ハートネットTV「弱い自分をノックアウト」 2014.03.31

広島市の郊外にある…ここにはいじめや障害に悩む若者たちが通っています。
(丸亀)ういっす。
こんにちは。
ジムのスローガンです。
お前寒くない?
(坂田)はい大丈夫です。
大丈夫?今日晩は?おる?5年前からジムに通う…はい。
ありがとう…。
「努力賞坂田大貴殿…」。
この日リングでは表彰式が行われました。
こつこつと真面目に練習を続けてきた大貴さんをたたえる努力賞です。
はいおめでとう。
ありがとうございます。
(拍手)大貴さんたちを指導するのはジムの代表丸亀恭敬さんです。
弱い自分に勝ちたい。
ボクシングに打ち込む若者たちとそれを支えるジムの取り組みを追いました。
毎週土曜日の午後1時。
ジムが開くと一番にやって来るのが大貴さんです。
5年間休まず通い続けています。
よろしくお願いします。
よし。
OK。
(丸亀)リセットします。
はい。
はいボックス。
大貴さんには軽度の知的障害があり読み書きや会話が苦手です。
中学1年の時話し方をからかわれた事がきっかけで不登校になりました。
大貴さんの憧れは元世界チャンピオンの内藤大助選手。
自分と同じいじめを経験しボクシングで強くなったからです。
(取材者)今日は調子はどうですか?調子はよかったです。
練習をずっと5年くらい前からやってるんですけどそんなに変わった様子はなくて先生から「結構パワーがついてきたね」と言われました。
(取材者)言われてどうですか?すごいうれしかったです。
とりあえず大貴は階段をやってくれよ。
あっはい。
ジム・グロービーには国体で優勝した選手からダイエットが目的の主婦まで60人余りが通っています。
ここだよ階段。
ここから…。
丸亀さんは練習以外でも大貴さんがジムにいる時間を増やそうとしています。
広島市内にある福祉施設です。
グロービーでボクシングを始めた大貴さんは2年前からここに通うようになりました。
おはようございます。
ここでは障害のある人たちがそれぞれのペースで自立を目指し訓練を行っています。
あ…もしもし。
おはようございます。
あ…はい。
分かりました。
まだ集団行動になじめない大貴さんは個室での作業。
それでも週5日休まず通っています。
おはよう。
おはよう。
今日も頑張ろうね。
今日も頑張ろう。
じゃまた後で。
また後でね。
うん。
かつては自宅に引きこもっていた大貴さんがこの施設には自ら訓練を受けたいと自分の意志で通うようになりました。
時間は9時から3時まで。
この日の作業は商品の袋詰めです。
写ってないと思います。
結構行事も参加してなかったので…。
大貴さんは母親の真理子さんと2人暮らしをしています。
真理子さんはボクシングを始めて少しずつ自信をつけてきた息子の変化を感じ取っています。
はい全部きれいに出来てるので助かります。
じゃよろしくお願いします。
はい。
また何か足りなくなったら電話下さい。
はい。
じゃ戻ろう。
はい。
お願いしま〜す。
大貴さんは今自分に合った仕事を見つけて自立する事を目指しています。
ボクシングジム・グロービーではこれまで不登校に悩んでいた50人以上の子どもたちがそれぞれの壁を乗り越えてきました。
リングサイドでトレーニングしているのは中元さん親子です。
高校2年生の…中学生の時クラスメートから体格の事でいじめを受け不登校になりました。
母親から「一緒にボクシングをしよう」と誘われ3年前からグロービーに通っています。
「こいつはこいつこいつはこいつ」みたいな。
…と思います。
遅い遅い…!そうそうそう…!ジムの…ボクシングには子どもたちの心を強くする力があると信じています。
丸亀さんがボクシングを始めたのは高校時代。
体が小さく強くなりたいと考えたのがきっかけでした。
地道な努力で大学では国体にも出場しました。
引退後選手の育成を目指してボクシングジムを立ち上げた丸亀さん。
そんな時会員の一人から「不登校の子どもにボクシングを教えてほしい」と頼まれました。
それ以来同じような悩みを抱える子どもたちがジムの門をたたくようになりました。
多分ね僕思うんですけどボクシングが不登校引きこもりにいいのはやっぱりボクシングというのはメンタル的なとこが多いんですよね。
自分が頑張らんとやっぱり代わりはやってもらえないんですね。
母親の誘いでグロービーに通うようになった…ボクシングの練習を繰り返すうちにいじめのつらい記憶が薄らいでいったと言います。
この日突然大貴さんはコーチに歩み寄り自分の気持ちを伝えました。
考えたのう。
はい。
ちょっと考えてみたら3ラウンドをずっとやってて…。
ずっとやってた?3ラウンド。
ラウンド数を増やしたい。
これまで言われたとおりの練習をこなしてきた大貴さんが初めて自分の思いを言葉で伝えました。
(アラーム音)よし。
8ラウンドですか?次は8ラウンド。
はい!はい!はい!はい!はい!はい!はい!はい!こっちに…主役じゃが。
はい!はい!
(アラーム音)ストップ!お疲れさまでした。
おうお疲れ…。
先生疲れちゃった?こっちが疲れちゃった。
丸亀さんのもとにはグロービーを巣立っていった卒業生が頻繁に訪ねてきます。
大阪の大学に通う…小学4年から中学3年まで不登校でした。
酒を飲むなんか考えられんですよね。
一緒に…。
雰囲気が苦手だったのかなって。
そのクラスの雰囲気が…。
全体の中に…。
そう。
野中さんが母親の勧めでグロービーに入ったのは中学1年の冬。
スポーツは苦手でしたがほとんど休まずに通い続けました。
野中さんが完全に立ち直ったのは中学3年の夏。
練習試合で大学生からダウンを奪い自信を持った事がきっかけでした。
もう勝った負けたとかそういう意識はないと思いますね。
無我夢中ですね。
充実した大学生活を…。
ありがとう。
今日。
ありがとうございました。
中学生が何かのきっかけ…悩みがあって最後一緒に飲めるのはすごい幸せな事です。
ありがとうございました。
ボクシングで自分に負けない強さを育てたい。
丸亀さんの思いが多くの若者たちの背中を後押ししてきました。
今年2月大貴さんに自立のチャンスが訪れました。
広島にある大手食品会社の採用面接を受けたのです。
すいません。
丸亀と申します。
いつもお世話になりまして…。
面接のきっかけはこの会社の人がたまたまグロービーを訪れ大貴さんのいちずに頑張る姿を目にした事でした。
お名前を教えてもらえますか?坂田大貴っていいます。
お年は?何歳ですか?今は二十歳です。
ボクシングずっとされとったですね。
はい。
いつごろからやってます?5年くらい前からずっとやってます。
そうですか。
面白いですか?はい。
面白いです。
楽しい?はい。
楽しいです。
面接のあと工場を見学しました。
一日2万食の弁当作りは大貴さんの苦手な共同作業。
自立に向けた正念場です。
この日グロービーではほかのジムの選手を招き合同練習が開かれました。
1人で黙々と練習してきた大貴さんも実戦形式でリングに上がります。
対戦相手は去年中学生以下の全国大会で優勝したチャンピオンです。
大貴さんは過去に1度だけこの実戦形式を体験した事があります。
その時に相手のパンチが顔に当たった怖さからずっと避けてきました。
(2人)お願いします。
(ゴング)ボックス!大貴さんはパンチを受けながらも積極的に前に出ていきます。
そうそうそう…。
そう。
そう…。
左突けもっと!いっぱい突け!左を。
そう。
そうそう…!そう!強弱強弱!そう!出た!打て!えっ!?ワンツースリー…。
(笑い声)ファイブシックスセブンエイト…ボックス!
(ゴング)対戦は2ラウンド4分。
大貴さんは最後まで攻めの姿勢を貫きました。
対戦の1か月後大貴さんのもとに食品会社から内定の知らせが届きました。
週5日朝8時から夕方5時まで工場で働き始めています。
いじめを乗り越えた中元芽生さんは後輩の指導を始めています。
将来は看護師を目指しながらボクシングを続けます。
「弱い自分をノックアウト」。
ボクシングジム・グロービーには力強いパンチの音が鳴り響いていました。
2014/03/31(月) 20:30〜21:00
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV「弱い自分をノックアウト」[字]

広島市郊外に、不登校や障がいなどに悩む若者たちが通うボクシングジムがある。弱い自分に打ち勝とうと、このジムに通いながら自立をめざすひとりの若者の姿を見つめる。

詳細情報
番組内容
広島市郊外にあるボクシングジム「グロービー」では、不登校や障がいなどに悩む若者たちが汗を流す。ジムのモットーは、「ボクシングが強くなること」ではなく、「ボクシングで強くなること」。ジムの代表を務める丸亀恭敬(やすのり)さんは、自分に自信を持つことが、心の強さになると信じている。番組では、このジムに通いながら自立をめざす一人の若者の姿を見つめる。

ジャンル :
福祉 – その他
福祉 – 高齢者
福祉 – 障害者

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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