるさとの事を大好きだと思ってるけども具体的にどういうふうに思ってるんだろうという事を考え直すきっかけにもしたかったというのはありますね。
山寺さんのふるさと。
東日本大震災の時多賀城市の市内まで津波が押し寄せました。
津波が子どもたちに大きな傷痕を残した事を山寺さんは心配していました。
僕なんかこの年になっても経験してなかった悲惨な目に遭った訳で…。
ましてやその小さな胸をホントに痛めたと思うし怖かったろうし…。
平気な顔しててもどこか傷ついていない訳がないと僕は想像したんですね。
そんな僕が授業をやってそれを解決する事はできないけれどもちょっと楽しい事を見つけたな。
楽しかったな。
これから何か楽しくなりそうだな。
楽しい事っていろいろあるな。
…というきっかけになればいいかな。
好きなモノや気になるモノの年齢や性格を考えて声を想像する。
山寺さんにはこのゲームを通してもう一つのねらいがありました。
そのモノが自分の事をどう思っているか。
自分っていうのはみんなだよ。
それぞれ…。
みんなの事をどう思っているかというのを考えてほしいの。
ちょっとこれ難しいかな?特に励ましてくれるとしたら自分を励ましてくれるとしたらどんなふうにどんな事言うかなというのを是非ひと言でもいいから入れてほしい。
そんな感じがします。
自分の好きなモノや気になるモノを通して山寺さんはみんなに本音を話してほしいと願っていました。
いろいろ友達関係でもあるし家族ともあるだろうしもちろん震災の事もあるだろうしいろんな思いがあると思うので。
客観視する事によって…ほかのモノになった事で言える事ももしかしてあるかもしれないなというのを…。
自分を励ましてくれるモノって何だろう?ゆのさんはあの日の事を思い出していました。
ゆのさんが気になっていたのは歩道橋。
その理由は震災の時津波から助けてもらったから。
地震が起こったあの日小学校に避難しようとしていた途中津波が来て慌てて歩道橋の上にお母さんとお姉さんと一緒に避難しました。
その時の事は今でもはっきりと目に焼き付いています。
この時感じた不安。
ゆのさんはまだ友達には話した事がありません。
口にすれば友達が傷つくかもしれない。
ずっと胸にしまっていたのです。
発表の日。
その前に山寺さんは1人ずつアドバイスをする事にしました。
(ノック)は〜い。
どうぞ。
おっ!りょうすけくん。
はいどうぞ。
じゃあここに座って。
りょうすけくんの好きなモノは多賀城廃寺。
昔お寺があった公園です。
年齢は250歳だと想像したりょうすけくん。
実は昨日どんな声が合っているのか友達と考えていました。
「僕は…」フフフ!「僕は多賀城廃寺だよ。
僕の兄は多賀城跡で弟が沖の石だよ」。
さあどんな声になったのかな?「わしは多賀城廃寺じゃよ。
りょうすけくん小さい頃友達と遊んでいたのう。
悲しい時はいつもやって来て帰る時には元気になっていたな。
わしは『大丈夫か?』と心配していたんじゃよ」。
おお〜!ちゃんとキャラになってるというか250歳の感じ出てるね!ありがとうございます。
合格点をもらったりょうすけくん。
そして山寺さんから取って置きのアドバイス。
特にこの「大丈夫か?」というのはちょうどセリフだよね。
「大丈夫か?」と心配したりょうすけくんの事を思ってるっていう気持ちがもっと出るといいね。
「わしは『大丈夫か?』と心配していたんじゃよ」。
うん。
そうね。
その気持ちを思いっきり出しちゃって。
はい。
そういう気持ちを…。
ゆのさんが選んだ歩道橋。
ゆのさんは初めてこの話を口にしました。
そっか…ゆのちゃんここの歩道橋に逃げたの?はい。
そっか…。
じゃあこの下を津波がバ〜ッと来るのを上で見てたの?はい。
そうかそうか…。
じゃホントにこの歩道橋には助けられたんだね。
でもそのゆのちゃんが怖くてすごく不安だったっていうのをこの歩道橋も感じてたのをもっともっと気持ちを入れちゃって大丈夫だね。
多分ねみんなも不安だったのはクラスのみんなもそれぞれいた所は違うと思うけど同じだと思うので…。
は〜い。
どうぞ。
失礼します。
おう!子どもたちの胸に今も消えない震災の記憶。
じゃあここ山ちゃんの隣に座って。
ゆういちろうくんも自宅に津波が押し寄せ震災の直後家族と離れ離れになって不安でした。
そんなゆういちろうくんが選んだモノは自分の家。
理由は家族みんなが集まる場所だから。
大好きな家族を守ってくれる自分の家。
「ゆういちろうがお母さんにゲームをし過ぎて怒られている事や家族と一緒に笑っている事も知っているよ」。
そうね。
「家族と一緒に笑っている事も知っているよ」。
こういうところっておうちも多分うれしい事だからすごくおうちがその事で喜んでいる気持ちをもっと出しちゃって笑顔でしゃべったら?はい。
「家族と一緒に笑っている事も知っているよ」っていうのをちょっと…「知っているよ」。
そうそう!その顔!その顔!「知っているよ」。
あのねそうやって笑顔でこうやってしゃべるとホントにセリフもそういうふうに聞こえるから。
顔で笑うんです。
もう自分の顔から笑うの。
「家族と一緒に笑っている事も知っているよ」。
おっ!おっ!口はちょっとそうなったな。
もうちょっといけるな。
「家族と一緒に笑っている事も知っているよ」。
はい。
「家族と一緒に笑っている事も知っているよ」。
ハハハ…!いいね。
うん。
そう。
そんな感じでちょっと練習してみて。
はい。
ありがとう!震災を経験したクラスの子どもたち。
その気持ちに初めて触れた山寺さん。
ねえ…。
ああいうふうに淡々とね。
淡々とというか…自分で一生懸命書いてくれてるけど…。
いや〜これ想像を絶する恐怖だったと思いますよ。
でもそんな中でも感謝の気持ちとそれをね…書いてくれてるんで…元気よく発表してくれるとうれしいと思います。
さあそれじゃ順番に発表してもらいたいと思います!好きなモノ気になるモノの声になって自分の事をどう思っているのか発表します。
親友のような家の気持ちになって自分に語りかけるゆういちろうくん。
250歳の仙人のような多賀城廃寺。
りょうすけくんを心配する気持ち込められるかな?「私は歩道橋よ」。
津波から守ってくれた歩道橋の声を想像したゆのさん。
初めて素直な気持ちを言えたゆのさん。
そしてみんなからも山寺さんが聞きたかった励ます言葉が次々とあふれてきました。
(拍手)緊張した?緊張した?うん。
緊張したか!いつものたかりょうじゃない?でも優しさとかすごい出てたと思わない?ありがとうたかりょう!はい拍手!サンキュー!自分と違うモノになって自分を励ました子どもたち。
最後は自然と笑顔がこぼれていました。
さあ今回心の声を聞くという事でみんなに宿題を出して今日発表してもらいました。
どう?それ考えてる時ってさちょっと難しかったけど楽しくなかったかな?ちょっと…ねえ?言葉ってやっぱりすごい力を持ってると思うのね。
今日みんな自分に対して語りかける事で自分を励ますような事になったと思うんだけど悪い事をずっと言ってると気分もそうなっちゃうよね。
「大丈夫!大丈夫だ大丈夫だ!やるぞやるぞ!」と言ってると何となくそういうふうに気分もなってくるって事山ちゃんは今までの経験ですごく思います。
それと今日あった楽しい事とかいろんな事を友達とか家族とかに伝えるってとっても大事な事だと思うのね。
そうするとどんどんどんどんその楽しいっていうのは人につながっていくし笑顔がどんどん増えていくと思うので是非やってみて下さい。
心の声を聞くとかそういう授業は今までした事がなかったので勉強になると思います。
最後の発表がすごく緊張したんですが声を出す授業はとっても楽しかったです。
ありがとうございました。
(一同)ありがとうございました!こちらこそありがとうございました!じゃあね!またねみんな!ありがとう!ありがとね!2014/04/04(金) 19:25〜19:49
NHKEテレ1大阪
課外授業 ようこそ先輩・選「モノにはみんな声がある〜声優 山寺宏一〜」[解][字]
声優の山寺宏一は「モノにはみんな声がある」という。好きなモノや気になるモノの心の声を考えて、その声で自分を励まそうと呼びかける。どんな声や言葉が出てくるか。
詳細情報
番組内容
今回の先輩は「七色の声を持つ男」、声優・山寺宏一。宮城県多賀城市立多賀城小学校で、「モノにはみんな声がある」というテーマで授業をする。「声」を使ったフシギな授業。でも、ただの声ではない。しゃべらないモノの心の声を考える。子どもたちの身の周りにある“好きなモノ”“気になるモノ”の声を想像し、そのモノの声になりきることに挑戦する。その声が逆に子どもたち自身を励ますとしたら、どんな声や言葉になるだろう。
出演者
【出演】声優…山寺宏一,【語り】篠原ともえ
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
趣味/教育 – その他
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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