ろーかる直送便 ぎふスペシャル▽笑う岐阜に福来る〜第11回全日本学生落語選手権 2014.04.03

南沢奈央です。
ここ岐阜で毎年2月全国から大学生大学院生たちが集まって落語の大会が行われます。
今回は学生さんたちの落語に懸ける熱い思いを皆さんと一緒に見ていきたいと思います。
今年で…予選を勝ち進み決勝の舞台に進んだのは僅か8人。
8分という短い持ち時間の中で鍛え上げた話芸を披露します。
今年も個性豊かな学生たちが笑わせてくれました。
・「1がちゅは松飾り」実は私大の落語好きなんです。
寄席に通ったり家で落語のCDを聴いたりとはまっています。
恥ずかしながら3年前に高座に上がった事もあるんです。
私も去年まで大学に通っていたので同世代の学生さんがどんな落語を見せてくれるのかとっても楽しみです。
大賞は一体誰の手に?始まります。
戦いの舞台となるのは岐阜市。
1,600人のお客さんを収容する長良川国際会議場です。
お〜すごい。
これは思った以上に大きな会場で人もたくさんで…。
この環境でやるのは緊張するなあ。
ちょっと私の方が緊張してきました。
いよいよ始まりますね。
ドキドキしてきました。
客席も満員御礼。
それでは頂点を目指す熱い戦い見ていきましょう。
まずは関西大学浪漫亭鞍弓さん。
去年の優勝者は同じ大学の先輩。
狙うは関西大学2連覇です。

(出囃子)演目はご存じ…
(拍手)は〜い。
(笑い)こんなにもう…。
(笑い)それではですね「時うどん」の一席へおしとやかにやらさして頂きます。
「あ〜8文でうどんが食いた〜い!」。
「びっくりした。
心臓止まるかと思ったもう…。
お前何を言うてんねんなホンマに。
うどんっちゅうのはな16文と決まったんや。
それにしても8文てえらい少ないな」。
「ほなお前なんぼ持ってんや」。
「わいかいな?わいはここにな7文や」。
「ほなわいの方が1文多いがな!」。
「もうええねん。
この往年のやり取りは…」。
(笑い)お金を出し合い1杯16文のうどんを食べる事にした2人。
手持ちのお金は合わせて15文。
どうやって食べるのでしょうか?「フッフッフッフッ…」。
(うどんをすする音のまね)「うんうまいなあ…。
うまいで」。
(笑い)
(うどんをすする音のまね)「うまいな。
引っ張りなお前。
まだ食いかけたとこやないか。
ちゃ〜んと半分残しといたるがな」。
(うどんを食べる音のまね)「引っ張りなっちゅうてんのにお前はホンマに何やねん!そないにこのうどんが食いたいのか?食いたきゃ食え!」。
「食わいでか!何やお前偉そうに!ポンポンとなあ!銭は払ってる!ぜ…!ああ…っ!うどんがあと一本だけ…」。
(笑い)
(うどんをすする音のまね)「短い…」。
(笑い)「もうしまいや!」。
「はあ…。
うどん屋えらい騒がしいくしてすまんかったな。
ちょっと勘定しようかな。
細かいんや。
手ぇ出してんか?」。
「へえ!おおきにありがとはんで!」。
「いくでうどん屋1つ2つ3つ4つ5つ6つ7つ8つと。
うどん屋今何時や?」。
「え〜確か9つで」。
「10!111213141516と!うどん屋あがりだ」。
「へえおおきにありがとはんで」。
「はよ来いはよ来い」。
「清やん!清やん!清やん!」。
「え?『わいもやってみたい』?そうか。
今やったとおりにな今日やったとおり同じようにやったらできるわ」。
「なるほど!」。
次の日。
「『あ〜8文でうどんが食いた〜い!』。
『何を言うてんねんなお前少ないな』。
『ほなお前なんぼ持ってんのや』。
『わいかいな?わいは7文や』。
『お前の方が少ないがな!もうええねん!この往年のやり取りは〜!』」。
(笑い)
(拍手と笑い)「一人でお祭り騒ぎしてる人がいる…。
こっち来てほしくないな」。
「『お〜いうどん屋1杯つけてんか』」。
「来ちゃった!ホンマにもう…。
へえお越しやす。
すぐに致しますので。
出来ました」。
「速っ!ゆんべとちっとも変わらんなあ〜!ええ調子やでうどん屋!ゆんべとちっとも変わらんからなあ!その調子やで!」。
(笑い)「『う〜ん!』」。
「『うまいな。
うまいなあ!』」。
(うどんをすする音のまね)「『う〜ん!うん!』」。
(うどんをすする音のまね)「『引っ張りなっちゅうてんのにお前はホンマにもう〜!まだ食いかけたとこやないか!』」。
(笑い)「あんたのほかに誰もいたらしまへんで」。
「ゆんべとちっとも変わらんなあ〜!」。
(うどんをすする音のまね)「『引っ張りなっちゅうてんのにもうお前は!ホンマにもう!そんなにこのうどんが食いたいのか?食いたきゃ食え!』。
『食わいでか!』」。
「夢なら覚めて〜!」。
(笑い)「ゆんべとちっとも変わら…。
『あっあっあ〜っ!』」。
「今度はどないしはったんです?」。
「『う〜!うどんがあと一本だけや!』」。
「ごめんなさ〜い!」。
(笑い)「『う〜!』」。
(うどんをすする音のまね)「『短〜い!もうしまいや〜!』。
『うどん屋えらい騒がしくてすまんかったな』」。
(拍手と笑い)「チョウチョがチョウチョがやばい…」。
「フッフッフッフッフッ!『いくで!いくでいくでいくでいくでうどん屋!勘定しよか!手ぇ出してんか?』」。
「また元のテンションに戻ってる…」。
「『いくで〜!いくでいくでいくでいくでいくで〜!1つ2つ3つ4つ5つ6つ7つ8つと!うどん屋今何時や!?』」。
「へえ確か5つで」。
(笑い)「6つ7つ8つ…」。
(拍手)審査員を務めるのは関西大学落研出身の…明治大学落研出身…そして落語大好き歌手の…更に岐阜市長と主催者代表を加えた5人で審査に当たります。
では立川志の輔さんいかがでしたか?疲れたでしょう。
(笑い)非常に笑いがものすごく爆発的な笑いが続く中で結局落語とコントとの間をうま〜くコントロールするのが多分大変だったと思うんですよね。
乗ってきてどんどんどんどんくると大げさにやればやるほどというところを自分で抑えたりなんかする。
ちょうどコントと落語のはざまを行ったり来たり行ったり来たりしてる君の苦労がよう分かったっちゅう話ですわ。
お疲れさま!
(拍手)続いては日本大学芸術学部幼稚家恋路さん。
躍動感あふれる高座にしたいと選んだ演目は「反対車」。
私も一度落語をやった事があって…。
え〜!そうなんですか?大好きなんですけど「反対車」やりたいって言ったら周りの人に全力で止められた演目だったんですよ。
すごいテンポ感のある噺だと思うんですけど…。
テクニックいるんじゃないですか?そうですね。
調子いいなって思ったけど舞台袖での表情は真剣そのもの。
はじけた高座を期待してますね。
「反対車」は速さが自慢の人力車の噺。
行き先へ急ぐ男がその車に乗ってしまいとんでもない事に。
(拍手)「よっこいしょ…。
ララライララライ!」。
「あ〜いいねいいね。
車ってのはこうでなくちゃいけねえよ。
おめえさん随分速いね。
おっとっとっとっと…。
危なっかしいなお前さんこんな速いんじゃ曲がり角なんか曲がれねえだろ」。
「何言ってんですかお客さん行きますよ〜おら!ギ〜ッ!」。
「え〜ドリフト!?」。
「行きますよもういっちょおら!ギ〜ッ!」。
「嫌〜!もう横のグラビティーがすごいよこれ!おいおい前見ろ前前前!あの曲がり角なんざほとんど180度じゃないか!いくらなんでも無理だろ!」。
「いや〜お客さんなせば成る。
おらっ!ギ〜ッ!うお〜っ!」。
(拍手)「はあはあはあ…ねっ?」。
「『ねっ?』じゃねえよ!なんとかなったからいいもののよ!おい安全運転で…って言ってるそばから崖だよ崖。
おいおい崖なんざ無理だろ。
おめえさん止まれ。
止まってくれってんだよ!お前まさか飛ぶ気じゃねえだろうな」。
「うお〜っおら!」。
(鼓動の音のまね)「おらっ!はあ…お客さんなせば成るな!」。
(笑い)その下は何かはいてないんですか?普通はステテコみたいなんはくんですけど。
そうですね。
皮膚です。
(笑い)もう少しセンスよく格好よく落語家っていうのは本来かっこいいもんなんです。
直接皮膚より何か身につけるように。
そうですね。
はい。
(文枝)はいご苦労さまでした。
ありがとうございます!
(拍手)落語を始めてまだ10か月。
今大会唯一の1年生。
演目は…お金のない男が家の壁に家財道具の絵を描いた。
何も知らない泥棒がそこに来て…。
「金庫の金やったら足がつかいでええわ〜!あっ痛っ!突き指した。
どないなってんねんこれ。
うん?あっ!ああ…ああっ!ああああああ…!絵や…。
えっ?これ何や?絵に描いてあんのか?ほたら何やあの男家財道具全部描いてあるつもりで暮らしてんのかいな。
やられたがな!とるもんあらへんがな!わしも盗人やで盗みに入って手ぶらで帰るっちゅう訳にはいかんわ。
よ〜しあいつがあるつもりで暮らしてんのやったらわしはとったつもりで持って帰ったろ!まずは着物かけの1反風呂敷!ビャ〜ッと広げたつもりや。
タンスの中の着物をこの上にぶっちゃけたつもり。
金庫の中の金もここに積んだつもり。
風呂敷の端をこういうふうにからげたつもり。
肩にこないしてからげたつもり。
立とうとするけど重くてなかなか立ち上がれんつもり〜!」。
「あいつ何や?『つもりつもり』言うてうちにあるもんみんな持っていきよるで!いくらつもり言うたかて持ち主わしや!とられてたまるかいな。
よ〜し」。
ガバッと跳ね起きてそばにあった縞もんの袴を手早う身につけた…つもり。
なげしにかかった槍を取ってきて石突えト〜ンと突いたつもり。
構えたつもり。
りゅうりゅうとしごいて盗人の脇腹目がけてブスッと!突いたつもりや〜!」。
「う〜ん突かれたつもり」。
「グリグリグリとねじ込んだつもり!」。
「あ〜!死んだつもりでおます」。
(拍手)落語に懸ける熱いハートは東西随一。
京都大学4年生楠木亭遊人さん。
決勝前日。
京都大学楠木亭遊人さん!決勝進出への喜びを人一倍爆発させたのが遊人さん。
実はこの大きなリアクションには深〜い訳があったんです。
落研に入ったきっかけは何だったんですか?いまだにそれが夢に出てくるんですよ。
でもなんとかその人のおかげでここまで来れたんで。
ほんで自分の笑いのセンスが間違ってないっていうのを証明できたんでよかったです。
すごい…。
去年6月からお寺の一角を借りて寄席を主催している遊人さん。
自分を追い込み落語漬けにする事で自らの話芸を磨いてきました。
4年目にして初めての大舞台。
これまでの成果が試される時です。
しっかり遊人さん!演目は…愛想のない男が口合といわれるシャレを教えてもらう噺。
プロでもめったに披露しない珍しい演目です。
「今度はここにこれ一升瓶に酒が残ってまっせ!一生貧乏は避けられんてなもんやな」。
「ああなるほど。
ほなちょっとせちがらいでんなあ」。
「え〜っとほかにほかに…。
あっ!今度はここにこれねちり取りとほうきがおまっせ」。
「うん。
これはな子どもを褒める口合なんなあ。
これがあんさんのお子さんでございますか!ええ。
ちり取りん間にほうきならはってと」。
「お〜うまいもんでんなあ!わたい来る前に考えてたんちゃいまっか?ねえ?え〜っとほかほかほか。
あっ!今度はここにこれお菓子がぎょうさん入ってますでこれ。
菓子鉢と違いまっか?」。
「ああそれ菓子鉢やな」。
「こんなんでもできまっか?」。
「うん。
・『うちら陽気な菓子鉢娘』ってやっちゃなあ」。
「また古いやつきましたなあ。
ええかしまし娘きますか。
いやせやけどこれ口合ってなかなかおもろいもんでな。
あっそうそうこの口合覚えてる間にちょっとねトクさんとこ行って言うたろかいな思いまして」。
「ああ行ってきたらええがな」。
「トクさんいてはりますかいなトクさん!」。
「おお誰かと思たらおまはんかいな」。
「まあまあ入んなはれ」。
「へえおおきに。
あの〜トクさん口合って知ってはりまっか?」。
「お〜口合?シャレかいな。
何?でき…できんの?へえ〜面白いな。
ほたらちょっとやってんか?」。
「へえ!ほたら早速ねあっ!言うてたらここに早速一升瓶に酒が残ってまっせ!」。
「おう。
一升瓶に酒が残ってたら」。
「一升瓶に酒残る!」。
「まんまやないか」。
(笑い)「お前それ口合かい?」。
「へえこれ口合でっせ。
え〜っとほか何かありまっかいな…。
あっ!今度はここにこれねこれちり取りが2つ重なってまっせ」。
「おう。
今度はちり取りでやってくれるかい?」。
「へえ。
このちり取りはこれ子どもを褒める口合になりまんねん。
これがあんさんのお子さんでございますか!ちり取りん間にちりと〜りなりはって」。
「縮んだやないか!」。
(笑い)「お前そんなん言うと怒られんでしかし!」。
「え〜っとほか何かありまっかいな。
えっとあっ!今度はここにこれお菓子がぎょうさん入ってっまっせこれ菓子鉢と違いまっか?」。
「ああそれ菓子鉢やな」。
「菓子鉢!うちら陽気な正司照枝!」。
「メンバーやないか!」。
(笑い)「もうええ加減口合を言うてくれへんかい?」。
「そないポンポン言うのやったらあんたが言うてみなっしゃれ」。
(拍手)今日はおいしい酒を飲みたいと思います。
どうもありがとうございました。
今や学生落語家たちの目標となったこの大会。
落語の祖といわれる安楽庵策伝和尚のふるさと岐阜を舞台に毎年行われています。
決勝前日には全国から集まった学生たちによって予選が行われました。
今年は51大学・大学院320人がエントリー。
決勝進出を目指して熱の籠もった落語が披露されました。
中にはユニークなオリジナルの創作落語を披露する学生もいます。
なんと演目は「仮面ライダーYOTA最終話」。
「ハッハッハッハッハッハッハッハッ!よく来たな仮面ライダーYOTA!今日が貴様の命日だ!」。
「そうはさせるか!お前の世界征服を今ここで止める!」。
「変身!」。
(笑い)「説明しよう!変身帯をグルリと回し扇子を差し込む事で仮面ライダーYOTAに変身できるのである!」。
「よ〜し!それじゃあ一席つきあってもらうぜ!必殺落語『時そば』パンチ!うお〜っ!12345678!おい!今何時だ?」。
「うっ…4つだ」。
「5678910!」。
「うあ〜っ!10発食らったはずなのにそれ以上のダメージが…」。
(笑い)顔を隠しながら練習しているのは熊本大学熊乃存微さん32歳です。
医学部の6年生。
この大会には以前別の大学に通っていた時から挑戦してきました。
これちなみに第1回の時にもらった扇子です。
(拍手)「褒美が半分もらえるがいいかそれとも追い返されるがいいかどっちがいいな」。
「分かりましてございます。
半分お渡し致しますのでどうぞお取り次ぎを」。
「そうか。
フッフッ」。
実は2週間前に国家試験が終わったばかり。
十分に練習できませんでしたが「この大会だけは!」という思いで参加しました。
「100たたきの刑を所望致します」。
(拍手)いや〜やっぱ練習不足がたたりまして…。
まあでも大体やりきったんじゃないかと思います。
最後ですね。
多分もう大学に入る事はないと思うんで…。
最後だと思います。
楽しかったです。
ありがとうございました。
予選会場でひときわ注目を集めていたのが2年連続で決勝進出を目指す岡山大学の車家化狐。
さん。
念願かなって今回も見事決勝の切符を手にする事ができました。
去年は惜しくも大賞を逃した化狐。
さん。
2度目の決勝を目前にしてどんな気持ちなのか聞いてみました。
帯をします。
帯だけ自分でちゃんと。
着物が似合う体形ですよね。
ハハハハッよく言われます。
いいですよ似合って。
去年も決勝に残られてる。
そうです。
リベンジという感じですか?そうですね。
岡山大学車家化狐。
さん。
去年の雪辱を果たせるのでしょうか。
勝負に選んだ演目は…地元岡山で子どもの頃から取り組んできた神楽で鍛えた歌声に注目です。
(拍手)「じゃあ何かい?先生。
ゆうべの女はこの世のもんじゃねえの?あの女はどこの女だい!?」。
「お前さん女の事になると声が上ずってくるな。
見られたのなれば致し方がない。
しかればお話をしよう。
お前さんも知ってのとおり私は釣り好き。
向島へ昨日も釣りへと出かけた。
ところが雑魚一匹かからない。
こんな時は天が殺生をしてはならんという戒めでもあろうが早じまいがよかろうと釣りざおに糸を巻いているとなカラスが3羽出た」。
「カラス?」。
「うん。
不思議に思いよしをかき分けて中へ行ってみるとそこに生々しいドクロがあったなあ」。
「ああ備前焼」。
「それはろくろだよ!」。
「しかばね共同募金」。
「赤い羽根だよ!ガイコツだ。
かく屍をさらしておりまことに不憫に思えたのでなうまくはないが手向けの句を3遍唱えてなふくべに残っていた酒を骨にかけてやる。
すると気持ちのせいか骨がポ〜ッと赤みをさした。
いい功徳をしたなあと思い我が家に帰りゴロリと横になる。
するとまた夜中の2時とおぼしき頃金龍山浅草寺で打ちいだす鐘が陰にこもってものすごく…」。
「ちょっと待っとくれ先生。
え?どうしてそうこもりたがるの。
もうちょっと陽気にやろう。
ねっ?・『金龍山浅草寺の鐘が』・『陰にこもってゴ〜ンと鳴ったよ』とこういう具合にやっとくれ。
芝増上寺の鐘は海が近いからさわりがつくよ。
グワ〜ングワ〜ンと。
ニコライ堂の鐘がキンコンカンコンと鳴るってえとかしわがガランガラン。
号外屋がチリンチリン。
踏切がカンカンカンカン。
・『さあ鐘をポンポンカンカンたたいて仏になるならば』・『時計屋の周りはあらかた仏になるだろう』・『ナンマイダっての知ってるかいこのハゲ頭』」。
「陽気な男だねお前さん」。
(拍手)「表をほとほとと訪る者がある。
はて今時分誰であろう?身に油断なくガラリ戸を開ける。
乱菊やキツネにもせよこの姿。
その婦人が音もなくス〜ッと入ってきてな。
『あなた様の回向により浮かぶ事ができました。
お礼と申しても何もできませんが』という事で一晩中よもやまの話にふけったと。
まあこういう訳だ」。
「ヘヘヘッいいなあ…。
釣りをするとそんな女の人に会えるの?釣りたい。
やりたい!」。
「お前さん釣り嫌いだろ」。
「いや俺は好きになっちゃった。
先生釣りざおを借りますよ」なんてんで嫌がるのを無理に借りましていくらかの酒を腰へぶろ下げてやって参りました向島。
「あららららら…こんなに出てんの?骨ってえのは子どもからお年寄りまで幅広い層に好かれてんだねえ。
ちょっと聞いてみよう。
お〜い!おう!骨は釣れるかい?骨は釣れるかよ〜!」。
「骨?お魚は釣ってますよ」。
「何を言わんでえこの野郎!おめえだって骨を釣りに来たんだろ?俺もだよ。
ミートゥーミートゥー。
ハハハハ〜ッと。
・『あたしゃ年増が釣りたいの』・『う〜ん』」。
「声の張りがすごいねこの人は。
あんた餌つけないでやってけどお魚は釣れっこござんせんよ」。
「何よこの野郎。
ええ?釣れっこもままっこもないんだよこうすりゃいいんだよ。
なあ。
・『鐘がボンと鳴りゃさあ』・『上げ潮南風さえ』・『カラスが飛び出しゃこりゃさのさあ』・『骨があるサイサイサイオラ』・『チャラカチャンタラスチャラカチャンチャン』」。
(拍手と笑い)「顎釣っちゃった顎」。
「結構なものが釣れましたな」。
「ちょっと取って〜!ちょっと取ってよ。
笑ってやがる。
チキショー。
アテテテテッ!釣りをするのにこんなものがあるからいけねえんだ!釣りをするのに針なんざいるもんかいな!ハハッ!どっこいしょのしょ」。
「針取っちゃったよ!あんた針なしで大丈夫かい?」。
「な〜に声の張りがあれば大丈夫だよ」。
ありがとうございました。
(拍手)何か落語を50年ほどやってるような…。
(拍手)もう何か明日からでも寄席に出れそうな。
(拍手)4月からは鉄道会社で運転士を目指す新潟大学4年生ゑちご亭越後屋さん。
演目は…料亭で飲んでいると隣の座敷で芸者と騒ぐ田舎侍の声が聞こえてくる。
(拍手)「声聞きてえって?ああそうか。
分かった分かった。
聞かせてやるたい聞かせてやるたい。
ウオッホン!・『モズのくちばし』・『三郎兵衛のなぎなた』・『唐傘ワッケレチャッケレ』・『鍋の隅かきゃタヌキャの腹包み』・『それスッポンポ〜ン』」。
(拍手)「寅さん今の歌誰か絞め殺されるのかと…」。
「変な歌歌うね。
酒がまずくてしゃあねえ!」。
「うん?今また何やら身どもの事を申したようであるが」。
「いいえだぁ様お隣のお客様同士のお話でございますよ。
それよりだぁ様今のお歌お難しいお歌ですこと」。
「ああ難しいたい難しいたい。
よかったらおはんらも覚えて座敷で歌え」。
「勉強させて頂きます」。
(笑い)「ねえだぁ様それよりもう一つ何かお声を…」。
「何て?また聞きてえって?ではこたびは『十二ヶ月』を歌うたい。
ああよ〜く聞くたい。
ウオッホン!・『まずは1がちゅ1がちゅは松飾り』」。
(拍手と笑い)・「2がちゅ2がちゅはテンテコ〜テン」
(笑い)「笑うんじゃないよお前たち」。
・「3がちゅ3がちゅはひなまちゅり」
(笑い)「どうしましょう…」。
(笑い)「当たり前のお歌ですこと。
1月はお正月で松飾り2月は初午でテンテコテン3月はお節句で…」。
・「4がちゅ4がちゅはおしゃか様」「寅さん俺もう生きるの嫌になっちゃった…」。
(笑い)声がホントにいい声で。
あなたも先ほどの人みたいに何か落語を50年やってるような感じがするぐらい落ち着きを感じました。
本当にお疲れさまでした。
ありがとうございました。
(拍手)桜美林大学雛菊亭ちづるさん。
落語の見せ場はくしゃみ。
かなりこだわって練習したそうです。
演目は…講釈師に恨みのある男が火鉢にトウガラシを入れ話ができないよう邪魔をする噺。
(拍手)「上がれ上がれ上がれ上がれ上がれ上がれ上がりゃ〜」。
「あたかも城中目がけて…」。
「あたかも…」。
「ハッハッ…はあ〜」。
(笑い)「駿遠三ヘッヘッ…本多へ…ハッハッア〜クッション!ああ…」。
(笑い)非常に声もお顔もかわいくてこれからまあ結婚もするでしょうしおつきあいをしだしたらその男性にはこのテレビは見せない方がいいと思います。
あんな顔したらとてもつきあいにくいなあと。
最後は岐阜大学鵜飼家みるくさん。
岐阜からの決勝進出は3年ぶり。
地元期待の星です。
岐阜大学という事ですけれども地元という部分ではどうですか?そうですね。
やっぱり岐阜大学の落語研究会はホントいろんな所に呼んで頂いてて。
公民館だとかデイサービスの所だとか。
演目は…「定吉!定吉いないかい!」。
「へ〜い。
あのおかみさんお呼びですか?」。
「お前ねえ今うちの人が出てったの気が付いたかい?」。
「何か『ちょっと』って言って出てきましたけど」。
「どっかにね女ができたんじゃないかと思うんだよ。
後つけてどこ行ったか見てきておくれ」。
「あっじゃあ行ってまいりま〜す。
フハハハハッ。
おかみさんやきもち焼いてんだな。
あれ?旦那。
あんな所でキョロキョロしているよ」。
(戸をたたく音のまね)「おい」。
(戸をたたく音のまね)「私だ」。
(戸をたたく音のまね)「早く開けておくれ」。
「は〜い。
あら旦那じゃございませんの。
アオノ!旦那がおいでになりましたよ」。
「まあ〜あなた」。
(笑い)「どうしたんですよ待ってたんですよ。
さあさお上がりになって…。
あら?」。
「クククククッやあやあ音羽屋!」。
「定吉!」。
「お連れの方ですの?」。
「そうじゃない店の小僧定吉。
あ〜家内の回しもんらしい。
すまないけれども小遣いでもやって帰してくれ」。
「かしこまりました。
面白い小僧さんね。
これねほんの気持ち。
取っといてちょうだいな。
そうだ。
おなかすいてるでしょ?ここにおまんじゅうあるから食べる?」。
「いいんですか?あっじゃあ頂きます。
ウハハハハッ」。
「こんなん店じゃ食べさせてもらえないんです。
何ですか?そんな所に独楽がありますね!3つあって色がついてますよ。
遊びに使う独楽ですか?」。
「あっいいえ。
以前花柳界ではやったんですよ。
占の独楽といいましてねこの黒いのが旦那の独楽。
赤いのが私の独楽。
色の薄いのがあちらのおかみさんの独楽。
3つ一遍に回しましてね旦那の独楽がクルクル回りながら私の独楽へカチンとぶつかったらお泊まりになる。
おかみさんの独楽にぶつかったらお帰りになるってね。
占いに使う独楽なんですよ」。
「面白そうですねえ!頂いてもいいですか?あ〜ありがとうございます!ウフフフフッ。
それじゃあすいませんごちそうさまでした!おかみさ〜んただいま戻りました」。
「定吉かい!?こっちへお入り」。
(笑い)「どうだい!?どこへ行ったい?」。
「あ…あの後つけてったんですけど4つ角の所まで行ったらどこ行ったか分かんなくなっちゃったんで先に帰ってきちゃいました」。
「役に立たない子だねこの子は!それじゃあねえすまないけれども肩2つ3つたたいてくれるかい?」。
「おかみさ〜ん勘弁して下さいよ。
分かりましたよ。
ホントにこのうちは…。
人使い荒くて金遣い細かいんだから嫌になっちゃうなもう〜!」。
「何だい?このお金!」。
「あっそれ私のです!」。
「定吉…女中のお清が後からついてったのをお前気が付いたかい?」。
(笑い)「お清が後から!?じゃあもうお清から全部聞いちゃ…聞いちゃったんですか!?な〜んだ!アッハッハッ!そうなんですよおかみさん!後つけていきましたらねおつなうちに来ましてねドンドンドン。
『俺だ俺だ』って言ったら中から『あ〜旦那様〜』ってこんなんが出てきてねうわ〜旦那も趣味が悪いなあと思ったらそうじゃないんですよ。
中から若くてきれいな人が『あらあなた〜。
早くこちらへお上がりよ』ってイヒヒヒヒッ。
お清がそうやって言ってました?」。
「やっぱりそうだったのか!お清が行ったってのはうそだ!」。
「うそ!?おかみさ〜んずるいよそれは」。
「定吉旦那はお帰りになるのかい?ならないのかい!?」。
「それだったらおかみさんいいのがあるんですよ!占の独楽といいましてね花柳界ではやったんですって」。
「回してごらん!回してごらんよ!」。
「そ…それじゃおかみさんの独楽から回しますね。
おかみさ〜んさっきのお駄賃まだ頂いてませんけど〜っと。
おっ回った回った回った!じゃお妾さんの独楽。
どうも先ほどはごちそうさまでございましたよ〜っと。
あっ回った回った!じゃ旦那の独楽。
旦那全部バレちゃいましたよ〜っと!回った回った回った!さあどうなるか。
あ〜おかみさん見て下さい!旦那の独楽!お妾さんの独楽の方へ近づいてく近づいてく近づいてくちたたたたたたっコツ〜ン!お泊まりです!」。
(笑い)「何がお泊まりだい!もう一遍回してごらん!」。
「何回回しても同じですよもう…。
分かりましたよ。
じゃあおかみさんの独楽旦那のすぐ横で回しましょうね。
おかみさ〜ん寝かして下さいよ!労働基準法違反ですよ〜っと!じゃあお妾さんの独楽こっちの方で回しましょうね。
『ねえあなた〜今晩泊まってって下さいな〜』。
『泊まりたいのはやまやまなんだけどね近頃家内がうるさくてしょうがないんだよ』。
ウフフフッ。
あ〜おかみさん見て下さい!おかみさんの独楽うなりを上げて旦那の独楽の方へ寄ってく寄ってく寄ってく寄ってく寄ってく寄ってく!旦那の独楽逃げる逃げる逃げる逃げる逃げる逃げる。
あ〜!角曲がった!逃げる逃げる逃げる逃げる!コツ〜ン。
お泊まりです!」。
(笑い)「何がお泊まりだい!定吉!旦那の独楽調べてごらん!」。
「勘弁して下さいよもう…。
あっおかみさん駄目ですよ!」。
「どうしたい?」。
「旦那の独楽肝心の心棒
(辛抱)が狂っております」。
(拍手と笑い)あなたは一生落語を続けなさい。
(笑い)あ…はい。
すばらしいのひと言!ありがとうございます!ただ何か落語というよりも一人芝居を見てるような…。
落語というのはあんなに声を変えてやるとリズムとテンポが落ちると。
そして芸がくさくなるというふうにいわれてるんですね。
でも今日のを見ててこれも正解かなという事でこの落語をあなたは続けていきなさい!ありがとうございます!
(拍手)さあ8人が出そろいました。
果たして大賞を手にするのはどの学生でしょうか。
策伝大賞は…。

(ドラムロール)
(文枝)鵜飼家みるくさんです!「悋気の独楽」を演じました岐阜大学の学生さんです!
(拍手と歓声)そして…みるくさん見事地元の声援に応える事ができましたね。
すばらしい高座を見せて頂きました。
おめでとうございます!今回はホントに学生さんのエネルギーをすごい感じました。
何か伝えたいっていう気持ちだったり笑わせたいっていう気持ちがすごく強いなって思いました。
いや〜私ももっともっと落語が好きになりました。
あと言い忘れましたがこの大会に参加した全ての学生の皆さんたくさんの笑いと感動をありがとうございました。
ちょっぴり気が早いけど来年もまた笑わせて下さいね。
2014/04/03(木) 15:15〜16:00
NHK総合1・神戸
ろーかる直送便 ぎふスペシャル▽笑う岐阜に福来る〜第11回全日本学生落語選手権[字]

落語好きの大学生が岐阜に集まり学生落語日本一を競う大会。11回目の今年は全国の51大学、大学院から320人がエントリー。予選を勝ち抜いた8人が熱演を繰り広げる。

詳細情報
番組内容
落語好きの大学生が岐阜に集まり学生落語日本一を競う恒例の大会。11回目となる今年は全国の51大学、大学院から320人がエントリーした。激しい予選を勝ち抜いたのは男女8人。岐阜市の長良川国際会議場に集まった大観衆を前に熱演を繰り広げる。はたして学生落語の頂点、策伝大賞は誰の手に!? 審査員は桂文枝、立川志の輔、神野美伽ほか。
出演者
【審査員】桂文枝,立川志の輔,神野美伽,【ナビゲーター】南沢奈央

ジャンル :
劇場/公演 – 落語・演芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – お笑い・コメディ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:4559(0x11CF)