私大生:経済効果は?仕送り過去最低、生活費1日937円

毎日新聞 2014年04月04日 20時49分(最終更新 04月04日 21時41分)

首都圏の私立大生の仕送り額の推移
首都圏の私立大生の仕送り額の推移

 首都圏の私立大・短大に昨春入学した自宅外通学生の生活費は1日937円−−。東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)が4日、こんな調査結果を発表した。仕送り額は13年連続で減少し過去最低を更新。「アベノミクス」の経済効果が、1人暮らしの大学生を抱える家庭にまでは浸透していない実態が浮き彫りになった。

 調査は早稲田大、明治大など首都圏の15私立大・短大の新入生の保護者を対象に昨年5〜7月に実施。5048人から回答を得た。このうち自宅外通学は約4割。仕送り額は月平均8万9000円で、1986年度の調査開始以来過去最低だった前年度より500円下がった。仕送り額から家賃を引いた生活費は1日平均937円。2年連続で1000円を切り、過去最高だった90年度(2460円)の半分以下だ。

 同教連によると、不足分を補うためのアルバイトで疲れ切った学生も珍しくなく、生活費を節約するため安価な学生食堂さえ利用せず、昼食に弁当持参の学生も目立つという。

 文部科学省は奨学金事業の改善を図るとして、今年度予算で、無利子奨学金の貸与人員を前年度より2万6000人増やし45万2000人(1人当たり平均年間68万円)とするなど対策を講じている。同教連は、返済の必要がない給付型奨学金の創設や希望者全員への無利子奨学金貸与を求めている。【三木陽介】

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