日本高血圧学会は2日までに、医療者向けの手引「高血圧治療ガイドライン」を2009年以来5年ぶりに改訂し、高血圧の診断基準値と降圧目標値を統一するなどの要点を発表した。
改訂版では、高血圧の診断基準(降圧薬治療開始基準)は従来の「収縮期140以上、拡張期90以上」を維持。一方、血圧を下げる努力目標である降圧目標を「若年・中年者高血圧」の場合、「130未満、85未満」から「140未満、90未満」に改訂し、診断基準と統一した。75歳以上は「140未満、90未満」から「150未満、90未満」に変更。糖尿病の場合などは変更しなかった。
このため、例えば「収縮期134、拡張期84」に血圧が下がった若年・中年者高血圧患者は、これまでと異なり降圧目標を達成することになる。
また医療機関で測る「診察室血圧」より、原則として家庭で朝晩各2回ずつ測定する「家庭血圧」の平均値を、治療上優先することも明記した。
ガイドライン作成委員長の島本和明札幌医大学長は、降圧目標の変更について「降圧薬の治療開始基準との間にギャップがあり、医療現場に混乱を招いていたので是正した。より実用的なガイドラインになったと思う」と話している。〔共同〕
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