週末のオフィス街であるトークショーが開かれた。
今この女性がインターネットに投稿している動画が注目を集めている。
(吉田)「ここで皆さんに覚えておいてほしいのは『Youknow』と『Doyouknow』の違いです。
先ほどの文章に『Do』を追加して…」。
「…って言ってしまうとこの前ハイライトをどのように入れたか…」。
日常の暮らしで使える英語の表現を自らが講師役となって教えている。
「おもてなし。
OMOTENASHI…」。
旬の話題もすぐに英語で解説して投稿。
「わかりやすい!」「使えるフレーズ!」と評判。
英語を学んでいる人たちに大人気。
彼女の動画サイトには9万人が登録している。
それに本当に…去年12月まで外資系企業のコンサルタント。
年収1000万円の仕事をあっさり捨てた。
代わりに彼女の生活を支えているのが投稿した動画に表示される広告からの収入。
再生回数が多い人気動画であればあるほど広告収入もアップ。
メディアの進化と共に今「オンライン動画クリエーター」と呼ばれる新しいスタイルの仕事が確立されつつある。
好きな事だけに没頭するべく会社という組織を飛び出した彼女が選んだのは「個」で生きる道。
動画を投稿するクリエーターが今世界で次々と生まれている。
この日六本木に集まったクリエーターはまさに個性派ぞろい。
きゃ〜!助けて〜!オンライン動画クリエーターになったばかりの吉田千佳さん。
新しい世界にちょっとドキドキ。
アシヤさんは日本語とロシア語で日本の文化を世界へ発信している。
(アシヤ)「開けるとこうなる。
すげ〜何か伸びちゃってる。
繊維が。
気持ち悪い。
こうやると伸びてまだ伸びてる。
まだ伸びてる。
まだ伸びてる。
ハハハ」。
こちらの女性は?「3回にわたって100均コスメを紹介してきたんですけれど…」。
はやりのメークで女子力アップを伝授。
こちらの夫婦は超すごい!投稿しているのはキャラクター弁当やお菓子など。
視聴された回数はなんと1億回以上。
投稿動画で家族5人が生活している。
そんな個性派ぞろいの中で千佳さんは既に一目置かれる存在に。
はい。
ああ!本当ですか!?こんにちは〜。
よろしくお願いしま〜す。
都内にある千佳さんの自宅を訪ねた。
彼女にとってはここが仕事場。
ずっと家に居る事もあるの?ありますね全然。
ずっと家に居る時も。
誰ともしゃべらない時も…の方が多いかもしれないです。
撮影や編集など動画制作のほとんどをこの部屋で1人で行っている。
動画の作り方は全て独学。
必要な機材もその使い方も誰にも教わらず自分でインターネットで調べた。
やりながらっていうのが結構多いですね。
照明が必要なのは分かるんですけどそれを買ってどこに当てたら実際いいのかっていうのは本当にやりながら分かっていくのが多いですね。
どうしても課題とか直面しちゃうとネットで検索すると大抵答え出てくるので。
何か本当にネットがあるからできちゃう事がすごく多いですね。
今日はひな祭りの撮影。
見る人の関心を引くためネタは季節感があるものが何より大事。
インターネットで調べながら動画で話す内容を考えていく。
千佳さんのこだわりはとにかく半端ない。
小道具のひな段も段ボールで一から作る。
人形は細部まで丁寧に作り込み一体一体表情も衣装も違うひな人形を作り上げた。
私結構何でもこだわっちゃうんですね。
でもこだわっていい物出来るとすごくうれしいから。
「こだわってよかったな〜」って思っちゃうとまたこだわっちゃうんですよね。
今度は画面を何度も確認しながら物の配置を細かくチェック。
いつも見ている人が飽きないよう部屋の背景も少しずつ変える。
Imadetheempress.Sheispretty.KantoinKanto,theemperorsitstotheleftortotherightoftheempress.まあま逆のあれですね。
時間的な制約がない分納得いくまで制作に没頭できる。
1人だととことんこだわれるしやり直ししたければ何回やり直してもいいしそこは誰にも迷惑かけずに自分が作りたいもの作れるのでそれをアップしてみんなに見てもらってるっていうのもすごいうれしいので。
う〜ん。
「手作りひな段〜」。
そして完成したのがこちら。
3月3日に動画を投稿すると見た人たちからうれしい反応が次々と寄せられた。
「ひな祭りはseasonal季節感のあるお祭りで…」。
アメリカの大学でビジネスを学んだ千佳さん。
卒業後は外資系コンサルティング会社に就職したもののやりがいを感じられない日々が続いていた。
私がいた会社は大手だったのでお客さんも大手。
で大手の中のある部署の何かをします。
だからその結果とか成果も分かりにくいっちゃ分かりにくいんですよね。
自分がどこに具体的に貢献しているかっていうのはもちろんどこかで貢献しているんですけどすごく見えにくくて。
目に見える成果を求め挑戦したのがネイルサロンの経営。
しかし自分の考えや思いを仲間とうまく共有できず2年で店をたたむ事になった。
こだわる点があるでもどううまくそれを形にするために相手にどう伝えるかとかコミュニケーションの部分ってすごく難しい事もあったり。
一緒にみんなでやっていこうみたいなのがすごく下手で。
自分のこだわりを最大限生かしたいと望む千佳さんは組織に属さず個人として生きていく道を選択した。
千佳さんの1週間スケジュール。
自宅が職場でもあるため仕事をしている時間が結構長い。
1日の流れを見てみよう。
ただいま7時20分で〜す。
基本的に何の予定が無くてもお化粧はちゃんとするようにしています。
もうパジャマ姿で化粧もしないでいると本当に家だとダラダラしてしまうので。
お昼に誰かがやって来た!ネットスーパーで食材が来ました〜。
食材の他家具や本など必要な日用品のほとんどをインターネットで注文している。
あとはずっとパソコンに向かって動画の編集。
するとあっという間に夜。
席を立った!と思ったらごはんを食べながらまたパソコン。
仕事をしている時間は会社勤めの時よりもかなり増えた。
主な収入は投稿している動画に表示される広告から。
投稿動画サイトに支払われている広告料金の一部がクリエーターに入るという仕組みになっている。
動画が再生された回数が多いほどその金額は大きくなる。
一方支出はこちら。
洋服や化粧についても見ている人からコメントされる事が多いため細心の注意を払って選んでいるそうだ。
千佳さん今日は久々の外出。
会社勤めをしている友達との女子会ランチだ。
もうほぼ毎日。
今月に入ってからはほぼ毎日。
(友達)すごい。
そう…。
(友達)妹から聞いた。
そう。
おとといとか3本アップした。
(友達)あっ!すごい!本業だから。
本業になったから。
そう。
頑張らないとね。
ハハハ…。
(友達)私も多分ダラダラしちゃう。
そっち?現実問題?
(友達)まだオフしてない?
(友達)あ〜。
(友達)あそう。
まあいい事だけどね。
いい事っていうか…
(友達)すごい。
働く場所も時間も個人の意思に委ねられる生活は案外難しいようだ。
自分のこだわりを最大限に発揮するため1人の道を選んだ千佳さん。
コンスタントに動画を投稿しているもののいまひとつ手応えを感じられずにいた。
本当に何のプレッシャーもないからだから多分自分によりストイックにならなきゃいけなくて多分それができてないんですよね今。
自分だと何か許しちゃうじゃないですか。
「まいっか」みたいなっていうのが結構大きいかもしれないですね。
今のままじゃ駄目だなって思います。
今のままだと生きていけるか分からないですしやっぱり本当にこれをしっかり仕事にしていくこれで稼いでいく。
でキャリアを構築していくうえでは今の状態じゃ全然駄目なのでスキルアップしていかなきゃいけないと本当に思います。
1人行き詰っていた千佳さん。
新たな一手に打って出た。
「It’smyfirsttimerecordingattheYouTubeSpaceTokyo.YouTubeSpace.」。
本物ですよ。
やって来たのは投稿動画サイトの会社が1年前に設立したスタジオ。
人気の投稿動画を増やすためクリエーターに無料で貸し出されている。
「早速今日はCo.慶応さんと英会話ラップをレコーディングします。
よろしくお願いします」。
(Co.慶応)「お願いします」。
ここで千佳さんは他のクリエーターと一から共同で動画を制作する事にしたのだ。
千佳さんにとっては初めての挑戦だ。
Co.慶応さんはラップで日本史などを学ぶユニークな動画で人気を集めている。
・「敗北戦が本能寺
(noShit!)別名第六天魔王」・「比叡山炎上!政府開発援助!」・「
(ODA!?)NO!!織田信長」あでもそんなそんなダンスちゃんとできてない…。
歌の動画を制作したいと思っていた千佳さんから声をかけた。
今回作るのは英語の文法を学べるラップの動画。
歌詞はCo.慶応さんが作成。
今日はその歌詞に合せた振り付け動画の撮影を行う。
(録音した歌詞)ふだんは会社勤めをしているCo.慶応さん。
週末の限られた時間の中で動画を制作しなければならない。
そのため絵コンテを描くなど入念な準備をしてきた。
一方柔軟に動画作りを進めたい千佳さんは思いついたアイデアを次々と口にしていく。
…何か何だろう。
ハハハ!ハハハ…!「SVO.何々O」って「O」入ってくるじゃないですか。
「O」のタイミングで何か下から出てくる案なんですけど。
うん。
私も結構そんな感じでした。
あホントですか。
いろんな角度から出てCo.さん真ん中で何か逆さまでこうこうこうとかでもいいのかなって。
すごいっすね。
発想が僕のいつも上行きますね。
いやいや。
それそっちの方がいいっすね。
原宿で買った衣装に着替えていよいよ撮影。
2人は英語を勉強している学生という設定だ。
・「SV」・「SVC」・「SVO」・「SVOO」・「SVOC英語の・「Go!Yousaywhat?」文型さ」しかし撮影を始めて間もなく…。
2人になるとこういう画面で見ると大きいからいいんですけどこういうのだと結構小さいからあんまり面白くないかなと思って。
あんまりそういうの2人で映っているのが多いと。
千佳さん今の振り付けが気に入らないらしい。
鼻つまんだ方がいいのかな?
(Co.慶応)何か…あいいっすね。
こっちの方がいいんじゃないすか。
OK。
じゃそれはOKで次は「ラッパーね」の部分。
「あラッパーね」も音声なしで私ちょっとやってみたいな。
はい。
だからラッパーだって。
あラッパーね。
あばかにした感が出てない。
(小声で)あラッパーね。
う〜ん…。
「あラッパーね」の方がいいのかな?こんなところであれしてたら進まないですよね。
はいOK。
行きましょう。
ハハハ…。
そして再び撮影を始めたものの…。
・「SV」ちょっと待って。
バトルってるってるというかお互いばかにしてる感が出ないと駄目なのかな…。
千佳さんの頭の中にあるイメージがCo.慶応さんに伝わらず撮影ストップ。
え!?今…今何時?う〜!もう7時!あと2時間しかないじゃないすか。
あと動画移すの結構時間かかりますよね。
うん。
打合せを始めてから10時間。
最後までイメージを共有できないままついにタイムアップ。
また明日やりましょう。
ヘッヘッヘ…。
結局曲の半分も撮り終えられず翌朝10時から再び撮影を行う事に。
どれぐらい終わったんすかね?行ける?行くしかないす。
そりゃそうですけどちょっと明日はちょっと朝からちょっと…。
そうですね。
正直言っていいですか?はい。
ちょっと不安ですね。
多分結構密にやらないときついですね共有を。
う〜ん。
そうですね〜。
私こういうの多いと思います。
いっつも自分のペースでやっちゃってであんま不安に思わないので「どうにかなる」っていっつも思っているから。
自分では何となくイメージはあるんですけどそれを伝えきれてないから。
すごい相手を不安にさせちゃうのは動画のコラボではなくて今までのそうやって人と一緒にやってきた中ではありました。
今思うと。
主張も必要協調も必要。
まあでもコラボってぶつかり合わないといいもの作れないんだよね。
(ため息)「最近転校してきたあの帰国子女あいつTOEIC満点取ったらしいんだよね」。
千佳さんは待ち合わせの時間より早くスタジオにやって来て1人パソコンに向き合っていた。
Co.慶応さんがやって来ると「見せたいものがある」と呼び寄せた。
でまあダンスの部分なんですけどちょっとテンションあれなんですけど。
(パソコン)今朝ちょっとやってみました。
(パソコン)
(Co.慶応)まじで?
(パソコン)ハハハハ!超恥ずかしい。
(パソコン)
(Co.慶応吉田)ハハハ…!
(パソコン)ロボットできないけどみたいな。
ハハハ!踊ったんですね結果。
すげ〜。
(パソコン)
(パソコン)
(Co.慶応吉田)ハハハ…!な感じで…。
(Co.慶応)すごい!みたいなのを作ってしたらイメージ湧くじゃないですか。
(Co.慶応)すごい!ちょっと共有しようかなと思って。
(Co.慶応)まじっすか!?今日共有しようかなと思って。
ヘヘッ!いやいや…。
前日の撮影の後千佳さんは自分がイメージするダンスの動画を明け方まで探し続けた。
ほとんど徹夜状態の中振り付けを試してイメージを固めそれをCo.慶応さんと共有するために撮影編集までやってきたのだ。
(パソコン)簡単なやつしか選んでないんですよ。
でもいくつかのフレームを入れる事によって結構楽しくなるかなと思って。
イメージ伝わりましたんで練習しましょう。
はい。
頑張って覚えますか。
大丈夫。
簡単なやつしかピックアップしてないので。
もうちょっと本番では格好よくするつもりですけど。
朝ば〜っとやったので。
たたき台として。
まあでもちょっと受けてたのでよかったのかなと思って。
はい。
(パソコン)何だか2人の息も合ってきたみたい。
(パソコン)
(パソコン)
(2人)123…。
そして出来上がった動画がこれ。
・「第2文型SVC」・「いやCとか増えて分からないC」・「Cは補語つまり名詞か形容詞」・「あって事はし〜!何で?」・「SがC…」今回人と組んでみてどうだった?千佳さんは今大人数のクリエーターたちと動画制作をしている。
自分が大切にしていた「個」がまた別の「個」と結び付く事で広がる可能性に期待して。
2014/03/31(月) 20:00〜20:25
NHKEテレ1大阪
人生デザイン U−29「オンライン動画クリエーター」[字]
自ら制作した動画をインターネットに投稿し、広告収入で生計を立てるオンライン動画クリエーター。外資系企業を辞め、“個”で生きる道を選んだ吉田千佳さんの姿を追う。
詳細情報
番組内容
インターネットの普及により、新たな職業が確立しつつある。そのひとつが「オンライン動画クリエーター」だ。自ら制作した動画をインターネットに投稿し、広告収入で生計を立てる仕組みとなっている。吉田千佳さん(29歳)は、自分が思うままにモノ作りができる動画投稿にやりがいを感じ、2013年12月、大手外資系企業を退職した。番組では、“組織”を抜け出し“個”で生きる道を選択した千佳さんの姿を追う。
出演者
【語り】Mummy−D
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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