インタビュー
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山田 諒

【CTOの職務経歴書】効率化で人を自由にする。昔からそれが僕のモチベーション|KAIZEN platform Co-Founder & CTO 石橋利真氏[前編]

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「CTOの職務経歴書」シリーズは、レバレジーズのアナリスト兼営業マンがインタビュー取材を通して注目企業のCTOに迫る企画です。

20131021yamadaこんにちは。日本で最もCTOと対談する男を目指す山田です。 今回は、Growth Hackツール「planBCD」で有名なKAIZEN platform Inc.のCo-Founder & CTOである石橋利真氏に、お話をうかがいました。

KAIZEN platform Inc.とは
「もっと簡単に、Webサービスの改善ができれば、もっとサービスの成長は加速し、ユーザーの生活ももっと便利になる。」という想いから、ウェブサービスのGrowthを加速させるA/Bテストツール「planBCD」を開発し、ロンチ数ヶ月で3億円以上を売上げを達成している注目のスタートアップ。元はてな・GREEの伊藤氏が顧問として参画するなど、技術力の高さも話題。

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KAIZEN platform Inc.が提供するグロースハックツールplanBCD」。
利用企業にはリクルートグループ、サイバーエージェントなどの
大手企業をはじめGunosyなど注目ベンチャーまでずらりと並ぶ

 

話題のスタートアップでCTOを務める石橋氏が、どのようなキャリアを経てCTOとなったのか。その道筋には、一貫した価値観が垣間見えました。

記事を前後編に分け、前半ではスタートアップ立ち上げまで、後編では立ち上げから現在までをお届けします。

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温かい雰囲気のミーティングルームで、お話を伺いました。


 

コードとの出会いは、タートルグラフィックス

山田:では、学生時代に遡ってお話を伺っていければと思うのですが、石橋さんのコードとの出会いはいつ頃なんですか?

石橋:小学3年生の頃です。父親が観光の仕事だった関係で、小3から小5までアメリカの小学校に通ってたんですけど・・・みんなサンダルか裸足で通ってるような学校で。

だけど、図書館にはパソコンが導入されてて。みんな裸足で泥まみれになって野球した後に、どどどどーって図書館行ってパソコンいじるみたいな。今考えると変な学校ですね(笑)

山田:当時から小学校にパソコンがあるなんて、さすがアメリカですね。

石橋:そこに「タートルグラフィックス」っていう、要はプログラミングを教えるためのツールがありました。アイコンが画面のど真ん中にあって、下にマクロを書けるんですよね。座標軸、色、ピクセル数を指定して、書け!みたいな。

それにメチャクチャのめりこんで。ループ文とか制御コードとかを見つけて。みんなが命令を1個ずつ書いてる中で、自動で円を作り続けるのをあみだしたり、虹色で円がキュルキュル描かれていくのを見せてみんなをビビらしてました(笑)

それが原体験の1つですね。なんか知んないけど褒められてて。「俺、これ好きかも!」って。

石橋:そこからもまた空いて、次は大学2年生くらいで、マッキントッシュが出てきました。昔ってjpgの画像一枚見るのに5分くらいダウンロード待ってたんですよ。こうやって。(腕を組んでじっと待つポーズ)

山田:時代を感じます(笑)

石橋:友人に勧められて28.8Kのモデムでパソコン通信をやりはじめて。そこで、複数の掲示板を効率よく巡回するマクロ機能を見た時「あ、これタートルグラフィックスのループと一緒だー」って気づいたんです。その頃に意識したのかなあ?どうやらSI業界とかSEっていうものがあるらしいとか・・・だから、仕事として意識したタイミング自体は遅いんですよ。

山田:確かに。就職を考える頃に初めて意識する感じですね。

石橋:最終的には、リクルートの制作会社があったんですけれど、採用して頂けまして。そこからシステム開発の世界に入りました。

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当時のネット環境についても、身振り手振りを交えて
非常に分かりやすく説明していただけました。

本&印刷の世界から社会人スタート

山田:最終的に「この会社に決めよう!」と思ったきっかけは何だったのでしょう?

石橋:新しいことをやろうとしていたのが理由の1つです。99年くらいの話なんですが、築地の端の方にある、本社と全然違うオフィスが職場でして。ただ、最初の1年はDTPを統括する部署でした。フィルムを印刷して印刷会社に渡していたのを、データ入稿に切り替えていく時代で、その啓蒙活動を担当していました。

とはいえ、やりたかったのはWeb開発だったので、1年たった頃に「Webやりたいのにやらせてくれないなら、辞めますよ僕!」って言い出しました(笑)

そしたら、前から「やらせれば良いじゃん」って言ってくれてたWeb開発の課長が引っ張ってくれて。そこで道が開けた感はありましたね。

山田:そこからプログラマとしてのキャリアが始まったんですね。

石橋:そう。遅いんですよ。

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