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神保町系オタオタ日記

2014-04-04

総長と学長の違い(その2)

上記については、「総長と学長の違い」(2011年1月21日)にエントリーしたところであるが、需要があるのか、今でも検索して来る人が多い。そこで、『京都大学大学文書館だより』24号、平成25年4月掲載の北原保男「京都大学百年史にも載らない小さな出来事ーーなぜ「総長印」なのーー」を紹介。

北原氏が京大職員であった昭和41年3月、文部省から今後国立学校の長は公印の管守・使用に関し公印規則に基づき執行すること、現在使用中の公印の印影を届け出ることという通達が届いた。当時京大では、総長印を使用していたが、印箱には学長印も保管されていた。

同氏は、法令上は京都大学学長なのに、いつからどこで京都大学総長と称することを決めたのか、過去の文書を調べた。すると、29年6月8日の評議会議事録に「◎要望事項「学長」を「総長」に名称改正方について西原評議員より発言あり、これに対し一同賛意を表せり。」とあることなどを発見したという。そして、「総長印」を「官職印」として届け出る原議書を作成したそうである。また、同氏は、41年6月には「京都大学学長選考基準」が「京都大学総長選考基準」に全部改正されていること、廃案になったが38年2月12日国会に旧七帝大の総長を認証官とする「国立大学総長の任免、給与等の特例に関する法律案」が提出されていることも紹介している。