韓国のテレビ局で外国ニュースを担当する報道局国際部の勉強会に呼ばれ、2時間ほど意見交換した。日韓関係が悪化している原因や打開策を含め、日本人の意見も聞いてみようというわけだ。テレビでは国際報道の半分以上が日本関連というから影響は大きい。
聞かれるままに、韓国には十分に伝わっていない日本の反韓感情の実情を詳しく紹介した際、週刊誌などのいささか大げさな韓国たたきキャンペーンについて「あれは日ごろの韓国メディアの反日報道と似ていて、いわば日本の韓国化みたいで見苦しい」と“自己批判”したところ「日本の韓国化とはひどいじゃないですか」と叱られた。
韓国のテレビは最近、日本の沖ノ鳥島での事故を「日本の領土野欲(やよく)(野心)がついに大事故を引き起こしました!」と伝えていた。歴史がらみのニュースでは決まって「反省を知らない日本…」という修飾語がつく。こうした報道は視聴者への反日マインドコントロールで「困る」と批判すると、結構、うなずいていた。「韓国では日本の主張を妄言といって非難するが、われわれは“妄言乱発”は戒めている」とのことだった。
ただ「歴史について日本の政治家から韓国が支持できない発言が出るので“反省を知らない日本”といわざるをえない」と反論された。(黒田勝弘 「ソウルからヨボセヨ」)