MicrosoftがBuild 2014で発表した「Windows 8.1 Update」。4月8日にWindows Update経由で配布が始まるが、このアップデートはWindowsのバージョン番号変更を伴う大規模なアップデートではなく、一般的な不具合修正と同様の扱いで配信される。
MicrosoftはWindows 8.1 Updateを含むインストール用ISOイメージを用意しており、順次、PC向けプリインストールのイメージも変更になる見込みだが、バグフィックスを除くとドラスティックな変化の少なさに驚くかもしれない。しかし、Windowsストアアプリの振る舞いを聞けば、きっとこのアップデートを気に入るはずだ。
なお、このアップデートは開発者向けにMSDN、TechNetの加入者への配布がすでに行われているので、対象者であればすでに試せる。
Windows 8.1 Updateで最初に目を引くのが、スタート画面右上に現れた「電源」ボタンと「検索」ボタンだろう。これは右上コーナーにマウスカーソルを移動させて表示させるチャームから「設定」を選択後に現れる「電源」アイコン、あるいはチャームに現れる「検索」アイコンと同じ機能を持っている。
同じ機能を2カ所に配置しているのは、キーボードとマウスを使ってWindowsを操作するユーザーにとって、この2つが重要だと判断したためだ。マウス操作が前提ならば、いちいちチャームを出してタッチで機能を呼ぶのではなく、こうしたトップ画面のデザインで処理するほうが分かりやすいだろう。
さらに、マウス操作でスタート画面に登録されているアイコンにマウスカーソルを合わせ、右クリックをすると、その場でオンデマンドの右クリックメニューが表示される。Windowsの操作に慣れたユーザーなら、ごくごくあたりまえの振る舞いだが、これまでのスタート画面ではタッチパネル向けの選択肢が、画面下部からポップアップする形式だった。マウスでの操作では移動量が多く、決して使いやすくはない。
このように、長年培われてきた「キーボードとマウス」による操作への違和感のない対応が、今回のアップデートにおける主眼となっている。
次にWindowsストアアプリ、すなわちタッチパネルを前提とした全画面動作のアプリケーションを見てみよう。まず、マウスカーソルを上部に移動させると、タイトルバーが表示され、その左右には見慣れたアイコンが見えるのが分かるだろうか。
全画面動作のアプリだけに、ウィンドウ操作は「最小化」(他のアプリに制御を渡す)と「閉じる」しかないが、システムメニューにはスナップ操作(左に分割/右に分割)へのメニューも用意されており、一般的なデスクトップアプリに近い感覚でマウス操作ができることが分かる。
今度はマウスカーソルを下部に移動させよう。するとWindowsストアアプリであるにもかかわらず、そこにタスクバーが表示される。マウスカーソルを動かすことでタスクバーでの操作も、Windowsストアアプリに対して行えるようになる。
ここではFacebookのストアアプリにマウスカーソルを当てているが、Facebookアプリの画面イメージがプレビュー表示されているのが分かる。この上で右ボタンをクリックするとピン留めも可能で、デスクトップアプリを操作中にタスクバーからピン留めされているWindowsストアアプリを起動。再びタスクバーで元のデスクトップアプリケーションに戻す、といった操作もできるようになる。
現在、筆者はサンフランシスコへの取材に、タッチパネルを搭載していない軽量モバイルノートPC「LaVie Z」を持ち込んでいるが、当初はタッチパネルなしの操作に戸惑っていたものの、Windows 8.1 Updateを組み込んで以降は違和感なく操作できている。
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