【福岡県添田町】山伏見守り200年、しだれ桜満開 英彦山の守静坊跡
かつて山伏が生活した英彦山中腹(添田町)の宿坊「守静(しゅじょう)坊」跡の敷地内で、樹齢約200年のしだれ桜が満開になり、行楽客や写真愛好家を楽しませている。今週末まで見頃という。
この宿坊で生まれ育った山伏守静坊10代目で日本山岳修験学会顧問の長野覚さん(86)=福岡市=によると、先祖は行橋市とみやこ町にまたがる馬ケ岳(216メートル)にあった馬ケ岳城の城主。戦乱を逃れて英彦山へ移り住み、江戸前期の17世紀末ごろ、現在地に宿坊を構えたという。
しだれ桜は高さ約15メートル、幅約20メートルで、素朴な淡いピンクの花を咲かせた細い枝を広げる。英彦山の作事奉行を務めた4代目が江戸後期の19世紀前半、京都から持ち帰ったとされる。長野さんは「樹木医によると、うまく管理すれば100年でも200年でも長生きするという。大切に守りたい」と話す。町商工観光係=0947(82)1236。
=2014/04/03付 西日本新聞朝刊=