ポスコのインドネシア製鉄所で何が起きているのか

 ガス爆発よりも深刻な問題は、熱風の吹き込み口が詰まり、高炉の温度が低下すれば、銑鉄が固まってしまう危険性があったことだ。半固体状態となった銑鉄が再び吹き込み口を塞ぐという悪循環が起きた。高炉が完全に冷えきれば、高炉をいったん消し、内部にある鉄鉱石と無煙炭などを取り除いた上で、再稼働を行う必要がある。そうなれば、稼働再開が6カ月以上遅れかねない事態だった。ポスコは2回目の事故当時、光陽製鉄所副所長のハン・ギウォン常務(現ポスコ建設常務)ら専門技術者を派遣し、ようやく復旧にこぎ着けた。

■なぜ事故は起きたか

 ポスコは今月7日、クラカタウ・ポスコでスラブ(厚鋼片)の出荷を開始したことを明らかにした。最初の事故発生から約2カ月が経過していた。ポスコは一連の事故に関連し、「支援委員会」を設置した。事故の詳細な調査と正常操業の支援を行う組織だ。ポスコ幹部は「まだ最初の事故の正確な原因を特定できていない。現在はクラカタウ・ポスコの最終製品基準で(生産能力の)50%程度まで正常化したといえる」と説明した。

 ポスコの現地下請け業界では、同社が海外投資の成果を上げるため、クラカタウ・ポスコの建設工事を急ぎ、その結果さまざまなミスが発生したと指摘している。現地の工事関係者は「ポスコから渡された設計図を見ると、工事が難しいほどでたらめなものだった。工事期限も設定できず、資材の供給にも問題があった」と振り返った。

 こうした中、クラカタウ・ポスコの手持ち資金がなくなり、ポスコが近く増資を通じた資金支援を行うとの見方が出ている。ポスコは今年4月末か5月には正常な稼働が可能だとし、「最悪の状況からこれだけ復旧できたことも、ポスコの技術力を示している」と主張している。

チョ・ジェヒ記者
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