「決して正解に向かわない料理番組」「料理の大喜利」として日本中が注目する大胆企画「妄想ニホン料理」。
これまで世界15の国や地域で90品もの妄想料理が誕生しました。
今シーズンの最後にあたりその中のベスト1を決定しちゃおうというのが本日の企画。
作品をノミネートするのはスタジオで活躍した料理のプロ4人。
料理の情熱とプライドにかけて飛びっ切りの4皿を選び出しました。
さあ2013年度のベスト「妄想ニホン料理」はどげなもんでしょな。
(林)私が選んだベスト妄想料理は技術とプライドをものすごく感じたこの料理です。
どうぞ。
美食の都パリ。
パリといえばバゲット…フランスパン。
食事時になるとパリっ子たちは我先にとおいしいバゲットを求めて町に繰り出すのであります。
そんなパリっ子たちの間で話題になっているパン屋さんが重厚なアパルトマンが建ち並ぶ16区にあるというので訪ねました。
MOF…日本でいえば人間国宝のすご腕パン職人。
この方です。
パン職人としての技術が評価されラロスさんがMOFの称号を得たのは26歳の時。
当時史上最年少。
天才と呼ばれています。
お店はラロスさんのパンを求める人でいつも大にぎわい。
ラロスさんのスペシャリテはどっしり系のパン。
しっかりと焼き上げられたパンからは何ともいえない小麦のいい香りが漂ってきます。
しかし作ってもらうのはフランスパンではない。
日本生まれの菓子パン「メロンパン」。
では妄想シルブプレ。
「今までにないパンを作ろう」というわけでまずはパンの型探しです。
どうやら半球ではなく球に挑戦するようです。
上下の接着が難しいかもしれません。
不可能を可能にするラロスさん。
まずは「メロンパン」の生地作り。
グラム単位で調整してなんと水の代わりにオレンジジュースをドバッと1。
そこに卵と生クリームを投入。
オレンジジュースを使ったのは風味のためだけではありません。
色でメロンの果肉を表現するのであります。
細かく計量した素材をミキサーに。
最初はゆっくり徐々にスピードをあげペタペタと音がしたら力士の土俵入りのように小麦粉をミキサーにふりかける。
メロン生地お披露目の儀式です。
まるで深海から水揚げされた生き物のようにうごめいていてモッチリです。
パン生地に挨拶したら今度はキャラメル。
そしてレモンピールの登場です。
キャラメルとレモンピールを練り込んで口の中でくっつくようにします。
これが「メロンパン」の内側果肉の部分。
外側の生地には抹茶を投入。
生地をのばすのもMOFは違います。
わざと細かいシワが出来るようにしているんです。
シワがメロンの皮のようになっています。
2つの生地が出来たらミルトン君が型に入れていきます。
しかし球形の「メロンパン」には難題が待っていました。
パン生地は発酵が進むと膨らんでいきます。
型の隙間から生地が飛び出さないよう適度な重さで押さえる必要があるのです。
ミルトン君の意見も聞きながら微妙に調整していきます。
今度は金属製の大きめの型。
大小2つの型にフランスの将来が託されました。
およそ15分じんわりと焼きます。
まずは小さな型の「メロンパン」。
残念!型からはみ出してしまいました。
人間国宝無念そう。
大きな型はどうでしょうか?おっとこれは!巨匠も満足げな様子。
ラロスさんが選んだのはもちろんこれ。
上下を水飴で接着したら堂々の完成です。
スーパーの果物売り場に置いてあったら間違って籠に入れちゃいそうな「メロンパン」。
フランスの人間国宝熟練の技がマスクメロンの繊細な模様を表面に作り出しました。
外の皮がサクッ。
中はモッチリ。
ほのかな抹茶の香りとオレンジが絶妙なハーモニーを奏でます。
いやもう私食べたいです。
今すぐ食べたいぐらいおいしそうでしたし日本に届かないかななんて期待しちゃいますね。
やっぱりMOFというお墨付きをフランスでもらってる方の発想を超えようという技術をそこに盛り込んで意気込みを感じましたね。
「MOF」という言葉って有名なんですか?著名人というか一生安泰というか国宝クラスですよね。
その人に駄目ですよポール・マッカートニーに似てるなんて言って。
すごい人なんですから。
ポール・マッカートニーも一応「Sir」の称号持ってますから。
イエーイ!いやいや…。
技術的に一番難しいのはどこになるんですかね?パンがね。
中身が出ちゃうとか。
こうしてた分って中に入れてるのってほんと少しだったじゃないですか。
それがきれいに膨れてあの形になってたからそのバランスと配合が決め手になると思うんです。
そこが難しい。
スペイン北部ナバラ王国の古都パンプローナ。
この町は牛追い祭で有名です。
闘牛がメインストリートを疾走。
町じゅうが熱狂の渦に包まれます。
訪ねたのはスペインの町に欠かせない…このバルは大人気。
その秘密は創作性あふれるおつまみピンチョス。
ウニにフォアグラ。
おいしそう!あっご主人こんにちは!はいこんにちは。
オーナーシェフの…妄想して頂くのはこちら。
「南蛮漬け」。
ヒントは?日本にもスペインにも海もあるし川もあるから…ヘススマリさんが足を止めたのは魚売り場?ショーケースの中は真っ白!一体これは?塩漬けのタラは16世紀の大航海時代船の中の保存食として食べられたんだとか。
なるほど。
これを一晩水につけて塩抜きすると生のようにプリップリに。
(ヘススマリ)塩漬けとは思えないでしょ。
たっぷりの…真空パックにするのは味をしみこみやすくするためだとか。
30分後取り出して細長く切り分けました。
程よく漬かった塩ダラのマリネ。
付け合わせも凝ってます。
トマトにゼラチンなどを加えて加熱ミキサーにかけます。
これを型に流して冷やし固める事2時間。
出来上がったのは目にも鮮やかなトマトゼリー。
盛りつけも凝ってます。
まずは細長くカットした塩ダラのマリネをお皿へ。
トマトゼリーも同じ形にしてタラと紅白に並べます。
更に蒸したモロッコいんげんをキャンプファイアのように組み上げました。
この個性的な盛りつけどこから思いついたんでしょう?組み上げたいんげんは日本のお寺の塔をイメージしたんだとか。
さすがピカソの国。
見た目はびっくりですが味付けはとっても繊細です。
日本料理って目でも楽しめるじゃないですか。
そういう日本料理に対する美みたいなものもちゃんと再現してくれてうれしかったです。
(おおつき)ほんとそう思いますよね。
日本っていう国の情報ってスペインにはそんなにないのにそれをね皿の上に載せた創造性というのかな。
「南蛮」というとこに引っ掛かってコロンブスがトマトを持ってきた。
それはきっと日本に行っただろうとかそういうところまで考えたこの料理というのはすごいなと思ったんですよね。
ハプスブルク帝国の栄華が残る音楽の都。
訪れたのはウィーン中心部おしゃれな人々が集うはやりのレストラン。
どうもこんにちは。
ようこそおいで下さいましたウィーンのレンク家のレストランへ。
こちらはレンク家のカール・レオ兄弟が切り盛りする自然派レストラン。
弟のレオさんはウィーンにおけるベジタリアン料理のパイオニアとして注目される若手シェフであ〜る。
しかし作ってもらうのはオーストリア料理ではない。
日本料理「がんもどき」。
与えられるのはごくごくシンプルな説明だけ。
う〜ん難しい。
弁当箱に入れて悲劇が起こる事も忘れちゃ駄目だよ。
一体なぜどうやって悲劇に終わるんだろう?さてレンク兄弟お弁当箱が悲劇的結末になる食材を探しにスーパーマーケットへ。
(レオ)あった。
ホースラディッシュ。
ホースラディッシュ西洋わさびを選びました。
いっぱいすりおろさなくちゃ。
料理開始。
まずはカール兄さんがホースラディッシュをすりおろします。
(カール)これで足りるかな?「弁当箱で悲劇的結末」というヒントから思いついたんだ。
子供がおいしそうだと思って食べたら辛くて泣いてしまうんだよ。
なるほど。
次に使うのはこちら。
最近注目の食材とうふ。
くん製にしてあります。
とうふもこうしてすりがねでおろすんだ。
随分変わった使い方をするんですね。
ソースにとろみをつけるのに使うんだ。
次にグリーンピースを牛乳とバターを煮詰めたベシャメルソースに入れそこにとうふを投入。
ハンドミキサーで混ぜていきます。
ソースはグリーンピースの緑色に。
さあ悲劇にしないといけないから思い切って辛みを入れちゃいますよ。
ホースラディッシュをたっぷり入れました。
一体どんな味になっているのでしょうか?悲劇になってますか?お兄さんがぜんやる気。
ホースラディッシュを勢いよくすります。
ホースラディッシュを更に加えて混ぜ合わせそこにオーストリア料理には欠かせないジャガイモをすって入れました。
よ〜く混ぜればソースの完成。
次にカール兄さんが取り出したのはなんと日本のそば。
このお店ではよく使うのだとか。
(カール)これがガチョウの代わり。
ガチョウの風味があるというそばをしょうゆごま油酢とマリネにします。
炒めた大根にオーストリアでしょうゆと同じくらい知られているというテリヤキソースをかけそばを投入。
一緒に炒めます。
ガチョウが好きな草をイメージしたソースの上にガチョウ風味のそばを載せれば…。
レンク兄弟が作ったそばの「がんもどき」。
そばをしょうゆとごま油でマリネし炒める事で香ばしさを強調。
ガチョウ独特の風味を表現しました。
ガチョウの餌をイメージした緑のソースは甘くホクホクとした食感。
ホースラディッシュの辛みがアクセントになっています。
兄弟で試食。
弟さんガチョウの味はしますか?これをベストにした理由というのは何なんですか?
(桝谷)これはもうめちゃくちゃだからですかね。
何で選んだんですかそんなね…。
これ一番面白かったんですよね考え方が。
林先生いかがでした?麺もメンズもイケてたと思いますよ。
ベトナム中部の古都フエ。
王朝時代の面影が今もあちこちに残っています。
この町にベトナムでは知らない人はいないという有名な料理人がいらっしゃいます。
お客様にお越し頂き光栄です。
フエの宮廷料理を研究し国内外のコンテストで数々の受賞をしてきた経歴の持ち主であ〜る。
では「冷やしたぬき」を妄想してもらいましょう。
「ヒヤシタヌキ」。
材料を探しに市場にやって来たハさん。
肉売り場で足が止まりました。
まさか…たぬき?何をお探しですか?ハさんたぬきの代わりに豚の前足を使う事に決めたようです。
市場で買いそろえたのがこちら。
エビに野菜に果物。
随分いろいろ買いましたね。
料理開始。
豚の前足は爪を落とし豚の皮を丁寧に剥いでいきます。
この皮も後で使うんですって。
豚足の中身の肉をみじん切りにしたものにハスの実タマネギしいたけニョクマムなどを入れよく混ぜ合わせます。
そこに春雨を入れ肉の脂でしんなりするまで寝かせます。
これを30分後剥いでおいた皮の中へ詰めひもで縛ります。
この形ひょっとして?お〜なるほど!豚の足をたぬきに見立てていたとは…。
…って事はこれはたぬきの顔?次にガックというフルーツで作った赤いソースを1時間ゆでた豚足たぬきに塗ります。
そしてオーブンへ投入。
ハさん懐中電灯チェックの下30分ほど焼き上げます。
それをなぜか客席にある冷蔵庫の中へ。
これはまさに「冷やしたぬき」。
次につけダレを作ります。
使うのはエビのむき身ではなく殻の部分のみ。
エビのむき身は別の料理に使うから殻と頭が副産物というわけ。
ん〜なるほど!2時間ほど煮込んだ濃厚なエビのだしをベースにつけダレを作ります。
お疲れ気味のハさん最後の盛りつけに入ります。
コムという緑の実と一緒に炊いたもち米の上に豚足たぬきを載せ飾りつけ。
一体どんな「冷やしたぬき」になるのでしょう?出ました!たぬきちゃん。
たぬきを森の守り神に見立てたという「冷やしたぬき」。
構想3時間制作10時間。
皿の上の小宇宙です。
麺ブンの波が洗う香草の森に立ちさえずるニンジンの鳥たちと対話するたぬき。
豚足たぬきはハスの実の香ばしさが際立ちエビ殻からとった酸味のあるソースが肉の味を引き立てます。
これぞベトナム宮廷の雅だポン!恐らく中華料理と中国の広東料理北京ダック…焼いたカモとかねそういう調理法をよく知ってる方なんですよね。
豚足をパリッと焼き上げてそれで彼女すごいのがフランス料理の作法も使ってるんですね。
どこですか?皮の中に詰め物詰めたんですよ。
あれテリーヌですよね。
あ〜!しかもベトナム料理香草とかいろいろハーブ使ったエビのソースあれはすばらしい。
だから世界の料理をミックスして一つの作品になったあの宮廷料理ですね。
この4品からどれをベスト1に選ぶのか?会議開始です。
まず妄想度が一番高いのを。
それはもう「がんもどき」じゃないですか。
でもたぬきっていうのは難しいよ。
「メロンパン」…パンですからね。
まだやさしい。
一番技術が高いっていうとどれになるんだろう?球体を作るっていうのはやっぱり難しいですよ。
一番日本を意識してくれたのはスペインのモダンアート「南蛮漬け」なのかなと。
でもベトナムのが一番何かこう…食べてみたい。
想像がちょっとつかない。
パン食べてみたいですよね。
ガブッといってみたいですよね。
そういう感じがするんですよね。
議論はもつれ込んで多数決です。
ハさんのベトナムがいいという方!はい分かりました。
ありがとうございます。
よろしいですね。
それではフランスの「メロンパン」だという方挙げて下さい。
はい分かりました。
ありがとうございます。
フランスのラロスさんおめでとうございます!栄えある第1回ベスト「妄想ニホン料理」認定書が番組のイラストを手がけるBoojilさんにより作成されます。
それでは早速イラストお願いします。
は〜い。
いつも下書きはしないんです。
眉毛が結構いい感じなんですよね。
眉毛がこう…。
ちょっと途中ですけれども見せてもらっていいですか?なんて早いんでしょう。
今はこんな感じです。
わ〜かわいい!かわいい!そして完成したイラストははるかパリへ。
ミルトン君も一緒に受け取ってくれました。
そしてそしてなんと!MOF認定書のお隣に飾ってくれたのです。
ラロスさんメルシーボクー!所変わってイタリア北部アスティ。
雪に覆われた丘の上のレストランに最近話題の新メニューがあるとか。
メニューを開けるとありました。
半年前撮影隊がこのレストランにお邪魔して「冷やしたぬき」を妄想してもらいました。
そして新たな料理が誕生したのです。
文化と文化が出会った時ワッハッハと笑う余裕があれば新たな料理が生まれます。
「妄想ニホン料理」これでひとまずお休み。
皆さん謝謝!グラツィエ!また会う日までミトミトアハー!
「LIFE!」2012年放送開始。
2014/04/01(火) 00:40〜01:10
NHK総合1・神戸
妄想ニホン料理[終]「ベストオブ妄想ニホン料理の巻」[字][再]
今シーズンの最終回は、これまで放送された世界15か国90品もの妄想料理の中から、発想・テクニックともに優れたベスト料理を選んじゃおうという企画!栄冠はどれに!?
詳細情報
番組内容
今シーズンの最終回は、これまで放送された世界15か国90品もの妄想料理の中から、発想・テクニックともに優れたベスト料理を選んじゃおうという締めくくり企画! これまでスタジオに参加してくれた料理のプロたちが、よりすぐりの4皿を選び出した。どれも妄想度やテクニック、味は折り紙つきの逸品。「人間国宝メロンパン」「宮廷料理冷やしたぬき」…。果たして、栄冠はどげなもんでしょな!?
出演者
【出演】吉村崇,ホラン千秋,桝谷周一郎,林幸子,おおつきちひろ,シャウ・ウェイ,【司会】清水ミチコ,栗原類
ジャンル :
バラエティ – 料理バラエティ
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
情報/ワイドショー – グルメ・料理
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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