きょうの健康 気になる子どもの発達障害「どう向き合う?」 2014.04.01

(テーマ音楽)正しい健康情報を分かりやすくお伝えする「きょうの健康」です。
今週3日間はこちら。
今日は2日目です。
テーマは…発達障害の子どもとの接し方について見ていきます。
教えて下さるのは…よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
小児科医で発達障害そして脳性まひてんかんなどの神経疾患がご専門です。
まず発達障害どんなものなのか久田さんから伝えてもらいます。
こちらで見てみましょう。
発達障害は3つのタイプに分けられています。
まず対人関係が苦手で特定なものにこだわる症状が特徴の…更に落ち着きがなかったり衝動性が目立つ症状が特徴の…そして読み書きや計算などの学習習得が難しいのが…これらの特徴は一人の子どもにどれか一つという訳ではなくいくつも現れる場合があります。
発達障害というのは病気などではなく生まれつきの個性のようなものという話でしたよね。
一般的に考える病気と違って個性性格のようなものですね。
脳の中で私たちは自分たちの行動をモニターしたり他人の表情を見たりその場の雰囲気を感じ取ったりする。
そういう実行機能というのがあるんですがそれが生まれつき十分に育ってこない。
そういう状態が発達障害という事ですね。
一人一人努力が足らないとかしつけとか親の教育がうまくいかなかったという事ではない。
生まれつきの状態という事ですね。
そういった特徴が成長するに伴ってなくなっていくという事はないんでしょうか?私たちは経験を積む事によってだんだん私たちも人間として成長する。
経験を積んでくるという事がありますので発達障害のお子さんたちもだんだん経験を積んでだんだん対応のしかたが身についてくるんですがそれでも十分じゃない。
やっぱり不十分にしかつかない。
そのために例えば周りとの関係がうまくいかなかったりそれからサポートがないと二次障害といいましたね。
そのためにさまざまな困難がより強く出てくる事があるんです。
二次障害をもう少し詳しく言うとどういう事になりますか?行動の特徴によって違うんですが例えば学習障害とか注意欠陥多動性障害の場合にはお勉強がなかなかいい成績が取れない。
学校が嫌になって不登校になってしまうとか。
注意欠陥多動性障害の子どもは多動行動や衝動性があるために叱られたりする経験が多くて逆にほめられる事が少ないために不安障害とかうつになるお子さんがいるんですね。
広汎性発達障害は社会的に自分が受け入れられない事がだんだん分かってくるために社会の適応がうまくいかないというような事が起こってきて将来的にそれがだんだん強くなる場合もある事が分かっています。
子どもに気になる言動があった場合どうすればいいんでしょうか?行動の特徴は落ち着きがない走り回ってしまうなかなか指示をしてもうまくできないという事で日常どこでも見られる行動なので「しつけでうまくやればうまくいくかな」というように考えがちなんですがやっぱりそれだけではうまくいかない事が分かってます。
特に一つ一つの発達障害のタイプによって対応のしかたも違うんですね。
そのためにはどういうタイプかを見立てもしなくちゃいけない。
判断ですね。
その上でどういうタイプのサポートがいいかを知らなくちゃいけないのでここに書いてありますようにさまざまな保健センター子育て支援センターのような所とか。
あるいは専門医小児神経科とか児童精神科に行ってどういう見立て判断なのかどういう対応をするかを知る必要があると思います。
対応ですけれどもどういった場面どういった所で行われるんですか?先ほどタイプによって対応が違うと言いましたがサポートの必要性ってこの図なんですがこの○は何かというとどの場所でのサポートが必要かを示した。
○が多いほどその場所で大切という事です。
例えば広汎性発達障害は一番書いてありますが社会性が困難だとソーシャルスキルといって人とうまくつきあう事ができないというのでそういう事を例えば療育のトレーニングセンターとかあるいは発達障害支援センターそういう所でやるのでここ○がついていますね。
医療機関でも症状によってはお薬などを使う事があります。
注意欠陥多動性障害は集団の場面で集中できないとか不注意が起こる。
ものを忘れる事があるので学校で結構大切ですね。
医療機関のところは?注意欠陥多動性障害にはお薬がかなり効果があるものが分かっていましてそれを使う事が多くて特に近年は医療機関で対応する事が多くなってきています。
学習障害は読み書きですよね。
読み書きがなかなかうまくいかない事があるのでやはりサポートが一番重要なのが学校という事になります。
なかなかお薬や家庭での対応ではうまくいかないという事でここに3重丸がついているという事です。
特に家庭でどんな事に注意をすればよいのかを教えて頂けますか?ここにはいろんな特徴があるんですが家庭で対応する事ができる3つの例が書いてありますね。
こういう事がよく見られる例としてご説明します。
1つずつ見ていきましょうか。
まずすぐ興奮する場合ですが。
すぐ興奮するというのは自閉症スペクトラム障害とかあるいは注意欠陥多動性障害で多いんですね。
その場合どうしたらいいかというとまず興奮しちゃった状態になったらクールダウンですね。
興奮した状態の時にいくら言い聞かせてもなかなか入っていかないです。
もう一つはどういう状況の中でそうなりやすいか。
一人一人特徴がある事が分かっています。
ですからその子どもの様子を見てこういう事になるとどうしても興奮してしまう衝動的になってしまう事そういう状況を知った上でそれを作らないようにする事が重要です。
そして片づけができない場合。
「片づけができない」は注意欠陥多動性障害には多いんですね。
どうして片づけができないかというと一旦出したものをすぐ忘れちゃってしまう事がなかなか身につかないんですね。
そのために例えば物入れにラベルでこれはここに入れましょうという事を見えるようにしといてあげたり。
もう一つはもっと年齢が小さい人ですが「よ〜いドン!」って書いて何だと思われると思いますが出したものについてはもう忘れちゃっているのでもう一回そこに集中してもらうので「ほらあそこに出ているものどこに片づけようね。
よ〜いドンで片づけよう」と言うともう一回集中し直す事でこれでうまくいく事があるという例で出しています。
そして食べ物の好き嫌いが強い場合ですが。
食べ物の好き嫌いは一番多いのは自閉症スペクトラムなんですね。
この場合食べ物の味とか舌触りによっても絶対食べないなんて事があるんです。
そういう時には好き嫌いの王道はまず調理のしかたを変えるという事です。
舌触りが変わりますので食べるようになる事もあります。
しかしそれでも食べない事が結構ありますね。
そういう時は無理強いしない。
食事がつらい経験になるのはつらいので栄養失調になる事はあまりないので無理強いしない事が重要だと思います。
それぞれによい対応のしかたがあるという事なんですね。
苦手な事が上手にできた時はやはりほめてあげた方がいいんでしょうか?二次障害というのはいろんなのがありますがその中でかなり大事なのが自信をなくしてしまう。
それから世の中は自分に対していつも叱ってばかりいるんだと体験として身についていくとなかなか対応できなくなります。
ここにほめ方のポイントが書いてありますが大事な事は…非常にいい事をしなくても当然当たり前の事をしたらそこですかさずほめてあげると。
その時にも簡単に声を掛けてあげる。
年齢が小さい場合にはここに言葉以外の方法…何しろこまめにほめてあげる。
成功体験を作り出してあげる事が大事です。
先ほどタイプ別のサポートのしかたのところでも学校でのサポートも非常に重要だという事がありましたが具体的にはどんな対応が行われるんですか?学校でよく見られるとりやすい行動と書いてあります。
このような行動が学校で起こりやすい行動の代表的なものです。
学校で行われる行動に対して具体的にはどういった対応が行われるんですか?ルールができない場合は特にこれが多いのは広汎性発達障害自閉症スペクトラムですがこういう子どもたちは割合視覚的な刺激は入りやすいんです。
ですから絵とかマークとか文字をいろんなところに貼ってあげて「ここではこれをするんだよ」「ここではこうするんだよ」という事を書いてあげるとすぐにそれに気が付いて身につくようになるという事がよく分かっています。
ある部屋に入ると「ここでは何をするんだよ」という事が入ると本人は「そうだな」という事を身につけていくという事でよく行われます。
そして忘れ物が多い席に着いていられないという場合ですが。
これはシールを用意して例えば席に着いていたらシールをあげると。
忘れ物をしなかったらあげるようにして本人自身にほめる事の代わりなんですがいい行動があったら体で覚えるような感じで。
「シールは今日たくさんついたな。
あれをしたからだ」という具合に覚えてもらう。
こういう方法で対応する事が効果的です。
それを繰り返していく事で身についていくんですね。
そして読み書きが困難という場合ですが。
学習障害の場合は読み書きが困難な事があってどうしても読んでいて例えば文字を読んでいると右まで読んだ時に次にどこに行っていいか分からなくて目が浮いてしまう。
例えばこういう紙に一行だけ穴を開けてずらして読んでいくとか。
それからもちろん文字を大きくするという工夫でかなり困難が楽になってくる事が分かっています。
そういった工夫でもだいぶ違ってくるんですね。
こういった対応ですが実際に進んではいるんですか?学校現場ではいろんな工夫をされているんですがまだ十分じゃないと思うんですね。
例えば今後どうしたらいいかという事ですが例えばアメリカではこれはアメリカで使われているマニュアルなんですね。
学校でよく見られるさまざまな220の問題行動に対して先生方がどういう対応をすればいいという事をこれだけ厚いマニュアルとしてまとめているものです。
随分厚い…。
500ページぐらいありますね。
こういうのを使っています。
へえ〜!なるほどですね。
一つの例を取り上げてみましょう。
こちらご覧下さい。
これは今のマニュアルの174項目目極度に興奮するという言動への対応について書かれているものです。
まず興奮状態が起こりやすいADHDについて学ぶ。
知識を持つ。
あるいは落ち着くためにいろいろな具体的な方法をとるという事が書かれています。
なかなか細かくというかいろんな方法で書かれているんですね。
これ174番目の事の一つの例なんですが実際は174番にはこの本の中には59の対応例が書いてあるんです。
この123と今3つ紹介しましたがずら〜っとある訳ですか?一番多いのになると120ぐらい書いてありましてその中のどれかがうまく効く子どもに効果があるという事なんですね。
これはアメリカで作ったものなので今日本でもこれに似たものを作ろうという事で私一生懸命研究として日本の先生方のご意見を聞いてこういうものを作っています。
もうすぐ出来ると思いますがこういうものが使えれば皆さん非常に役に立つと思って今頑張ってやっています。
アメリカで作られたものと同じものを使うという訳には…。
教室の文化がちょっと違うので全部がそのまま使える訳じゃないんですが中にはかなり有効な有用なものがあると思いますね。
今ちなみにどのぐらいの例というか…。
これには1万ぐらい入っているんですが私まだ1,000ぐらいでこれを2,000〜3,000集めて日本でも使えるものを是非作りたいと思って今頑張ってやっております。
やっぱり現場からもそういうのがあったらいいなみたいな声というのは…。
現場の学校の先生方に聞くと「あったら是非使いたい」という事でこれを一部訳したのを見ても「こんなに役に立つのか」と言って頂いていますのでこういうものを使うと教室での対応もよりできるようになるんじゃないかと思います。
では今日のまとめをお願いします。
お話ししてきましたように発達障害いろんなタイプがあります。
どういうタイプであるかをまず知る事。
それぞれタイプごとに対応のしかたとかどの場所で特にそういう対応をするかが分かっていますのでそういう事をよく知った上で対応していって頂ければと思います。
榊原さん今日はありがとうございました。
そして明日は…その人の症状に合わせた治療や対応などについてもお送りしていきます。
明日も是非ご覧下さい。
2014/04/01(火) 13:40〜13:55
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 気になる子どもの発達障害「どう向き合う?」[解][字]

発達障害の子どもは、日常生活での失敗・困難のために周囲の理解が得られにくいこともあるが、家庭・学校・医療機関などでの適切な対応で、困難が減り、自信がつくように。

詳細情報
番組内容
「友だちとうまくつき合えない」「落ち着きがない」などの行動は、発達障害の子どもに見られる特徴の一つ。発達障害のない子どもにも見られる行動であるため、“家庭のしつけで何とかなる”と思われがちだが、それでは解決できない。生まれつき脳の実行機能に異常がある発達障害の子どもの場合、適切な支援を受け、訓練をしないと理解できないことが多い。家庭・学校も含めて子どもの特徴を良く理解して向き合うことが大切。
出演者
【講師】お茶の水女子大学大学院教授…榊原洋一,【キャスター】久田直子,古賀一

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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