エネルギッシュな演技で幅広い役柄を演じた俳優の蟹江敬三(かにえ・けいぞう)さんが3月30日、胃がんで死去した。69歳だった。葬儀は近親者で営んだ。後日、お別れの会を開く予定。喪主は妻綾子さん。長女の栗田桃子さん、長男の蟹江一平さんはともに俳優。

 東京都生まれ。都立新宿高校卒業後、劇団青俳を経て演出家の蜷川幸雄さんらと「現代人劇場」「櫻社」を結成。舞台で活躍する一方、映画やテレビドラマでは野性的な凶悪犯などを演じ、注目された。

 ドラマ「熱中時代」「鬼平犯科帳」「おとり捜査官・北見志穂」シリーズやNHK大河ドラマ「龍馬伝」などで多彩な役を演じ、名脇役として知られた。ドキュメンタリー「ガイアの夜明け」ではナレーションを務めた。昨年はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で、主人公アキの祖父・忠兵衛役で豪快な海の男を演じて話題を呼んだ。1月から体調を崩し、入退院を繰り返していたという。