今年度の神奈川県の公立高校の合格発表が2月27日(木)に行われた。この日から各塾のホームページやチラシ上で、合格者数の速報やあるいは集計が公表され始めた。その中でこんな出来事があった。湘南ゼミナールのHP上で同塾中川校の合格者数が27日(木)の午後、「翠嵐2名、川和2名」と公表されていたが、同日夜の段階で突然、「翠嵐7、川和10」と変更されたのである。同じ日のうちにこのような大幅な合格者数の変更が行われるのはきわめて異例のことである。
この件に留まらず今年度、湘南ゼミナールの合格者数表示には不透明で、消費者の誤解を誘導しかねない疑問点が多々見られる。同塾は従来、神奈川県の学習塾の中では比較的透明感のある実績の公表を行ってきた塾であったと認識している。そのような湘南ゼミナールが、今年度多くのチラシで疑問を持たざるを得ないような広告宣伝を行っているのは誠に残念なことである。私たちは、保護者・生徒に正確な情報提供を行うべきであるという立場から、同塾のチラシやHP上での合格者数告知の問題点をここに具体的に指摘し、同塾の反省と正確な情報提供を促したい。
その1(3/25更新) | その2(3/26更新) | その3(3/26更新) | その4(3/27更新) | その5(3/28更新) | その6(3/31更新)
その7(4/1更新) | その8(4/2更新) | その9(4/3更新) | その10(4/4更新)
さて、今回は湘南ゼミナール青葉台教室に在籍した事実としての合格者の数の確定にチャレンジする。
前回の表(画像参照)の左側の高校から始めたい。なお、「SS青葉台」とは、「『総合進学コース』青葉台教室」とのことで、やはりアルファとは異なる通常の青葉台教室を指すとのことである。また、ここでは湘ゼミアルファの青葉台教室の公表されている数字は事実に基づいているものと仮定して話を進めたい。
①柏陽高校
青葉台教室の最新の外掲示(画像参照)では合格者2名となっているが、この中にはアルファの合格者数が含まれていて、それが2名なので、2-2=0。湘南ゼミナール青葉台教室からの柏陽合格者数はゼロである。
②YSFH(横浜サイエンスフロンティア高校)
最新の外掲示(画像参照)では4名。ここから、アルファの1名を引いて3名。湘ゼミ青葉台教室のYSFHの合格者数は3名である。
③次は川和高校。数字の振れ幅が最も大きい高校である。
最新の外掲示(画像参照)は9名。アルファ青葉台が2名。9-2=7名。これが在籍者の数字。初期に宣伝していた18名は、途中で自らまずいと思ったのであろう、後に撤回。撤回した数は10名で残ったのが8名。そうなると、7名との間に1名の誤差が発生する。ここのところが、今回もっとも頭を悩ました点であるが、「翠嵐湘南特訓講座」の参加者の中に、「翠嵐も湘南も受験せず川和を受験し合格した生徒が1名いた」と仮定すると、ここの8名という数字は合理的に説明できることき気付いた。今のところは、この仮定がもっとも有力ではないか。
④横浜翠嵐
初期の掲示は13名。 次の掲示は、12名。 13名から12名への変更についてはずいぶん考えさせられたが、こう考えたらどうだろう。
折り込みチラシ第2弾の下部に「翠嵐湘南特訓講座受講生含む」「前回のチラシに出させていただいた川和18名は『川和特訓講座青葉台会場』の結果が含まれています」と書かれていることから、初期のチラシでは「翠嵐湘南講座」に加えて「川和講座」の合格者をカウントしていた。この川和講座参加者の中に翠嵐を受験し合格した生徒が1名いたと。こう考えると辻褄があってくる。
さて、合格者の実数だが、最新の外掲示(画像参照)から、アルファの7名を引いて3名。湘ゼミ青葉台教室の横浜翠嵐合格者数はこの3名でほぼ確定。初期に使用していた13名の中には「翠嵐湘南特訓講座」に参加した他校舎の生徒が9名含まれていることになる。
⑤湘南
最新の外掲示(画像参照)4名。ここからアルファの1名を引いて3名。
ということで、初期のHPとチラシで宣伝した数字と私たちが上記で確認した在籍合格者数を表にしてみると、下記のようになる。
こうして見てくると、私たちが指摘した以降のチラシや掲示には、色々な注記がつけられているが、指摘以前のものには何ら注記もなく、とりわけ川和、翠嵐については事実とかけ離れた合格者数字を表示していたことが明らかである。
湘南ゼミナールは、これらの事実に反する数字を記載したチラシを配布した地域に、「お詫びと訂正」を掲載したチラシを配り直すべきであろう。
なお、この翠嵐3、川和7という数字は、この連載の「その3 青葉台教室編」で指摘した数字そのものであった。
※参考資料 川和・翠嵐について、上記の記述を表にまとめてみた
今回もこの資料を題材としてステップの先輩のA先生が、若手のB先生にマンツーマンの解説授業を行った。
先輩A:どうだい。君の考えてきた回答と合っていたかな。
若輩B:大筋では合っていたのですが、川和の1名と横浜翠嵐の1名の誤差が納得がいくように解釈できませんでした。今回のように説明すれば、なるほど整合性がとれますね。
先輩A:それはそうだね。私も、上記の解釈を聞くまでは、誤差の説明ができなかったね。
若輩B:ということは、この業界で仕事をしている私たちでさえそうなんですから、一般の方は注も何もないチラシを見れば、「よく合格しているな」で終わってしまうのはやむを得ないですね。このカラクリを見破ることができる人はそうはいないでしょうから。
先輩A:君は景品表示法という法律を聞いたことがあるかい?
若輩B:えーっと、関西のホテルとかで、料理の材料にオマールエビを使っているのにメニューは伊勢エビになっていたりして問題になった、いわゆる「食材偽装事件」がマスコミで話題になったときに報道されていた法律ですか?
先輩A:そう。まさにその法律だよ。その景品表示法には、こういう文面がある。「 第四条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの 」 湘南ゼミナールの広報担当者には、これを熟読することを勧めたいね。
若輩B:この条文に違反しているということになれば、これはモラルの問題だけではなく、法律違反ということになるわけですね。だから、私たちの指摘を受けて、注記を付け直したり、古い掲示物を剥がしたり、数字を変えたりしているのかも知れませんね。
先輩A:必要なのは、そういう小手先の対応ではなく、湘南ゼミナールの本部が、社内で「消費者(保護者・生徒)に対する正確で誠実な情報公開をする」というバックボーンを作り直すことだと思うよ。
-中川教室在籍の翠嵐・川和合格者は、本当は何名なのか-
湘南ゼミナール中川教室の今春の高校合格実績は、2月27日(木)のホームページ上での当日午後の速報で「翠嵐高校合格者2名」「川和高校合格者2名」と公表された。しかし、同日夜の段階で突然、「翠嵐高校合格者7名」「川和高校合格者10名」と大幅に変更された。
3月7日(金)発行の湘南ゼミナール中川教室の新聞折り込みチラシでも「中川教室から」と題して、「翠嵐高校合格者7名」「川和高校合格者10名」とこの数字が使用されている。
この件に関し、ステップからの問い合わせに対し、中川教室長のS氏は、湘南ゼミナール中川教室に在籍していた実際の合格者数は「翠嵐高校合格者2名、川和高校合格者2名」であると回答している。教室の責任者の発言であるから、この「翠嵐高校合格者2名、川和高校合格者2名」という数字はまず間違いのないものだろう。
3月7日(金)の同塾中川教室のチラシには「翠嵐7名合格、川和10名合格」という大きな活字の下に「湘ゼミのエースが中川教室に集まり、お互いを高め合いました! 『翠嵐湘南特訓講座』中川会場の生徒含む」と注記されている(掲載した画像を参照)。判然としない文章ではあるが、おそらくこういうことであろう。湘南ゼミナールは、「翠嵐湘南特訓講座」を中川教室を会場にして開講した。ここには、ふだん他の校舎に在籍している湘南ゼミナールの「エース」級の生徒が集って勉強した。それらの生徒も「中川教室から」の合格者としてカウントした、と。
このカウントの仕方には当然無理がある。ステップでも「スーパートライアル講座」や「川和トライアル」という名称で、2学期から3学期にかけて特別講座を日曜日に開講している。「川和トライアル」は、ステップでは中川スクールを会場にしており、そこで学んだ川和合格者は68名にのぼる。しかしこれはあくまでも横浜の北部地区を中心にしたステップの各スクールに在籍し、特別講座のみ中川で参加した生徒を含めた総数であり、中川スクールからの合格者は、在籍していた「翠嵐2名、川和8名」である。これを「ステップ中川スクールから川和68名」と表記すれば、とんでもない誤解を招くことになるであろう。
湘南ゼミナールがどうしても「特訓講座」の成果を宣伝したいのならば、「中川教室在籍の合格者数は翠嵐2名、川和2名」と表記した上で、「他教室に在籍している特訓講座の参加者を含めれば翠嵐7名、川和10名になる」と正確に表現するべきであろう。しかし同塾中川教室のチラシには肝心要の「翠嵐2名、川和2名」という表記がすっぽりと抜け落ちているのである。
このチラシを見た消費者(保護者・生徒)からすれば、「中川教室から横浜翠嵐7名、川和10名」という大きな活字が飛び込む仕掛けになっており、正確な在籍合格者数はどこにも見当たらない。この手法は、消費者の誤解を招きかねない不透明でグレーな表示であると言わざるを得ない所以である。
※参考資料 湘南ゼミナール 中川教室のチラシ 一部抜粋(3/7(金)発行)
-金沢文庫東教室在籍の旧トップ校合格者、翠嵐合格者は、本当は何名なのか-
-金沢文庫西教室在籍の旧トップ校合格者、翠嵐合格者は、本当は何名なのか-
金沢文庫東教室(以下「東教室」)、金沢文庫西教室(以下「西教室」)という2つの校舎の今春の合格実績について、ホームページ上で確認すると、次のようになっている。(3月24日現在)
まず旧学区トップ校の数字を拾って見ると
東教室
「横浜翠嵐11名」「湘南2名」「柏陽9名」「横浜緑ヶ丘7名」「光陵1名」「希望ヶ丘2名」「横須賀3名」「横浜国際3名」「横浜SF(理数)1名」
西教室
「横浜翠嵐11名」「湘南2名」「柏陽9名」「横浜緑ヶ丘7名」「光陵1名」「希望ヶ丘2名」「横須賀3名」「横浜国際3名」「サイエンスフロンティア1名」
上記9校については、両教室で、まったく同じ合格実績となっている。
翠嵐合格者数について、西教室に問い合わせたところ、同高校の合格者は「西教室在籍者は4名」とのことである。また、東教室のホームページには合格実績の最後に「金沢文庫東・金沢文庫西の合算実績です。アルファ(*)・翠嵐湘南特訓講座の生徒も含みます」との注記がある。
このことから、先ほどの旧トップ校9校の合格実績は、東教室と西教室、またはそのいずれかを会場としていたであろう「翠嵐湘南特訓講座」の参加者、さらには近隣の湘ゼミアルファ生を含む合格実績を合算した数字ということになる。
ここで詳細に検討してみると、中川教室の場合、「同教室を会場としていた」ということを理由として「翠嵐湘南特訓講座」参加者を「中川教室からの合格者」にカウントしたのであるから、湘南ゼミナールの金沢地区近辺の「翠嵐湘南特訓講座」の会場が東教室であったならば東からの合格者数が多くなるはずであり、会場が西教室であったならば、西教室からの翠嵐合格者が多くなければならないということになる。しかしながら公表されている合格者数は、トップ校に関しては東西ともまったく同数という不可解な結果になっているのである。
さらに、東教室のホームページでは「西教室との合算実績」と表記しているにもかかわらず、西教室のホームページでは、「実績には翠嵐・湘南特訓講座生を含みます」という注記のみで、東教室との合算実績であるという点にまったく触れていないのも、「頭隠して尻隠さず」というべきであろう。
その1の中川教室のケースと同様に、個別の教室の合格者数を一切クローズしたままで複数の教室の合格実績を合算した結果のみを公表するやり方が、あたかも複数校の合格者数をその校舎単体の実績であるかのように印象づける不透明でグレーな公表の仕方となっていると言わざるを得ないであろう。
(*)アルファ=湘南ゼミナールの難関国私立校、難関公立校対応の校舎。金沢文庫校の最寄の校舎はアルファ上大岡校と推定される。
※参考資料 湘南ゼミナール 金沢文庫西・金沢文庫東教室の合格実績 一部抜粋(ホームページ 3/25日現在)
金沢文庫西教室の注記
金沢文庫東教室の注記
※追記(3/26)
3/26(水)、湘南ゼミナール金沢文庫西教室の合格実績(ホームページ)を見ると、注記が突然変更されていた。
3/25(火)、私達がこの臨時ページを公開するまでは、「実績には翠嵐・湘南特訓講座生を含みます」という文章であったが、3/26(水)には「実績には翠嵐・湘南特訓講座生、金沢文庫地区の東・西教室を含みます。」という内容に変更されていた。
しかも、この変更に関してのお知らせが出ているわけでもなく、あたかも当初から複数校舎の合算実績として表示していたかのように、こっそりと変更されていたのである。私達の指摘により、慌てて注記を変更したのであろう。
※参考資料 湘南ゼミナール 金沢文庫西教室の合格実績 一部抜粋(ホームページ 3/26日現在)
-青葉台教室在籍の川和合格者は、本当はいったい何名なのか?
-青葉台教室在籍の翠嵐合格者は、本当はいったい何名なのか?
(1)【青葉台教室の川和高校合格者数】
入試直後のホームページ上で、まず青葉台教室からの川和合格者は「18名」という数字が掲載された。その後発行された同塾折り込みチラシでも「青葉台教室の実績です」と題し、「川和18名」と大きく記載された。このチラシには「翠嵐湘南特訓講座の参加者を含む」等の注記はまったくない。そこで、念のため校舎に電話で直接問い合わせたところ、「青葉台教室在籍の生徒の川和高校合格者数は7名である」との回答であった。「7名がどうして18名になるのか」を質問したところ、中川教室と同様に「翠嵐湘南特訓講座青葉台会場での実績を含む」とのことであった。
ところがその後、ホームページでは、何故か突然「川和8名」と合格者の数字が変更され、現在(3月26日)に至っている。
これで終わらない。その後「湘南ゼミナール青葉台」として折り込まれたチラシで再度川和高校の合格者は「18名」に回帰するのである。つまり、現状ではチラシで「18名」、ホームページで「8名」、電話回答では「7名」と、3通りの数字が入り乱れている状態である。こうなると、湘ゼミのスタッフも何が本当か分からなくなっているのではないか。
整理してみると、青葉台単体での合格者は電話での回答通りおそらく7名。残りの11名は湘ゼミアルファ及び「翠嵐湘南特訓講座」に参加した他教室の生徒というところがもっとも可能性が高い数字だと思われる。いずれにしても、湘南ゼミナール自身の公表数字が媒体によって異なっているのは、余りにも無責任で場当たり的な表記と断じざるを得ない。
(2)【青葉台教室の横浜翠嵐合格者数】
今春の横浜翠嵐合格者について、折り込みチラシでは「翠嵐13名」と公表された。 しかし、ホームページには「横浜翠嵐高校12名」と記載されており(3/26現在)人数が食い違っている。 ここでも(1)の川和高校と同様に、チラシでは「13名」、ホームページでは「12名」、合格者の人数が媒体によって異なっているのである。
さらに、ホームページでは「翠嵐・湘南講座受講生を含む」という記載があるものの、校舎単独の人数が分かる記載はまったく見当たらない。
一方で、折り込みチラシには「特訓講座受講生を含む」という記載はなく、「湘南ゼミナール青葉台」の校舎単独の合格実績であるという誤解を誘導するかのような掲載の仕方となっている。
ここで謎解きにチャレンジしてみると、おそらく青葉台単体での翠嵐合格者数は3名。3名と判断する根拠は、校舎の外からも見える青葉台教室での合格者掲示数が翠嵐で10名。ところが、そのうち7名はアルファ青葉台教室の合格者として、HP上に公表されている生徒と氏名が完全に一致しているのである。ということは、それらの7名はアルファ生ということになる。というわけで10-7=3ということになる。
私たちは湘南ゼミナールではないので断定はできないが、このあたりがもっとも事実に近い数字ではないか。湘南ゼミナールが、「いや、3名ではない。もう少し多い。」と主張したいのであれば堂々と実数を公表すればよいだろう。単体での合格者数をクローズしながら、見せかけの人数を多くアピールしようとするところに問題があるということだ。
個別の教室の合格者数を一切クローズしたままで、複数の教室の合格実績を合算した結果のみを公表するやり方が、複数校の合格者数をあたかもその校舎単体の実績であるかのように印象づける不透明でグレーな公表の仕方となっていると言わざるを得ないのである。
※参考資料 湘南ゼミナール 青葉台教室のチラシ 一部抜粋
※参考資料 湘南ゼミナール 青葉台教室の合格実績 一部抜粋(ホームページ 3/3日時点のものと3/26日現在のもの)
※参考資料 湘南ゼミナール 青葉台教室の合格実績 注記部分(ホームページ 3/26日現在)
※参考資料 湘南ゼミナール 菊名教室のチラシ 一部抜粋(3/7(金)発行)
上に転載した湘南ゼミナール菊名教室のチラシにある、ユーモアあふれる(?)一行の注記に注目されたい。
「これは湘南ゼミナール独自の調査によるものです。」
湘南ゼミナール菊名教室の担当者が、湘南ゼミナール菊名教室の合格者数を表示するのに、どのような「独自の調査」を行ったのか、まことに興味をそそられるところであるが、この「独自の調査」によると、「湘南ゼミナール菊名」教室の翠嵐合格者は19名とされている。
ところで、このチラシの発行主体は「湘南ゼミナール菊名」教室となっているので、この1行の「独自の調査」の注記に気付かなければ、そしてその内容を知ることができなければ、この19名がすべて同菊名教室からの合格者であると誤認してしまう(させられてしまう)表現構造になっている。そして、このチラシを見た消費者(保護者・生徒)の誰一人として、「独自の調査」なる深遠なる調査の中身を一切うかがい知ることはできないのである。
そこでこの「独自の調査」の中身にまったく触れていない湘南ゼミナールに代わって、私たちが「独自の調査」の実態解明にチャレンジしてみたい。
そのためのヒントは同塾ホームページ上にある。同塾ホームページの「湘南ゼミナール菊名」の合格実績のコーナーには「横浜翠嵐19名合格」と上記の菊名チラシとまったく同じ数字が表示されており、その末尾の方に例によって目立たない小さな活字で、「数値は湘南ゼミナール菊名教場での3コース(総合進学コース菊名、翠嵐・湘南特訓講座菊名、SHOZEMIアルファ菊名)合算のものとなります。どうかご了承ください。」とあるのである。
ここで私たちは深遠なる「独自の調査」の真相に一歩接近したことになる。「独自の調査」とはどうやら「湘南ゼミナール菊名」単体ではなく、「SHOZEMIアルファ菊名」の合格者も同時にカウントし、さらに菊名教室を会場として開催された「翠嵐・湘南特訓講座」に参加した湘ゼミの他教室の合格者の数も合算することらしい、ということが浮かびあがってきたのである。
ところが、ここに私達の「独自の調査」の実態解明をはばむ新たな壁が立ちはだかるのである。この「3コース合算」の結果、HP上では川和に2名、サイエンスフロンティアに2名の合格者がいるはずであるだが、菊名チラシをよく見直してみると「独自の調査」結果では、川和4名、サイエンスフロンティア4名合格となっているのである。う~む、せっかく真実に一歩近づいたと思ったが、どうやら「独自の調査」とは、どうもより深遠なる調査であるらしい。HP上の3コースの合算よりも川和、YSFHとも各2名増えているのである。
またHP上の3コース合算では「湘南に2名」合格しているはずなのだが、チラシ上の「独自の調査」では、この湘南2名が忽然と姿を消しているのである。しかし人間にはミスというものがあるので、湘南が姿を消したのはここではチラシ作成者の見落としとでもしておこう。一方、川和とYSFHの合格者数が、それぞれ2名から4名に増えるのは「書き忘れる」ことによって成し得ることではない。
こうして「湘南ゼミナール菊名」のチラシの「独自の調査」の真相解明は大きな壁に突き当たるのである。湘南ゼミナール菊名の方たちに聞きたい。この「独自の調査」とは何なのか。あなた達も簡単には答えられない程の深いそして困難な調査であったのか。
今回の菊名教室のチラシは「独自の調査」なる概念を勝手に作り上げ、そしてその正体を一切明かすことなく使用することによって、消費者を誤誘導する不透明でグレーな表示手法であることは言うを俟たない。
問題点は、三重構造になっている。
まず第一に、3コース合体の、それも他の教室の在籍者をもカウントしているのだが、あたかもそれらの合格者のすべてが、単体での合格者であるかの様な「誤解」を誘導するかのような手法が、明らかに不透明でグレーなのである。
第二に、菊名チラシでは、「独自の調査」という独自の(?)用語を持ち込み、その説明を一切省略することによって、表示している合格者数が、「3コース合算の実績」であることすら表示していない。
第三に、菊名チラシでは、3コース合体の合格者に、さらに合格者数を川和2名、YSFH2名加算しているのだが、その根拠がまったく不明である。
このような、グレーで不透明で、消費者に対する説明責任を一切放棄した問題だらけのチラシを発行している湘南ゼミナール担当者の社会人としての良識を問うものである。
※参考資料 湘南ゼミナール 菊名教室の合格実績 一部抜粋(ホームページ 3/27日現在)
-湘ゼミ流トリックの実態解明にチャレンジ-
湘南ゼミナール相模大野教室は、「相模大野教室から」と銘うって、「横浜翠嵐高校6名合格、湘南高校4名合格」というチラシを何の注記もなしに、3月上旬に発行している。これを一読したほとんどの方は、「湘南ゼミナール相模大野教室」に普通に入会し週に何回か通っていた生徒達が、翠嵐と湘南に計10名合格したと理解するであろう。実際、湘ゼミの手法に慣れていないステップの若い教師は、このチラシを見て「今年の相模大野の湘ゼミはよく合格していますね」と感心していたくらいである(笑)。
もちろん、この合格者表示には、例の湘ゼミ流トリックが隠されている。
下記は、大野教室の合格者の実態を確かめるため湘ゼミ相模大野教室に問い合わせをした電話の記録である。対応した湘ゼミ大野教室の担当者の方とのやりとりを活字にすると下記の様になる。
地元の子で、どういうところの中学校から受かっているのかなってのが知りたいんですけど。
>このあたりですと、二人受かっているところが東林中学校ですとか
東林中ってあの東林間の東林中学校ですか?
>そうです
翠嵐が東林中学が二人ですか。湘南受かっている子ってどこに行っているんですかね
>ちょっと遠くから来られている方とかが多いんですけど、相模台中学校とか
あ~相模台ですね。が、おひとりですか?
>そうですね
はい、結構電車とかバスに乗って通ってくる感じですか。
>あの~、ちょっと今年の先ほど申し上げました翠嵐湘南を目指すクラスで土曜日にやってた特別なクラスがありまして、他の教室の生徒さんとかも来るようなクラスだったんで、広いエリアから
なるほどどのくらいの地域から集まっているんですか?例えば相模台、湘南一人って言ってましたけど他のも教えてもらっていいですか?
>え~引地台中学校、滝の沢中学校、湘南台中学校とかですかね
あ~じゃ結構みんな集まって受けに来てるって感じですね、そうなんだ。翠嵐は東林二人とあとは?
>え~と、湘南台が翠嵐ですね。あと弥栄中学校とか
弥栄と湘南台・・・
※>と書いてある方が湘ゼミ相模大野教室の担当者の発言
この電話の内容を調査確認していけば、湘南ゼミナール相模大野教室からの湘南合格者と称されている生徒4名の内訳が浮かび上がってくる。会話記録にある通り、相模台中・引地台中・滝ノ沢中・湘南台中から各1名の計4名。
ところで、相模台中の湘ゼミ生が主に通っている湘ゼミ相模原南教室の合格者表示をHPで確かめると、2月27日付けのHPで「湘南(相模台中)」とあるので、おそらくこの生徒が該当者であろう。次に引地台中学(大和市)の湘ゼミ生が主に通っている湘南ゼミナール桜ヶ丘教室のHPを確かめると、ここに「湘南高校1名」という記載が確かにある。さらに藤沢市の湘南ゼミナールで最も古い校舎である湘南台教室の校舎掲示を確かめてみると、そこに「湘南2名」という掲示がなされているので湘南台中学の生徒と滝の沢中学の生徒は湘南台教室に所属する生徒である可能性が高い。
ということは、結局湘南合格者の4名は、おそらくそのすべてが、相模大野以外の教室に入会し、大野以外の教室に通い、3年生の2学期のある時期から土曜日の特別講座のみ相模大野に参加した生徒であって、相模大野教室に普通に入会し、相模大野教室で通常に授業を受けていた生徒ではないのである。
いったいこの「相模大野教室から湘南4名」というチラシを見た消費者(保護者・生徒)の何名がこのカラクリを見抜くことができたであろうか。
ちなみに、こんなカウントの仕方をすればステップのスーパートライアル講座(3年生の2学期からの日曜講座)や高校別トライアル講座の会場になったスクールは途方もない合格者を出したことになってしまう。
次に翠嵐合格者についても同様に点検してみたい。翠嵐の合格者は6名とされていて、うち2名は東林中学となっている。東林中学の湘ゼミ生が主に通っている相模原南教室のHP掲示を見ると、確かにそこには「横浜翠嵐(東林中)」(人数は書かれていない)とあるので、少なくとも1名はこの生徒であろう。次に弥栄中学の湘ゼミ生が主に通っている湘南ゼミナール星が丘教室のHPを確認してみると、「横浜翠嵐→星が丘教室からも1名合格」とあり、さらに「弥栄中から2名合格のうち1名が湘ゼミ生」となっているのでこの生徒が該当することは間違いない。次に湘南台からの翠嵐合格者であるが、湘南台教室の校舎掲示に「横浜翠嵐1名」となっているので、この生徒が該当者であろう。ということは、翠嵐合格者6名のうち少なくとも4名は他教室の在籍者ということになり、相模大野教室在籍の翠嵐合格者は最大で見積もっても2名、実は0名である可能性も否定できない。
それだけではない。一方で湘ゼミ星ヶ丘教室、湘南台教室等、桜ヶ丘教室等の掲示においても、相模大野教室としてカウントしている生徒を自教室の合格者としてカウントし掲示しアピールしているのである。実質的にダブルカウントに等しい行為とも言えよう。
本来なら湘南ゼミナール相模大野教室の校舎チラシは、「横浜翠嵐0~2名合格、湘南0名合格」としか書けないのが現実なのである。それを土曜の講座のみ参加した生徒を何の注記もせず加算することによって実態を見えなくし、膨らませて表現する。この不透明でグレーな手法が今年の湘ゼミの校舎チラシの合格者表示の問題点の核心である。
上記の会話記録からしても、湘ゼミ相模大野教室の担当者の方が実に歯切れ悪く回答されているのがヒシヒシと伝わってくる。
もっと爽やかに、湘南ゼミナール相模大野教室に在籍していて一緒に勉強した合格者の数を、たとえ少数であっても、堂々と誇りを持って明示することをお勧めしたい。
※追記
上記の相模大野教室の湘南・翠嵐合格者の内訳の分析は、湘南ゼミナールのチラシ・HP・校舎掲示等の資料によって推測したもので、多少の誤差が含まれている可能性が存在する。しかしながら、それは湘南ゼミナールが本来基本とすべき「自教室に入会し、通塾し合格した在籍者の合格データ」をクローズすることによって生じているものであることを明記しておきたい。
※参考資料 湘南ゼミナール 相模大野教室のチラシ 一部抜粋
※参考資料 湘南ゼミナール 桜ケ丘教室の合格実績 一部抜粋(ホームページ 3/28日現在)
※参考資料 湘南ゼミナール 星が丘教室の合格実績 一部抜粋(ホームページ 3/28日現在)
※参考資料 湘南ゼミナール 湘南台教室の合格実績 一部抜粋(教室外掲示 3/27日17時時点)
湘南ゼミナール大船教室は、2月27日(木)14:00時点でホームページにて「大船教室からの公立高校合格者速報です!!」と題し、「湘南3名」「翠嵐2名」「柏陽4名」「横浜緑ヶ丘1名」「光陵4名」「横浜国際2名」「神奈川総合1名」と合格者数を公表した。
ところが、その日の夕方17:00頃そのページは更新され、「大船教室からの公立高校合格者速報です!!」の表題が忽然と消えた。替わって、そこには「湘南5名」「翠嵐6名」「柏陽4名」「横浜緑ヶ丘1名」「光陵5名」「横浜国際2名」「神奈川総合1名」とわずか3時間で急増した数字が列挙された。
そしてページ中段には「*上記実績には大船教室出身のアルファ藤沢・アルファ戸塚生・国大横浜内進生を含みます」「*また、上記実績には翠嵐湘南特訓受講生も含みます。」という記載が追加されたのである。
また大船教室の折り込みチラシには「これは2014年2月27日15:00現在の湘南ゼミナール独自の調査によるものです。訂正があった場合は次回チラシで訂正いたします。上記実績は大船教室出身のAL藤沢生、AL戸塚生の3名と国大横浜内進1名を含んだ実績となります。また上記実績には翠嵐湘南特色検査特訓講座大船会場の受講生も含みます」と記載されている。
今回は、この資料を教材として、ステップの先輩のA先生が、若手のB先生にマンツーマンの特訓授業を行うことになった。
先輩A:そろそろ湘ゼミ流の合格者数の増やし方のパターンが分かってきたかい? 今日は復習を兼ねて君の理解力を試してみよう。
若輩B:僕もこの間大分勉強させてもらったので、多少のことは大丈夫です。ドンと聞いてください。
先輩A:よし、それじゃ行くぞ! まず、ALってなんだ?
若輩B:ALってAとLですか? 分かった!アルファベットの省略!
先輩A:なんだ。まだまだ甘いな。ALというのは湘ゼミアルファをひっそりと表現するときの言ってみれば隠語だよ。
若輩B:でもALなんてチラシに書いても誰にも分からないじゃないですか?
先輩A:だからいいんじゃないか。例えば、「SHOZEMIアルファの合格者も含む」と書いたら、中には理解できる人もいるだろう。ところが、「AL藤沢も含む」と小さく書いておけば、業界関係者でもないかぎり、君と同じようにALってなんのこと?となって見逃す人がほとんどだろう。
若輩B:なるほど。湘ゼミの担当者もなかなか賢いですね。
先輩A:その知恵とエネルギーを、生徒を伸ばすのに使った方がいいと思うけどね。ところで、27日(木)14時の初めに公表された合格者人数から、17時の合格者数が一気に増えたカラクリはわかるかい?
若輩B:任せてください!例の湘ゼミ流トリックについては大分学習しましたから。要するに、初めに出したのは、普通にカウントした生徒の合格実績。周りの塾の実績と比べて「これでは少なすぎる」と慌てたか、あるいは上から怒られたかして出した後の方は、例によって、まず「翠嵐湘南特訓講座」に参加した他教室の生徒を人数に加える。これが第一段階。さらに湘ゼミアルファの合格者も加算して「合格者の数を多く見せかける」という例の手法ですね。エッと、そうやって今回は翠嵐4名、湘南2名、光陵1名を調達して膨らませたということですね。
先輩A:大まかにはそれでいいんだけど、今回はいつものパターンとちょっと違う手口が使われているのに気付いていないのか。よく読んでみろ。「大船教室出身のAL藤沢生、AL戸塚生」という箇所を。これって何を意味してるんだ?
若輩B:あっ、分かりました。以前湘南ゼミナールの大船教室に在籍していたけれど、SHOZEMIアルファの藤沢校と戸塚校に移った生徒もカウントしたということですね。
先輩A:おっ、大分分かってきたじゃないか。菊名のように同じ場所に「湘南ゼミナール」と「SHOZEMIアルファ」があるわけではなくて、大船(鎌倉市)と戸塚(横浜市)、大船(鎌倉市)と藤沢(藤沢市)と離れているので、さすがにSHOZEMIアルファの2校舎分の合格者全部を加算するのは無理だと思ったんだろう。以前在籍していてアルファに移った移籍生を加えることにしたんだろう。と言っても、今はアルファ生だろう。アルファの方では自教室の在籍生としてしっかりカウントし、かつて在籍した教室でもカウントする。言ってみればダブルカウントだよね。湘ゼミも本当に「何でもあり」になってきてるな。
若輩B:湘ゼミって以前はどちらかというとまともな方じゃなかったですか?
先輩A:ここんところ、ずいぶん変わってきたよね。それにしても変化が激しいけどね。
若輩B:ところで一つ質問があります。
先輩A:何だ、遠慮なく聞いていいぞ。
若輩B:「大船教室出身の国大横浜内進生を含みます」って何ですか? ここだけは、どうもよく分かりませんでした。
先輩A:それはね。多分こういうことだ。光陵は、国大横浜の生徒を内部推薦扱いで定員40名の枠まで受け入れているわけ。その推薦の結果がでるのは秋口。おそらくその生徒さんは、合格が決まった段階で湘ゼミを退会したんだと思うよ。だって最後まで在籍していたのなら、あえて「出身」と書く必要がないから。ところで、合格者を増やす作業はもう終わりにしていいのか?
若輩B:いえいえ、まだ詰めの作業が残っています。ここをしっかり押さえないと、また先輩に「甘い」って言われますから。まずチラシを読んだ一般の方ができるだけ気付かないように、特訓講座やアルファの件を書いた注記の活字はできるだけ小さくする必要があります。さらに、さっきの学習を活かして、アルファはALと書いて、「SHOZEMI」というロゴも消し、「AL藤沢」、「AL戸塚」にし、理解できる人の数をさらに減らし、見逃される確率を高める。どうですか? 大分飲み込めてきたでしょう。ウン、この調子なら僕もそのうち湘ゼミのチラシを作れるかもしれませんね。
先輩A:馬鹿言ってんじゃない。冗談になっていないぞ。自分が教えた生徒たちが、顔もろくに知らない他教室の合格者を人数に入れた自スクールのチラシを見て、喜ぶと思っているのか。
若輩B:スイマセン。発言に気をつけます。
先輩A:しかし、君も湘ゼミの教室別の実績の膨らまし方のテクニック、大分理解できてきたようだね。
若輩B:でも、塾で仕事をしている私でさえ、こうして何回か講義してもらってやっと分かってきた位ですから、一般の方はこのトリック、なかなか気付かないでしょうね。
先輩A:本当にそうだよな。だからこそ、このインフォメーションは意味があるね。ということで、今日の湘ゼミ大船トリック編の授業は一旦終了としよう。
※参考資料 湘南ゼミナール 大船教室のチラシ 一部抜粋
今回は、湘南ゼミナール北山田教室の実績表示をとりあげ、それを分析しながら、湘ゼミが今年多用している校舎単位の合格者数を膨らませて見せる新しいテクニックを俎上にのせたい。
まず、入試直後のHPで北山田教室の合格速報には、「横浜緑ヶ丘1名、希望ヶ丘1名、神奈川総合3名、川和2名、新城2名、市ヶ尾3名」と記載された。
ところが、このHPの内容は、3月のある時期に書き換えられ、「横浜翠嵐2名、横浜緑ヶ丘1名、希望ヶ丘1名、神奈川総合3名、川和2名、新城2名、市ヶ尾3名」と変更された。(4/1現在もそうなっている)
いなかったはずの横浜翠嵐合格者はどのようにして誕生したのか。
HPの北山田の合格実績のコーナーで、一番上の行に小さな活字で、こういう注記がつけられた。「中川中・中川西中の実績です(一部、アルファコースや中川校の生徒を含みます)」と。このHP上では、他の高校の合格者数は変えられていないので、横浜翠嵐がゼロである事実を表に出したくないため、翠嵐合格者2名を他教室から輸入してきた可能性が高い。そこで、中川西中の生徒が多く通う中川教室(HPでは、中川教室は「中学部 湘ゼミ中川は、中川西中限定の教室! だからこそできる手厚い指導!」となっている)の合格者を分析してみる。現在の中川教室のHPでは、「横浜翠嵐7名、川和10名」となっているが、これは「翠嵐湘南特訓講座」の他校舎の参加者を含んだ見せかけの数字であり、実際は当初中川教室のHPに書いてあった、「横浜翠嵐2名、川和2名」が正確な数字なのである。(詳しくは、連載の その1 中川教室の件参照)
ということで、ここで湘南ゼミナール北山田教室が使った手法が鮮明になる。同じ中学に通っている他校舎の生徒を取り込んでさりげなく表示する。中川校からの横浜翠嵐合格者を北山田のHPに記載するために、その言い訳として付けた注記が先ほどの内容(「中川中・中川西中の実績です」)だったのである。
しかしながら、この北山田教室のHPを見たほとんどの保護者や生徒は、どうみてもそのほとんどが「北山田教室から横浜翠嵐に2名合格した」と読みとるであろう。実に巧妙な手法である。
ところで、今度は湘南ゼミナール北山田教室名で出されたチラシを見てみよう。
このチラシには、「中川中・中川西中より」と大きく銘うって、「横浜翠嵐2名、川和4名、横浜緑ヶ丘1名、希望ヶ丘1名、神奈川総合4名、市ヶ尾3名、港北3名」と大きく記載されている。そこでそれらの数字をチェックしていくと、HPとは違って川和が4名に増え、神奈川総合も1名増えて4名になっていることに気がつく。そこで、もう一度中川教室の合格者をチェックしてみると、川和2名(当初のHPより、現在は10名になっている)、神奈川総合1名とある。これらの生徒を「中川西中より」ということで輸入し、北山田教室のチラシの合格者数を増やしたのである。ここで、「頭かくして尻隠さず」というべきか、チラシの合格者数よりもHPの合格者数が川和で2名、神奈川総合で1名少なくなっているのがご愛嬌である。おそらく、当初は「翠嵐2名」を記載する目的でHPに注記を付け書き換えたので、他校の数字までは頭が回らなかったのが、チラシ発行の段階で気付いて修正したものの、HPの書き換えには至っていないのであろう。
一般の読者がこのチラシを見たとき、単独の「北山田教室」名称となっているので、北山田教室所属の「中川中・中川西中」の合格者数が記載されていると思うのがごく一般的な反応であろう。巧妙な「誤解誘導作戦」になっているのである。
なお、チラシにはHPにあるような、「一部、アルファ教室や中川校の生徒を含みます」という注記は一切なされていない。
ところで、最近私たちが指摘した矛盾点について、湘南ゼミナールサイドが、HPや掲示物を書き換えるケースが見られる。今回も、北山田教室HPの合格者数は、チラシに合わせて修正されるのであろうか。注意深く見守りたい。
今回もこの資料を題材としてステップの先輩のA先生が、若手のB先生にマンツーマンの解説授業を行った。
先輩A:どうだ、今回の手法は。理解できたかい?
若輩B:一応分かりましたが、実に工夫した作戦ですね。湘ゼミって、チラシの出し方、考えていますね。
先輩A:そうだよね。実に巧妙だよね。確かに「中川中・中川西中から」とあっても、このチラシを見た方のほとんどは、この生徒さんたちは「北山田教室から合格した」と「錯覚」するよね。「錯覚を誘う」ようなチラシになっていると言う点で不透明でグレーだね。
若輩B:私も段々分かってきましたが今回は湘ゼミの矛盾点を発見しました、聞いてくれますか。
先輩A:どうぞ、ぜひ聞きたいね。
若輩B:中川教室のHPやチラシでは、「翠嵐合格者が7名、川和合格者が10名」となっていて、湘ゼミによると中川教室の生徒は「中川西中の生徒さん限定」ということですから、翠嵐の2名を貸し出した残りの5名と川和の2名を貸し出した残りの8名は、中川西中以外の「外人部隊」ということになり、HPに初めに記載された「翠嵐2名、川和2名」こそ、中川教室の正しい数字だということを逆に証明する結果になっています。こういうのって「語るに落ちる」って言うんじゃなかったですか。
先輩A:お~、君も色々と気づくようになったね。大したもんだ。この辺で湘ゼミが今回の広報宣伝でやろうとしている全体像が浮かんできたかい?
若輩B:要するに、全体の合格者数のことはさておいて、「その校舎単独なら地域の近隣他塾を圧倒している」ように見せかける技術を工夫しているということですか?
先輩A:まさにその通り! 君はまだ入社前なので知らないかもしれないが、1999年、神奈川県では某塾の合格者大量水増しが明るみに出て、その塾が謝罪チラシを県内で配布する事態まで発展し、またそれが週刊朝日等でも取り上げられるに至った事件を知っているかい?
若輩B:詳しくは知りませんが聞いたことはあります。
先輩A:その塾に反省を促した神奈川県の学習塾の協議会(「私塾広報協議会」)には、その中心的メンバーとして、私達もそうだが湘南ゼミナールも含まれていたわけ。
若輩B:あっ、そうなんですか。じゃ、その時は湘南ゼミナールは某塾を追及する側だったんですね。
先輩A:そういうこと。それに湘南ゼミナールの当時の代表は、そういう点ではオープンというか前向きな方で、むしろ全体を引っ張る立場だったと、その協議会に出席していた当社のメンバーからは聞いているよ。
若輩B:そういう話は全然知りませんでした。湘ゼミはいつ頃から変わってきたんですかね。
先輩A:そんな遠い前じゃないね。
若輩B:何か方針の転換のようなものがあったんでしょうね。
先輩A:それはともかくとして、当時のことを知っているメンバーも湘南ゼミナールには残っているだろうから、合格者の全体数を水増しすることの危険性はよく承知しているはず。いくら秘密裏にやったとしても内部告発等があって明るみにでれば、その塾の名誉はズタズタになってしまう。
若輩B:だから全体の合格者数には触らないわけですね。
先輩A:そう。全体の合格者数には触らない。その代わり、教室次元では、これまで見てきたように、ありとあらゆるテクニックを使って合格実績を膨らまして見せる手法を実践している。まさに「手段を選ばず」という印象だね。
若輩B:広報宣伝を工夫すること自体は、別に問題にはなりませんよね。
先輩A:そう。工夫するだけならね。各塾の腕の見せ所かも知れないね。しかし彼らが今春多用している手法は、単なる「工夫」ではなくてどう見ても「錯覚を誘導する」という意味で限りなく不透明でグレーな内容が含まれている。そこが問題というわけだ。「特別講座」に参加しただけの生徒を「教室からの合格者」としてカウントして掲載し、ある場合はその旨の注記さえなされていなかったりというのは最も典型的な例だろう。今回とりあげたケースも不透明そのものだ。
湘南ゼミナールは、臨海セミナーや中萬学院、ステップ等とならんで県内では規模の大きな塾の部類に入るだろう。相対的に経済力のある大手系の塾がグレーな手法を多用すれば、より小規模な塾は、対抗上同次元の手段をとるケースが当然出てくる。だから、「大規模な塾ほどルールを厳しく守る」位のモラル感覚が必要だと思うよ。そうしていかないと県全体の学習塾の合格者表示のモラルが下がってしまう。
ところで、1999年の大規模な事件以来、その反省から、細かい問題は色々とあったし今もあるけれども、神奈川県の高校受験界ではみんなが眉をひそめるような大がかりな合格実績をめぐるトラブルはほぼ見られなかったと思う。湘ゼミが今の手法を続ければ、再び99年以前のような「無法地帯」に戻ることになりかねないけどね。
若輩B:なるほど、そういう歴史的経過があったんですね!
先輩A:ところで今日は君に宿題を出そう。トップ校の合格者がその地域でほぼ壊滅的に少ない状況で、近隣にもこれという実績がある教室がない場合、どういうテクニックを使ってその校舎なり地域なりの合格者数を多く見せるか? 今までの湘ゼミの手法を参考に、次回までに考えてきたまえ。
若輩B:難しそうな宿題ですが、チャレンジしてみます。
※参考資料 湘南ゼミナール 北山田教室の合格実績 一部抜粋(ホームページ 合格発表直後のものと4/1日現在のもの)
※参考資料 湘南ゼミナール 北山田教室のチラシ 一部抜粋
今回は、校舎や地区単位の合格者数を数多く見せかけるという湘南ゼミナールの新しい手法を取り上げてみたい。
湘南ゼミナールは3月、茅ヶ崎地地区の「茅ヶ崎、茅ヶ崎高田教室」名でこのようなチラシを発行した。
「茅ヶ崎、茅ヶ崎高田教室より旧学区トップ校に38人合格! 新制度・特色検査対策は湘ゼミにお任せ下さい!」という見出しを立てている。合格者数を拾っていくと、横浜翠嵐2、湘南7、柏陽3、平塚江南9、小田原2、厚木1、横浜サイエンスフロンティア3、横浜国際2、茅ヶ崎北陵7、大和1、秦野1となっている。湘南ゼミナールの茅ヶ崎地区は、2教室で構成されているので、この数字は素直に読めば、健闘していると言えよう。ステップのスクール事務の方で、茅ヶ崎地区に住んでいる方が、「今年の湘ゼミはよく合格していますよ。」と、言っていたのも一理ある。
ところがである。このチラシにも、ちゃんと「オチ」がついているのである。よく見ると、注記として「茅ヶ崎教室・茅ヶ崎高田教室の2教場だけでこの結果! 制度変更でも安心! 新制度2年間での結果です」と書いてある。なんと「2教室の2年分」を合計した表示になっているのである。
そこで、昨春と今春の両校に記載されているHPから、詳細を割り出してみた。
赤部分に注目されたい。湘南・小田原・大和・秦野高校について、茅ヶ崎教室でも茅ヶ崎高田教室でも、今春の合格者は0(ゼロ)なのである。今春の茅ヶ崎地区の湘南ゼミナールのトップ校合格実績は、「好調」どころか、昨春に比べて半減に近い「不振」であるという実態が見えてくるのである。
この一風変わった、「2教室の2年分」という合格者数字の出し方が、茅ヶ崎地区の今春の「不振」をカバーするための作戦であったということである。
湘南ゼミナールには、校舎チラシの中で実績を表示する場合、保護者の誤解を誘導する様な手法は慎み、校舎ごとの、そして年次ごとの詳細数字を明記することをお勧めしたい。
今回もこの資料を題材としてステップの先輩のA先生が、若手のB先生にマンツーマンの解説授業を行った。
先輩A:おい、どうだ。君に前回出していた宿題の自己採点は。
若輩B:いやぁ~参ったなぁ。自分には、とてもここまでは思いつきませんでした。今年の合格実績が単独ではアピールしにくいので、2年分足して、その内訳は明記しないで出す。う~ん、考えていますね。意表をつかれました。
先輩A:茅ヶ崎地区で最も人気のある高校は、おそらく湘南と地元の北陵。それが2校舎合計しても湘南0、北陵2ということで、それを見えないようにしながらアピールしたというわけさ。
若輩B:そんなに苦労するぐらいなら、チラシを出さなければいいと思うんですが。
先輩A:そこが難しいところで、茅ヶ崎地区はステップが伝統的に強い地区だよね。湘南も北陵も平塚江南も小田原も鎌倉も、全体数ではステップにはどうやってもかなわない。
若輩B:確かに湘南の合格者も湘ゼミは昨年の湘南60名から、今年51名に減っていますね。
先輩A:湘ゼミがとっている広報作戦は、言ってみれば湘ゼミ流のランチェスター戦略ということだよね。
若輩B:なんですか? そのランチェスター戦略って?
先輩A:簡単に言うと、「小が大を食うための戦略」ということになるかな。「弱者」が「強者」と戦うときは、戦うエリアを限定し、そこに戦力を集中的につぎ込むことによって、部分的逆転を狙っていくという戦略。
若輩B:はじめて聞きました。今度、Wikiでも読んでおきます。
先輩A:茅ヶ崎地区で、「ステップ全体」対「湘ゼミ全体」という構図を作ると、口コミでもチラシでも、なかなか厳しい事になるわけだ。
若輩B:なるほど。そこで、何かしら戦う場を限定して、そこで勝つことを狙うわけですね。
先輩A:そういうこと。例えば、茅ヶ崎地区全体ではなく、仮にA中学ならA中学に限定して、「A中学から湘南に最も多く合格した塾は湘南ゼミナールです」とか「A中学の北陵合格者が最も多かったのは湘南ゼミナールです」とか。ところが、今年湘ゼミは、受験者がいないということは考えにくいのでおそらく湘南受験者は全滅した可能性が高いよね。 だから、こんな時は無理なチラシを出すのをやめて、来春に向けて、捲土重来をはかればいいわけさ。
若輩B:まぁ、私たちなら当然そうしますね。
先輩A:そこを実態がないのに宣伝力で突破しようとするので、どうしても広告宣伝に無理が出てしまう。「実態を見えないように」という宣伝なのだからそもそも出発点から苦しいわけだ。
若輩B:なるほど。そういうときに、無理に合格実績を好調に見せかけようとすると、ほころびが出てしまいますし、不透明でグレーなチラシになってしまうわけですね。
先輩A:相模大野教室の件(その5 相模大野教室の項参照)もそうだね。実態以上に大きく見せかけてアピールしようとして、「特別講座」に参加しただけの「外人部隊」を自校舎の生徒であるかのように宣伝する。
チラシにしても、HPにしても広告宣伝というのは自分たちの教務なり、システムなりの優れているところを消費者(保護者・生徒)に伝えることがベースであって、広告宣伝に頼りすぎて、何が何でも現状突破をしようとすると、どうしても行き過ぎが生まれてしまう。
若輩B:なるほど。先輩の言っていること大分分かってきました。しかし、今回の宿題の自己採点は、どうみても50点はいきませんでした。残念。
先輩A:ところで、このサイトで私たちが色々と細かく指摘しているわけだけども、それに対して、湘南ゼミナールでは、校舎ごとの掲示物を張り替えたり、HPに注を付けたりする動きがみられるので、次回はその件を取り上げてみよう。
若輩B:では、次回もよろしくお願いいたします。
※参考資料 湘南ゼミナール 茅ヶ崎教室・茅ヶ崎高田教室のチラシ 一部抜粋
この連載が始まってから、私たちが指摘した事項について、湘南ゼミナールの各校舎で、掲示物の内容を書き換えたり、あるいは、HP上の記事に注記を付けたりという動きが出ている。
たとえば、3月26日、この連載の【その3】で、青葉台教室の合格実績が媒体によって数字が異なったり、他教室の生徒をカウントしている件を指摘したところ、翌27日になって青葉台教室にそれまで貼ってあった掲示物が剥がされた。
現在の校舎掲示(下記に掲載)には、またまた新しい表現が使われている。「アルファ青葉台・SS青葉台に在籍していた中学3年生のみの合格実績です。」 (参考資料の画像を参照)
アルファ青葉台は分かるとして、「SS青葉台」とは何か。一般の方にはもちろん分からないであろう。私たちにもよく分からない(苦笑)。しかし、この掲示は校舎の窓に貼っており、校舎の外を通る一般の方に見せるための掲示である。「多くの人に見せたい掲示を、多くの人が知らない用語で公表する。」 ここに湘南ゼミナールの今春の広告宣伝の特徴が浮かび上がってくるのである。
湘ゼミ大船教室は、「AL藤沢」「AL戸塚」という、言ってみれば内部的な「隠語」を使ってあえて分かりにくい注記を作っていたが、今回も同様のパターンといえよう。「SS青葉台に在籍した中学3年生」とは、推測するに一般スクールの青葉台校のことであろう。スタンダード・スクール青葉台校の省略でもあろうか。
一般の方には伝わりにくい表現をあえて使うことによって、「実態を見えにくくし」「合格実績の細部の分析を難しくする」手法がここでも使われているのである。
さて、ここからは今回はやや複雑な内容(苦笑)になってしまいそうだ。湘南ゼミナール青葉台教室(SS青葉台)の合格実績をよく見ると、現在までに少なくとも4通りの実績が公表されていて、実にその全てに部分的に異なる数字が使われている。そのこと自体、湘南ゼミナール青葉台教室の実績の「いかがわしさ」を感じさせるのであるが、実際の所、湘ゼミのスタッフ自体、「一体何が本当か」、分からなくなっているのではないか。
しかし、ここでは、あえてこの謎解きにチャレンジしてみたい。
湘ゼミスタッフに代わって私たちがこの4種類の合格実績がいかにして生まれたか、その実態の解析にチャレンジしてみようという訳である。
下記に、4通りの掲示内容と、2つのヒントを掲載した。①~④の中では、④の校舎外掲示が最新のものである。(画像参照) この中で川和合格者は、当初の18名からHPの8名まで大きく減っている。なお電話での質問に対する回答は7名である。翠嵐も13名からスタートし、現在は公称10名まで減っている。
下記のデータを参考に、「アルファ青葉台」や「外人部隊(特別講座だけの参加者)」を除いた青葉台教室の各高校への本当の合格者数を推定してみてほしい。
ぜひこのサイトをお読みになった方も、挑戦してみてほしい。この問題は、もしかしたら、湘南や翠嵐の特色検査より難しいのではないか(笑)。なお、正解の発表(?!)は次回に行います。
※参考資料① 湘南ゼミナール 青葉台教室のチラシ 一部抜粋
※参考資料② 湘南ゼミナール 青葉台教室の合格実績 一部抜粋(ホームページ 3/3日時点のものと4/3日現在のもの)
※参考資料③ 湘南ゼミナール 青葉台教室 掲示物 注記部分
※参考資料④ 湘南ゼミナール 青葉台教室 外掲示 一部抜粋
先輩A:この分析、どうだ? できそうな予感がするかい?
若輩B:いや、この数字の羅列を見ただけで何か頭が痛くなりそうですね。やるだけはやってみますが。それにしても、4種類の媒体の数字が全部違っているなんて、スゴイですね。それも段々減ってくるのですが。いい加減さもここまでくると、開き直りに近いですね。
先輩A:この4通りの数字の出所が分かるスタッフが、湘ゼミに何人いるかな。
若輩B:それにしても、出す数字出す数字が全部違っていて、私たちが青葉台教室の数字の矛盾を指摘した後で貼りだしてきた最新の数字がまた違うというのは何なんでしょうね。
先輩A:要するに、湘ゼミの本部は、校舎別の合格者数字表示にガイドライン等は一切設けず、野放しにしているということだろう。湘ゼミの元社員の方の話を聞いたことがあるけれど、「校舎の実績表示は、校舎の側で作るのが原則。他校舎の生徒であっても、自校舎のエリアの中学なら自校舎の生徒として載せてもよい。発表については『こうしろ』と指示があることもあるが、基本的には校舎任せ。」という風に言っていたよ。規範なしに、「校舎の実績を大きく見せるように、校舎ごとに工夫しろ!」という指示が出れば、校舎の側は当然色々と考える。ある校舎が新しい手法を思いついて見せかけの合格者数を増やすことに成功すれば、そのノウハウが他校舎に伝播して増殖していく。そういうことの繰り返しではないだろうか。
若輩B:それなら、得心がいきます。例の北山田教室でやったように、「中川中・中川西中より」と書いて、同じ中学の他校舎の合格者を取り込んだり、「翠嵐湘南特訓講座」に参加した他校舎の合格者を取り込む。さらに、茅ヶ崎のように、今春のアピール材料が少ない場合は、2年分で表示する。こういう手法が、工夫されながら広がっていくわけですね。
先輩A:そういうことだね。このノウハウをさらに徹底すれば、たとえばこんなことだってできるよ。今年、湘南ゼミナールの相模原方面の「翠嵐湘南特訓講座」の会場は相模大野教室だったけれども、来年は会場を固定するのをやめ、例えば1回目は鶴間教室、2回目は相模原南教室、3回は相模大野教室という風に会場をグルグル回す。そして、一度でも会場になった教室は、その参加者を自校舎の合格者としてカウントし掲示する。こうすれば、特訓講座に参加した合格者が10人いれば、5教室でやれば50人分ダブルカウント、いや、これはダブルカウントじゃなくてファイブ・タイムズ・カウントかな、とにかく、そんなことだって湘ゼミ流なら可能だということになる。
若輩B:まさに、「モラルなき実績表示」ですね。
先輩A:90年代の某塾が、手法を変えて幽霊のようによみがえってきたかな。
ところで、さぁ、2人で「特色検査の問題よりも難しいかも知れない」という今日の課題にチャレンジしてみようじゃないか。