(聖美)あっ。
ちょっと何するの?いや…。
やっ。
(愛美)あんたのせいだ。
みんなみんなあんたのせいだ!
(愛美)どうして私ばっかり。
(愛美)何で二度も捨てられなきゃなんないのよ。
(愛美)何で…。
何で私じゃ駄目なのよ。
(聖美)愛美。
(聖美)憎んでいいわ。
どんなに目の敵にされたって構わない。
ごめんね。
お姉ちゃんなのにあなたのことちっとも思いやってあげられなくて。
こんなに幼いときにあなたは家族と引き離されて。
つらかったろうね。
一人でさみしかったろうね。
おぼろげだけど覚えてる。
あの日あなたは確か泣き疲れて眠ってたのよ。
(佳代子)《よろしくお願いします》
(聖美)《まなちゃん。
まなちゃん》《まなちゃん。
行かないで》それからずっと自分に言い聞かせてた。
どんなに苦しくても独りぼっちになったまなちゃんに比べれば私はずっと幸せなんだって。
なのにいつか自分のことに精いっぱいになって。
行方不明になったって聞いても捜すこともできなくて。
結局あなたを忘れようとしてた。
ごめんね愛美。
長い間。
これから2人でいろんなこと話そう。
今までのこと。
それに峻君やあなた自身の将来のこと。
愛美。
また来るわ。
あなたが嫌だと言っても必ず来る。
(愛美)《あんたが殺したんだよお母さんを》・
(波津子)聖美さん。
(波津子)大事なお話があります。
お食事の後繁郎と一緒に私のところへ来てちょうだい。
離婚届?
(繁郎)変な冗談やめてくださいよ。
入籍したばっかりなのに。
(波津子)冗談でこんなことができますか。
ハァー。
(繁郎)やっぱり聖美の妹のことですか?僕たちも黙っていたのは悪かったと…。
(波津子)今となってはけし粒みたいなもんですよあんなあばずれ女のことなんて。
(波津子)はっきり言います。
聖美さん。
あなた1年以内に赤ちゃんを身ごもるのは無理よ。
1年どころか一生赤ちゃんを抱く日は来ないかも。
(波津子)けさねよその産婦人科から電話があってこの人がこっそり検査を受けていたのが分かったんです。
(繁郎)そうなの?
(繁郎)でも何でその結果を母さんが?・
(瑞穂)痛い…。
ちょっ。
あのう。
嫌。
あっ。
あっ。
おい。
何やってんだ?弘明。
(弘明)さっきこの女が名前を隠したカルテのコピーを持ってきたんです。
「この症状どう思いますか?」って。
どうやら姉さんのカルテだったようですね。
どうやって手に入れたんだ?そんなもの。
(弘明)おふくろさんの命令で婦長が脅しとってきたんです。
柳沢病院の威光をかさに着て。
瑞穂さん。
もう下がっていいわ。
本当なの?母さん。
こんなことしたら…。
(弘明)重大な守秘義務違反。
これが公になれば兄さんは共犯ということになる。
(波津子)私がそんな手抜かりをすると思ってんの?お得意の手土産ですか。
さすがに周到ですね。
(波津子)繁郎ちゃん。
私間違ったことしてないわよね?ああ…。
(波津子)だって。
だって柳沢家の一大事なのよ。
教えてください。
本当なんですか?弘明さん。
私本当に赤ちゃんができない体なんですか?お願い。
教えて。
どうなんだ?弘明。
(弘明)ハァー。
卵管閉塞。
子宮内膜症もあります。
もともと生理がかなり重かったんじゃありませんか?じゃあ本当に?
(弘明)妊娠する可能性は極めて低いでしょう。
今のままでは。
(波津子)どうしてくれるの聖美さん。
生理が重いなら重いって何でそういうこと早く言わないの?
(波津子)結婚前にちゃんと調べてれば繁郎だって早まらなくて済んだのに。
別れてくれるわね?何も言わずに。
無茶だよ。
そんなことで離婚なんて。
(波津子)そんなことですって?子供が産めなくて何のための嫁なのよ。
のし付けてお返しするわ。
(弘明)まあまあ。
落ち着いてください。
せっかく身内に産婦人科医がいるんですから。
姉さんも遠慮しないで最初から俺に相談してくれればよかったのに。
そうもいかないだろ。
こういうことは。
治るんですか?赤ちゃんが産めるようになるんですか?姉さんがその体を俺に委ねてくれるなら。
日夜勉強してるんです。
不妊治療先進国の最先端技術をね。
臨床も重ねて精度も上がってきた。
これから色々試したいこともある。
姉さんのために腕を磨いてきたようなもんですよ。
まさか聖美の体で人体実験みたいなまねを…。
(弘明)いいんですか?姉さんと別れるようなことになっても。
(波津子)繁郎…。
後は皆さんでよく相談なさってみてください。
(波津子)何であんな人に。
何で別れるって言ってくれないの。
お母さん。
どうして私をこんな体に産んだの?愛美には峻君がいるのに何で私だけ。
起きてたのか?また地下に行ってたの?繁郎さんは平気なのね。
私が一人で泣いてても。
私のせいで赤ちゃんができない。
あなたに謝らなきゃって私ずっと…。
どうして君はそんなに子供が欲しいの?どうして?当たり前のことでしょう?好きな人と結婚したら誰だって。
あなただって当然…。
違うの?無理しなくてもいいんじゃないか?できないならできないで。
赤ちゃんは授かりもの。
任せておこうよ神様に。
できなかったら離婚しなきゃいけないのよ?離婚はしない。
絶対に。
だってお母さまは離婚届まで。
大丈夫だよ。
これでも母さんを「うん」と言わせた実績があるんだから。
だから一緒になれたんだろう?それだって条件付きでやっと。
条件なんか口約束と一緒。
僕が「うん」と言わないかぎり母さんはどうすることもできない。
柳沢家はどうなるの?跡継ぎがいなかったら誰がこの病院を?聖美はそんなこと心配しなくていい。
私は院長の妻なのよ?正直に言えば今すぐにでも弘明に院長の座を譲りたいくらいでね。
弘明さんに?まあ実際には母さんが年を取ってもうちょっと毒っ気が抜けないと無理だろうけど。
そしたら僕は名もない一介の内科医になって聖美と2人でのんびりと…。
そんなの嫌。
結婚したからにはあなたの子供が産みたい。
生まれた以上はその子に親の跡を継がせたい。
立派な医者に育てたい。
それが女の夢よ。
その夢をかなえられると思ったからあなたを選んだのに。
でも現実的に君の体が。
治してもらうわ弘明さんに。
赤ちゃんが産めるようにしてもらう。
あなたが子供なんかいらないと言ったって私にはいるの。
必要なの。
平気なのか?聖美は。
弘明に。
義理の弟に体を見られても。
僕は耐えられないよ。
繁郎さん。
あなたそれでも医者なの?そんなことうじうじ考えてたら誰もあの内診台へは上れやしない。
弘明さんが私に赤ちゃんを授けてくれるっていうんだったらいくらだってあの台で脚を開いてみせるわよ!・
(仁美)先生っておっぱい好きね。
赤ちゃんみたい。
・
(弘明)赤ん坊がこんなことするか?
(仁美)もう終わり?ママのあそこは恋しくないの?
(弘明)見飽きたね。
(仁美)男にとっては生まれ故郷みたいなもんでしょ?
(弘明)むしずが走る。
そんなとこから出てきたと思うと。
(仁美)ホントはママが恋しいくせに。
(仁美)私には分かるんだ。
本当のマザコンはかげろう院長じゃなくて弘明先生だって。
先生をマザコンにしたのは産んでくれたお母さん?それともおっぱいを飲ませてくれたあの奥さま?兄貴は賢明だよ。
お前さんがこのむちむちの体で擦り寄っても眉一つ動かさなかったって?尻の軽い女は口も軽い。
自分で吹聴したんだろ?私そんなこと…。
(弘明)消えろ。
あしたから病院にも来なくていい。
フゥー。
(波津子)繁郎。
お幕は?弘明の不妊治療受けることにしました。
聖美と2人で決めたことです。
どうか口出しは無用に願います。
繁郎。
(瑞穂)ナースが1人辞めると言ってきました。
先生の仕業ですね?
(弘明)何の話?
(瑞穂)遊びでナースに手を出すのはやめていただけませんか?ことしに入って2人目ですよ。
先生がらみの退職者は。
(弘明)辞めるのは自分の勝手。
俺が強要したわけじゃない。
(瑞穂)誰だっていられなくなります。
先生の毒牙にかかったら。
残ってる人だっているじゃない。
それどころかますます深く奥の院まで入りこんで大奥さまの言うことだったら何でも聞く犬になって。
私は別に…。
(弘明)告げ口したければすればいい。
こっちは痛くもかゆくもないからね。
何しろ俺はこれからあの人にとってなくてはならない存在…。
・
(ドアの開く音)おっと。
早速のお出ましだ。
(瑞穂)奥さま。
あのう。
私たち…。
(波津子)弘明さん。
繁郎から話は聞いた?
(弘明)いいえ。
何も。
主人は言っていた。
あなたはきっと優秀な産婦人科医になるって。
私はその言葉を信じます。
(弘明)それは光栄です。
孫が欲しいのよ。
繁郎の血を受け継いだ跡継ぎが。
だから…。
どうか聖美さんのことを頼みます。
奥さま。
感動で涙が出そうですよ。
あなたがそうして頭を下げている姿を見ると。
それが望みだったんです。
小さいころからの。
今でも焼き付いて離れない。
俺に向けられただかつを見るような氷の目。
(波津子)《うーん。
そうじゃないでしょ繁郎ちゃん》
(波津子)《こうやって大きく右手を…》
(弘明)《痛い!痛っ。
痛い…》《泥棒する子はうちの子じゃない》やりましょう。
腕によりをかけて。
必ずその胸に孫を抱かせてあげますよ。
よろしくお願いします。
(弘明)排卵そのものに問題はないようですね。
それじゃ奥の診察台へ。
準備して。
(陽子)はい。
(弘明)始めます。
兄さん。
(弘明)例のクリニックがやった子宮卵管造影によると姉さんの場合左右両側の卵管が閉塞してしまってるんです。
だから精子の遡上が阻まれてどうやっても卵子と出合えない。
分かってる。
そのくらいの理屈は。
この検査をしただけでうまいこと卵管が広がる場合もあるんですが期待は薄いですね。
じゃあ手術を?うん。
ただ手術をしてもまたふさがってしまうことが多い。
確実なのはやはり体外受精です。
た…体外受精?セックスなしで子供をつくるなんて人間てのはとんでもないことを始めたもんですね。
いいんだろうかホントに。
そんなことして。
神の摂理に反するような。
医者らしくないこと言うなぁ兄さんは。
医者だから。
そういうことができる立場にいるから怖いんだ。
実感を持てるのかな?自分の子だって。
最初からないでしょ。
男にそんな実感は。
調べないかぎり誰にも自分の子だって確証はないんだし。
ハァー。
ああ。
でも今回はちょっと楽しみだな。
ぞくぞくするんですよ。
この手が神の手となって姉さんに赤ん坊を授けるんだと思うと。
何だか俺も兄さんと一緒にその子の父親になるような気分なんです。
体外受精となったら兄さんにはその都度新鮮な精子を提供してもらわなければなりません。
まあいい気はしないでしょうけど男ならいつもやってることですから。
女の苦しみに比べたら取るに足らないと思ってせいぜい頑張ってください。
えっ?ちょっと。
やだ。
無理。
ちょっと。
嫌。
やめて。
嫌。
あっ。
繁郎さん?僕のだ。
僕だけのものだ!聖美の体は俺のものだ!やっ。
嫌。
えっ?あっ。
すいませんお母さん。
私やります。
あなたは座ってらっしゃい。
あっ。
今は体のことだけを考えて。
ああ。
これから色々と大変なんでしょう?今度の生理が終わったら排卵誘発剤の注射を始めるそうです。
でも当分はそれだけですから。
まあ気楽なことを。
授からなかったら元も子もないのよ。
安静にするのはまだ先です。
ちゃんと受精卵がおなかに入ったらそのときは甘えさせていただきます。
まっ。
フフフ。
フフフ。
おはよう繁郎。
何してるの?そんなところで。
うん?あっ。
いや…。
(弘明)よしよし。
丸々と卵胞が育ってますよ。
排卵誘発剤の効果で数もばっちりだ。
よかった。
そろそろ排卵しそうですからその前に採卵しときましょう。
あさって?育った卵を採卵してその日のうちに繁郎さんの精子と受精させるんですって。
いよいよね。
繁郎。
あなたにも頑張ってもらわなくっちゃ。
あっ。
ほら。
これ私の分も召し上がれ。
どうかしたのかしら?あなた?・入ってくるな!もう嫌なんだよ。
聞きたくないんだ。
食卓で精子だ受精卵だなんて会話は。
・何でそう現実的なんだ女ってのは。
もう耐えられない。
こんなことまでして子供なんか欲しくない!ひどい。
ここまできてそんなこと言うなんて。
繁郎さん。
2014/04/03(木) 13:30〜14:00
関西テレビ1
聖母・聖美物語 #04[字][デ]【出演:東風万智子 原田龍二】
玉の輿の結婚。しかし結婚式に舞い込んだ母の訃報、早急に後継ぎの妊娠を迫る姑、生き別れた妹の出現など、聖美(東風万智子)の運命を暗示するかのような出来事が次々と…
詳細情報
番組内容
聖美(東風万智子)は愛美(三輪ひとみ)を訪ね、長きにわたり音信不通だったことを詫びる。母の佳代子(山本みどり)が、最後まで聖美だけを大切にしていたと思っている愛美は、姉を拒絶するも、聖美に抱き締められ、そのぬくもりに安らぎを感じるのだった。
家に戻った聖美を波津子(丘みつ子)が待ち構えていた。
番組内容2
いつの間にか、聖美が産婦人科で受けた診断の結果を入手していた波津子は、聖美と繁郎(原田龍二)を呼びつけ、聖美にいますぐに離婚するよう迫る。聖美の体は妊娠しにくいことが判明したのだ。
窮地に立たされた聖美に繁郎は、絶対に別れないと言うが、聖美は柳沢家の跡取りを産み、この家で何不自由ない生活を続けることを切望していた。
番組内容3
そんな聖美に繁郎の異母兄弟で産婦人科の弘明(金子昇)が、妊娠を手助けすると言ってくる。
出演者
柳沢聖美:東風万智子
森尾愛美:三輪ひとみ
柳沢繁郎:原田龍二
柳沢弘明:金子昇
柳沢波津子:丘みつ子
星川真輔:風間トオル ほか
スタッフ
企画:横田誠(東海テレビ)
原作・脚本:いずみ玲
演出:西本淳一(東海テレビ)
プロデュース:西本淳一(東海テレビ)
中頭千廣(TSP)
神戸將光(TSP)
齋藤頼照(TSP)
音楽:辻陽
主題歌:「炎の花」ハルカ ハミングバード(ユニバーサル ミュージック)
制作著作:TSP
制作:東海テレビ
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ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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