Updated: Tokyo  2014/04/04 18:13  |  New York  2014/04/04 05:13  |  London  2014/04/04 10:13
 

ルイス氏:私は恥じてない-「みっともない」のはバッツ社長

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  4月3日(ブルームバーグ):シカゴ郊外のデータセンターとの間を一直線で結ぶ1.5インチの黒いプラスチックチューブの存在は、今となっては有名だ。

このプラスチックチューブに近い米ニュージャージー州のある場所で、セルゲイ・アレイニコフ氏は、ハイフリークエンシー(高頻度)取引の秘密のコンピューターコードをゴールドマン・サックス・グループ から盗んだ罪で、再び収監されるのではないかと悩んでいる。

アレイニコフ氏が置かれたこの苦しくも奇妙な状況について、作家のマイケル・ルイス氏は幾つもの疑問を投げ掛け、多くの業界関係者の怒りを買う新著「フラッシュ・ボーイズ(原題)」として結実した。

高頻度トレーダーらは、高性能コンピューターの活用と取引のスピードが、投資ゲームの参加者全ての利益になると考えたいようだが、ゲームは八百長だとルイス氏(53)は主張している。 

1日のCNBCの討論番組では、米証券取引所運営会社バッツ・グローバル・マーケッツのビル・オブライエン社長が、ルイス氏だけでなく、フラッシュ・ボーイズに正義の味方として登場する米株取引プラットホーム運営会社IEXグループのブラッド・カツヤマ氏に対して怒りをあらわにし、厳しく詰め寄る面白い見せ物が視聴者を楽しませた。

ブルームバーグのニューヨーク本社でルイス氏に記者がインタビューしたのは、翌日2日のことだ。そのやり取りの一部を採録する。

-この本の発売で周囲が随分騒がしいが、驚いているか。  ルイス氏:騒ぎのレベルに驚いている。誰もこの問題に気付いていなかったということではなさそうだが。

FBIと麻薬犬

-ところで、あなたが恥を知るべきだとオブライエン氏は考えているようだが、何か恥じるところはあるか。  ルイス氏:みっともないのは彼の方だ。この人物を私がみっともない人間だと思ったという意味だ。彼の言動は、あらゆる他人の会話を遮り出し抜くという点で、高頻度取引とある意味で症状がよく似ている。他人が一つの文章を話し終えるのも許そうとしない。

-従来よりも優れた経営手法の存在を示したという点で、「マネーボール」も業界を揺さぶったと思うが。  ルイス氏:ウォール街ではカツヤマ氏がそれを行っているのだと思う。クリアであるべきことを不透明にしておこうとする人々が多い。

-米連邦捜査局(FBI)が麻薬犬と共に存在するのはそのためではないのか。  ルイス氏:FBIはインサイダー取引について捜査しているようだ。立件されるかどうか面白いケースだ。少数の市場参加者が、他の人々が気付く前に価格の変化に関する情報の通知を受け、それに基づく取引が可能だとすれば、それはインサイダー取引に相当するが、インサイダー取引に分類すべきかどうかという点がまさに問題になる。

バフェット氏

-フラッシュ・ボーイズは売れ行き好調のようだが、あなたの資金の投資は誰が行うのか。  ルイス氏:アドバイザーはいない。数年前に地方債を若干購入した際は、カリフォルニア州の地方債に詳しい人物に依頼した。私の金融ライフは、それ以外は実に退屈だ。インデックスファンドに投資するか、それともウォーレン・バフェット氏に任せて、彼に運用の心配をしてもらおうか。

(マニュエラ・ホルターホフ氏は、ブルームバーグ・ニュースのエグゼクティブエディターです。記事中の意見は同氏自身の見解です。また、マイケル・ルイス氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです)

原題:Lewis Feels No Shame as Book Sets Tempers Aflame:Interview(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Manuela Hoelterhoff mhoelterhoff@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:John Brecher jbrecher4@bloomberg.netLili Rosboch

更新日時: 2014/04/04 14:29 JST

 
 
 
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