特集ドラマ10 いつか陽(ひ)のあたる場所でスペシャル 2014.04.01

(芭子)
21歳の春私は大きな罪を犯して逮捕された
ごめんなさい…。
(裁判長)被告人がホストクラブに通う金欲しさに…。
判決は懲役7年。
出所した私を迎えてくれたのは…
(綾香)芭子ちゃ〜ん!
刑務所で知り合った綾さんだった
おつとめご苦労さまでした!
息子の朋樹くんを守るためDVを働く夫を殺した綾さんは5年の服役を経て出所していた。
私たちは谷中の町で息を潜めるように暮らした
(尚之)姉さんには小森谷の籍から抜けてほしいんだ。
(妙子)私はもうあなたを娘と思ってないわ。
重い過去と厳しい現実に苦しみながらも少しずつ前を向いて歩み始めた。
大切な人との出会い
岩瀬さんの夢の邪魔したくないです。
アメリカ行って下さい。
そして別れ
(岩瀬)それ持ってて。
また会える日まで。
(朋樹)おいしい。
これおばちゃんが作ったの?
最愛の息子との再会
また来てね。
バイバイ!バイバイ!もう一度あなたの母親になりたいの。
結び直された家族の絆
お母さん…。
けれど…
はいどうぞ食べて下さい。
いつもながらさ綾ちゃんの焼きたてパンは絶品だね!愛情いっぱい込めて作ってますから。
そうだよね!
季節が巡り日々の暮らしが穏やかになっても…
私たちは決して忘れる事はなかった
自分たちは罪を犯した人間だという事を
そこから逃れて幸せを求める事は許されないのだという事を
もしもし。
(岩瀬)芭子さん!久しぶり。
元気そうだね。
岩瀬さんも。
ただいま。
お帰りなさい。

(テーマ音楽)連絡して迷惑だったかな…。
迷惑だなんて。
岩瀬さんからもらったジャグリングのボールとかあっ…あとこれも大切に持ってます。
俺も。
芭子さんにもらったやつ。
懐かしい。
(高木)えっ見合いですか?自分そういうのはまだいいっすよ。
(大石)まあまあ会ってみるだけでもさ。
お前の写真見せたら先方なぜか乗り気でな。
「なぜか」って何っすか!いやいや…。
あれは手品師?アメリカから帰ってきたのか。
あの2人まだ続いてたんだ。
(大石)いよいよ結婚かな?見合いしよっかなぁ〜。
いやいやだからさ…。
実はさちょっと前に田舎のおやじが倒れてさ。
えっ?あっ大した事なくて狭心症の発作らしいんだけどもう退院したし。
ただ顔くらい見せとこうかなと思って。
それで帰国を。
それだけじゃないんだ。
えっ?芭子さんってさミカン好き?はい。
じゃミカン狩り行かない?今の時期甘夏が旬なんだ。
甘夏?うん。
今度の日曜とか空いてる?はい。
じゃ行こう。
よかった。
へぇ〜岩瀬さんの実家がミカン農園だったとはね。
ご家族に会うなんてどうしよう…。
それって結婚前提のおつきあいってやつだよね。
やったね芭子ちゃん!そんな浮かれた気分になれると思う?ここはもう開き直ってさ「はじめまして!前科一犯の小森谷芭子です」って明るく爽やかに自己紹介…。
綾さん。
…って訳にいかないよねさすがに。
そもそも私は岩瀬さんの負担になりたくないからお別れしたのに。
やっぱり断るべきだったかな。
何言ってんの。
行っといでよ。
えっ?岩瀬さんは芭子ちゃんの全てを受け止めた上で必要としてくれてんだよ。
私たち前持ちだけど…。
…っていうか前持ちだからこそ誰かが必要としてくれるなら勇気のひとつも出さなきゃって思うんだよね。
それはそうだけど…。
とか言って私も自分の事となるとね〜。
まだ返事出してないの?うん。
どう返事書けばいいのか分からなくて。
綾さんもう朋樹くんに会わないつもり?これ以上中途半端に会うべきじゃないとは思うの。
あの子は事件の事も覚えてないし母親は死んだって信じてる。
うん。
でも…いつか朋樹は真実を知るかもしれない。
そう考えるとねどうすればいいのか…。
私ね綾さんにも私にもいつかこういう日が来る事どっかで予感してた気がする。
こういう日?しまい込んでた宿題の答えを見つけなきゃいけない日。

(尚之)
「姉さんへ。
今度の土曜日母さんの家で俊の誕生日会をやります。
都合ついたら来て下さい」
・「ハッピーバースデートゥーユーハッピーバースデートゥーユー」・「ハッピーバースデーディア俊くん」・「ハッピーバースデートゥーユー」
(一同)おめでとう!
(香織)俊。
一緒に「フ〜」しようか。
せ〜の。
わぁ〜!お利口!早いわね〜もう1歳になるのね。
目元なんてどんどん尚之さんにそっくりになっていくんです。
(尚之)じゃ将来は相当なイケメンだな。
よく言うわよ。
香織さん。
ちょっと抱いてみてもいいですか?はい。
ねぇ〜だっこだって。
おいで〜。
うわ〜ほんとにかわいい!ねえちょっとは私に似てるかな?えっ?そうだね。
そりゃ俊の伯母さんなんだから。
伯母さんか〜。
あの…。
やっぱりお姉さんはもう結婚とかしないんですか?えっ?だってもったいないですよ。
お姉さんまだ若いのに…かわいそうです。
子供だってきっと…。
やめろって。
すみません余計な事言って。
ううん全然。
ありがとうございました。
俊お昼寝させてきます。
ごめんな。
ううん全然。
何かあった?いや…実はさ香織のご両親に話したんだ姉さんの事。
えっ?いつまでも隠し通せる事じゃないし家族なんだし。
そこでさちょっともめちゃって。
ほら俊の将来の事とかいろいろ…。
もちろん罪は償った訳だし香織もあんな感じだけど…。
姉さんには本当に幸せになってほしいと思ってる。
でも俺は…お父さんたちの言いたい事も分かるから。
ごめんね…全然気付かなくて。
いや姉さんのせいじゃないんだ。
心配しないで。
俊やみんなとはできるだけ関わりを持たないようにする。
ほんとにごめん。
謝る事なんてないよ。
俊の成長は遠くから見守らせてもらうね。
芭子も分かってると思うけど…尚之もつらいの。
うん。
私がみんなを傷つけちゃってるよね。
芭子…。
あのねお母さん。
明日岩瀬さんのご家族に会いに行くの。
そう。
向こうのご家族にちゃんと話すべきだよね…。
芭子。
つらい時はいつでも言って。
ありがとう。
じゃあ。
・「いぬのおまわりさん」・「こまってしまってわんわんわわん」お巡りさん!うん?すいません。
ここに行きたいんですが。
ここ…。
(職員)江口さん。
はい。
派出所のお巡りさんから電話ですけど。
(高木朋樹)最初はグ〜!じゃんけんポン!やった〜3連勝!あぁ〜!もっと速く!もっともっともっと!朋樹…。
朋樹くん!おばちゃん!
(高木)綾香さん。
どうして…?おばちゃんのパンまた食べたかったから。
群馬から1人で来たの?そうだよ。
学校は?土曜は休みだよ。
そっか…。
お知り合いって事で間違いないですね?はいお世話かけました。
では自分はこれで。
またね!うん…またね。
施設の先生にはちゃんと言ってきたの?友達のとこに行くって言ってきた。
ダメじゃない。
おばちゃん電話しとくからあとでちゃんと謝るのよ。
は〜い。
背伸びたね。
おばちゃんまた来るって言ってたから待ってたのに。
約束忘れちゃったの?ごめんね…忘れた訳じゃないんだけど。
おわびにとびっきりおいしいパンいっぱい焼くから。
やった!お帰り。
ああ…ただいま。
芭子ちゃん。
知り合いが畑で取れた野菜を送ってきたんだけどさ少し持ってくかい?はい。
こんにちは。
(セツ)あ〜芭子ちゃん。
ああ…!大丈夫ですか?大丈夫。
もう…まったくね〜。
何でさこのせっかちなおとうさんじゃなくて私の頭の血管が切れちゃったんだかねぇ。
この体でも口だけは減らんのだから大したもんだよ。
お褒めにあずかりまして。
芭子ちゃん。
これ見て。
マフラーですか?おとうさんにね。
手のリハビリのためと思って編んでんだけど編み目そろわないし進まないしさぁ。
しょっちゅうかんしゃく起こしながらね。
こっちはさ当たり散らされていい迷惑だよ。
でもこんなにあったかいマフラー他にないですよ。
芭子ちゃんは彼氏に編んだりしないの?えっ?見たぞ。
この間公園で手品師と。
楽しみにしてるのよ芭子ちゃんの花嫁姿。
そんなんじゃありませんから。
えっ?野菜ありがとうございました。
セツさんお大事に。
ありがとう。
余計な事言っちゃったかな?もしもし。
えっ朋樹くんが?そのお守りかわいいね。
園長先生が作ってくれたの?ううん。
学校の桜木先生。
外国に行っちゃったんだけど。
へぇ〜優しい先生だったんだね。
あのね…。
うん?ううん何でもない。
おいしい!焼きたてのパン初めて食べた!ほっぺた落ちるでしょ!うん。
朋樹くん。
私のゾウのパンも食べてみて。
えっ?これゾウなんだ。
宇宙人かと思った。
どっからどう見てもゾウでしょ!芭子ちゃんってあんなにすてきなペットの服作れるのにそれ以外は超不器用ってのがまか不思議だよね〜。
ひどい綾さん!痛っ!だってほんとの事じゃん。
おばちゃんたち仲いいんだね。
ずっと前から友達なの?う〜ん友達っていうかもう何か家族みたいなものかな。
ふ〜ん。
家族って楽しいの?僕知らないから。
ねえ宇宙人のパンも食べていい?もちろん。
でもゾウなんだけどね。
ねえ。
うん?何かいいね川の字。
うん。
朋樹何で会いに来たんだろ?パンを食べに来たって言ってたけど…。
何か他にも理由があるんじゃないかなぁ。
きっとそうだよ綾さん。
綾さんがそう思うんだったらそうなんだよ。
1人でこんな所まで会いに来たんだから気持ち目いっぱい受け止めてあげてね。
そうだよね…。
遠くから1人で来たんだもんね。
さてと…寝ますか。
お休み!お休み。

(綾香の泣き声)朋樹くん。
おねえちゃん出かけなきゃならないの。
ごめんね。
元気でね。
うんまたね。
またね。
目いっぱい楽しんできてね。
うん。
な〜に?そんな顔して。
しっかりしなよ!じゃあ行ってきます。
行ってらっしゃい!さてと…。
まだバスまで時間あるし行きたい所とかやりたい事とかない?おばちゃん今日仕事休んじゃったからどこでも連れてってあげる。
ほんと?もちろん!遠慮しないで何でも言って。
たこ揚げ。
えっ?たこ揚げがしたい。
よし分かった!うわ〜すごいすごい!朋樹くん上手!あっ。
楽しいね〜。
たこ揚げとかよくするの?1回だけ。
そっか。
ずっと…やった事がなかったんだけど。
クラスの友達がお父さんとやったっていうのを聞いて羨ましくて…。
それで桜木先生に話したら一緒にやろうって。
あのお守り作ってくれた先生?すてきな先生だね。
たこ揚げした時も「ずっと味方だよ」って言ってくれて。
そう。
けど結婚して外国に行く事になっちゃって。
僕との約束なんて忘れたみたいだった。
だから…。
だから?破いたんだ。
破いた?先生が大事にしてたクラスみんなからの寄せ書き。
それなのに先生最後の日にお守りをくれたんだ。
「約束守れなくてごめんね」って。
きっと先生…分かってたんだ。
僕が破いた事をきっと分かってたのにそれなのに…。
謝りたかったのに。
けどもう会えなくて誰にも相談できなくて…。
そっか。
おばちゃんになら話せる気がしたんだ。
うれしいよ話してくれて。
そうだ!先生に手紙を書いたらどう?手紙?そう。
心を込めて書けば気持ちは絶対届くと思うよ。
よし!もう1回たこ揚げしよっか。
うん。
はい。
ねえ朋樹くん。
これからもね悲しい事やつらい事ってきっといっぱいあると思うんだ。
でも一つ一つ頑張って乗り越えていけば楽しい事もた〜くさんあるはずだから。
よし!揚げよう!うん。
揚がった揚がった!おばちゃん。
僕手紙書いてみる。
うん。
なかなか来ないよねこんな田舎。
すてきです。
ふだんほとんど遠出しないから新鮮。
ならよかった。
そうだ。
一応言っとくけど芭子さんの過去の事うちの家族に話さなくていいから。
えっ?わざわざつらい思いして言う必要ないよ。
でも…。
大事なのは今の芭子さんだから。
もうちょいだから。
(岩瀬)父さん!
(保)おう!
(涼子)お帰りなさい。
ただいま。
こちら小森谷芭子さん。
小森谷です。
息子がお世話になっております。
いえこちらこそ。
あっ…あの〜これ気持ちばかりなんですけど。
すいません。
こんな遠い所まで来て頂いた上に…。
(加奈)もう〜堅苦しい挨拶は抜きにして。
妹の加奈です。
今ちょっとふっくらしちゃってるんですけど妊娠中なんです。
今4か月で。
そうなんですか。
ふ〜ん。
はい?きれいな人。
お兄ちゃんやるじゃん!ミカンしかないですけど楽しんでって下さいね。
加奈うち案内して差し上げろ。
あ〜はいはいはい。
じゃあこちらです。
どうぞ。
ちょっと父さんあんま無理すんなよ。
また発作起こすよ。
ミカンに囲まれて死んでりゃ本望だ。
ふた言目にはあれなんだよ。
あの〜私に何かお手伝いできる事ありませんか?いいよそんなの。
いえやらせて下さい。
足手まといにならなければ。
せっかくだからお言葉に甘えちゃえば?じゃあお願いできますか?甘夏2人でとって下さい。
はい。
まあ結局ミカン狩りになるか。
これ朋樹くんに渡しとくね。
おばちゃんの携帯の電話番号とテレホンカード。
朋樹くんの施設に公衆電話あるでしょ。
何か相談したい事とかあったらいつでもいいから電話して。
ほんとに?いいの?うん。
カードがなくなったら言って。
また送るから。
ありがとう!おばちゃんはさ桜木先生みたいに遠くに行っちゃわないよね?うん。
どこにも行かないよ。
じゃあまた遊びに来てもいい?いいよ。
うん?どうした?
(アナウンス)「高崎行きご乗車のお客様間もなく発車致します」。
おばちゃんの事お母さんって思っていい?僕変かな?変なんかじゃない。
おばちゃんは…。
おばちゃんは…。
おばちゃんは朋樹くんの家族だよ。
ありがとう。
バイバイ。
バイバイ。
バイバイ。
バイバイ。
またね!またね。
バイバイ。
どんどん食べて下さいね。
これはね浜名湖のウナギです。
ありがとうございます。
圭太はね昔っから手のかからん子でね。
それにひきかえ加奈はやんちゃでどうしようもないですわ。
すいませんね出来の悪い娘で。
酔っ払ったら兄の自慢と私の愚痴ばっかり。
芭子さん!じゃんじゃん飲んで今日は泊まってって下さいね〜。
ありがとうございます。
じゃ私も今日は一杯だけ…。
お前はダメ。
妊娠してんだから。
いいらお客さん来てる時くらい。
やめなさい。
もっと自覚持て。
母親になるんだから。
そうよ。
しかもシングルマザーだしって言いたいんだら。
この子の父親いないんです。
交通事故で亡くなっちゃって。
東京で一緒に暮らしてて結婚の約束もしてたんですけど。
でも俺たちはその事すら知らずその彼にも誰も会ってないんだ。
そうだったんですか。
まったくやりきれん話だら。
どうして?大事な人の子供を産めるんだから幸せな事だら。
芭子さんは子供好きですか?はい。
あらよかった。
圭太もね子供が大好きだら。
母さん!まだ早いよそんな話。
そんな事ないら。
だっていずれはねぇ?すいませんね芭子さんね遠慮ない家族で。
いえ。
でもねうれしいんですよ。
圭太があなたみたいないい人を連れてきてくれて。
息子の事どうかよろしくお願い致します。
私らねもうあなたの事家族だと思ってますから。
ごめんね。
結局泊まる事になっちゃって。
いえ。
皆さんこんな私によくして下さってありがたいです。
今回どうしても芭子さんを家族に紹介したかったんだ。
芭子さん。
俺とアメリカで暮らさないか?芭子さんと離れてよく分かった。
やっぱ俺には芭子さんが必要なんだって事。
俺もやっとパフォーマンスの仕事取れるようになってきたし犬の服を作る仕事も見つけられると思う。
それに…何より向こうは自由だよ。
自由…。
芭子さんの過去を知る人間はいない。
前だけを見て生きていける。
俺が必ず幸せにする。
岩瀬さん…。
一緒に生きていく事考えてみてくれないか?そっか〜やっぱり結婚の話出たんだ。
岩瀬さんの気持ちは泣きたいほどうれしかった。
けど私はご家族に過去の事を隠してる。
それが苦しくて…。
分かるよ。
芭子ちゃんの性格からして本当の事を隠したまま幸せになんてなれないよね。
うん…無理。
芭子ちゃん。
私もね朋樹との事このままじゃいけない気がするんだ。
関わらない方がいい。
話さない方があの子のためだって思ってきたけど…。
やっぱりあの子の母親としてやるべき事があるんじゃないかって。
やるべき事…。
正解なんてないのかもしれないし答えを出すのは簡単じゃないと思うけど…。
宿題を永遠に終わらせない訳にはいかないんだよ…私たち。
おはよう。
おはよう。
芭子さんは?それがどこにもいないんだよね。
おはようございます。
(2人)おはようございます。
昨日はもう楽しくて飲み過ぎました。
お恥ずかしい。
いえ。
起こしちゃいました?うちは朝が早いから。
私…。
はい。
皆さんにお話ししなくちゃならない事があるんです。
何でしょう?私…。
実は…。
私前科があるんです。
大学生の時にバカな罪を犯して…。
7年間刑務所に入りました。
罪って?出会い系で会った男性たちを眠らせて…お金をとったんです。
芭子さん…。
岩瀬さん。
芭子さんは子供のころからお母さんとの関係に苦しんだりいろいろ原因があるんだ。
ただ…ただ私が愚かだったんです。
人生が終わったと思いました。
出所してからも私なんて生きてる意味も価値もない人間なんだって思ってました。
そんな時に…岩瀬さんのパフォーマンスに出会ったんです。
岩瀬さんは全てを知った上でそれでも支えたいって言ってくれました。
でも私はその気持ちを受け取る資格はないって思いました。
罪を犯し…大切な人をさんざん苦しめた。
そんな人間はできるだけ誰とも関わらずひっそりと生きていくべきだって。
でも岩瀬さんやいろんな人たちが教えてくれたんです。
うつむいてるだけじゃダメだって。
それでやっと…前を向けるようになったんです。
こんな私でもまだできる事があるかもしれないって。
だから…。
(保)お帰り下さい。
あなたのような人とは…家族になれない。
ちょっと待ってよ。
話聞いてくれよ!何で隠してた?言う必要がないと思ったからだよ。
彼女は罪を償ったんだ。
俺は俺の知ってる芭子さんを信じる。
だから…。
そういう問題じゃない!これは家族全員に関わる事なんだ!加奈や生まれてくる子供だってみんなが重いもん背負わされる事になるんだ!
(涼子)おとうさん。
父さん。
大丈夫?加奈救急車!父さん!大丈夫大丈夫。
薬のめば大丈夫だ。
はい。
帰ってくれませんか?お願いだから帰って!本当に申し訳ありませんでした。
芭子さん!芭子さん!ごめんなさい。
私があんな話をしたから…。
何で話したの?こうなる事は…分かってた。
俺は芭子さんの全て受け止めるし守るって決めてる。
けど…家族には余計な心配かけたくなかった。
すいません。
でも私本当の事隠したまま岩瀬さんや皆さんと家族になる事はできない。
ごめんなさい。
お父さんの言葉は当然だと思う。
覚悟もしてた。
けど岩瀬さんに「何で話したんだ?」って言われたのはショックだった。
芭子ちゃんを守るためだとは思うけど…。
それは分かってる。
でもやっぱり私は社会には受け入れられない人間なんだって突きつけられた気がして。
やっぱり岩瀬さんの事は諦めるべきなんだよね。
その方が楽かもしれないね。
えっ?岩瀬さんへの思いも幸せになりたい気持ちも全部諦めてなかった事にすればこれ以上傷つかずに済むし。
そんな言い方…。
ごめん。
でも芭子ちゃんこれからもずっと自分の気持ちに蓋をして生きていくの?私はね決めたの。
朋樹には私の口から本当の事を話す。
きっといつか朋樹は本当の事を知る事になる。
それがいつかは分からないけど…。
時期が来たらきちんと私が自分で話さなくちゃいけない。
私あの子の母親だもんね。
今回朋樹に会って思ったの。
私は朋樹を傷つけたくないとか言いながら本当はあの子に恨まれるのが怖かっただけなんじゃないかって。
でも憎まれたとしても「私はずっと朋樹の味方だよ」って伝えなくちゃ。
「優しいパンのおばちゃん」じゃなくて朋樹の母親としてさ。
芭子ちゃんはどうしたいの?まあ焦らないでゆっくり考えな。
ねっ?うん。
芭子ちゃんは回想どうしたいの?もしもし。
(加奈)芭子さんですか?加奈です。
加奈さん?すいません突然来て。
びっくりさせちゃいましたよね。
いえ。
あの…先日は本当にすいませんでした。
もう気にしないで下さい。
父も元気にしてますから。
芭子さんが帰ったあと兄と両親が話をしたんです。
世間ってのはそう甘くないら。
家族まで巻き込んで何でわざわざそんな生き方選ぶんだ?そうだら。
お願いだからもう一度考え直して!ほんとに申し訳ないと思ってる。
自分勝手な事言ってるって事も。
だったら…。
でもそれでも俺は芭子さんと一緒にいたい。
芭子さんの事が好きなんだ。
(加奈)芭子さん。
はい。
私は兄が信じたあなたを信じます。
必要なら親も一緒に説得します。
加奈さん…。
ただ…私はうちの親が特別厳しいとは思ってません。
多分世間一般の感覚だと思います。
はい。
芭子さんが家族をつくるって事はこの先もそういう人たちから子供を守ったりしなきゃいけないって事です。
その覚悟はありますか?私…。
私は…。
すいません。
あっ…すいません。
ちょっと外で話してきます。
痛い…!加奈さん?加奈さん大丈夫ですか?赤ちゃん。
赤ちゃん…。
芭子さん。
加奈さん今眠ってます。
流産の心配はないそうです。
迷惑かけてごめん。
どうもお世話になりました。
いえ。
加奈。
もう!心配させて!ごめん。
芭子さんありがとう。
いえ。
それじゃお大事に。
待って。
私お父さんたちに話したい事があって。
芭子さんにも聞いてほしいんだけど。
私…みんなにウソついてたの。
ウソ?この子の父親…死んでないの。
生きてる。
この子は…。
妻子ある人の子供なんだ。
(加奈)私不倫してたの。
お前…。
望まれない子供だって分かってる。
でも私産むって決めたの。
だって大好きな人の子供なんだもん。
(涼子)加奈…。
彼は認知だけはしてくれるって言ったんだけど。
彼のお母さんから何度も連絡が来てて…。
お金出すからおろしてくれって。
断り続けたら「人でなし」って罵られた。
世間から見たら私も許されない人間なんです。
でも私はこの子を産む。
たとえ世界中敵に回しても私が守る。
そう覚悟したんです。
ごめんね親不孝な娘で。
許してとは言わない。
でも見守っててくれないかな?私の事もお兄ちゃんたちの事も。
それが一番難しいら。
親にとって一番つらいのは子供の苦しみ肩代わりしてやれない事だら。
(保)だからこそ親はただ願うしかないんです。
子供が幸せな人生歩んでくれる事を。
はい。
私やっぱり岩瀬さんの事諦めようと思う。
ご家族に反対された?ううんそういうんじゃないの。
私にはまだまだいろんな覚悟が足りないなって思い知らされたっていうか…。
踏み出す勇気がどうしても持てないの。
こんなんじゃ幸せな家族つくるなんてできっこないなって思って。
でも心配しないで。
幸せの形はひとつじゃないと思うんだ。
たとえ結婚できなくてもお母さんと尚之がいて元気に仕事ができて信頼できる綾さんだっている。
それだけで私には十分すぎるぐらい幸せだよ。
芭子。
その幸せだって最初からあなたの手の中にあった訳じゃないの。
えっ?芭子が自分の力でつかんだ幸せよ。
自分の事信じてあげる事も大切よ。
お母さん。
芭子が選ぶ道を応援する。
どんな道でも。
ねっ。
ありがとう。
セツさん!おぉ〜お帰り。
外出できるようになったんですか?亀より遅いんだけどね。
あっこのマフラー。
やっと出来たのよ〜。
ひどい出来だけどね。
いいえすてきです。
亀のような歩みでもさいつかは行きたい場所にたどりつけるもんだよ。
気持ちさえ持ち続ければな。
はい。
一緒に生きていく事回想考えてみてくれないか?
(加奈)私は回想この子を産む。
たとえ世界中敵に回しても私が守る。
(保)親はただ回想願うしかないんです。
子供が幸せな人生歩んでくれる事を。
(岩瀬)芭子さん!ごめんね待たせちゃって。
いえ。
ごめんなさい。
私…岩瀬さんとアメリカに行く事はできません。
芭子さん…。
おやじたちの事なら心配しなくていい。
俺が必ず説得するから。
ありがとう。
でも違うんです。
えっ?たとえご両親に反対されても岩瀬さんを幸せにしますって私言い切れなかった。
その覚悟がなかった。
まだ怖いんです…情けないけど。
けど諦めたくはないんです。
自分を諦めたくない。
こんな私でも信じてくれる人たちがいるから。
「いつかは」って思い続けたいんです。
だから…。
だから…いつか勇気を持てる日が来たら岩瀬さんに会いに行きます。
けど待ってて下さいとは言いません。
私の事だから時間がかかるかもしれないし。
岩瀬さんには何にも縛られずに自由に夢を追ってほしいから。
芭子さん。
心配しなくたって俺はいつも自由だよ。
自由に気長に待ってる。
芭子さんが会いに来てくれるのを。
だからゆっくり考えて。
俺も芭子さんが頼れる男になるよう頑張るから。
2回目だねここでのお別れ。
ああ…はい。
また会おういつか。
ありがとう。
よいしょ!朋樹からさ電話が来たの。
桜木先生に手紙を出したら返事が来たってうれしそうに話してた。
よかったね。
うん。
ねえ。
いい天気だね。
うん?ほ〜んと。
私にはこんな雲ひとつない晴れの日は永遠に来ないよね。
えっ?明日がどんなにいい日でも小さな希望があったとしても私の罪は絶対に消えない。
時々ねどうにもやりきれない時があるの。
こんな自分が悔しくて悲しくて…。
けど曇りでも雨でもそれでも歩いてれば誰かが傘を差しかけてくれたりきれいな虹を見られる事もあるんじゃない?芭子ちゃんに出会って私はそう思えたよ。
(チャイム)
(宅配便業者)お荷物です。
(保)
「前略私の農園でとれたミカンです。
残念ながら傷が付いたり見かけの悪いミカンです。
しかし全て丹精込めて育てた私の大切な子供たちです。
中身は芯が強くて本当に美味しいミカンです。
このミカンをあなたに食べてもらいたいと思いました。
お納め下さい。
岩瀬保」
はい。
う〜んおいしい!これで明日から頑張れるね芭子ちゃん!うん。

私たちの人生は決して快晴ではないかもしれない
それでも消えない苦しみを抱えながら一歩一歩ゆっくりと進んでいこう。
傷ついたミカンのように力強く
2014/04/01(火) 22:00〜23:15
NHK総合1・神戸
特集ドラマ10 いつか陽(ひ)のあたる場所でスペシャル[解][字]

ふとしたつまずきから罪を犯し、前科を背負うことになった芭子(上戸彩)と綾香(飯島直子)。励ましあい、少しずつ前を向いて歩み始めた二人に与えられた新たな試練とは?

詳細情報
番組内容
ふとしたつまずきで罪を犯し、前科を背負う芭子(上戸彩)と綾香(飯島直子)は、東京下町の谷中で、寄り添うように暮らしている。芭子は、岩瀬(斎藤工)と再会。岩瀬は芭子に家族と会ってほしいという。岩瀬の家族から温かく迎えられた芭子は、自分の過去を告白すべきなのかを思い悩む。一方、綾香のもとに、突然、朋樹(藤本哉汰)がやって来る。何事かに胸を痛めているらしい朋樹の姿に、母と名乗れない綾香の心は揺れる。
出演者
【出演】上戸彩,飯島直子,斎藤工,大東駿介,福徳秀介,木南晴夏,鹿沼憂妃,藤本哉汰,金田明夫,手塚理美,松金よね子,竜雷太,浅野温子
原作・脚本
【原作】乃南アサ,【脚本】高橋麻紀

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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