Women's Media Center Live with Robin Morgan
 (WJFK - CBS Radio - March 8th & 29th, 2014)
吉松育美さん出演部分の日本語訳
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2回目: 2014年3月29日の放送 (Episode No. 76)

↓ 番組のサイト (mp3ファイルがダウンロードできます): 吉松さん出演部分は番組開始後 31分10秒から45分20秒の間です。

http://wmclive.com/wmc-live-76-ikumi-yoshimatsu-julie-zeilinger-atima-omara-original-airdate-3292014
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(ロビン)お聞きの放送は1580kHz CBSラジオ、「Women’s Media Center Live with Robin Morgan」です。

(ロビン)番組を続けます。次は吉松育美さんの再登場です。先日この番組に出演して頂きました。覚えていらっしゃるでしょうか、日本人のビューティークイーンですがフェミニストに転向、暴力団=ヤクザからの嫌がらせに立ち向かっていた女性です。彼女がまだ米国にいらっしゃるうちに二回目の出演をお願いしたいと思いました。今回、女性に対する犯罪、そして日本の文化全体にも立ち向かおうとする彼女のキャンペーンの進展状況を伺いたいと思います。

(ロビン)育美さん、再びこの番組にようこそ!

(育美)ロビンさん、またまた(笑)出演させていただきありがとうございます!

(ロビン)いえ、先回は時間がなくてお話を全部聞けなかったですしね…それにしても大変な目にあいましたよね。あなたは継続して、そして以前よりも活発に日本の女性へのバイオレンスを防ぐため勇敢に活動されています。前回はヤクザ=暴力団により危機に直面したお話を聞きましたが、現在は一般の場で政府に直接働きかけるための活動をされているようですね。特に日本のファーストレディーと一緒に活動されているタスクフォースについて現在どのような状況かお話いただけますか。

(育美)はい。日本の芸能界を仕切るヤクザの大御所に仕えるタレント会社の幹部により私が拉致されそうになったことや、彼によるストーカー行為、脅迫行為など私自身に起こった出来事を公表したのが3ヶ月前でしたが、それ以来非常に大勢の女性が声をあげる権利を感じるようになり、このためメディアはこれまでになく女性に対する犯罪の報道を始めました。ストーカーに殺されたり自殺に追いやられた女性が初めて記事の一面に取り上げられるようになってきました。

  昨年、安倍総理大臣は国連に立ち、日本は女性が輝ける国にしたいと述べました。総理は昨年の4月に少子化危機突破タスクフォースの最年少メンバーとして私が作成した提案を実行してくださいました。それはすべての民間企業に対し女性を最低一名取締役会に含めるという提案です。

(ロビン)やったー!

(育美)(笑) 私は5年以内に女性役員の率を北欧と並ぶ30%という数字にすべきと提案していたのですけれども、でもまずは女性が一人ということだけでも企業体質を変えることができると思います。

 (ロビン)そうですね。

(育美)さて、Change.org のストーカーゼロキャンペーンについてお話させていただきますが、日本のこれまでのどのキャンペーンよりも多くの署名を得ることができました。またそのサイトは多くの女性が自身に起こった体験を書きこむ場ともなりました。

(ロビン)育美さん、途中ですみません、これは欧米からでもアクセスして署名できるんですよね。

(育美)はい、その通りです。

(ロビン)リスナーの皆さん、Change.org のサイトに行って Stalker-Zero Campaign または育美さんのお名前 IKUMIとタイプして検索してください。 (訳注:本キャンペーンの日本語サイトは4月3日をもって打ち切られました ) 育美さん、どうぞお話を続けてください。

(育美)ありがとうございます。私はスペシャリストや法律の専門家の協力を集め、新しい厳格法制定の提案書を作成しそれを安倍総理大臣に渡すつもりです。最も力になっていただいているのは総理のご夫人です!(笑)お名前は安倍昭恵さん。彼女から聞いたのですが、昭恵さんが米国など諸外国を訪問すると、その国のファーストレディーがとても活発に社会や政治のために活動しているのを見るそうです。しかし日本に戻ると彼女が発言する行為が批判の対象となり、単に「よい妻」でいるように言われるそうです(苦笑)。私は総理大臣夫人でこのように活動されているのは昭恵さんが初めてではないかと思っています。もしかしたら彼女は総理の「倫理基準」になっているのではないでしょうか。

(ロビン)安倍総理といえば、第二次世界大戦時のいわゆる従軍慰安婦…これは朝鮮人やフィリピン人などの外国人女性、そして日本人女性らが実質的に性奴隷として日本軍から強制されていたわけですが…その彼女らに対して数年前に出されていた公式謝罪を取り下げると言ってましたよね。この公式謝罪は世界的な女性運動による強い圧力ののちに出されましたが、少し前、総理は愛国主義に鑑みその謝罪を取り下げると発表していました。しかしつい先週になって彼はこの立場を変え、謝罪を継続させています。これはもしかしたら総理夫人が働きかけたものなのでしょうか。

(育美)はい、そう思います。日本の右側の人たちの意見の中には、当時の約8万人~20万人の女性はみんな売春婦だったので謝罪する必要はないという意見が出ているようです。しかし、生き残った方の実際の証言を聞くとそうではなかったという意見も出ているようです。日本人としてこれらのコメントに対して恥ずかしく、一女性としてこの謝罪が問題視されていることに対し悲しく思います。このようなわけですので、言うまでもなく女性の権利のためこの百年にも及ぶ文化を変えなければなりません。そのためには規制や新しい厳格法を制定し、不平等という顔に現実の平手打ちを与えるべきなのです。

 さて、ストーカーゼロキャンペーンの今後の方針をお話しますね。


(ロビン)ぜひお願いします。

 (育美)ストーカーゼロキャンペーンが目指す方向ですが、1) ストーカー行為や脅迫行為を受けたすべての被害者たちの声を集約して、止めることのできない政治的な力にする。だいたいは女性ですが中には男性もいます。2) 無料で直ちに警護を受けられる仕組みをを提供する。ボランティア、法律専門家、アドバイザーのネットワークをつないで被害を受けている女性をサポートし、確実に地域の警察がストーカーを積極的に取り締まり、被害者を守れるようにする。3) 米国や他の国のような禁止命令(被害者に近づいてはならないという命令)の仕組みを作る。これは警察によるものですが、禁止命令の願書が当局からただちに認可されるようにする仕組みです。日本では男性が家や所有物について自分の思うがままというのが伝統です。警察はこのことについては一切関知しないので、女性たちは警察に行ったら自分の身に何が起こるか不安なのです。

(ロビン)実際に法制化の動きはすでにありますか。それともタスクフォースは(政府に)働きかけている段階ですか。

(育美)タスクフォースの中で話し合う予定です。そうですね…提案書を作り、それを私から安倍総理に直接渡したいと思います。

(ロビン)そうですか。そのあと総理は法制化のために別の担当官に受け渡すのでしょうかね。

(育美)はい、その通りです。

(ロビン)その点はこちらのシステムと少し異なっていますね。でも確実に始めなければなりませんね。関係はあれど少し違った観点でお聞きしますが、育美さん、あなたはこれほどまでに女性運動の活動をされておりますが、俳優としても活躍したいでしょうし日本で事務所を構えることは考えたことはないのですか。

(育美)沢山の方々が私に日本で事務所を持って欲しいと言っています。でもこちらには世界人口の53%が支持するあなたがいるので、何かがしたい場合はこちらの方が簡単でしょう(笑)。

(ロビン)あなたの今後の活動は他の人とは少し違うのかも知れませんが、それはインターネット、シンジケート、それとも放送でのトークショーなのでしょうか。何か始められるのですか。欧米の人々がそれを見ることはできるのでしょうか。それとも日本やアジアに限定されているのかしら。

(育美)はい、その質問をして頂きありがとうございます。私は現在テレビ番組を製作しており撮影を進めています。それは「Behind The Name」 という番組で、毎回有名人を招いてインタビューをして、その人はどういう人なのか、一般の人々が抱くイメージの裏側をお見せするという試みです。この番組がアメリカでも見れるようになればいいのですが、今のところ日本と中国向けです。

(ロビン)育美さん、それはいつから始まるのですか。

(育美)この夏からです。

(ロビン)こちらでは女性運動に関し「 Personal is Political」 (個人的なことは政治的なことである)というフレーズがあります。あなたご自身のお話をして下さいませんか。あなたがフェミニズム(男女同権論)に初めて出会ったのはいつだったのでしょう。

(育美)私のフェミニズムの物語は私が生まれたその日から始まっています。

(ロビン)ハハハハ…(笑)

(育美)(笑)当時私の父は陸上のオリンピック選手でしたが、1980年の(モスクワ)オリンピックは日本は米国に同調しボイコットしてしまいました。父の夢は打ち砕かれ、そして父にとって人生で二番目に大きく失望したことは、私の母が男の子ではなく女の子を産んだことでした。

(ロビン)なるほど…

(育美)私はいつもプレッシャーを感じ、女の子であることをずっと申し訳なく思いながら育ちました。実際私は自分のことを男だと思ったりしていましたし(笑)。男の子のように行動し、何をするにも父に褒められるように努力していたのです。それもあって高校時代は陸上競技の県大会のチャンピオンでした。父のように国際大会に進みましたが結局写真判定で負けてしまい、私は屈辱感を味わい故郷を離れました。その後大学で演技の勉強を始め、その時ビューティーコンテストの世界があることを知りました。世界で最も入賞困難な大会はミスインターナショナル。これは知性も美と同様に審査されるもので、単なる水着のコンテストではありません。私は2012年ミスインターナショナル日本代表に選ばれましたが、それまで日本人女性にとって世界チャンピオンは近づくことさえ難しいものだったのです。私は最終スピーチで「世界における女性の模範」について話し、日本人で初めてミスインターナショナルの世界大会でグランプリを頂きました。私は国民のヒーローとなりました。故郷の町に帰ったとき、町は私のためにパレードを開催してくださいました。それはその町でこれまでにない最も大きなパレードだったのです。父は国の代表として世界のステージに立ち優勝した私をとても誇りに思ってくれました。でも私は同時に、日本での女性に対する物事の実態がどのようなものであるかを見て考えが変わりました。そして私は自分の意見を活発に発言するアクティビストとなったのです。私の母は教育に携わっており、小学校で英語を教えています。彼女は典型的な日本人女性で、いつも父に従い、父が何をしようと文句をひとことも言いません。父は家では王様のようです(笑)。想像つきますよね。

(ロビン)ええ、よくわかります。

(育美)彼女は仕事では男性社会で生き抜き、いつも私には強い人間でいなさい、ポジティブでありなさい、すべてのものを大切にしなさいと言っています。母はすてきな女性です。

 ロビンさん、米国のメディアに私自身のお話をする機会を下さりありがとうございます。あなたの放送を聞き、Change.org にある私のサイトに署名をくれたすべての方々のその思いは女性の頬から涙をぬぐい去り、希望をあたえてくれることでしょう。
 私たちが正義と平等を得るまで、そして日本女性への犯罪に対する沈黙の文化、それは企業とか、裁判の場、警察所、そして人々の心の中にあるとしてもそれを最終的に変えるまで、私は絶対にあきらめません。


(ロビン)今まで本当にどうもありがとう。

(育美)こちらこそ感謝いたします。再びお招きいただいてありがとう、ロビンお姉さん(Sister)! 
 

(ロビン)Yes, Sister (笑)!                          
 
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