校章 神奈川県立海老名高等学校   海老名高校正面写真

海老名高等学校第35回入学式によせて

学校長 小泉いづみ



● 新入生のみなさん、そして、保護者の皆様、おめでとうございます。


【真の文武両道を!】

● さて、新入生の皆さん、ご列席の保護者の皆様もすでに学校説明会等で、本校の「文武両道」の特色をご理解いただき、入学されたことと思います。最近、在校生に良く話すことは、真の文武両道を目指そうということです。行事や部活動を十分がんばったし、すばらしい体験もした・・・・だから一番行きたい大学には行けなかったが良かった、というのでは、真の文武両道ではありません。私たち職員も、海老名高校としての責務を全うしたとはいえません。

● 「文無き武、武無き文は真の文武両道にあらず」江戸時代の学者、中江藤樹の言葉です。文も武も両方がんばるのが「文武両道」の海老高生の姿です。勉強に、部活に、行事にすべてに精いっぱいとなれば、高校生活は大変忙しいです。主体的に自分自身のスケジュールを管理し、無駄のない海老高時間を過ごしてほしいと思います。

【時代のニーズに応える教育の展開】

● 数年前は、海老名高校は、活発な部活動や生徒たちにより主体的に運営される盛んな行事、その部分ばかりが注目され、保護者の皆様や地域の皆様から「海老名高校は、学校行事、部活動は盛んだけれど、学習面や進路面の支援は、どうももうひとつ・・・・・」という評価をいただいておりました。

● 学校としても、行事、部活動での生徒の自己実現には確かな手ごたえを感じておりましたが、生徒たちの進路や学習面の不安にたいして、十分答えられる教育を提供できているのか、社会や時代のニーズはどうなのかを問い直す時期にきていたのだと思います。海老名高校のアピールポイントはそのままに、本校が抱える課題克服にむけマイナーチェンジを始めました。

● 生徒をなんとか、第1志望進路先へ送り出したい、という先生方の熱意と日ごろの指導に加え、進路体制の見直しなどソフト面の充実、加えて、保護者の皆様のご理解の下、全室に空調の整備、学習コーナーの設置など、より良い学習環境を目指しハード面の整備を進めてまいりました。

● 海老名高校の職員がその変容を実感する前に、まず、進学の数値に変容が現れ、その様々な数字の変容は、私たちの想像以上のものでした。


【学習のPDCAサイクル】

● そして、昨年から3学期制に移行いたしました。大きな目的は、生徒自身が学習のPDCAをしっかり身につけることができるシステム作りということです。夏休み中に学習課題を克服し、2学期に臨む、2学期の学習課題は冬休みに克服し、3学期に臨むという学習のサイクルをはっきりさせました。

● 学校の特色、教育方針をしっかりと理解して、高校生生活に臨むことは大変重要であるとともに、さまざまな面で効率的です。特に、忙しい海老名高校生にとってPDCAサイクルの理解と実践は1つのポイントです。新しい学校、新しい先生、新しい友達・・・・入学は、自分を変えるチャンスです。しかし、漫然と過ごしていれば、様々な課題は克服できません。その一つの方策として、PDCAサイクルの考え方、実践を新入生の皆さんに勧めます。

● 今の皆さんは、高校入学という目標をはたして、ちょっとのんびりしているところだと思いますが、高校生活は短いです。ここで気持ちを切り替えて、具体の進学先を大きな目標設定として、それに向けた計画を立てましょう。大きな3年間のPDCAの中に、また、1年1年の、学期ごとの、各教科の学習単元での、1週間の、1日の、1時間ごとの、PDCAサイクルが存在します。

● 先生方は、日々の授業の中でも、1時間の先生の授業目標があり、その中で、生徒の皆さんが目標を予定通りクリアできているのかいないのかを確認し、修正しながら授業は進みます。

● 小テストは1つのチェック機能です。小テストは、評価だけのためではなく、皆さんの課題をチェック、今までの学習を振り返るものです。中間テスト、期末テストもチェック機能です。模擬試験やスタディーサポートとというベネッセの教材も使用し、皆さんのPDCAサイクルがより効果的になるように支援します。どうぞ、それらを効果的に活用してください。

● 部活動もPDCAサイクルで進みます。そして、人生も大きなPDCAサイクルであり、人生の目標を持って進むことは大切です。大人になって仕事をしても、趣味の世界でも、PDCAサイクルが行われる。言ってみれば、人生一生、「より良い自分」を求めて学び続けるのです。

● 人として学び続ける基盤を、海老名高校で培ってほしいと願います。

【地域連携による市民性の育成】

● 実はここ数年、海老名高校が力を入れてきたものに地域連携があります。生徒は、防犯ボランティア、海老名市と連携したあいさつ運動、海老名警察と連携した交通安全運動、環境委員会の地域学習会、スポーツ総合を選択した生徒による小学校での「昼休みにお兄さんお姉さんと遊ぼうタイム」、そして部活動での小、中学校学生対象技術講習会など、他の学校では行っていない地域連携を多く実施しています。

● 高校生であっても、社会の一員です。地域の中でどのようにかかわり、どのように生きていくのか、地域との連携についても学ぶ必要があります。

● 保護者の皆様、海老名高校では、きめ細やかな指導を徹底しておりますが、なにか心にかかることがございましたら、担任等学校にご連絡をいただけると幸いです。ご家庭、そして、地域と連携し、子どもたちの育成を支援できればと思います。


【稲穂色のネクタイ】

● 稲穂色のネクタイをしめた今日から、海老高時間の始まりです。実はその稲穂色のネクタイは魔法のネクタイで、それをしめたとたん、愛校心と海老高生の誇りが、皆さんの心の中に芽生えます。昨日の自分とは違います。稲穂色のネクタイをしめて、今日から、自覚を持って、海老名高校生として、充実した高校生活を過ごしてください。


▲ページの先頭へ

前のページにもどる