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「主人公にならないか?」。高校生・佐藤翔太は、「設定萌え」の「男の娘」にそそのかされ、主人公への道を歩み出す。スポ根主人公になるため卓球部に入部したり、名探偵になるため盗難事件に首を突っこんだり、様々な挑戦をするが……。 |
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「主人公」というワードを使ってテーマの「かけひき」を消化したアイデアは良かった。ただ、キャラを無理矢理作ろうとしていて、全体的に空回りしている部分が残念。エンタメする力は感じられるので今後に期待したい。 |
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「東雲さん、すみませんが、死んでください」…中学生・るひろ子が、東雲の部屋の窓から包丁を持ってあらわれた。東雲は死ぬわけにもいかず断ると、トランプのクラブを当てるゲームをすることに。るひろ子のトランプにはイカサマが仕掛けられていたが…。 |
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テーマとキャラの主張をうまく組み合わせており、シュールなセリフ回しにもクスっとさせられた。ゆるい駆け引き展開は、作者の着眼点と腕の良さが感じられたが、ネタとしたモンティホール問題がわかりづらく、納得感がない。独特の空気感は魅力的なので、次回作に期待したい。 |
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意識を失って入院していたはずの自分の彼女・ちーなが突如、自分の前に現れ驚く淳平。しかし彼女のなかには凶子と名乗る女が居座っており、とある男を殺すよう淳平に迫るのだった。 |
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ホラーとしての恐怖を文章で表すという点は評価できた。しかし、人格の入れ替わりの描写が弱く、キャラクター間のセリフまわしに頼ってしまう点が見受けられ、ストーリーの薄さを感じてしまった。 |
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男がまよいこんだのは寂れた釣り堀。しかしそこで釣るのは魚ではなかった。己の欲望を通じて、釣るものと釣られるものとの壮絶な戦いが始まる。 |
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発想勝負のテーマ部門において、「釣り堀」という発想は斬新でよかった。その点は評価するが、キャラクター造型、行動動機といった物語に関わる部分の弱さが目立った。次回の健闘を祈る。 |
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五年二組では、ひとつ余る給食のデザートをめぐって、争奪戦が起こる。ひとり学校を休んでいるためだ。デザートは、給食早食い競争の勝者がゲットできるのだが、実際にはダイキの独占だった。いじめっ子であるダイキに、主人公・鉄はリベンジを決意する。 |
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文章はこなれており、展開上の驚きや感動のポイントも作られている。基礎力は高いが、どうしても登場人物たちに小学生らしさを感じることができず、主人公に共感できなかった。物語に入りこんでもらうために、キャラクターをしっかり意識して練り上げてほしい。 |
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