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ノーベル賞級への黄金律 認められる1%にかける

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2014/4/4付
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 アジア各国の中で唯一、ノーベル賞受賞の研究者を輩出する日本。理化学研究所の「STAP(スタップ)細胞」論文問題で揺れるが、科学技術力はニッポンの活力源だ。先駆者(イノベーター)になるには世界の研究者と闘う論理性、実証力が問われる。独り善がりの研究は認められない。ノーベル賞級の成果を上げた研究者の条件、黄金律を浮き彫りにする。

三菱化学が中村修二氏と共同開発した高効率のLED素子
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三菱化学が中村修二氏と共同開発した高効率のLED素子

 研究分野は違ってもまず共通するのは、並はずれた好奇心と執念だ。

 免疫をつかさどる分子「IL―6(インターロイキン6)」の遺伝子を1986年に発見した岸本忠三・大阪大学特任教授は「真理を追究すれば、おのずと役に立つ成果が出る」と明かす。

 「免疫とは何か」から研究は始まった。日々、世界中で多くの研究論文が発表される。先を越されたと諦めたらそれまでだが、真理の追究には終わりはない。この後、研究成果をもとに中外製薬が製品を開発、産学連携の成功モデルとなった。分子の発見は、IL―6の作用を抑えて痛みを鎮めるリウマチ薬などにつながった。

 最近の研究者は2~3年ですぐに結果が出る研究を好むと言われるが「安易な研究テーマは選ばない」(岸本特任教授)。この覚悟が未踏の研究領域を開いた。

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■失敗あきらめず

 日本の研究者は主要論文誌に年間7万本を超す論文を出すが、世界が強く関心を示す論文は1%にも満たないとされる。海外の研究者と共同研究する論文は年間2万本あるが、複数の国の研究者が参加する論文は1割程度とみられる。世界の舞台で認めてもらうには、好奇心だけでは不十分だ。独善的な持論や思い過ごしでないことを証明する力が必要になる。

 研究現場では論文の発表は国内外の研究者に論争を吹っ掛けたに過ぎない。画期的な発見や理論であるほど真偽の追及は厳しい。自分の仮説をだれもが分かるように実証してみせる能力が問われる。実験手順が明快なほど結論は説得力を持つ。「ひょっとして」を自らの実験の力で確かめられる研究者はひとつ上の世界で戦える。

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ノーベル賞級への黄金律 認められる1%にかける

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