超大国の関係では、経済力や軍事力よりも信頼性が重要だ。同盟国も敵国も超大国の発言の真意を見抜くからだ。東アジアほどこのことが当てはまる地域はない。オバマ米大統領は今月下旬のアジア歴訪で、この考えを肝に銘じることになるかもしれない。
オバマ大統領のアプローチは一見しただけで明らかだ。米政府は中国の台頭に対して「関与と防御」で応じてきた。中国政府を国際システムに引き入れようとする一方、地域の同盟を刷新してきた。最近では中国が東シナ海や南シナ海で存在感を高めているため、米国も「関与と対抗」というより断固とした姿勢に傾いている。オバマ氏の日本、韓国、マレーシア、フィリピン歴訪は太平洋の一員としての米国の立場を強調することが柱となる。
■要注意国は日本
最も注意を要する訪問国は日本だろう。日本は米国にとって最重要の同盟国だが、安倍政権下で最も難しい国にもなりつつある。米国は中国だけでなく、安倍氏のことも抑えておきたいため、信頼性に曖昧さを交えた姿勢をとろうとしている。だがこの2つは簡単には混ざらない。
東シナ海の尖閣諸島(中国名・釣魚島)を巡る対立と歴史認識により、日中関係は険悪になっている。中国政府高官は安倍首相の在任中に関係が修復することはないと発言しており、双方の敵意は世論にも深く浸透している。
日中の対立が激化しやすくなっているのは、歴史に根差す恨みが表面化しているからだ。中国は過去の屈辱を解消しようと決意しているが、安倍氏は謝罪には消極的だ。このため、尖閣問題は領土問題だけでなく感情的な問題と化している。
中国の習近平国家主席は就任からわずか1年で、鄧小平氏以来となる一極体制を確立しつつある。共産党幹部の子弟である「太子党」としての地位を振りかざして集団指導体制を避け、共産党長老の意見にもあまり耳を傾けない。「中国の夢」という主張の先には、中国を一流の国に再興する狙いがあるようだ。
一方、安倍氏にも夢がある。日本は半世紀以上にわたって模範的な国際市民として行動し、協力に応じ、摩擦を避けてきた。だが、安倍氏の系譜は異なる。安倍氏のナショナリズムでは、中国の台頭は日本の再生とセットでなくてはならない。アベノミクスは日本国内では第2次大戦後に認めた過失と抑制からの脱却を伴う。
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