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女児殺害 再審認めず 死刑はすでに執行
3月31日 12時22分

女児殺害 再審認めず 死刑はすでに執行
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22年前、福岡県飯塚市の小学生の女の子2人が殺害された事件で、6年前に死刑が執行された元死刑囚の家族が求めた再審・裁判のやり直しについて、福岡地方裁判所は、「弁護団が提出した新たな証拠を検討しても死刑判決に疑いは生じない」と指摘し、再審を認めない決定をしました。

平成4年2月、福岡県飯塚市で、小学1年生の女の子2人が登校途中に連れ去られ、殺害されているのが見つかった事件では、久間三千年元死刑囚(当時56)が、殺人などの罪に問われて平成18年に死刑が確定し、その2年後に死刑が執行されました。
元死刑囚の家族が再審・裁判のやり直しを求め、弁護団は当時のDNA鑑定は信用できず、有罪の根拠になっていた目撃証言は捜査員の誘導だなどと主張していました。
31日の決定で、福岡地方裁判所の平塚浩司裁判長は「当時のDNA鑑定は、より慎重に評価しなければならないが再鑑定が行われたわけではなく、かつての鑑定結果は否定されていない。目撃者は、誘導される可能性のない段階から目撃した内容を同僚に伝えているので、証言の信用性は揺るがない」と判断しました。
そのうえで「弁護団が提出した新たな証拠を検討しても死刑判決に合理的な疑いは生じない」と指摘し、再審を認めませんでした。
死刑が執行された事件で、再審が認められたことはなく、裁判所の判断が注目されていましたが、元死刑囚側の主張は退けられました。

地検「証拠を検討し、適切に判断」

福岡地方検察庁の玉置俊二次席検事は「裁判所が、裁判の段階や再審請求されたあとの証拠を検討し、適切に判断したと考えている」というコメントを出しました。

弁護団「許しがたい決定」

弁護団の徳田靖之弁護士は「許しがたい」と話しました。
かつての判決で有罪の根拠の1つになったDNA鑑定について、徳田弁護士は「証拠価値がないはずなのに、今回の決定は再審を認めないという、結論ありきで判断している。裁判所は、元死刑囚の命を奪ったことを真摯(しんし)に受け止めて、われわれが提出した証拠を判断すべきだ」と話しました。
弁護団は決定を取り消すよう求める方針です。

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