韓国政府 駐在大使呼び「不当」と抗議4月4日 18時34分
来年4月から小学校で使われる教科書の検定が終わり、島根県の竹島について小学校の教科書としては初めて「日本固有の領土」と盛り込まれたものもあるなど記述が大幅に増えたことについて、韓国政府は韓国駐在の別所大使を呼んで「不当な主張だ」と抗議しました。
これに対して別所大使は「韓国側の主張は受け入れられない」と答えました。
4日開かれた文部科学省の審議会で、小学校の教科書は申請のあった139冊すべてが合格し、竹島について記述した教科書が大幅に増えたうえ、小学校の教科書としては初めて「日本固有の領土」と記述しているものもあります。
これについて、韓国外務省のチョ・テヨン第1次官は韓国駐在の別所浩郎大使を呼び、「不当な主張だ」などと抗議しました。
これに対して別所大使は「韓国側の主張は受け入れられない」と答えました。
また、韓国外務省の報道官は声明を出し、「島に対する挑発を一層高めた小学校の教科書を検定で通過させたことを強く糾弾する」と反発しました。
そして安倍総理大臣が先月、国会で歴代内閣の立場を全体として引き継いでいると発言したことに触れたうえで、「小学生にまで帝国主義の歴史をゆがめた教育を行うならば約束を破ることになるだけでなく、国際社会からの孤立を招く」と批判しました。
さらに、「日本政府が島への挑発を続けるならば、日韓関係改善の道は遠くなる」と述べて、日本政府をけん制しています。
中国「盗み取ったと伝えるべき」
来年4月から小学校で使われる教科書に、尖閣諸島が「日本固有の領土」という記述が盛り込まれたことについて、中国外務省の洪磊報道官は4日の記者会見で「日本は教科書で島は中国に属し、日本が不法に盗み取ったという真相を次世代に伝えるべきだ」と述べました。
そのうえで「われわれは日本に対してこの問題で挑発をやめるよう要求する」と述べました。
「当たり前のことを書いたに過ぎない」
菅官房長官は午後の記者会見で「ごく当たり前のことを書いたに過ぎない。今回、新たな政府見解を出したわけではなく、政府としては国会答弁なりで立場を明快にしており、それを、ただ、教科書に書いたというだけに過ぎない」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は記者団が中国や韓国への対応について質問したのに対し、「従来と同じような形で丁寧に説明していくということに尽きる」と述べました。
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