オイコノミア「そのデータ、どう読み解きますか?」(前編) 2014.04.02

(そろばんをはじく音)又吉さん今日はどうしたんですか?今日は計算とかがあると聞いたので。
(柱時計の時報)実を言うと実験もあるんですよ。
3年目になると番組も変わるんですかね。
というわけで番組はめでたく3年目に突入〜!そこで緊急調査。
はい大好きです。
ないです。
見てます。
知らない。
ないです。
たまに見ます。
知ってる?知らないです。
あっ見てます。
もちろんあります。
いつも見てます。
はい見ます。
毎週見てます。
ないです。
はいあります。
はい。
ある。
めっちゃ好きです。
なんと78%の人が「『オイコノミア』を見ている。
または見たことがある」という驚異的なデータ!えっ!?本当ですか?
(テーマ音楽)先生よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
あのう経済学を2年間勉強してきたわけですがいろんな理論というのを勉強してきましたよね。
その中で「この理論ってホントなのかな?」って思うことってなかったですか?ああまだ結果が出てないものも多いですもんね。
そうですよね。
例えばなんですが消費税上がりましたよね。
はい。
消費税が上がると人々が消費を減らしてしまうから景気が悪くなるというふうに言う人もいるしその一方で税金が増えると財政が安定して景気がよくなるっていうことを言う人もいるわけですよね。
正反対の主張というのがそうですね。
あるんですよね。
それでどっちが本当なのかっていうのはやっぱり関心ありますよね。
ありますね。
実験ができるといいんですよね。
はい。
消費税を上げてみたときにどういうふうに経済が反応するのか?消費税をできれば下げてみたときにどういうふうに経済が反応するのかとか。
これ何回も繰り返して実験すれば本当のところというのはだんだん見えてくるかもしれないですよね。
だからなんかあのう選挙のときとかもよくそれぞれが公約で掲げてることって全然違ったりするじゃないですか。
あれもどれぐらいの成果が出るかが最初からわかってたらいいですがわからないから迷うところですし。
どちらかを選んでも本当にこれで正しかったのかなとみんなが思うことありますよね。
そうですよね。
ですからなんかどちらの側の人が言ってる事も正しく聞こえるっていう。
そういう感じしますよね。
はい。
経済学では例えば消費税がこの前上がったのは1997年で3%から5%に上がったんですけれどもその時に経済がどんなふうに反応したのかっていう過去のデータを見ながらどういう理論が正しいのかっていう事を検証するってことをやるんですね。
なるほど。
ただ97年を境にいろんなことが変わってますから消費税が上がったあとに景気が悪くなったとしても他の事が悪くなったのかもしれないということもあるのでどうしても経済の……という作業が必要になるんですね。
なるほど。
その中でどうしても統計学というものが道具として必要になってくるんですよね。
なるほど。
世界にはさまざまな現象を物語るデータがあふれています。
これらから規則性を見いだし解釈を加えて人間にとって意味のある情報に変えていく学問。
それが統計学です。
学校の成績や進学また物価や貯蓄などを表す数値にも統計学は欠かせません。
だから案外身近な存在だったりもするんです。
テレビ番組の視聴率も統計学なしでは語れません。
今日は何%かな?統計学をいろんな事に生かされてるんですね。
そうですね。
はい。
数字っていうのを見てみないとなかなかわからない。
客観的に身の回りのことでもわからない事ってあるんですよね。
だから数字というのはかなり説得力があるっていうところはありますよね。
そうですね。
統計学最大の強みそれは……できること。
例えば賃金の実態を知ることができる「賃金構造基本統計調査」。
「労働力調査」からは失業率などがわかります。
データの数は案外少ないけどそれでわかるのかしら?インドにこんな寓話がありましたよね。
真っ暗な部屋に4人男が入れられます。
部屋の中にはゾウ。
しかし男たちはゾウがどんなものかを知りません。
足に触れた者は「柱のようだ」と思い尾っぽに触れた者は「ゾウとはロープのようなものだ」と思い耳に触れた者は「うちわみたいなものかな」と思い鼻に触れた者は「木の枝のようだ」と思ったそうです。
部分から全体を推し量るのは難しい。
でも統計学ではできるんです。
「本当!?」というあなたのために実験に挑戦!使うのは…これを全部水槽に入れます。
このうち青いボールの数はいくつなのか?20個だけ取り出してその中に含まれる青いボールの数から1,000個のうち青いボールが何個かを推計してみようという実験です。
これが部分から全体を知ろうという実験装置です。
はい。
又吉さんこれ20個玉を選んでこちらのトレーの方に出して頂けますか。
わかりました。
(時計の秒針の音)トレーの中の青いボールは1個だけ。
ということは水槽の中は?え〜1,000個の中だと50個ですね。
実験では水槽の中の…50個で本当にいいですか?でも…そうですよね。
実験を。
他の20個を引いたらどういう結果になるかまたわかんないですよね。
今度は青が3つ入ってたり4つ入ってたりするかもしれないですね。
そうですよね。
ただ世論調査とかやったときの現実っていうのは又吉さんが今1回引いてくださいましたよね20個。
この1回がその世論調査の結果なんですよね。
う〜ん。
そう。
同じ時同じテーマの世論調査は一度しかできません。
テレビの視聴率に至っては繰り返して計り直すことは不可能です。
1回しかできないということは信用度としてはどうなんですかね?ええ。
それを調べるため今度は又吉さんの行った実験を100回繰り返してみました。
結果はやはり「1」になるのか。
それとも?他の答えが出るのでしょうか?結果はこちら。
又吉さんと同じ1個が最も多くて36回。
2個や3個も多めに出ています。
一方で7個なんていうデータも出ました。
実を言うとえ〜正解はですね10%の…あのう100個青い玉というのが正解なんですよね。
なんと…50個ではなかったのです。
ということはこの実験では正しい玉の数は青い玉の数はわからなかったという事ですよね。
そうですね。
「オイコノミア」記念すべき新シーズン初っぱなの…で又吉さんの引いたのは1個だったから50個っていう話になってましたよね。
正しい値が推定できたのはこの2個のケースですよね。
はい。
だけれどもその数字自体が答えだっていうふうには統計学では考えないんですよね。
はい。
誤差があるんで。
そういう答えの出し方をするんですよね。
はいはい。
この場合…この違いが誤差なのです。
部分から全体を推計する統計学では必ず誤差が出ることを想定します。
そのうこの誤差の範囲を付けてここからここまでの間に入ってますよと。
はい。
で今100回実験を繰り返したわけですけど95%の確率で本当の値が入ってますよというこの誤差を伴った区間のことを「95%信頼区間」というふうに言うんですよね。
はい。
この範囲の中に本当の値が95%の確率で入っています。
それでその誤差の大きさがどんな形になるかっていう事を理論的に計算することができるんですよね。
あっそれも統計学でわかっちゃうんですか。
わかっちゃうんですね。
へぇ〜!なんと…じゃじゃ〜ん!これが今申し上げた誤差の範囲というのがどれぐらいあるかっていうのを計算するときに使う式なんですね。
これは複雑ですね。
ですよね。
見たことない数式ですけど。
はい。
なんか平方根とか入ってたりとかちょっと複雑なんですけどこれ実を言うとよく見てみるとですねそんなにややこしくもないんですよね。
本当ですか?はい。
先生ごめんなさい。
とにかくこの式を使うと今日の実験誤差の範囲はプラスマイナス13%と出せるんです。
ここから…水槽の青いボールの数は……の間。
幅がありますねぇ。
もっと正確にこの水槽の中の青玉の数を知ろうと思ったらどうしたらいいと思います?う〜んあっ。
玉の数を増やすと。
引き上げる。
そうですよね。
はい。
というわけで……開始!今度は取り出す数を20個から100個に増やします。
できるかな?できるかな?できるかな?できるかな?でき・るか・な?な?な〜っ!?結果はこちら!気になる誤差の範囲はプラスマイナス5.9%。
今度は青いボールの数は……の間ということになります。
20個取り出した時と100個の時を比べると誤差の範囲が小さくなります。
でも先生調査は1回しかできないんですよね。
はい。
例えば1回したときにこの表であるように「7」というのが出たりしたらこれがもう調査結果になっちゃうわけですもんね。
そうなんですよね。
又吉さんのおっしゃるとおり。
たった一度の実験から推計される全体像には限界があります。
本当の値が誤差の範囲に収まらない可能性も残っているのです。
だからこの中に答えが入ってるといってもそれさえも95%って事ですよね。
そのとおりですね。
じゃあ100回中5回は正しい範囲内を出せてないということですよね。
おしゃるとおりですね。
かなりもう全てを信用はできないという事ですかね。
そうなんです。
ですからやっぱり全体の姿を正確に知ろうと思うと全部調べるしかないんですね。
やっぱり。
なるほど。
なんですけど全部調べると費用もかかってしまうと。
はい。
なのでやっぱり妥協なんですよね。
不正確になってしまう部分があるけれども調査対象が少なくて済むから費用は節約できると。
なるほど。
だから少しここは経済学っぽいところありますよね。
う〜ん。
「トレードオフ」っていうやつで正確さを得ようと思うとその分お金もかかってしまうと。
お金を節約しようと思うと正確さが犠牲になってしまう。
う〜ん。
なんかたまに雑誌とかで好きな…アイドルとか好きなスポーツ選手とかやってたりするじゃないですか。
ああいうのでランキング付けてて1位が12票とかのとき結構ありますよね。
ありますね。
もうああいうのって全然信用できないって事ですかね。
1位が12票2位が10票とかぐらいのレベルだと。
ええ。
あのうですから統計の数字を見るときって又吉さんおっしゃったように……っていうのもやっぱり知らなきゃいけないですよね。
どれぐらい信頼していいのかっていうのを知るために。
あんまりその対象例えばアンケートに答えた人たちの人数が少ない場合っていうのはそこまで信用しないほうがいいんですね。
そうですね。
例えば12人と10人っていう。
1位が12人で2位が10人だったとしますよね。
はい。
このとき本当の順位は入れ替わってる可能性もあるってことですよね。
全然あるでしょうね。
なるほど。
なんかでも結構そういう…もうランキングでそう出てたらその人が1位なんやと思ってみんな結構それに引っ張られるときありますよね。
そうなんですよね。
それがやっぱりちょっと怖いところでやっぱり統計の数字っていうのは誤差が付いてるんだというのを注意しながら数字を見ることが必要ですよね。
はい。
ところで番組冒頭の調査覚えています?データを見るとき他にも注意が必要です。
いつも見てます。
はい見ます。
毎週見てます。
めっちゃ好きです。
はい大好きです。
実はこの調査を行ったのは又吉さんのライブ会場!答えてくれた人はほとんどが又吉さんのファンでした。
調査する対象が偏っていると本当に知りたいことを調べることができないのです。
これが今日のオープニングの意味だったんですね。
そうですね。
あのう場所と聞く人を選ばないと本来の結果が出ないという。
そうですね。
例えば僕たちが出ていたお笑いライブとかでも見に来たお客さんの投票によって芸人のネタに順位が付けられていっぱい票が集まった人はさらに上のカテゴリーに行けたり少なかった人は下のカテゴリーに落とされたりという事があって。
その話で面白いなと思うのはおそらく事務所の方はそのう芸人さんがテレビに出たときにどれぐらい全国で人気が出るかとかそういうのを知りたいんだと思うんですよね。
はい。
なんですけれども劇場に来ている人からそのことを知ろうとするわけですよね。
そうすると必ずしも劇場にいらっしゃってるお客さんというのは全国のお笑いファンを代表している人たちだとは限らないと思うんですよ。
熱烈なファンですごくマニアックな基準でお笑いとかを見てるかもしれませんよね。
そうするとですね劇場で評価される人っていうのとテレビに出て全国で評価される人っていうのが違ってくる可能性っていうのもあるんですよね。
はいはい。
もしも普通の多くの人を対象にしたときにウケるネタとか知りたいと思ったらその劇場の中にこう…日本人全体と同じような割合の年齢層の人とかその男性と女性の割合とかそういうのをこう選んでその人たちに…日本全体を代表するような人たちに劇場に来てもらってどんな笑いがウケるのかを調査しないとちょっとずれちゃいますよね。
わからなくなるんですよね。
わからなくなりますよね。
はい。
統計学のお話をいろいろ聞いていろいろ雑誌とか新聞とかでそういう統計って出てますよね。
はい。
あのうまあ僕もそのなんでしょう?そういう対象の人数が少ないときは「かなり怪しいな。
ホントかな?」と思ってたんですけどその規模がすごい大きくても完全ではないっていう事ですよね。
そうですね。
だけど全くの無駄ではなくすごく有効な情報を得られる時もあると。
そうですね。
いうことですよね。
まあ完璧ではないけれどもかなり役に立つ数字っていうことですかね。
ことですよね。
その辺のちょっと統計に対する見方が変わったというか。
はい勉強になりました。
よかったです。
2014/04/02(水) 23:25〜23:50
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「そのデータ、どう読み解きますか?」(前編)[字]

桜の開花予想、テレビの視聴率、平均給与など身の回りにある身近な「数字」。実はこれらに大きくかかわっているのが統計学だ。いったいどう使われているのだろうか?

詳細情報
番組内容
番組で緊急アンケートを実施。都内某所で「あなたはオイコノミアを見たことがありますか?」と尋ねると、8割近い人々が見たことあると回答。この数字、あなたはどう考える? 統計学には、ある一部分のデータから全体像を把握できる、という利点がある。世論調査や視聴率など、現実的に国民全員に調査ができない場合、特に役立つ。しかし気をつけなければならない落とし穴も潜んでいるというが…。
出演者
【出演】又吉直樹,【解説】一橋大学教授…川口大司,【語り】朴ろ美

ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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