くらし☆解説「年金保険料納付 65歳まで?」 2014.04.03

生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
きょうは年金のお話です。
政府は国民年金の保険料を納める期間を5年間延長して65歳までとする方向で検討を始めることになりました。
担当は藤野優子解説委員です。
年金制度が、また変わるかもしれないということですか?藤野⇒そういうことですね。
ことしは5年に一度の年金の財政状況を点検する年です。
その結果を踏まえて年金制度見直しを議論していこうということになっています。
検討課題はいくつかあるんですがきょうは、2つを取り上げます。
消費税率を引き上げて社会保障に充てると言っていたのにまた負担が増える話が検討されるんですね。
本当に負担増の話ばかりが続きます。
政府は国民年金の保険料を納める期間を延長するということを検討を急ぎたい考えです。
こちらから見ていきましょう。
今、国民年金の保険料の支払いがどうなっているかといいますと原則、20歳から60歳まで納めることになっています。
これを段階的に65歳になるまで5年間、延長してはどうかという案が出ています。
なぜこうした見直し案が検討されているんでしょうか?いちばんの理由は国民年金の受け取り額を増やそうというねらいがあります。
なぜかといいますと国民年金だけを受け取っている人の今の平均の受け取り額は、ひとつき、およそ5万円で少ないんです。
それで生活保護を受けている人も中には、いらっしゃいます。
それで来年4月以降は、もっと年金全体が厳しくなるということがあるんです。
今よりもですか?そうなんです。
あと3年で年金の保険料というのは上がらなくなるので。
納める、ですね。
そうです、若い人たちの納める保険料が上がらなくなります。
そうすると年金に入ってくる収入も多く見込めなくなって財政が厳しくなります。
年金を全体の来年の4月から抑えていこうというのが政府の方針です。
そうしますと、さらに国民年金のほうは受け取り額が厳しくなっていくということになりますのでそれで、より保険料を長く納めてもらうことにして受け取り額を増やしてはどうかという今回の案が出てきました。
もう1つ理由があります。
60歳を過ぎても働く人たちが増えてきたということがあります。
今、60歳代の前半で働いている人の割合というのは6割ぐらいなんです。
今後も、これがさらに増えていくだろうとみられていて年を取っても働く人たちの増加に合わせて年金制度も変えていこうという話が出ているんです。
ただ5年も納める期間を延ばすとそれだけ負担も大きくなるということですよね。
そうですね。
今、国民年金の保険料はひとつき1万5000円余りです。
2017年度にかけて、少しずつ上がることになっています。
5年間で計算すると、およそ90万円を超える負担を新たに払うことになり、かなりの負担ですね。
それを納めたとしてもちゃんと多く受け取れるようになるんでしょうか。
そういうふうに思われる方が多いでしょうね。
基本的に年金は払った保険料が増えればそれだけ受け取り額も増えます。
正確な試算はまだ出ていませんが5年間しっかり納めたと仮定しますとひとつき8000円程度年金額は増えるということになります。
大体10年ぐらい受け取ると払った額よりもちょっと増える。
単純計算をすると、そうなります。
国民年金のことだけですか?この見直し、具体的な制度の中身はこれから議論されます。
例えば、厚生年金の場合はそれまで働いていた企業に60歳を過ぎても勤め続ける場合はすでに70歳まで保険料を納めることになっているので今回見直されたとしても新たな負担が発生するということはありません。
疑問に思うのはそもそもみんなが65歳になるまで働けるようになるのかということともし働けたとしても、若いころと比べると収入が減るというケースも考えられますよね。
そこが非常に気になるところです。
特に国民年金の場合は、この図をご覧ください。
昔は自営業の人が多かったんですが、今は4割が無職、3割は非正規で働く人たちです。
こうした人たちは収入が少なくて保険料を納められないという人も多くてそういう厳しい状況の中で今だって60歳を過ぎて働く場を見つけるのは大変なことです。
これから先こうした人たちの60歳を過ぎたあとの雇用を確保しないと保険料を払う期間を延ばしていってもよけいに負担が増えていくだけということになりますよね。
保険料を免除される仕組みもありますがそれをやったとしても、きちんと払った人に比べると年金額は半分しかありません。
そうしますと年金額を増やそうという見直しを検討するわけですが、その効果がどれくらい出るのかというのは分からないです。
そういうことを考えますと仮に見直しをやったとしても一律に強制で納めることにするのかそれとも、選べるような選択制にするのかということは大きな論点になってくると思います。
私は選択制にしたほうが望ましいと思います。
さらにもう1つ、年金を受け取る年齢を遅らせるという話もあるということでしたね。
本当に制度がころころ変わるのは困ったことなんですがこちらは国民年金だけではなく厚生年金にもかかわってくる問題なんです。
今は年金の受け取り開始年齢、国民年金は65歳です。
厚生年金は段階的に65歳まで引き上げられている最中です。
これを2030年以降、67歳から68歳に遅らせてはどうかという案も検討されているんです。
今40代ぐらいの方から関わってきますね。
どうしてそういう検討をするんでしょうか。
これは平均寿命が延びて年金を受け取る期間が以前に比べて長くなってきたということが理由なんです。
今の年金制度の骨格ができた25年前と比べると男性の平均寿命が3年女性は5年ぐらい延びています。
この先も伸びていくだろうと推計されています。
海外でも平均寿命の延びに合わせて67歳68歳まで受け取り開始の年齢を上げるという動きが出ています。
日本でもそうしたことを視野に入れて検討していこうということになったわけです。
65歳までも働くのも大変なのにここからまた67歳までどうやって生活していけばいいんでしょうか。
本当に難しい問題です。
サラリーマンについては去年から65歳までそれまで勤めていた企業や会社で継続して働けるようになる見直しが段階的に始まっていますがまだ時間がかかります。
その先、67歳、68歳までどうやって働く場を確保していくのか非常に難しい問題だと思います。
それに60歳を過ぎますと体力も個人差が大きくなってきますよね。
必ずしも働き続けられるとはかぎらないわけです。
やはり保険料をいつまで納めるのかということも受け取り開始を何歳からにするのかということもやっぱり個人の働き方や希望に応じて、選べる制度に変えていく必要があると思います。
いつごろ結論が出るんですか?ことしの6月に、制度を見直した場合の試算が公表されます。
そこから具体的な議論が始まります。
保険料を納める期間の延長をについては早ければ来年の通常国会、年明けの国会に関連の法案が出てくる可能性があります。
働き方も対応になっています。
高齢期になっても働く人が増えています。
年金制度をどのように変えていくのか今後の議論を注目していきたいと思います。
藤野優子解説委員でした。
2014/04/03(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「年金保険料納付 65歳まで?」[字]

NHK解説委員…藤野優子,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…藤野優子,【司会】岩渕梢

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