NHKスペシャル 人体 ミクロの大冒険プロローグ「細胞のミラクルワールドへ」 2014.04.02

「人体ミクロの大冒険」。
ちょっと不思議な話から始めましょう。
アメリカ・アリゾナ州で出会ったある姉妹。
現在病院で検査技師をしている…そして事務員として働いている妹の…この姉妹がなぜ不思議なのか。
それは身長も体重も全く違う2人が実は…これは2人が8歳の時の写真です。
まさにうり二つでした。
しかし現在42歳の2人の姿は大きく違うものになりました。
全く同じ遺伝子を持って生まれた2人を時とともに大きく変貌させていったものの正体は何か。
それは細胞です。
その数およそ60兆個。
種類は200を超えてさまざま。
その集合体が私たちなのです。
人間にとって細胞とは何か。
人間は無数のいろんな細胞で作られている。
この森が無数のいろんな命で織り成されているように。
細胞はそれぞれが独立した命だ。
そしてその命は日々自ら何かを決断しながら生きている。
細胞を見ているとこんなすごいものはやっぱり…iPS細胞の発見を契機に今細胞の持つ力に大きな注目が集まっています。
最新の撮影技術によってその本当の姿も鮮やかに捉えられるようになってきました。
今回私たちは膨大なデータを基にリアルな細胞の世界を再現。
4回にわたってその驚くべき世界をご案内します。
人はどう生まれどう生きるのか…。
人は人をなぜ愛するのか…。
そこには私たちを生かそうとする細胞の姿がありました。
さあ早速似ていない双子が野田さんいましたけど。
僕の身近にねいます。
一卵性でね。
身長がこんなに違ってね。
だから今あれ見ててあいつらそのうちどんどん変わっていくのかなと。
山中さんやはり細胞が関係しているという事ですか?そうですね。
今の双子のあの例は私たちの体を作っている細胞。
…で細胞はよく人間の部品のように思われますが全然違うんだと。
もっとこうダイナミックで流動的でホントに細胞のすごさといいますかただの部品ではないと。
それで僕はだから細胞ってどのぐらい自由に自分でこう考えているというのは違うんだろうけれど。
例えばですね今の私たちとそれから1年前の野田さん1年前の首藤さん細胞だけ考えるともうほとんど入れ代わっています。
えっ?もう99%以上は違う1年前のお二人とは違う細胞です。
5年とか10年前になるとやっぱり明らかに顔とか変わる訳じゃないですか。
変わりますね。
そういう速度で変わるんじゃなくてもっと早く変わるんですか?一番早いものは1日2日という単位でどんどんどんどん入れ代わっています。
だからこそああやっていろんな環境とかが変わると全然違う容姿も身長もなったんじゃないかなと。
まさに意思を持って自分のやりたいようにやれたりもする?そんなふうに感じる時も多いです。
野田さん細胞を感じる事あります?日常で。
そういうふうにしては生きてないです。
生きてないですよね?僕は毎朝布団に髪の毛が落ちてたりするとまた大事な細胞が無くなったといつも細胞を感じて。
野田さん突然なんですけど細胞のイメージちょっと絵に描いて頂けますか?イメージってやっぱりあれじゃないですか?細胞というと?何かやっぱゾウリムシ的なこんなようなのが一般じゃないですか?ちょっと見せて頂いて…。
違うかな?野田さんの細胞のイメージ!いや何かゾウリでというような…本当は丸いんですかね?どうなんですか?形はもうホントに千差万別。
できたらですねここに核を描いて頂いて。
ここに遺伝子といいますか設計図が全部入っています。
こんな形のってあります?山中さん。
探せばあるかもしれませんね。
探さないとないんですか?是非探して下さい。
気になりますね。
山中さんの言う細胞の核とは何か。
大阪大学の山縣博士が世界最高レベルで撮影した細胞。
その中にくっきりと映し出されていました。
分裂する受精卵の中に注目して下さい。
オレンジ色に染められたのが核。
この中に人の設計図となる遺伝子が入っています。
細胞が分裂する度一つ一つの細胞に同じ遺伝子が複製されていきます。
それが幾度も繰り返され最終的に60兆個の同じ遺伝子を持つ細胞が生まれるのです。
その細胞たちの目的は命をつなぐ事。
そのために細胞は旅までする。
細胞の旅。
その旅人を紹介しましょう。
これは受精する直前の卵子の姿です。
網目状の表面は卵の殻のようなもの。
この卵子旅の出発前は違う姿をしています。
卵胞細胞という別の細胞によって覆われているのです。
この一粒一粒が卵胞細胞。
私たちの誕生に欠かせないいわば第3の細胞です。
早速体の中に入って卵子の旅を見ていきましょう。
始まりは母親の子宮。
そのすぐ近くの卵巣です。
中をのぞいてみるとおびただしい数の何かが…。
卵胞細胞に守られた卵子の種です。
その数およそ20万。
旅立ちの日をじっと待っています。
どうやらその日が来たようです。
十月十日の更に2週間ほど前。
変化を始めるのは卵子自身ではありません。
周りの卵胞細胞が突然分裂を繰り返し巨大化していきます。
ほかの卵子を押しのけ元の1,000倍にも膨れながら赤くなっていきます。
巨大化するのは卵巣から出るため。
卵巣には出口がありません。
そのため壁をいちいち突き破らなくてはならないのです。
外では卵管采という子宮への入り口がヒダを伸ばして卵子を待っています。
壁を押し割る事がこの細胞たちの役割。
そして…一部が外に出ると守っていた卵子をそっと送り出します。
これが排卵です。
第3の細胞のおかげでこの先も旅を続けられます。
卵子は卵管采に入り子宮を目指して移動を続けます。
この時卵管の表面にある絨毛が卵子を優しく送り出します。
役目を終えた卵胞細胞が徐々に剥がれ卵子の表面が見えてきた頃…。
出会いの相手がやって来ました。
精子です。
精子は最も小さな細胞です。
主要部分の大きさは0.005mm。
卵子の20分の1です。
あっ1つが進入に成功。
吹き出したのはタンパク質。
ほかの精子の進入を防ぎます。
一番乗りした精子は更に奥へと進入します。
すると中から何かが現れました。
これが遺伝情報の全て入った核になっていきます。
やがてこの精子の核は卵子の核と出会い一つになります。
これは高解像度で撮影された受精卵の映像です。
真ん中にあるのは先ほど出会った卵子と精子の核。
それが…この瞬間合体しました!すると即座に細胞分裂が開始。
細胞の世界での誕生の瞬間です。
旅はまだ続きます。
受精卵はこの殻の中で分裂を繰り返しながら最終ゴールの子宮へと向かいます。
旅を始めて5日後。
子宮に到着。
最後の殻を脱ぎ捨てました。
着床です。
およそ100個の細胞に分裂しています。
最初はたった1種類だった細胞は十月十日後200種以上の細胞の固まり人になっていくのです。
どうでしたか?野田さん。
宇宙見てるみたいじゃないですか?宇宙見てるみたいでしたね。
一体どこで生命っていう物語が始まるのかなあと。
でもホントに壮大な旅をしているかのような映像だったかと思うんですけれども。
一応私も昔医者だった時もあってですね。
ああいう事は勉強はしてるんですがここまでリアルな映像というのは初めて見ました。
ホントですか?ちょっとびっくりしました。
実はですね何であんなにリアルなCGが出来るかというとですね本当の写真が撮れた事がきっかけであんなリアルなCGが描けたんですけれどVTRにも出てきましたけれどもここの黄色い所が卵子。
そしてギュ〜ッとここから出てくると。
押し出していると。
まさに私たちのスタートのような。
これは排卵の瞬間ですね。
これは女性が年に12回13回毎月。
そんなに私自身実感はないんですけど時々痛いかなとか。
何となく雰囲気だけありますけどね。
あれを見られたら次から感じるんじゃないですか?今私の中でこれがという。
卵巣の中には20万個の卵子が入っているんですがそれ以上増える事はないと。
細菌などが卵巣に入ってしまう可能性を少しでも抑えるためなのか出口がないと。
卵子がそこを突き破って出るためには卵胞細胞がもうしっかり卵子を守っていると。
だから女王様と取り巻きが一緒に行動していると。
一生懸命守ってくれてる。
女性の方が大がかりでお城のようにしてこうやって守っているけど男はわ〜ってね。
ちっちゃな兵隊がわ〜っとね。
まさに精子が。
あれってほとんど偶然…まあ恋愛もそうだろうけど選ぶっていうのは偶然なんですか?その1万個以上の精子からどれが選ばれるかっていうのは偶然のところもありますしやはり一番速度が速くて活動しているものがチャンスは高くなりますからそういう意味ではやはり選択。
できるだけいい子孫を残そうという選択が働いているのかなあと考えてしまうんですけれども。
細胞そのものが自分で考えているんですか?この細胞がとか。
細胞が意識しているかしてないかは分からないですがともかく判断できると思います。
もし細胞が自ら何かを考え判断するのなら…。
あの双子の姉妹の細胞は何を判断したのでしょうか。
同じ遺伝子を持つケリーさんとミッシーさんの姉妹の成長に大きな差が表れたのは12歳の頃。
ケリーさんの身長が全く伸びなくなったのです。
しかし体の不調を訴える事もなくごく自然に暮らしていました。
ホルモンとは細胞から出る物質です。
2人に何が起きたのか。
大阪大学では現在双子の研究が精力的に行われています。
ここツインリサーチセンターで研究を行う岩谷博士はケリーさんに起こった事をこう分析します。
これは恐らく…産まれた時もしくは小児期に起こった何らかの原因によって脳の下垂体にある内分泌細胞が影響を受けて成長ホルモンの分泌が悪くなる事によって起こります。
一般に一卵性双生児の方は遺伝子が同じなのでそっくりな方が多いんですけども産まれる前の胎児期や産まれた時そしてそれからあとに生じる環境因子の違いによってその細胞の機能が大きく変わったという例ではないかと思います。
一卵性双生児の姿を変えたのは遺伝子ではなく細胞だったのです。
よく何か「遺伝だから」とかよく使ったりするんですけれども変われるという事?変われますね。
細胞の力。
そうですね。
全ての細胞には設計図…遺伝子という設計図があるんですね。
設計図という台本。
30億字もある。
遺伝子が台本という事ですか?遺伝子が台本です。
30億字もあるものすごい台本なんですが。
せっかく舞台に例えて下さったので聞きますが細胞はじゃあ遺伝子が台本だとしたら細胞は役者にあたるんですか?役者だと思います。
基本的にですね遺伝子…舞台でいうと台本。
そこに全て書かれているんですね。
最初から書かれている。
それぞれの役の人がどこを読みなさいと。
どこがあなたの役ですと。
そういう何と言いますかしおりといいますかそういう機能が体の中に備わっています。
でもこれも恐らく舞台と一緒だと思うんですが皆さん役者さんが台本を持っているんですがそれをどう読むかとなってきたら同じ台本であっても人によってはやっぱり読み方が違うし台本に書かれている事と書かれていない事がありますよね。
だから台本だけ見てもその舞台は予想できないですよね。
まさにそれと同じ事が私たちの体で起こっていると。
という事は細胞は演じるっていうか非常にアクティブに…。
演じていますね。
細胞が演じる?演じています。
しかも役者さんもそうかもしれないけど一応台本があって一応監督の言う事を聞きますけども役者さんによったらそういうの無視して結構自分に…。
だから台本どおりやる人もいればちょっとおちゃめな細胞があるという事?細胞はまさにそうですね。
細胞自体が「何で俺こんな事やってんだろう」とかそういう事は考えないんですか?細胞さんたちが「僕は何でこんな…」。
え〜っとちょっとそれは聞いてみないと分からないですが。
あなたのために頑張ってくれる細胞。
例えば寝坊して階段を駆け上がるあなた。
足元を支えるのは筋肉を作る筋細胞や骨細胞。
急な動きに心臓がバクバクしても動き続けるのは心筋細胞が頑張っているから。
友達よりちょっとでもかわいく見られたいと思っているあなた。
スベスベなお肌は皮膚細胞が元気な証拠。
そして試験に備えて必死に勉強しているあなた。
本を何時間でも読んでいられるのは視細胞のおかげ。
目から入った情報が知識として蓄積されるのは脳の神経細胞の力です。
そして今日この瞬間もあなたが生きていられるのはある細胞のおかげ。
実はその細胞ある特技を持っているらしい…。
その細胞の実体を捉えたのが自治医科大学の西村博士です。
特殊な光を使った高解像度の顕微鏡をのぞいてみると…。
血管の中を膨大な黒い粒々が勢いよく流れています。
これは…赤血球も細胞の一種なのです。
実は人の体を作る60兆個の3分の120兆が赤血球。
最も多い細胞です。
赤血球の仕事は酸素を運ぶ事。
右側の動脈を通って全身に届けたあとはやがて左側の広い静脈を通って帰っていきます。
これは世界でも西村博士だけが撮影に成功した毛細血管の様子。
赤血球が1列に隊列を組んで進んでいるのがよく分かります。
では赤血球はどのようにして体全体に酸素を届けているのか。
その動きを解析したのが脈拍を基に血液の流れを研究してきた…その仕組みは私たちが日常で目にするものに似ていると言います。
それは…。
(チャイム)例えばこれで言いますと心臓から出た血液が太い動脈をみんなで一緒にド〜ッと行く訳ですよ。
この時はものすごく速く動いていく訳です。
まさしく飛行機とか新幹線に乗っているようなイメージですね。
そしてだんだん自分の目的に合わせて行き場所が変わってくる訳ですね。
それぞれのローカルな配送先に行くようなイメージで最後は郵便配達屋さんが各家に葉書を届けるように各赤血球がその近くの細胞に酸素を渡してというようなイメージですね。
ここで見て頂きたいのは赤血球の形の変化です。
広い血管の時は丸い形をしていますが毛細血管では真ん中がくびれています。
形を鮮やかに変える事が赤血球の特技なのです。
じゃあ野田さん。
その特技とは何か?突然ですが大きく呼吸をして下さい。
(深呼吸)気管支を通って…いざ肺へ!おっ?不思議な場所に飛び出しましたよ。
ここは肺の中。
風船のような一つ一つが…その数なんと5億個。
肺胞の表面に張り付いているのが毛細血管。
中を流れる赤血球は肺胞に届いた新鮮な酸素を受け取ります。
さあ血管の中はどうなっているのでしょうか。
まず向かうのは心臓です。
近づくにつれ心臓の拍動によって濁流のようになった血管の中を赤血球は進みます。
外に出てみましょう。
心臓が見えます。
心臓は赤血球を押し出す唯一の動力。
残り40兆個の細胞全てに酸素を届けるために動き続けます。
心臓に押し出され動脈を進む赤血球は…飛行機に乗っているかのようなスピード。
ところがしばらく進んで毛細血管に入ると…いきなり大きくスローダウン!そして赤血球が形を変えました。
なぜか?実は毛細血管の直径は5マイクロメートル。
それに対して赤血球は8マイクロメートル。
なんと赤血球の方が1.6倍も大きいのです!狭い筒の中を形を変えてまで無理やりに進む。
なぜ赤血球はこんなムチャをするのでしょうか。
そこにも大きな意味があるんです。
再び野田さん30秒以内でお答え下さい!何で窮屈にしてるか?無理強いさせると人間力出るじゃないですか。
だから。
グッと圧力をかけてワッと頑張る。
そういう感じ。
どうでしょう?おっほぼ正解ですね。
答えは…。
円盤形の形状をしているので狭いとこ入る時に変形しやすくてグニョッと変形して細長くなってス〜ッと抜けていく事ができるんですね。
そういう意味で言いますと毛細血管の狭い所で血管壁とこすりあわせるようにして酸素の供給をするというのは非常にそれに適した形になっていると思いますね。
酸素を受け渡すためにわざと窮屈な動きをする。
ふだん何気なく呼吸をしている私たちを支えているのはそんなこまやかな細胞の働きなのです。
賢いですね。
そうですね。
赤血球は大きな特徴がありましてほかのほぼ全ての細胞は台本である遺伝子をじっと大事に持っているんですね。
核という形で。
赤血球はその役者さんにとっては命のような台本をもうなくしてしまって酸素を届けるという事だけをすると。
究極のスペシャル細胞といいますか。
その赤血球の模型をご用意致しました。
こちら野田さん。
実際の2万倍の大きさ。
これがどうなるんでしたっけ?ギュ〜ッと。
いろんな形にギュ〜ッとなって。
ありがとうございます。
(笑い声)ありがとうございます。
私たち血も見るんで身近でもあるんですけど。
赤血球がこんな形になるのを選んだのは意志なんですかね?これはですね赤血球さんの意志というよりは進化の意志だと思います。
もう何十億年という進化の結果選び抜かれた究極の形ですので。
よりスペシャルになろうとしたという事でよろしいでしょうか?そうですね。
核がないという事はやがては力尽きて死ぬしかないというそういう過酷な運命を受け入れている細胞。
ですのでこれも僕にとっては非常にいとおしい。
マラソンの時には絶対必要な細胞ですので。
核も捨てて一生懸命酸素を運んでちょっとけなげじゃないですか?けなげですよね。
山中さん細胞はスペシャリストとおっしゃいましたけど特にスペシャリストだなと感じる細胞って?え〜っとこれはですねもうホント全部の細胞が超スペシャリストです。
例えば心臓の筋肉の細胞はもうホントにこう収縮して心臓の中から血液を送り出すと。
もうその仕事に特化した。
ほかはやらない。
そればっかりしますしそのペースを決めているペースメーカー細胞といわれる細胞もある事が分かっていますから。
体の中にはそういうけなげな細胞が多いです。
例えばこの指の…指は今は分かれていますが発生過程では最初この間の細胞も出来るんですね。
一旦出来てそこが死んでしまって間が作られるという事ですから。
その間の細胞っていうのはホントに死ぬためだけに生まれてきて…。
間を作るためだけにという事ですか?ですからホントにそういった超スペシャリストから私たちの体が出来ている。
ちなみにこちらもあるスペシャルな力を持った細胞です。
ロサンゼルスの高級住宅街ビバリーヒルズ。
この一角にあるクリニックではその細胞を使って女性の願望をかなえる施術を行っています。
やって来たのはあのセレブタレントパリス・ヒルトンさんの叔母にあたるジョアン・ヒルトンさん52歳。
ジョアンさんがこの日受けるのは近年アメリカ政府の認証を受けた皮膚の治療。
老化が進んだ目の周りやほうれい線のしわを取るのだといいます。
その細胞の名は線維芽細胞。
3か月前にジョアンさんから抽出され培養されていたものです。
これは生きた線維芽細胞を捉えた映像です。
水玉のような形をしているのが分裂しようとしている線維芽細胞。
今2つに分かれました。
こうした分裂を繰り返しながらコラーゲンヒアルロン酸エラスチンといった皮膚を若く保つ物質を出します。
一方こちらは…分裂する細胞が見当たりません。
当然コラーゲンなどの補給もありません。
ジョアンさんに注射されるのは培養によって増えたまだ分裂能力を保持した線維芽細胞。
線維芽細胞をほうれい線やしわが目立つ眉間などに直接注射していきます。
この注射を1か月置きに合計3回行います。
お化粧でちょっと分かりにくいですがくっきりしていたほうれい線のしわが目立たなくなりました。
そして目尻のしわも改善。
ご本人は満足しているとの事です。
線維芽細胞自らの生命力を利用したのです。
野田さん今から何か変えたい所とかあるんですか?変われるものならね。
どんどん変わりたいですけれど。
どんどん変わりたい。
あっ1つだけだそうです。
心ですかね。
心。
根性の悪さとかどうしようもないですよね。
それはですねやはり細胞の…。
でも脳なんですか?脳ですね。
心っていうのは非常にこれは難しいですね。
やはり心を変えるためには修行とかいろんな…。
そっちでしたか!修行!では明日以降3回にわたってお届けする「シリーズ人体ミクロの大冒険」の内容を。
第1回は私たちの成長の裏側で働く「細胞の力」がテーマ!野田さんも気になる人の心。
それと大きく関わる脳の細胞のお話です。
ある刺激を脳に与えると脳に潜む一つの細胞が妙な動きを始めるというのです。
何やら腕のようなものを伸ばして何かを巻きつけています。
やがて脳はこんな状態に。
一体何が起こったのか?これこそ人の成長を支える細胞の力。
細胞の力を引き出すその方法とは?そして胎児と母親の絆に秘められた謎。
へその緒の先に広がる驚くべき細胞の風景。
実はここで胎児の未来を左右する重要な選択が行われています。
妊娠中の母親のある習慣が子どもが将来太りやすくなるかどうかを決めてしまうというのです。
一体どういう事?そして第2回は人を変身させてしまう細胞の驚くべき力がテーマ!その計り知れない力を見たのはドミニカの村。
この女性子どもの頃はなんと男性だった!?そしてこちらの少年は…なんと少女だった!その秘密は脳の奥深く。
細胞が出すとある物質にあった。
しかもその物質はなんと人の感情をも支配している事が判明。
その正体とは一体?そして第3回は誰もが気になる「老化と死」がテーマ。
そこに大きく関わる細胞がいる。
ここはちょっと詳しく見てみます?長寿の島として知られるイタリア・サルデーニャ島。
そこで暮らす100歳以上の老人たちがなぜ元気なのか。
彼らを調査してきたサッサリ大学のディアーナ博士は長寿の要因として体中に潜むある細胞に注目しています。
ご存じですよね?これは肝臓内を動く免疫細胞の様子。
外敵が侵入していないかどうかパトロールしているのです。
外敵と戦う免疫細胞がなぜ老化と関わっているのか。
謎を解くヒントは何種類もの免疫細胞たちが活躍する現場にあります。
免疫細胞たちは血液に乗って全身を巡ります。
すると…自ら手を伸ばして異物を捕まえました。
そして別の免疫細胞にくっつきました。
相手はT細胞。
捕まえた異物が攻撃すべき対象かどうか判断する司令塔です。
病原体と判断したようです。
総攻撃の指令が下りました。
指令を受けたのはもう一つの免疫細胞…即座に病原体に攻撃を始めます。
T細胞が中心となって指令を出しほかの免疫細胞が攻撃に専念する。
この巧みなシステムによって私たちの健康が維持されているのです。
ところがこの司令塔ともいえるT細胞が実は老化に大きく関係している事が分かってきました。
思春期を過ぎると新しくT細胞がほぼ作られなくなるというのです。
その驚くべき理由が第3回で明らかに。
ホントにありとあらゆる細胞の集合体と。
そうですね。
今いろいろな研究が進んでいましてT細胞の中にもいろんな種類があると。
例えばヘルパーT細胞であるとかキラーT細胞であるとかそういう数え方をしていくとホントに200よりもっとたくさん。
超えますね。
はい種類があると思います。
好きな細胞ってあるんですか?ちなみに。
僕は自分の細胞は全部大好きなんですが一つですね挙げるとしたらやっぱり心臓の細胞ですね。
なぜかと言いますと心臓と神経だけは生まれた時の細胞がず〜っと残ってるんです。
それを思うとホントに…。
少しは入れ代わるんですか?いや基本的にはもうほぼ入れ代わらない。
心臓の細胞は生まれた時の細胞がそのまま頑張って今までず〜っとそれもず〜っと拍動してる訳ですしこれから死ぬまで拍動してくれる訳ですから。
ホントにこれは…。
僕マラソンとかするんですけれどももう20年前に初めて走ったマラソンの時も半年前に走ったマラソンの時も同じ心臓が頑張ってくれたと思うとホントにいとおしいよくやってると。
いとおしい。
本当思います。
神経もそうですね。
脳の神経も基本的に生まれた時の細胞が続いていますからいろんな学生時代のいろんな失恋してつらい思い出とかですね。
それが全部あの時の神経が残ってる。
残ってる。
はい。
それは一生のおつきあいになる細胞もある。
一生のお友達ですね。
だからこそ大切にしないと。
じゃあ過去の切ない思いとかも。
大事にしよう。
大事にする。
大事にしましょう。
最後は代えのきかない細胞の話。
でも諦めてはいけない。
人間と細胞のコラボレーションが始まっている。
今日本では細胞の力を使ったさまざまな形での再生医療が始まっています。
ここ大阪大学で行われているのは細胞を使った心臓病の治療。
用いられるのは細胞シートというものです。
この細胞シートはまず患者の脚の筋肉の細胞を採る事から始まります。
採取された細胞は培養されシート状になります。
この細胞シートを機能が低下した心臓の表面に貼っていきます。
すると何が起きるか。
なんとシートの細胞がもたらす効果によって心臓の機能が回復していくというのです。
脚の細胞で出来たシートがどうして心臓に効くのか。
それを可能にする細胞の力。
キーワードは細胞同士のコミュニケーション。
脚の細胞ってどこの?太もものとこですね。
はい。
脚の細胞が心臓の細胞に。
はい。
実際は人間の体にある時遠くにいる訳じゃないですか。
こことここはふだん出会わないじゃないですか脚とか。
ですから細胞と細胞というのはいろんな形でコミュニケーションをとります。
会話をしてるんですか?ある意味物質を介した会話ですね。
コミュニケーション会話って何だか細胞に当てはまらないような感じがしてたんですけれども…。
それは顕微鏡で見ていてもですね心臓の細胞をiPS細胞から作りますと拍動しだすんですね。
でもお互いにコミュニケーションがないとバラバラに拍動するはずなんですがそれがコミュニケーションをとりますから一枚のこの培養のお皿にある心臓の細胞は全部一緒のペースで拍動しだしますから。
肉眼でも見えます。
見える?はい。
それはやっぱりコミュニケーションをお互いにとってペースをとりながら力を合わせてというかはい。
これは明らかにコミュニケーションしていると思います。
今私たちも一生懸命やっているのは脚の筋肉でさえ効くんだからこれをiPS細胞から心臓の筋肉を作って同じようなシートを作って治療しようという事を今一生懸命計画を進めています。
それも何かゲスな質問ですけどどのくらいの時間で実現していくものなんですか?iPS細胞から作った心筋の治療も数年以内になんとか実際の臨床の場に持っていきたいと思っています。
振り返ってみてiPS細胞を発見した時はどんな感動があったんですか?いやホントびっくりしました。
いまだにですね不思議だなと…。
いまだに。
はい。
もともと皮膚だった細胞がiPS細胞を経て今度は心臓の細胞に変わったりする訳ですからちょっとやっぱりいまだにある場合は気持ち悪いようなそういう感覚に襲われる場合もあります。
それはやっぱりちょっと神様の領域に入ってるような…。
それに近い感覚を持つ。
やっぱり持ちますね今でも。
僕たちはいかに細胞を制御するか自由に操るかというのが僕たちの研究の一つのテーマですけれどもはっきり言って細胞の方がはるかに上手というか僕たちにはとても。
ごく一部を制御したつもりになっていますが向こうの方向こうというか細胞さんの方がはるかに大物で僕たちは何と言うか手のひらの上でちょっと遊ばさして頂いているというかそんなふうに細胞さんというか。
「細胞さん」。
はい。
今日山中さんがどれだけ細胞って言葉を使ったかなってさっき考えてた。
すごい。
毎日どのぐらい一日細胞って言葉を使ってますかね。
どうですかね。
寝言でも言ってると思いますから。
だから我々なんかは多分昨日とかおとといとか細胞って言葉使った事ないと思いますよ。
だから今日これだけ細胞って聞くと手とか見つめるようになるでしょうね。
明日からのNHKスペシャル「シリーズ人体」は3回に分けて見た事のない映像と衝撃の事実が次々と明らかになります。
そしてですね明日から番組MCは山中さんと野田さんにバトンタッチを致しますのでお願いしますね細胞の魅力。
大丈夫ですかね。
「NHKスペシャル」。
「人体ミクロの大冒険」。
この星が無数の命で出来ているように私たちも細胞という無数の命で出来ている。
一人であると同時に60兆個の存在なのだ。
やっぱりお前が連れて逃げたって事か…。
2014/04/02(水) 00:40〜01:30
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル 人体 ミクロの大冒険プロローグ「細胞のミラクルワールドへ」[字][再]

圧倒的な高品質CGで再現した人体世界をめぐりながら、私たちの命を育む仕組みを探るシリーズ。プロローグは代表的な細胞を紹介しながら、内なる細胞世界の素顔を伝える。

詳細情報
番組内容
私たちはどうつくられ、どのように生きる力を得ているのか。そのメカニズムの主役は細胞だ。このシリーズはバイオイメージングの最新映像をもとに、圧倒的な高品質CGで再現した人体世界をめぐりながら、私たちの命を育む仕組みを探る。200種類のうち、最大の細胞・最多の細胞など、代表的な細胞を紹介しながら、内なる細胞世界の驚きの素顔を伝える。iPS細胞の山中伸弥さんと演出家・野田秀樹さんの対談を絡めて進行する。
出演者
【出演】野田秀樹,ノーベル生理学・医学賞受賞、京都大学教授…山中伸弥,【司会】首藤奈知子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
バラエティ – トークバラエティ

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